AirStash MAS-A02Aを買って見ました。たぶん多くの方はこれがなんなのかご存じないと思うのでざっと説明。
- SD/SDHCカードリーダーである
- バッテリー内蔵でWi-Fiアクセスポイントとして動作する(ルーター、ブリッジとしては機能しない)
- ブラウザやiOSアプリからSDカードの中身にアクセスできる
という感じ。つまり、デジカメで写真を撮ったSDカードを本製品に差し替えて電源を入れると、無線LAN経由でその写真や動画、その他のファイルが取り出せる、というものです。Eye-fiやFlashAirと違ってカメラの電池を無闇に消費しないのと、写真以外の用途にも使えるのがポイントでしょうか。例えば公式サイトに利用例だと会議に使うドキュメントを入れておいて、参加者が各自コレにアクセスしてファイルを取り出す、なんてのもアリです。ビットレートにもよりますが複数人が同時に動画のストリーミング再生もできるようです。
もう少しテックバブルが好きな人に横文字を並べておくと、電源を投入するとAirStash_xxxxみたいなESSIDで電波が飛びます。初期設定では暗号化無し。ブラウザ、iOSアプリから64bitのWEPのみ設定できます。DHCPサーバーを搭載していて、192.168.0.xxxなIPアドレスが降ってきます。AirStash自体は192.168.0.1でアクセス認証は無し。WEPだけがアクセス制限手段ということです。ブラウザからアクセスすると普通にフォルダ一覧が見え、必要なものをローカルにダウンロードできます。iOSアプリの場合、写真をプレビューしたりダウンロード時にリサイズしたり、SDカードから削除したりできます。ただリスト画面でサムネイルは出ないし、全画面表示もスワイプめくりはできるもののピンチズームはできません。ピントがあってるものだけを選んで転送したいなー、って時に不便です(そもそもEYE-Fiと違って「選んで転送したい」ってのが主目的な製品だけに)。まぁ、拡大可能にするには一旦全部転送しないとならないのでデジイチ級の写真とかだと時間やバッテリー消費の問題で実用的ではないのでしょうけど。
量販店で買ったその足で飲食店に入りその場で開封して使ってみましたが、超簡単につながりました。初期設定で暗号化されていないので、iPhoneの設定アプリでAirStash_xxxxというWi-Fi電波を探してタップするだけ。次に専用iOSアプリを開けばもうフォルダ一覧が見えます。ad-hocネットワークでの設定がややこしいEye-Fiに比べると、カードの差し替えがあるとは言え大きなアドバンテージですね。
欲を言えば既存のアクセスポイントにぶらさがるモードもあると同時にインターネット接続も使えて便利なんですが。例えば、カメラで撮る->iPhoneにコピーする->iPhoneからSNSなどにアップする、というサイクルを回す時に、iPhoneのWi-Fi接続先も都度変えなければなりません。まぁ、本機の起動は比較的速いので、都度電源をON/OFFすればiPhoneが勝手に他のネットワーク使ってくれるかもですが。
以下にiPhoneの画面写真をば。
iOS用アプリトップ画面。普通にいきなりフォルダ一覧が見える。 | フォルダを掘り進んで写真を開いたところ。左右矢印ボタンやスワイプで前後の写真に移動可能。 |
右上の写真で「+」ボタンを押したところ。 | Safariで「http://192.168.0.1」にアクセスしたところ。 |
充電はUSB端子で行います。「5V/最大500mA」らしいので比較的古めの充電器や携帯用バッテリーでも余裕でしょう。USB A端子なので直接挿せるので楽チンですね。というかminiUSBやmicroUSBの充電端子に慣れすぎて最初「あれ?充電ポートがなくね?」と探してしまったのは内緒w。
■「おやゆびでお」からでも使えた!
SDカードの中身をHTMLで一覧表示してくれるということは、拙作「おやゆびでお」でもイケるんじゃね?ってことで実験。バッチリです。「Web」タブを開きアドレス欄に「http://192.168.0.1/」と入れるだけ。日本語ファイル名ももちろん大丈夫。極端にビットレートが高いとどうなるかわかりませんが、とりあえず1280×720の24分で300MB程度のアニメならスライダーで移動してもバッファリング待ち無しでスパスパ再生されます。8GBモデルなど内蔵メモリが少ない機種で重宝しそうです。ちなみにSDHCの32GBまでのカードが使えるようです。
わざわざサーバー立てて「おやゆびでお」のWebストリーミング機能って実は使ってるの世界で自分だけなんじゃないかという気がしてなくもなかったんですが(笑)、これで少し利用シーンが広がるかも知れません。
Facebookで「モバイルルーターにこういう機能があればいいのに」ってコメントもらいましたが、まったく同意ですね。それなら同時にインターネット接続もできますし。軽薄短小化と長時間駆動の勝負になってるのでなかなか難しいのかも知れませんが、その辺の競争が一段落したら是非検討していただきたいものです。