docomo回線でIPv6シングルスタック接続を先行体験する

IPv6に対応したと言われて数年経つドコモ回線ですが、「接続先設備によってはIPv6アドレスが割り当てられない場合があります。」という一文があり、spモードでIPv6が振ってくるのを見たことがない神奈川県民です。IIJの中の人の調べによると、都内でひたすら機内モードを入り切りしているとつながることもあるらしいですが、逆にいえば一律のサービスとして保証はしておらず、設備更新したとこから順次提供という雰囲気で安定して使う方法はなさげ。世の中5Gの時代だというのに嘆かわしい。現状追加料金なしでIPv6を使えるのはソフトバンクかIIJmioなど一部のMVNOという感じぽいですね。

そんなドコモですが、一足飛びに2022年春からIPv6シングルスタックを導入する予定があるようです(以下IPv6SS)。IPv4/v6のデュアルスタックがまともに整備されないままv6オンリーになるということ。もちろんそれまでに世の中全てのサーバーがv4を廃止できるわけはないので、局設備側でIPv4-v6変換をして既存v4ネットワークとの接続も確保してくれるようです。光回線でIPv6 IPoEを使ってIPv4 over IPv6を提供しているようなことをモバイル回線でやるわけですね。そして各種サービス事業者向けに不具合がないか検証する用の先行確認用のAPNが2021年12月3日まで提供されています。

自鯖が正しく見えるかなどの検証も兼ねてちょっくら試してみました。iOSならば上記ページでQRコードを読み取ってプロファイルをインストールするだけ。モバイルルーターのSH-52Aは対応機種に載ってませんがAndroid用のAPN情報を自分で設定したら使えました。配下にWi-FiでつないだPCもきちんとIPv6になりました。

  • 当環境のご利用にあたっては、パケット通信料がかかります。
  • 当環境への接続により発生した通信料は、お客様ご負担となります。

などと書かれていますが、ギガホなどの対象外だよとかは明記されてないので大丈夫(対象内)じゃないでしょうか(ドキドキ)。

試した限りではIPv4通信も特に問題なくできている感じでした。自前サーバーのIPv6アドレスともばっちり通信可能でした。

一応PC(Wi-Fi6接続)から速度テストもしてみましたが、IPoEのようにIPv6経由だから速いという優位性はなさそう。下記の写真だけみるとspモードの方が速そうですが、計測する度にバラ付きが大きいのでなんともですが。ほぼ同じと言って良いと思います。IPv4サーバーへの速度目的で常用する価値はないでしょう。むしろ変換サーバーを経由しているのに遅くなっていないだけでも立派だと考えるべきでしょう。IPv6サーバーで速度を計測できるところが見付からなかったので未検証です。

spモード
IPv6SS
spモード
IPv6SS

一方、v6プラスなどのIPv4の開放可能ポートが制限される環境で、モバイルから自宅サーバーへのアクセスを確保したい人は今すぐ常用したいレベル。でも試験目的で開放されているAPNなので、常用するのは憚られますね。2022年春にどういう形で提供開始されるのかわからないですが(ある日全ユーザがIPv6SSになるのか、新機種や新規契約者から段階的にデフォルトAPNが置き換わっていくのかなど)、楽しみでなりません。

HomePod mini到着!

iPhone 12 Pro Maxと同時に注文したものの、こちらは送れて到着。先日無印のHomePodを2台立て続けに買ったばかりですが、スマートスピーカーとしてのSiriを見直しつつあるところなので、他部屋でも使いたくて一応買ってみました。

■音楽用スピーカーとして(まぁまぁ)

まず、音楽用としての音質ですが、ニュートラルで聴きやすい感じ。いい意味で無印HomePodの時のように「低音つっよ!」という感じにもならず、非ハイレゾ音源としては充分高音質だと感じました。大きめの音量にしてBGMとして聴くにはアリ。

一方で、デスクに置いて正面から聞くのだとやはりステレオ配置のものには及びません。下の写真のようにAmazon Echoの下位モデルdot(第3世代)を2台でステレオ化したものと比べても、やはり広がりは今ひとつ。もちろんHomePod miniも2つ買ってくればステレオになるわけですが、同じ値段でdot 3rdは2つ買えてしまうことを考えるとコスパ的には、、、という感じ。EchoもApple Music再生できますし。あとEchoの強みは低音、中音、高音を好みでイコライズできる点ですかね。HomePod/miniは自動でいい感じにしてくれますがユーザが好きにできる余地もない。

HomePod miniをステレオ化した時の実力も見て(聴いて)みたいものですが、1枚目のGoogle Nest hubもあってもう自室にはスマートスピーカーだらけだからなぁw。どちらかというと各部屋に分散してインターホンとして使いたいかも。

■操作UI(イマイチ)

基本的な操作はHomePodと同じ。折角上面にカラータッチディスプレイを搭載しているのに、用途としてはSiri聞き取り中にモヤモヤを表示するのと音量+/-ボタンを出すのみ。曲名とかは出ません。もったいない。HomePodと違いデスクサイドなど手の届く場所に置く人も多いかと思いますが、センターのタップで再生/停止ができて便利なものの、曲スキップなどは付加。実質Apple Music専用機なんだからLike/Dislikeくらいはさせてほしかった。音楽を聴いてる時にLike入れるために音声で曲を遮るとかしたくないものです。

このディススプレイって実はすごく解像度が低いものを光学的にボカして表示していて実際には文字を出せるほどの表示能力なかったりするんですかね?

