新天地6GHz帯が使えるWi-Fi6Eルーター BUFFALO WNR-5400XE6を即買いしたが…

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今か今かと待っていたWi-Fi 6E対応製品。2022年9月2日に6GHz帯Wi-Fi使用の認可がおりたことを受け、本日9月5日に以前からチラ見せされていたBUFFALOとNECの6E対応製品が発表になりました。

NECは6GHz帯で4802Mbpsが使え、有線LAN/WANポートがそれぞれ10Gbpsの上位モデルWX11000T12と、廉価のWX7800T8を出しました。発売日は少し後で9/15。単体でみるとWX11000T12の全部入り性能は魅力でしたが、2台でメッシュとなるとちょっとお高いので敬遠。

対するBUFFALOは有線WANのみ2.5Gbpsで、LANは1Gbps x3。6GHzも2401Mbps止まりとやや妥協のみられるスペックのWNR-5400XE6、1機種のみ(2台セットはある)。

我が家はもともとBUFFALO中心でEasyMeshを組んでいたので、6Gbpsの拡張という意味ではお手頃かなと思いこちらをチョイス。

4台で組んでたうち、なんだか調子が悪い中継機とEasyMesh互換だからと買ったLynkSys製ルーターをルプレイスするべく2台セットモデルを購入。

現況の詳細は以下の記事で。

せっかく使い放題の6GHz帯域で2×2の2401Mbps止まりなのはもったいないんですが、スマホが2×2からアンテナを増やすことはそうそうないだろうなと思って妥協しました。

■5GHzの不満と6GHz帯への期待とは?

現行の2.4GHzや5GHzの不満と6GHzのメリットを簡単に説明してみます。最近のWi-Fi高速化技術はチャンネルボンディングといって複数のチャンネルを束ねて速度を出すことが基本です。まず2.4GHzはもっとも普及率が高く、電波の到達性も良いため、ご近所とチャンネルが被る率が半端ないです。しかも電子レンジ、コードレス電話、Bluetoothなど免許不要の規格が入り乱れる帯域なのでさらにノイズが多い場所でもあります。ここはもう一部の安い5GHz非対応のIoT家電用と割りきるべき帯域です。

次に電波の飛びは悪いものの、より速度が出やすいともてはやされてきた5GHzですが、W52、53、56とチャンネル域がわかれており、法律との絡みがあります。W52はもっとも初期から認可されていたチャンネルで屋外でも使える一方、4chしかなく最近のボンディングをしたら1束しか入りません。次に拡張されたW53やW56まで使えばチャンネルにこそ余裕が出るものの、DFSという航空や気象レーダーと干渉してないかチェックする機能が義務化されています。DFSが定期的に働いて1分ほど通信が途切れるのです(一部業務グレードのアクセスポイントだと5GHzを2系統もっていて、途切れないものもあります)。我が家は木造2F建ての割に4台もアクセスポイントを設定して電波強度なども試行錯誤して最適化しているにも関わらず、定期的に通信断が起こるのがストレスでした。それがDFSのせいか確証はないのですが、もうあとはそれくらいかなと。

そこに新しくWi-Fi使用が認可されたのが6GHz帯です。基本屋内用ですがDFSが不要なのです。24時間不断で使えるチャンネルがドカっと拡張され、利用者のほぼいない現在であれば使い放題というわけです。

もちろん、端末側も対応が必要ですが、我が家では現時点で、

  • 同居人のMSIゲーミングPC、Tiamat
  • 自分のゲーミングPC、Razer Blade 14
  • 同居人のメインスマホPixel 6 Pro

があります。まぁ順調にいって今月でるiPhone 14シリーズも対応するんじゃないでしょうか。ということで、メインのノートとスマホはわりと対応してそうなのでどんなものかと、国内最速で導入してみることにしました。

■設定画面

2台セットで、EasyMeshのコントローラー(親機)とエージェント(子機)のペアリングが組まれた状態で出荷されていますが、我が家の既存EasyMeshメッシュに追加するために速攻で初期化。

