DSで読書 – 「DS電撃文庫 イリヤの空、UFOの夏」

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 快進撃のNintendo DSですが、ここにきて電子ブック系のタイトルが何本か出てきました。早速読書端末としてのDSを評価してみたくなり、ちょうど原作を読んだことなかった『イリヤの空、UFOの夏』をポチっとしてみました。

 届いた箱デカっ!

と思ったら、初回限定版は特典で写真立てとかついてました。正直イラネw。値段が\1,200位違うし。しまった事前調査が不足だった。通常版にしときゃよかった…

■文字表示がダメダメ

 気を取り直して読書開始。うーん、やはりフォントが厳しいですねぇ。画面写真はこの辺りからどうぞ。特に最近、DVD -> Blu-rayで字幕の美しさにウットリしていた最中なので余計に気になります。しかも、文字がスクロールするんですが、液晶の残像が酷く目が疲れます。オプションをじってみるものの、スクロールと文字単位の順次表示はオフにできず。影付きオプションをオフにすると残像は解消されるものの、背景とのコントラストが弱くなるのでやや文字自体が見辛い。左右画面をぶち抜きでイラストが出たりしますが、DSじゃ真ん中ぶった切られ過ぎてあんま嬉しくないです。普通に(DSを文庫持ちして)左画面でイラスト、右画面でテキスト(背景は無地)にしてくれた方が何倍も読みやすかったですね。

 オートは速度が三段階しかなく、画面単位の手動ページめくりが無いのも不満。

■普通にバックして戻れない

 バックはなぜか普段読んでる右画面の文字を逆スクロールするのではなく、別に左画面にバックログ用画面を呼び出し、まず同じ文面が左右に表示された状態から左画面をスクロールさせる、という作りです。こういう作りにした意図がサッパリつかめません。文庫本メタファーで読んでるのに、右画面より左画面の方が過去のテキストを表示していることになって気持ち悪いです。いちいち、右画面で読んでいた部分を左画面の中から探す手間も無駄。なんで普通に読んでた画面が逆スクロールできないのかと小一時間(ry

■自動セーブじゃない

 これはまだちょろっとしか使ってないから未確認ですが、セーブはポップアップメニューから「中断する」を選ぶか、「しおりをはさむ」を使います。もちろん、DSなんでパタンと閉じておけば中断はできるんですが、例えば電池切れなんかの時には「中断する」したところからしか始められないということでしょう。もしかしたら章をまたいだ時くらいは自動セーブされるのかも知れません。普通はパタン閉じのサスペンドで用は足りるんでしょうが、ちょっと不安ですね。

 

 とりあえず、今までのテキスト主体のアドベンチャー系ゲームの文化から何を学んできたんだ?という出来ですね。

 何はさておき、フォントの汚さとスクロール表示による目の疲れが論外レベル。普通に文庫版を買い直そうかと悩む自分がいます。まぁ、「DSで読書してみる」というユーザ・エクスペリエンスが目的なのでもう少しは頑張ってみるかも知れませんが、普通に「イリヤが読みたい」って方は素直に文庫本をお薦めします。

 フォントの解像度の問題はDSの液晶パネルの性能に起因するので、如何ともしがたいでしょうが、残像などはスクロールをやめるなど実装上の工夫で回避できそうなだけに残念ですね。画面下部のUIも非表示にできるもののテキストエリアは変化せず、画面全体の解像度を使い切ってるとも言えない。UIはオーバーレイにするなどすれば、文字数を増やしたり解像度を上げたりできたんじゃないでしょうか?

 以前、電子ブック端末の開発者にインタビューした時に、小説家の方は改行位置が変わったり、スクロールバーなどのUI部品で画面が“汚れる”ことも許さない人が多いんだとか。少なくともこのDS電撃文庫の実装レベルじゃ、出版を許諾する人も増えないんだろうなぁ、という印象。一発モノで終わりそうな悪寒(電撃はとりあえず3タイトル)。モバイルで電子書籍を読みたいという気持ちは強いだけに残念。

 純粋な読書モノではないけど、口直し(目直し)に『ウィッシュルーム 天使の記憶』でも買おうかな…



 

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