U1チップを使った(?)iPhoneとの連携機能ですが、確かにHomePodよりも敏感というか雑に近づけても反応するようになった気がします。ただそれだけに意図しないタイミングで動作したりします。例えば1枚目の写真のようにデスクトップに設置して、脇のスペースにiPhoneをちょっと置いたら反応してしまい、再生中の音楽がiPhoneに移動したりしちゃいます。無印のように上部ディスプレイにタッチした時だけに反応してくれる方が良かったかも…

Appleらしい「オシャレなんだけど使いづらい(できることが少ない)」仕上がりです。

■音声UI(イマイチ)

HomePodというよりSiriの評価になってしまいますが、まず音声でできることは少ないです。例えば近所のお店の営業時間を聞いた時に、正しい答えが返ってくる率はGoogleアシスタントに比べるとかなり低いです。全然関係ないお店の情報を延々と読み上げられたりしてイラっとします。

また連携できるHomeKit対応デバイスもGoogle/Amazon勢に比べると少ない、というかほぼ無い。ウチだとデロンギのマルチダイナミックヒーターくらい?これも旧モデルはHomeKit専用でしたが現行ではGoogle/Amazon勢に移行しちゃいましたし。

前に書いたようにNature Remoを使って、さらに自分で宅内サーバーを建てられるくらいの人でないと家電コントロール面でも実用にはならないと思います。

■汎用性(イマイチ)

基本、AppleMusicとAirPlayレシーバー兼Siriデバイスです。せっかくデスクサイドにおいてもPCや他のデバイスのスピーカーやマイクにはなりません。音も集音性能もいいはずなので、Mac/PCからスピーカーマイクとしては使いたいですよねぇ。FaceTimeや電話には使えますが、LINEやZOOMは無理。Bluetoothスピーカーにもなりません。HomePod無印も同様ですが、他の安いスマートスピーカーに比べて「高いけどこれができる!」ってのが別段ないという。

■インターコム(対応デバイスがたくさんあれば…)

こちらも便利ではありますが、気付けばGoogle Home(ブロードキャスト)でもAlexa(アナウンス)でも同じ様なことができるようになっているので、絶対的なアドバーテージとしては言えないかなと。Apple WatchやAirPodsでも聞けるのはAppleデバイスに囲まれた人にはいいかもですが、逆にAlexaのアナウンスなんかは文字興しをしてスマホに通知してくれるので、別にそれでもいいかという気もします(Apple Watchでも通知を許可してれば読めるんじゃないかと)。

インターコムの利点は返信がちょっと楽なところですかね。ブロードキャスト、アナウンスともに一斉片方向連絡用です。返信しようと思ったら同じようにブロードキャストやアナウンスを使って返せばいいんですが、ちょっとスマートじゃない感じ。まぁ音声コマンドのデザインだけの違いな気もしますが。この辺りはもう少し使い比べてみようと思います。

■まとめ

まぁなんかコスパまで考えると絶対的な優位点を挙げるのは難しいですね。Appleデバイスまみれな人/家族でお財布に余裕がある人には良い製品だと思います。もう少し安ければウチの実家なんかには配備しておきたい。一方、我が家は同居人がAndroidメインなのでちょいと微妙。一応AppleWatchはもっていて(無理矢理押しつけて)トランシーバーはよく使ってますが、それの代わりになるのかどうかというところです。

音楽用に2つ買うにしろ、家中あちこちに置いてインターホンとして使うにしろ、Echo dotやGoogle Nest miniなら(セールなどで)倍の台数買えるというところをどう考えるかですね。

 

iPhone 12 Pro Maxファーストインプレ

発表イベントを見た直後は、あまり魅力を感じず、3Gから毎年買い続けたiPhoneもついに今年はスキップもアリかなぁとまで思ってiPhone12シリーズですが、結局12 Pro Maxを買いました。色はブルーと悩みつつもシブめのグラファイト。容量はここんとこ256GBでも半分くらい余らしていたので今回も256GBで。

買い換えの動機として書きだしてしまうと結局全部になってしまいがちですが、11 ProMaxとの違いも含めて列挙しておくと、

  • LiDAR搭載
  • Dolby Vision方式HDRによる4K/60p撮影
  • Apple Pro RAW撮影(予定)
  • MagSafe充電システム

という辺り。

■LiDAR搭載

FaceIDでも似たようなことをやってますが、背面側カメラにも詳細な距離が計測できるセンサーが搭載されました。例えばポートレートモードの背景ボカシでより正確に境界線を認識するのに使えたりしますが、写真撮影に使われるのは現状ではナイトモードのみ。LiDAR非搭載の12無印含め画像処理で充分ということなんでしょうかね(そうとは思いませんが)。

