AVアンプ新調 SONY TA-DA3200ES

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 AIRのエントリーにも書きましたが、AVアンプを買い換えました。この世界は規格のアップデートが激しく、前に地デジ用にAAC対応のSA-XR50にしたのが2005年3月。今度は、LinearPCMマルチを受けられるHDMI端子装備がお目当てです。

■最近の音声伝送規格の概要

 ご存じの通り、PS3はHDMI出力が搭載されており、SACDのような光/同軸のS/PDIFでは規格上送れないような高ビットレートの送信が可能です。PS3でSACDやBlu-rayの音声をフルスペックで聴こうと思うと、HDMIを使うしかないのです。例えば、インプレスの記事によると、『イノセンス』のサラウンド収録のフォーマットとビットレートはこんな感じのようです。

 

DVD版 Blu-ray版
Dolby Digital EX 448kbps 640kbps
DTS-ES 768kbps 1.5Mbps
LinearPCM 7.1ch 6.1Mbps

 数字だけ観ても、タマラないですね。「圧倒的じゃないか、我が軍は」な気分。

 Dolby Digital EXとDTS-ESは、それぞれDVDで一般的なDolby Digital 5.1chとDTSを拡張した6.1chの音声規格で、5.1chのものと上位互換があり、DVDにも収録されています。ここまでは買い換え前のSA-XR50でも対応していたワケです。一般にDDよりもDTSの方がレートが高く、PCMに近い高音質、という理解で良いと思います。実際、イノセンス購入時はDTS-ESまでしか鳴らせなかったので、これで視聴したんですが、銃撃戦のシーンとかはビックリするくらい音圧があり、本当に近くで弾丸が跳ねているようでした。

 で、可逆圧縮であるLinearPCMは、ステレオ2chであれば従来のDVDでも収録されてる作品はあったんですが、基本的にサラウンド好きなので、あまり利用したことはなかったんです。音楽なんかでもCD-DAとAACであんまり違いがわからない程度の耳なんで(^^;)。ただ、Dolby Digital 5.1chとDTSの違いはハッキリと認識することができ、その延長線上にあるLinearPCMマルチはスペックオタ的には興味津々でした。

 また、巷でPS3のDTS->PCMデコーディングの評判が良く、試してみたくもありました。つまり、普通はDTSのまま光や同軸でAVアンプに送り、AVアンプ側でPCMに“解凍”するところを、PS3の有り余る処理能力を使ってソフトデコードし、PCMでAVアンプにロスレス伝送した方が音が良い、というのです。この方式だと、アンプがPCM受けできれば、将来的にどんな新規格が登場しても、再生機側が対応すればOKということになります(チャンネル数は7.1chが上限ですが)。PS3ならソフトウェア対応が期待できますしね。

■TA-DA3200ESゲット

 Gigabit NICやNASを買ったらハブからケーブルから入れ替えてフルスペックが出るようにしないと収まらない性格なので、PS3にあわせてAVアンプ買い換えは時間の問題だったんですが、AIRをきっかけに加速。

 結局、いかにもPS3向けですってノリでほぼ同時発売のTA-DA3200ESに決定。できれば設置の関係上、XR50のようなスリムタイプが良かったんですが、近い将来1080P対応のプロジェクターへの買い換えも視野にいれると、選択肢は限られていました。価格的にも8万強と、自分のシアター利用頻度を考えるとちょっともったいないかなという気もしたんですが、まぁ、いまやってる仕事が片付けばなんとかイケるかなとw。

 2ちゃんねるだと上位機種との統合スレなので、叩かれ気味でしたが、ビジュアルグランプリ2007銅賞取ってたりと価格なりの評価はまずますのようでしたし。ちょうど昨日、ITmediaに開発者インタビュー記事も出てますね。

 買うとなったらいてもたってもいられない。なんとしても年内にゲットしようと、ヨドバシ町田に閉店間際に駆け込みゲット。明け方までかかってインストールしてしまいました。商品も重たいし、色々不自然な作業姿勢も祟って2日立った今日も筋肉痛が…

■レビュー

 音質的には満足しています。このアンプがスゴいのか、LinearPCMマルチがスゴいのかはともかく、AIRの解像度感、透明感は当該エントリで書いた通り。

 SACDはまだそれほど聞き込んでないですが、AIRほどの感激はないですね。やはりHDMIを音声信号に占有させるべく、映像をコンポジットなどに切り替え、無線ノイズを低減するためにせっかくのBluetoothワイヤレスコントローラーをUSBで有線接続にしないとイカンのかも知れません。これ、もう少し簡単に設定が切り替えられる機能が実装されないですかねぇ。

 アンプ自体のユーザビリティとしては、やはりD端子がないのが不便です。D端子は信号的にはコンポーネント端子とほぼ同じで、接続の手軽さを狙った日本独自のコネクタ仕様なので、おそらく海外モデルと共通化してコストを下げるために削られたんでしょう。Xbox360やWiiの接続ケーブルを買い換えるハメになりました(WiiのD端子ケーブルなんて開封すらしてなかったのに…)。ただ、コンポーネントの系統が増えたので今まで使っていたD端子セレクタが不要になり、リモコンひとつですべての機器、ゲームが映像、音声揃って切り替えられるようになったのは快適。AVセンターはこうでなくっちゃね。ソース毎に表示名もカスタマイズできるのもガジェットオタク的には萌え。

 自動音場調整は、カーオーディオでは使ってますが、ホームでは初体験。CyberNaviだと数分かかるんですが、コイツは30秒程度でサクっと終わるのでビックリ。しかもスピーカーまでの距離もcm単位で認識してるっぽい。どのみち手動でセッティングするほどのマニアではないですが、気分的に「まかせても安心」感は高いですね。

 まだ試してないんですが、ナイト・モードがついたの深夜派には嬉しい。静かな会話シーンと爆発シーンなんかの音量差が激しい映画などで、その差を縮め、夜中にいきなりデカい音が鳴り響くのを防ぐ機能です。目新しい機能ではないですが、前のにはなかったんで。

 ともあれ、今のところ買い換えコストに見合った満足感。当面は手段が目的化して、LinearPCMマルチ収録のBlu-rayソフトを買いあさってしまいそうです。

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