設定画面の見た目は従来機とほぼ同じで、6GHzの項が増えてる感じです。

設定画面

・チャンネル番号の謎

手動選択できるチャンネルは、191/195/199/203/…/279/283chと24チャンネルもあります。これはチャンネルを束ねない場合の数になります。飛び飛びなのは6GHz帯域のチャンネル番号の振り方のルールのせいのようです。ここに並んでいるのはチャンネルを束ねない20MHz使用時のチャンネル番号ですが、40MHz(2束)、80MHz(4束)、160MHz(8束)も場合にも番号が振られていて、ITmediaのこちらの図表のようになっています。1chと5chを束ねて40MHzで使う時は3ch、みたいになっています。

そして6GHzのチャンネルは1ch始まりで2.4GHzや5GHzのチャンネル名と被ってて、チャンネル名だけではどの帯域か区別がつきにくいよねって話だったんですが、何故かこのBUFFALOの画面では191ch始まりとなっています。

もっと以前の海外動勢に関する記事では、こんな風になっており、190番台はかなり右寄りになっています。しかし今回日本で認可されたのは5925~6425MHz帯(1〜93ch)で、右寄りの6425~7125MHz帯は保留となっているはずなので、正直よくわからん状態です。既存の2.4GHz、5GHzのチャンネル番号とかぶらないナンバリングがどこかの段階で決まったんですかね??肝心のBUFFALOのサイトの図表ではチャンネル番号が記載されていないのですよね。

ちなみに「倍速モード」を変更してもチャンネルの刻みは変わりませんでした。

・EasyMeshのコントローラーはなんとなく移行

BUFFALOのEasyMeshの仕様上、コントローラー(メッシュの親機)以外はWi-Fi設定が電波強度(100/75/50/25%)以外ロックされてしまいます。6GHz帯の設定項目が存在しないWXR-5950AX12をコントローラーにした場合、なんだかおかしなことになりそうだったので、思い切ってWXR-5950AX12をコントローラーにしてみました。EasyMeshのコントローラー/エージェント切り替えは側面物理スイッチのROUTER/APかWB(中継機モード)でかわるらしく、WNR-5400XE6を(ウチではルーターとしては使わないので)APにし、元々APになってたWXR-5950AX12含め、全てWBにしてしばらく放置したところ、勝手に各エージェントが新コントローラーに紐付けなしできたっぽいです。引っ越し機能は一切使ってないです。ちなみにバックホールはすべて有線LAN。

・管理画面の見た目変わらないけどHTMLレベルでは作り直し?

ほとんどの人にはどうでもいい情報ですが、管理画面のHTML構造が結構かわってました。ウチはEasyMeshのデバイス一覧画面が全部UNKOWNと出るだけで識別ができないので、JavaScriptでMACアドレスを照合して機種名に置き換えるChrome機能拡張を作ってるんですが、結構改修しないと動きませんでした。デザイン(見た目)は使い回しなものの、内部的に色々と再構築されてるのかも知れませんね。

■え、まだつながらない??

さて、いよいよ6GHzどうよ?というところなんですが、残念ながら一晩おいてまだ1台も接続確認ができていませんorz。

・Windows 11

Razer Blade 14′ 2021でAX210の8月頃の最新ドライバーをIntelからおとして入れてみました。デバイス名にWi-Fi 6Eが含まれてるし、各種設定項目には6GHzに関するものが見えるので対応/認識してるのは間違いないのですが、6GHz専用に設定したSSIDが見れません。メッシュ(バンドステアリング)のSSIDにつないでも、5GHzのチャンネルにつながってしまうようです。

Windowsで6GHzに対応したWi-Fiアナライザも発見できておらず、そもそも見えているかどうか不明。

・Android

Pixel 6 Proですがこちらも同じでWi-Fi一覧に現れません。こちらは6GHz対応のアナライザアプリを見つけて入れてみたんですが、6GHz帯域に反応なし。

これはどうも、どちらもハード的にはWi-Fi 6E対応なものの、ファームウェアレベルのリージョンロックがかかってるんじゃないかという気がしてきました。出荷時点では日本は6GHzが認可されていなかったので電波を飛ばさないようにロックされていた的な。今後あらためて技適通ったファームウェアやBIOS、ドライバーの更新を待たないといけないということになりそうです。

