前エントリで最近ePub制作仕事をしてると書きましたが、ちょうどそんな折り、楽天でkobo gloとkobo miniが半額セールに。しかも最近楽天使ってなくてすっかり忘れていたポイントが2,000pt以上あって、千円ちょいで買えてしまう状態だったので、kobo gloを注文しました。
がしかし、優勝セールの慌ただしさでちっとも配送されず。色々ePub表示の仕様をリサーチしているうちに、SONY Readerの最新モデルPRS-T3Sが評判良いということがわかり、2,3日迷った挙げ句ゲトしてしまいました。初代PRS-350から3年ぶり、e-ペーパー機としてはKindle Paperwhite 2012から1年ぶりの購入です。正直自炊小説はbREADERがあればいいやと思ってたんですが、上記のePub仕事の検証機としての大義名分と、あと最近電車で読むことが増えて、iPhoneのサイズだと座った時に視距離が離れてて文字が小さい(または大きくするとページめくり頻度が高くなる)なと思って。
T3Sが手持ち機種に比べて良いところは、
- ページめくりが高速され、白黒反転もほぼなくなった
- 内蔵ブラウザでSONY Reader Storeだけでなく紀伊國屋ストアからも買える
- Facebook連携
- Evernote連携
- microSDスロット
などです。eペーパーの宿命と言われていためくり時の白黒反転が独自制御によってほぼ見えないレベルになっています。もともとメチャクチャ気になるってほどではなかったですが、ないに越したことはありません。特に最近の機種は白黒反転をしないまま数ページはめくれるように進化してきたんですが、それが逆に数回に一回忘れた頃にやってきてリズムを乱す、みたいなひっかかりになってました。本機は仕様上4時間に1回すればいいんだとか。
内蔵ブラウザは確かに便利だけどやっぱりもっさりしてるし本を物色する時は液晶タブレットやPCを使うかなー、という感じ。Facebook連携は面白そうだけど、何をどう勝手にポストされるかわからないのでちょっと慎重になりますね。koboも先にiPadアプリを入れて試しに認証してみたんだけど、以前koboから色々ポストさせてた友人もいつのまにかOFFにしてた。やはり色々暴露されすぎてイヤになったとw。電子版ならではの楽しみを付加したい気持ちはわかるんですが、やはりまだシーズ先行感が否めないですね。でもkoboのバッジはちょっと楽しそうかも。
そんな感じで微妙だと思っていたネット機能ですが、Evernote連携はちょっといいかも。大きくわけて、
- 指定ノートブックをダウンロード
- Cleary連携
があります。ClearyはInstapaperやiOSのリーダーのように、ゴチャゴチャしたWebページをすっきり本文コンテンツだけ抽出して見せてくれるブックマークレット的なサービスですが、これに登録して簡易化したコンテンツを、自動的に同期しておいてくれるのです。対応ブラウザにプラグインを入れておけばサクっと登録できるのでヨサゲ。ただし残念なことにSafariにはアドインが存在しない模様。
■ハード面
まずKindle Paperwhiteより更に軽いという軽量さは良いです。両手にもって比べるとわかるレベルです。それでいてReaderにはハードボタンあります。これはまぁ好みの分かれるところでしょうが、個人的にはボタン1発で確実にしかも素早くめくれるのはやはり気持ち良いです。まためくり以外のメニューを出すのに、Kindleは見えていない特定部位をタップするわけですが、これがいつも一発で出せなかったりする(まぁ、色々なリーダーやアプリを使ってて画面上部タップだったり画面中心タップだったりダブルタップだったりして混乱してる方も悪いんですがw)。この当たりはハードボタンでサクっとやれるのが良いです。それでいてPaperwhiteより軽いんだから文句はいわせねぇぜ、というSONYのドヤ顔が浮かびます。ただ、山口さんもPC Watchのレビューで書いてるように、ボタン形状がアイコンをそのまま象ったもので、全般的に尖っていて指にチクチクささるのが気になります。前モデルよりはマシになったらしいですが、これは止めて欲しい…
