動画は下地処理が大事だなーと思った件

CUDAパワーを活かすために、色々とフィルタ機能を試しているワケですが、スマートシャープに続き、ノイズフィルタ(TMPGEncの「映像ノイズ除去」フィルタ)の効果にも驚いている今日この頃です。

1440x1080iの24分アニメを1パス品質依存で720x400pのDivXにした場合、

  • 某虎とか竜とか出てくる番組の6話目:200MB->152MB
  • 某主要キャラが1話目で全員死んでしまった番組の5話目:281MB->167MB

と劇的にサイズが縮みました。特に後者の差はスゴいですね。どうもグレインノイズをわざとかけてるっぽいので、それがつぶれてサイズに反映されてるのかも知れませんね。σ(^^)の目では2画面表示にして見比べても差はわかりません。

サイズが縮むと保管場所はもとより、転送時間、モバイルデバイスでの再生可能性も上がったりとメリットがあるので、CUDAパワーで実用的時間でかけられるなら今後も活用していきたいと思います。特にアプコン放送っぽい番組には有効なんじゃないかなと。ハイビジョンクッキリギラギラな番組だとどうなんだろ?

TMPGEnc 4.6.3.267で追試

TMPGEnc 4.0 Expressの新バージョンが出たので、CUDA周りのベンチをやり直してみました。1分ジャストの1440x1080iのMPEG2-TSを720×200のDivXにした場合で測定(こないだとターゲットプロファイルが違う)。

フィルタ無し(インタレ解除のみ)の場合、

  • ALL ON: 62秒
  • フィルタのみ: 57秒
  • デコーダーのみ: 98秒
  • ALL OFF: 82秒

と、デコーダーをCUDA任せにすると若干速度低下するという結果になりました。

スマートシャープをかけた場合、

  • ALL ON: 90秒
  • フィルタのみ: 86秒

とこれまた僅差ながらフィルタのみの勝利(ちなみにフィルタをオフにすると10分程度)。ノイズ除去でも同傾向です。

つまり、(少なくともウチの環境の場合)デコーダーはCPU側でやった方が有利っぽいという単純明快な結果に落ち着いたようです。これなら、フィルタを使うかどうかで設定を切り替えなくて良いので助かります。

まぁ、最速で終わるかっていうのとCPU負荷を減らしてフォアグラウンドタスクを軽くするかっていうのでも違うんでしょうけど、基本はエンコ中放置で、最短エンコ時間を目指す前提で。

GeForce GTX260でCUDAに挑戦

GeForceのCUDA2.0という、GPUパワーを汎用的な計算に使ってしまおうという機能に対応したTMPGEnc 4.0 Expressがリリースされました。

まだフィルタ処理とMPEG1/2のデコード処理だけの対応ですが、我慢しきれずに対応ビデオカードに特攻してしまいました。フィルタあんまり使ってないので恩恵少ないことが予想されるんですが、つい…

■ハード

とりあえずせっかく買うのだからGTX260にしてみました(さすがにGTX280は除外)。横浜の店頭在庫ではさして選択肢もなく、例によって玄人志向のものに。

とりあえずデカいです。3Dゲーマーではないので、2段占有のグラボを買うのも初めて。写真上は今まで使っていたRadeonHD3450。DSCN0265

全面ケースに覆われていて基板むき出しなのはスロット端子のみという感じなので、扱いはなんとなく楽です。が、これ奥行きありすぎて、3.5インチベイのマウンタと干渉してつきませんでしたorz。しかたなくマウンタをとりはらって、カードリーダーはガムテ止めに…

検索エンジンで見に来る人もいるでしょうから改めてその他の環境を晒しておきましょう。

  • CPU: Q6600@定格
  • RAID 0
  • 4GBメモリ

■TMPGEnc

設定としては、フィルタとデコードを個別にON/OFFできます。

元々、デジタル放送ソースやDVDソースが多いので、フィルタはほとんど使っていませんでした。アニメは24fps化をする位。あとインタレ解除ですね。1分30秒のMPEG2-TS、1,440×1,080iソースを1,280x720pなDivXにしてみた感じ、