考えてみたら当たり前とも言えますが、勇んで初日に特攻した結果がこれで残念…

Pixelはおそらく対応してくれるものと思いますが、RazerとかMSIはどうなんでしょうねー。Intelのドライバーだけで対応できればいいですが、BIOS対応まで必要となると島国向けサポートがあるかどうか、あったとしてどれだけかかるか…

もう少し他の購入者の接続成功例を探してみつつ、対応を待ちたいと思います。結局、最速対応は今月末のiPhone14なんてこともあり得ますかね〜。

悲願の木造2F建てフロア間 有線LAN化

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昨年夏に引っ越した木造2階建ての現家ですが、どうにもWi-Fiが安定せず困っていました(前の家も前の前の家でも同じこと言い続けてアクセスポイントを散々乗り換えてきてるので、なんか呪われた(異常電波を発してる)デバイスでも一緒についてまわってるんでしょうか…)。先日BUFFALOのWXR-5950AX12がついにEasyMeshに対応したもののいまひとつ。玄関先のGoogle NestCamなどもちょいちょい切断通知が届く状態。

もともと入居直後からなんとか1Fと2Fの間や他の居室を有線LANにできなか検討はしていたものの、古い木造だからか電話やテレビアンテナ線のところに配管が通っておらず、賃貸なので手を出せる範囲も限られていて悔しく思っていました。お風呂場に点検口がありそこにテレビのブースターがきて各部屋にスター型にケーブルが延びているのは確認できたものの、配管は通って無くて同軸ケーブルが壁に直打ちで固定されていってる感じ。壁でも剥がさなければどうにもならないだろうという雰囲気。

BSはサッシにニンジャケーブルを通してバルコニーから各部屋に屋外経由で通したんですが、LANケーブルの同じ様なものはツイステッドペアになってないせいか極端にノイズに弱く100MbpsでしかリンクしないとInternet Watchの記事でみていて除外。

PFCも進化は止まっているし、CATVのようにテレビの75Ω同軸ケーブルの重畳して通信するという同軸モデムでも1Gbps。しかも子機がどこにも在庫なし。

現時点で階下のリビングなどにはマルチギガビットイーサ以上のデバイスはないですが、どうせなら10Gbps通るようにしときたいなぁと。

■残るはエアコン配管を伝っての屋外配線のみ!

いちかばちか業者に依頼したらなにかミラクルな方法で通線してくれるかも!とか思いつつ、現実的には望み薄だろうなぁということで、最終手段としてエアコンの穴を通して外壁に出し、同じくエアコンの配管カバーの中を伝って1Fにおろして、再びリビングのエアコン穴から部屋に引き込むという方法にチャレンジ。なんとか年内に結構するぞと情報とパーツと道具を集め始めました。

2Fの高さにあるエアコン用のダクト。並のハシゴでは届かない高さ…

まず2Fの光ファイバーを引き込んである私の仕事部屋のエアコンは室外機が地上置きでした。作業のためにカバーを外したりするには5mクラスのハシゴが必要になります。しかしそんな二度と使いそうにないもの買っても置き場所に困ります。そしてなによりかなり危険になります。ちゃんとやろうとするとヘルメットやら安全帯やら買い揃えてかなりの額になります。しかもそれらも作業後使い道があるとは思えない。そこだけエアコン業者とかにお願いしてみようかとも思いつつ、まずななんとか室内側から頑張ってぶっこんで通線できないかチャレンジ。

最初に購入したのはこの通線ワイヤー。安くて細い。

当初は細い方がわずかな隙間でも通りやすくて良いかと思ってのチョイスでした。しかしいくらやっても通る気配なし。レビューにも書かれていますが「コシが弱い」ためなにかにぶつかるとフニョンと曲がってしまい、貫通力がありません。最終的にどこかおかしなところに入っていったまま絡んで引き抜けなくなり、途中で切断して壁の中に残置するハメになりました…