またページめくりは快適な一方、ホーム画面で本を選んだりといった動作はあいかわらずトロいです。
ちなみに本体カラーは白を買いました。外枠の色は動画メインなら黒、書籍メインなら白というこだわりで。あんまりテカテカだったら考えるところでしたが、ギリギリ許容範囲かな。あんまりマットだと手垢がつきやすくなるでしょうし。まぁ、画面の周囲に細い黒枠が存在するのであんまり一体感ないですけどねw。これはタッチ検出用の赤外線センサ部になるのかな?だとすると白くするのは難しいんでしょうなぁ。
Paperwhiteやkobo gloに劣る点としてはフロントライトがないところ。gloのライトはムラムラで焼けた古本みたいになるのでむしろいらないですが、Paperwhiteの文字通り綺麗な白色になるライトはたとえ暗所で使わないとしても良いものです。まぁ、暗いところではeペーパー+フロントライトよりも、白黒反転(黒地に白文字)させた液晶の方が目が疲れないので、そういう時は素直にiPhoneやiPadやNexus7を使います。ってことでオプションのアンコウライトは買ってません。
■ソフト面
UI面での不満は画面タップでページめくりができない点です。スワイプのみ。右手で持った時はハードボタン届かないので、画面タッチで読み進めることになるんですが、まいどスワイプするのがめんどくさい。Kindle Paperwhiteの記事でも書いてますが、画面の左右端どちらでも進む方向にアサインできてほしいですね。
PRS-350からの踏襲ですが、明るさとコントラストを調整できるのもナイス。自炊書籍で微妙に薄かったりした時にリーダー側で補正できるのは非常に助かるのです。プリセットはたいてい役立たずで「カスタム」を選んで調整することになるんですが、欲を言えばこのパラメーターをデフォルトにしたりプリセットにできるといいなぁ。
フォントも代わってるっぽいですが、特に大きな不満はなし。行間は調整できると良かったかなー。
自炊面でいうと、PDFを表示した時にステータスバーがなくなり758×1024ピクセルをフルに活用でき
るようになった点は特筆に値します。自炊のスキャン書籍をeペーパー端末で読む時には解像度は1ピクセルたりとも無駄にしたくないものです。残念ながらePubの場合は引き続きバーが表示されページ番号が出ちゃいます。今後はePubで自炊しようと思ってたのになぁ。当面本機用のフォーマットはPDFを使うことになりそうです。ただ旧機種であったように綴じ方向の設定が無視されてしまうことはなくなっているので、特にPDFで困ることはなさげ。また範囲手動指定可能な余白カット機能もついてるので、わざわざ本機専用の解像度でドットバイドット表示できるPDF/ePubを作り直さなくても、充分高解像度なデータをそのまま放り込んでやればそこそこ読めちゃうのかも知れません。容量食われてもmicroSDを使えばいいんですし。レスポンスが落ちたりするかは追々実験してみます。逆にそんな未最適化のデータがあんまりないw。
オタ的にはスタンバイ中の壁紙が自分でカスタマイズできるのも嬉しいポイントです。旧機種からあった機能ですが、解像度が上がってより綺麗に表示されるようになりましたw。Kindle Paperwhiteも昔のように世界の文豪シリーズでオッサン&オバサンが入れ替われ井出るなんてことはなくなりましたが、やはり自分でカスタマイズしたいものです。
■自炊レシピメモ
久しぶりにChainLPが活躍しそうです。おおまかにはこちらのPaperwhite用レシピに乗っ取ります。ファイル出力タブでKindle対応のためのコーナー色チェックが不要になる位ですかね。最近はページ補正タブのノンブル転送のところの「余白付け」をオンして、かわりにトリミング&余白設定の下余白を0にしてます。
出力解像度はPDFなら758×1024(=ハード解像度)、ePubなら738×965でいいみたい。
あとヒストグラム設定で少し濃いめにしておくと、端末側でカスタム指定しなくてよくなります。