  • 両方オフ:3分
  • フィルタのみ:17分
  • デコーダーのみ:3分
  • 両方オン:4-5分

同じ設定で何度か繰り返しても結構ばらつくので、数値は概算で出してあります。オフの方が早いですねorz。オンの場合のCPU:GPU使用比率は、概ね3:7というところです。せめて損はしないよう自動でバランスとってくれれば、常にオンで放置できるんですが…(デコーダーのON/OFFはTMPGEncの再起動が必要)。

特にフィルタのみ使った場合の遅さは異常ですね。

 2008.11.06追記こちらのエントリでTMPGEncの新バージョンによる追試をしました。

次にせっかくなのでフィルタを活用してみることにしました。ほとんど使ったことがないので、あらためて解説本でお勉強。

その結果、見かけの解像感をあげる(輪郭線が細くなる)のにスマートシャープというフィルタが有効そうだったので使ってみました。あと、リサイズのアルゴリズムで、デフォルトのLanczos-3はリンギングが出て、主に拡大用、ということだったので、BiCubicに変更してみました。シャープになるが重い、ということだったのでうってつけです。

1分17秒のDVDソースで720×400なDivXを作る際の比較が以下。

  新設定 旧設定
CUDA ON 54秒 41秒
CUDA OFF 2分53秒 31秒

 

これは明らかに差がでますね。フィルタを使った場合、1/3になっています。この差はCPUのクロックで出すのは途方もないことです。一方、フィルタを使わない場合、やはりCUDAをオフにしないと遅くなってしまうようです。

まとめとしては、

  • フィルタを使わない時はマメにオフにするべし (新バージョンでは必要ナサゲ)
  • スマートシャープ(゚∀゚)イイ!

ってことですね。バッチエンコードで色々まとめてエンコする時なんかは不便なので、簡単に切り替えられたりできるようにしてほしいものです。

またスマートシャープの効果はスゴいです。従来であれば6倍の時間がかかったので知ってても使おうと思わなかったかも知れないですが、倍弱で済むならコンテンツによっては使ってみるかも知れません。

■Badaboom Media Encoder

CUDA2.0をH.264エンコードにも活用してくれるおそらく現状唯一のソフトです。体験版を試してみました。

爆速です!

DVDソースの24分アニメがiPhoneプロファイル(1.2Mbps)でわずか4分でした…

ただ、VIDEO_TSを読み込み、トラック範囲指定でエンコードもできるものの、現行バージョンはまだいくつかの理由で実用になりません。

  • 音ズレする(たまたま?)
  • MPEG4系をソースに使えない
  • 日本語ファイル名が化ける
  • バッチエンコードができない
  • 字幕入れに対応していない
  • 2passもできない
  • 24fps化ができない (できました)
  • 音質もいまいち?

など。iPhone/PSP用動画は、DivXを元に作ることが多いので、それができないのは痛手です。iPhone/iPod touch/AppleTV/PSPといったデバイスを選び、画質スライダーを動かすだけ、という簡単操作は初心者には良いですが、フロントエンドはやはりTMPGEncが自由度高くて使いやすいなぁ、という印象。現状ではお金払ってまで使い道がなさそうです。

はやくTMPGEncのエンコード処理にも対応してほしいなぁ。

Samba上のOfficeファイルが読み取り専用になる時の覚え書き

毎月某社に出す請求書ファイルを作ろうとファイルサーバー上にあるExcelファイルを開くと、なぜか「読み取り専用」になってしまいます。いつも別名保存してから元のファイル名で上書きしなおしてるのですが、今日はたまたま時間があったのでググってみました。

完全に解決したかどうかはしばらく様子をみないとわからないんですが、それらしき対処法を見つけたので覚え書きしておきます。

対処内容は、smb.confに、

dos filetimes = true

と設定するというものです。リンク先のmanによると、所有者以外でもタイムスタンプを更新できるようにするというもののようdす。上のBugzillaの議論で、Officeはファイルを開いた時点で最終アクセス時刻を更新しようとして、失敗すると読み取り専用警告を出す、とあり、パッチも提出されていますが、最後の方に上記設定だけで解決したという報告もあったのでとりあえず試してみます。

もともとこのフォルダにはマシンは違えどσ(^^)のアカウントでしかアクセスしてないはずなんで、そもそもおかしいんですけどね。ノートPCのオフラインフォルダ周りが影響してるのかな??