ちなみにワイヤーやケーブルを滑りやすくするために、こちらの潤滑剤も購入。あるとないとでどれくらい違ったかは不明ですが、まぁ気持ち的には塗って良かったかなと思います。パラフィンワックスと書いてあるのでロウを塗ってる感じですかね。乾いたあとも無駄にベタつかず悪くなかったです。迂闊に5-5-6とかぬっちゃうと後でホコリやゴミがついてエラいことになるでしょう。使い終わったワイヤーも雑巾でぬぐってやれば特に残ってる感じはしなかったです。

デンサン 入線潤滑剤 デンサンウェット 0.5L ND-55S

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次に買ったワイヤーはこちら。ケースがついてない分安いですが、10年くらい前に横浜市の公立小中学校のネットワーク配線ボランティア(ネットデイ)に参加した時に触った業務用ワイヤーの記憶と同等の使用感でした。

エアコン下部パネルをあけてダクトから入線

先端がより柔らかいワイヤーのパーツと、単なる金属ヘッドの側があり使い分けができます。結果的にはサムネで下側にある金属ヘッドのみの方が貫通力があって実用的でした。

ケースがないので縛りを解いた時点や解いていく過程で突然びよーんと飛び跳ねることがあるので不便且つ危険です。こういう時にやはりケースがあればスムーズに出し入れできて良いかなと思いますが、これが以外と高いんですよね。1回しか使わない場合は悩ましいですが、単に保管用というよりは作業自体が楽で安全になるものなので買うのもアリかと思います(セットのものもあります)。

さて、残念ながらこのワイヤーだけでは通せませんでした。エアコンの陰で見えている壁穴からいくらつっこんでも外壁側に出てくる兆しなし。いわゆる貫通スリーブというものが使われておらず、ワイヤーの先端が内壁と外壁の間に入ってしまい延々と壁の中に潜ってしまっている感じ。

因幡電工 ツバ付貫通スリーブ FPW-65

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ブラインド作業ではどうにもならないということで、次に購入したのがこちらのファイバースコープカメラ。前にも買ったはずですが見付からないので。

この手の商品は、

  • 専用モニター付き
  • スマホで受信できるWi-Fiトランスミッター付き
  • 単なるUSBカメラ

の順にお値段が安くなっていきます。うちにはモニター代わりになるタブレットなどはたくさんあるので一番安いUSB型をチョイス。カメラがサイドにもついているタイプが状況把握に便利かなと思ったんですが、8千円〜1万円以上と高かったしカメラユニットの径が大きくなることで入れない場所も出てくるかなということで、この安いのでダメだったら追加で買うということに。

結果、この安いカメラだけで劇的に効率があがり見事通線に成功しました。今回の場合は穴からほんの十数cmの外壁側の口が見えれば充分でした。そこに防水の粘土が持ってあり、そこを正確にワイヤーで突くことで貫通できました。2Fから1Fにのびる化粧カバーのうち、地上から既有のハシゴで届く部分までを外し、なんとかそこまでワイヤーを通すことができ、1Fのエアコン穴から再びリビング室内に通線できました。

購入したケーブルはこちら(実際には白を買いましたが執筆時点で売り切れなので別色にリンクしてます)。

カテゴリとしては、7,8は論外として、5e、6、6Aのどれかになるかと思います。5eは10Gbpsが使えないですし、6Aになるとコストが上がるのとノイズ対策でしなやかさが劣るため通線作業が難しくなるのを懸念して間をとったCat6にしました。Cat6も50mまでは10Gbps通信が可能で、今回の経路ではそれを超えることはないので問題なし。またちょうどこの作業をする1週間くらいまえに出たこの記事で、6も6Aも速度に差が無かったという実験結果だったので。

100mはどう考えてもいらなかったですが、これ以下も見付からず。ただこの巻きから調子のってスルスルと引き出していったところどんどんねじれが貯まってグチャグチャに絡んで大変なことになりました。途中で作業を中断して、反対側を全部巻き取りなおすハメに。なにか丸太みたいなものに通した上で回していけば良かったのかも知れません。そう考えると、こういう中にリール(?)が入っていて穴から引き出す梱包タイプのものにすれば余計な苦労しなくて済んだかなと思います。

節約して上のケーブルにする時は、よくよく慎重に引き出すようにしてください。

ついに階下のリビングに引き込み成功!