写真以外では3Dスキャナ的な使い方ですね。内蔵カメラで多方向から撮影した物体をARデータにして共有したりできます。猫飼いとしては早速猫をスキャンしてシェアしたいと思ったんですが、猫が起きてる限り、カメラを向けるとそちらに顔を向けてくるので、まともに撮影できませんでしたorz。なか顔だけブレたみたいになったり、目が2つ以上ある妖怪みたいな見た目になります(笑)。そのうち寝ている時にチャレンジしようかと。

■Dolby Vision方式HDRによる4K/60p撮影

4K/60p撮影は結構前の機種から対応してましたが、普段撮りで多用するとストレージがもったいないので普段は1080/30p設定にしていました。今回はさらにHDR(明るい部分と暗い部分の落差が激しい写真でも綺麗に撮れる)にも対応ということでちょっと興味が。有機ELの機種ではHDRデータを表示すると一時的に輝度を上げてギラっとした写真や動画になるようでこれはちょっと興味があります。自宅のテレビもHDRに対応はしてますが、DOLBY Visionとはまた違う形式なので、互換性がどうなるかまだ不明。内部的にはHLGという以前からあるフォーマットっぽいので、なんかしらの手段でYoutubeとかに上げてしまえば正しく再生できそうではあります。

とりあえずこれまた室内で猫録りをしてみましたが、確かに60pだとヌルっとしていてリアルな映りです。まるでスマホの形をしたただのフレーム越しに現実の風景を覗いているような。HDRであることがどれくらい効いているかはわからないですが、これは使わないともったいないなという気がしました。どうせストレージも余ってるので、今後は4K/60pをデフォルトにしつつ、共有時の汎用性などは留意しておきたいと思います。うっかりメモ的なものを4Kで撮ってしまった場合に、Premiere RushとかiMovieとか使わずにさっと「写真」アプリ上で1080pや720@\pにダウンコンバートできるといいなぁと思います。

■Apple Pro RAW撮影(予定)

これは近い将来のアップデート(14.3?)での対応とされてますが、いわゆるRAW形式で写真が撮れるようになります。いままでのLightRoomなどサードパーティアプリではできてましたが、より手軽に扱えるようになりそう。私はホワイトバランスをよくいじるんですが、RAWだと後からWBを変更しても劣化しにくいというか、撮影時の設定を変えるのと同等の画質で保存ができるのでこれは期待したいところです。

AppleにはProRes RAWという動画のRAW形式もあって紛らわしいですが、どうやら今回は静止画のRAW対応ということのようです。さすがに動画のRAWはまだスマホでは難しそうですかね。

■MagSafe充電システム

従来のQi充電にマグネットの位置あわせ&吸着機構が加わり、専用充電器との組み合わせであれば充電速度もアップしました。

ただ背面にストラップ(またはストラップ付きケース)をつける派の私はあまり魅力ではない、というか関係ないなという印象でした。ただまぁ今後サードパーティから充電以外の用途を提案するような商品が出てきたら化けるかもなとは。実際Apple純正のカードホルダや、サードパーティでは撮影ライトなど写真用パーツなども発売予定のようです。個人的には上記の背面ストラップが手軽に脱着できるようなものが出てくれると、例えばベルトが布やゴムでお風呂で濡らしたくない時にさっと外しておけたりして便利かなと。ただMagSafeの磁力でそこまで安全に保持できるかどうかは微妙?

せっかくなので一応純正20W充電器とMagSafe充電器を買ってみました。案の定最初に買った背面ストラップ付きのケースはNGでした。磁力吸着しないばかりか充電自体できません。

ばかりかQi充電器でも反応悪くなったり、ストラップやボタンの使い心地も微妙なので降板させることに。

次に買ったのはこちら。

シリコンかなにかで背面が非常にスベスベでボタン類も押しやすいです。これ単体だとMagSafe充電器の吸いつきや弱いもののの充電はできてるぽいです。ただ貼り付け式の背面ストラップをつけてしまうとアウト。しばらくはストラップ無しで気をつけて使います。

あと、早速仕事の速い中国メーカーでケースに貼り付けるためのMagSafe互換マグネットチップが売られているようで注文してみました。これを任意のケースに貼り付ければ純正ケースのように磁力を補ってくれるかなと期待。

MagSafeはカーマウント方面で早く商品が充実してほしいものです。エアコン吹き出し口にはつけたくないので、ベルキンのアレ以外で早く!

■まとめ

iPhone 12 miniもガジェット感は高くて捨てがたかったですが、はやり電子書籍読むのに大型画面が欲しかったのと、Pro固有の望遠、RAW撮影などの写真機能が魅力で12 Pro Maxにしてみました。現状そんなに作例を作れてないですが、HDR 4K/60pが再生も含めてとてもハッとする出来映えで満足しています。あとはMagSafe含め理想のケースと出会えればなと。