今のところ問題ないですが、また来月の請求書出す頃に再発しないかが焦点です。

外してたらごめんなさい。>参考にした人

S21HT、あらためてレビュー

モデム速度に関しては、前のエントリに補足しときましたんで、そちらをどうぞ。とりあえずσ(^^)の環境ではあまりEMONSTERと比べて向上はありませんでしたorz。

■ハード面

さすがにキーボードを削っただけあって、スリムです。胸ポケットに入れても違和感ない感じ。ただ、モデム用途メインのσ(^^)としては追々デカバッテリーに交換予定で、その時にどういう厚みになるか、ですね。まぁ、それでもEMONSTERよりは薄いでしょうけど。

VGA画面も綺麗です。MangaMeeyaなんかを使うとかなりそそります。まぁ実際に読んだら頭痛くなりそうですがw。

画面隅のタッチパネルの反応がいまひとつで、スタートボタンや「×」ボタンを一発で認識してくれないことがあり、処理待ちかと思って待ってしまうということが多々あります。当初の「もっさり」イメージの多くはここに起因している気がします(実際それ以外でももっさりではありますが)。

左手で持つことが多いので、電源ボタンはiPhoneのように右上の方が人差し指で押しやすかった気がします(S21HTは左上)。

ショートカットボタンやジョグがさっぱり無くなっているので、アプリ一発呼び出しを設定する先がほとんどありません。純正の割り当てツールでは、発話キーの長押しにしか割り当てられず。電話として使わないので、再度のボリュームUp/Downもアプリ起動に割り当ててしまいたいところ。サードパーティのツールでできますかねぇ。(→できました)

十字キーサークルのクルクル動作は思ったより使える場所がなく、Operaのズーム操作くらい?それも中心ではなく左上を起点にするみたいで、後からスクロールしないと思った位置が表示されず、あまり使い道もナサゲ。(→レジストリカスタマイズ系のツールで他のアプリでも機能させられました)

自動ローテートもOperaくらいしか効かないようです。手動で回転させることもできないので、MangaMeeyaで横画面を使う方法すら今のところ不明です。(→Gyrator2というツールで自動回転できました)

スタイラスの挿入口の置くにマグネットが入っていて、途中まで入れるとスルっと引き込まれるように収納されます。最後の押し込みの一手間が減って微妙に便利&快感。刺さなくてもボディ横にスタイラスを置いたらペタっとくっつきます。置き忘れ防止にもなるかも(笑)。

充電器がiPhoneのようにUSBケーブルを刺して使うタイプに変更になりました。少し荷物が減ってうれしいかも!と一瞬思いましたが、まぁ、どのみち出張や帰省には他の充電器をもってくのであんま意味なかった(^^;)。

■ソフト面

TouchFlow 3Dの使い勝手はいまいち。タブの構成がいじれないので、いらないものを減らしたり順序を変えたりもできず、一番よく使うホームとランチャーが左右両端に離れているという状況。間に使いもしない、電話、予定表、メール、ミュージック、etc.、etc.が常に出ていてウザイ。個人的にはホーム、ランチャー、天気くらいで充分なんですが…。(→レジストリカスタマイズ系のツールで不要なタブを非表示にできました)

また、リストスクロールもiPhoneに比べると完成度が低く、スクロールさせたいのに項目が選択されてしまう、という現象が頻発します。ドライバのチューニングで改善されることを期待。

手書き入力はなかなかの精度ですが、入力語1,2秒で強制確定されてしまうので、Windows TabletPC/Vistaのように認識失敗時に上から書き直す、という使い方ができないのでいまいち使いづらいです。また、候補が文字種別に色分けされたりもしてないので、「ー」なのか「一」なのかとか見分けが付かない点も実用上致命的です。

Comm Managerもリニューアルされてますが、インターネット共有が直接呼び出せなくなってたり、EMONSTER版の方が使いやすかった気がします。(→レジストリカスタマイズ系のツールで対応できました)

また、

  • デフォルトキーボードが設定に関わらず常にテンキーになってしまう
  • CAPSキーを押すとなにやら豆腐文字が入力される

など細かいところでバグが残ってる感じです。

 

とまぁ、正直未完成感が強く、VGA液晶をのぞけば現状ではEMONSTERの方が出来の良い端末と言えそうです。ファームウェアアップデートで見違えるといいなぁ…

2008.10.27追記:

各種オンラインツールを駆使して、ソフト面の不満のいくつかが解決できました(上記の太字部分)。かなり快適になった気がします。