大昔に買った成端工具はCat5eまでしか対応していなかったのでこちらも新調しました。

サンワサプライ かしめ工具(ラチェット付) LAN-TL8

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ハサミ型ではなく、憧れの爪の反対側から垂直にかしめるタイプ。8本の芯線に均一に力が入るため仕上がりがよい(通信品質が良くなる)というヤツです。昔はPANDUITとか1万円以上して手が出なかったんですがいつのまにかお手頃になっていました。ラチェット付きなので握りが足りずに半端なところで緩まって失敗、なんてこともなく既定の深さまできっちりかしめることができます。

あとはコネクタとスリーブ。コネクタはCat6の単線に対応しているものを選べばOK。今回2経路ひいて4箇所の成端が発生したので10個入りで足りました。

サンワサプライ モジュラーカバー(先付けタイプ) ADT-MC7L

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スリーブは先にケーブルに通しておかないと詰むヤツ。今はパカっと開いて後から挟むようにつけられるものもあります。爪も保護されるタイプなのでこれから買うならこっちの方がオススメです。

エレコム ブーツパック(グレー・6個) LD-ABLG6

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久しぶりの成端

■ついに有線開通!

EasyMeshのエージェント(子機)も有線バックホールになりました。

リビングのAppleTVも有線で速度バッチリ。YoutubeやNetflixの4Kコンテンツも解像度落ちせずに快適に再生できるようになりました!

リビングのAppleTVでもルーターのある部屋のデスクトップ機と遜色ないスピードを達成

■まとめ

やろうやろうと思いつつふんぎりがつかなかった有線LAN配線ですが、最近とみに他室での通信状況が悪く、ついに重い腰をあげ、色々購入費用は嵩み、「最初から業者に依頼した方が安くあがったんじゃね?」という疑念はありつつ、今は達成感で一杯です。

工具も買ったし部材もだいぶ余っているので、実家とかも折を見て再配線、追加配線などしたいものです。

ついに我が家のBUFFALOルーターもEasyMesh対応更新、他社製品ともメッシュを組んでみた

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我が家のWi-Fi環境はBUFFALOのWi-Fi6 (4803+1147Mbps)、有線WAN/LAN 10GbpsのWXR-5950AX12です。スペックだけは立派なもののとにかく不安定で突然の再起動などしょっちゅう。夏は外部冷却ファンでずっと風を当ててないとまともに使えないシロモノですが、なかなか同格スペック(特に有線LAN仕様)のものがないので買い換えられずにいます。最近ではせっかくのWAN 10Gbpsを無駄にすることになりますがルーターをYAMAHA RTX1210に戻し、本機はWi-Fiアクセスポイントのみと役割分担させることにしてだいぶマシになりました。熱負荷の問題なのか、ルーター部分に致命的なバグを抱えていたのか不明ですが、かなり再起動の頻度は減った気がします(ログをみても起動時の記録が出ないというハンパ仕様なので気付かないだけかもですが)。

ちなみに現在は消費電力値だけわずかに落ちたWXR-6000AX12が登場しています。

あまりに熱暴走がヒドいのでなんらかの省電力対策をした(だけな)んじゃないかと疑わしいモデルですが、少しはマシになってるんでしょうか。

また我が家は木造2階建てなんですが、こんな立派なアンテナでも全然電波が行き渡らず、(当時同型機のみしか中継機能が使えなかったため)なんとこれを2台も設置しています。それでもトイレや風呂場など微妙なところが多々あります。「3F建て対応」とはなんなのか。

■BUFFFALOのWi-Fi6モデルが全機種EasyMesh対応することになった

そんなこんなで騙し騙し使いつつ、良い代替機種が出たら思い切って買い換えかなぁなどと思っていた折り、BUFFALOから見出しのようなアナウンスがありました。EasyMeshとは業界標準方式でメッシュ(中継ネットワーク)を組む規格です。従来メッシュWi-Fiは各社独自規格でしたがEasyMesh対応を謳う機種同士ならばメーカーが違っても使えるようになるわけです。BUFFALOがWi-Fi6世代のモデルは既発売製品も含めすべてEasyMeshにアップデート対応するぞといいだしたわけです。ということは将来的に中継端末を増やす選択肢が増えたり、徐々に様子を見ながら入替をしていったりと自由度が高まることになります(メッシュモデルはまとめ買いすると高いので)。

WXR-5950AX12のファームウェア更新もしばらく途絶えており、「このまま不安定さの抜本的解決もなされないまま放置かー」などと諦めてましたが、少なくともあと1回は更新が確約されたことになり、もし貯まっていた修正などもあれば一緒に適用されるかも!などと期待は高まります。「よし、じゃぁその更新までは付き合って、それでダメなら買い換えだ!」と決意し、更新を待つことにしました。

■適用してみた

そしてそれは9月末の予定だったのが大幅に延期されて11月末となり、なんのアナウンスもないまま本当に11月末日ギリギリの配信となりました…。長かった。実はその発表を受けてほぼ即座にこちらの中継機も購入済みでした。

もともと同居人の仕事部屋で内蔵Wi-Fiが2.4GHzオンリーだったりWi-Fi6以前のプリンター類などを高速化するためのイーサネットコンバーターとしてTP-Linkの製品を使っていたんですが、こいつも「日に複数回電源を入れ直さないと通信が切れる」とクレームがあり、本機であれば将来的にEasyMeshに組み込めるのでよかろと思って先行して買い換えをしてありました(こちらはすでにEasyMesh対応済み)。TP-Linkよりは安定したもののやっぱりたまにつながらないと言われます。なんか他にもGoogle Nest MiniとかNature RemoとかEchoがつながらなくなるんですよね。なんか大元のアクセスポイント(AX12)がなんらかの理由で再起動した後に再接続できないでつながらないままになる端末がちらほらいる感じ。どいつが原因か不明なんですが仕方ないのでそういう端末を再起動してしのいでいる状態です。

さて、ということでWXR-5950AX12を2台と、WEX-1800AX4EAの3台でEasyMeshによるメッシュネットワークを構築。

・設定は簡単だが使い勝手は微妙…

設定は割と簡単でわかりやすいです。各機種の設定画面でEasyMeshを有効にし、一旦有線LANでつないで放置するだけという感じ(他にもWPSを使う方法もできるぽい)。注意点としてはEasyMeshを有効にした状態ではバンドステアリングなど従来機能の一部が使用不可になる点。例えばAX12の場合、バンドステアリング画面で端末毎に2.4GHz/5GHzのどちらに優先的に接続するか指定したりできたんですが、EasyMeshにするとそれができなくなります。まぁメッシュの考え方はそこら辺を難しく考えなくても最適な電波を使ってくれる、というシロモノなのでわからなくはないですがちょっと悔しい。

設定画面ではこんな感じで接続機器を一覧できます。上の表がコントローラー(メインの親機)とエージェント(メッシュ子機)で、1〜4の番号が振られています。

その下の「デバイス」が個々の端末で、「接続先」の列でどのコントローラー/エージェントにぶらさがっているかを判別できます(画面は途中で見切れてるので全て1ですが)。

EasyMeshの端末一覧画面

またバグなのか仕様なのか、従来のバンドステアリング画面で個別につけられた端末名が適用されず、すべて「Unkown」となります。しかもEashMesh画面側で新規に名前をつけることもできず、Unkownから変えようがない!IPアドレスもほとんどの端末で「不明」となり、どの端末がどのアクセスポイントにつながっているかを知るにはMACアドレスで照合するしかなく事実上役立たずです。バグだと思いたい、アップデートで直ると信じたい!

とりあえずブラウザ側でMACアドレスをもとに端末名を書き換えるJavaScriptを作ってしのいでいます(そのうち別記事で公開するかも)。

・本当に他社製のEashMesh製品を追加できるのか?

中継機のWEX-1800AX4シリーズはAX4なのでアンテナが4本ということですが、2.4GHzと5GHzでそれぞれ2本になるので、5GHzは1202MbpsとAX12の4803Mbpsに比べると抑えめ。その割に9,000円前後するのでやや割高感があります。どうせEasyMesh子機(エージェント)にしか使わないならルーター機能とかいらないんですが、量産効果なのか中継機よりルーターの方がお得ですね。これはほぼ同じ値段で2401Mbps。ちょっと失敗したかも。

ともあれすでに購入してしまった1800AX4はは階下のトイレやお風呂などの「多少遅くても2.4GHzでもいいから確実に届いてほしい場所」用にして、同居人の仕事部屋に確実に速度が出そうなメッシュ子機を導入してみることにしました。こういう柔軟性のある使い方ができるのはメッシュならではです。

同居人が「BUFFALOはなんとなく信用できない」というので、他社製品にすることに。しかし現在、国内市場でみるとBUFFALO以外ではEasyMesh対応機はそれほど多くありません。結局購入したのはこちら。

これまたWEX-1800AX4と変わらぬ値段で5GHzが4802Mbpsと高コスパです。(LinkSysもすべてEasyMesh対応済みというわけではなく、他のモデルでは独自規格採用だったりするのでご注意ください)。

結果としては一応つながりはしたものの、オススメはしづらいという感じです。なぜなら同じEasyMesh規格順序品のはずでも設定フローが統一されておらず、素直に画面指示に従って接続設定が完了しないからです。LynkSysは同製品をペアで使うことを想定しており、子機として設定を進めていくと「親機側で操作しろ」みたいな表示になって先へ進めなくなります。一方BUFFALOは(EasyMesh機能を有効にした上で)有線LANでつないで放置しろ、みたいな感じで噛み合いません。結果としてはBUFFALO側でWPS待機状態にした後、LinkSysもWPSボタンを押したり有線つないだりしているうちにいつのまにか登録されていた、という感じ。LinkSys側を何度もファクトリーリセットしましたし、接続後にLANアドレスを既存LANのセグメントにあわせるのは手動で管理画面に入ってIPアドレスを設定したりDHCPサーバーをOFFにするなど専門的な手順が必要でした(LynkSysの初期IPは192.168.79.1)。メッシュの規格としては統一を目指したものの、設定操作までは及んでない感じで、どちらのマニュアルをみても解決せず手探りで試行錯誤するはめになりました。ちなみに管理画面上で「Other」と表示されているエージェントが本機です。このあたりのデバイス名のやりとりも統一されていない感が伺えます。おそらくなにかあってもどちらからもサポートも受けられない予感。

増設子機としては素直にWSR-3200AX4Sか4800Mbpsにこだわるなら少し奮発してWSR-5400AX6S辺りがいいんじゃないでしょうか。

・で、安定性は?

LinkSysを含めた4台体制になってからまら2,3日ですが今のところ通信断はない気がします。ただ経路は全自動で”最適化”されてしまい、AX12同士が直接つながらないで、1202MbpsのAX4を経由してつながるなどもったいない感じのつながり方をすることがあります。あくまで途切れない(電波が強い)ことを基準に経路選択されているのかわかりませんし、実際速度的なロスがどれくらいあるかも定量的にわかるわけではないですが、気分的には悔しいw。この気持ちの同調できる人は、迂闊に低速端末を参加させない方がいいかも知れません。従来は同規格のメッシュ端末をセットで使うことが普通でしたが、今後色々な性能、メーカーの端末を混在させるようになってくるとこういう問題も気にかかってくるんだな、と思った次第です。

■まとめ

EasyMeshという業界標準(?)規格に準拠したメーカー、モデルを異にする端末でメッシュ環境を組んでみました。もともとバックホールの有線LANは引き回せない環境なので、とにかく電波が弱いなと思うところにメッシュ端末を自由に配置して試行錯誤をしている感じですが、こういう自由度はさすがだなと感じています。できれば「コイツとコイツは常に5GHzで直結」など任意で固定できる部分もあるといいなとは思いますが、それでつながらなくなったら元も子もないのでやはり規格上の「最適化」を信じるしかないんでしょうかね。それらが電波の強さ、バンド、速度などなにをもとに判断されているのか明示してくれると納得感も得られるんじゃないかなと思います。ユーザーがなにを優先したいか重み付けをすることができるとなお良いのですが。

ともあれもう少し様子をみつつ、位置やアンテナ向きをチューニングしていきたいと思います。