文庫本のPDA向け電子化を試行錯誤

KindleDXの画面だと、文庫本のScanSnap画像はやや大写しになり、視線移動量が大きくて読みにくさを感じます。Zip/JPEGなら適当なサイズに縮小してDot-by-Dot表示にしてやればいいんですが、ページ指定ジャンプが使えないので使い勝手に問題が出ます。

そこで、文庫本はMeTilTranを駆使してPDA向けに変換して読む方針でレシピを試行錯誤してみました。

その結果がこちらの写真(クリックすると1600×1200の拡大画像)。小説版サマーウォーズのP.54~56付近です。

novel

T-01A(480×800)とiPhone(320×480)に最適化して文字を並べ替えた状態です。文字縮小率は前者が80%、後者が65%。どちらもZip/JPEG形式で前者はMangaMeeyaCE、後者はiComicで表示しています。

やはりT-01Aくらいの解像度があると随分自然ですね。更に小さくしてMeTilTranを使わないでオリジナルレイアウトでもかろうじて読めるんですが、ちょっと目が疲れそうなので断念しました。おそらく電車などの揺れる状況では読めたものではないでしょう。オリジナルの組み版に比べると、2、3文字減ってとこです。

使い勝手ではしおり管理がしっかりしているiComicの方が上ですね。MangaMeeyaだとアプリを起動しなおすと最初からになってしまい、移動コマンドでページ数を指定して適当にジャンプしながら最終既読位置を探すことになります。

ただMeTilTranは作品との相性もあって、この本の場合、誤判定によるレイアウト崩れが結構多い印象。T-01Aの方の1行目の最後の「彼」という文字が画面端にかかって見切れてしまっています。やはり保存用にはオリジナルレイアウトのものをPDFなりで保存しておき、MeTilTranによるPDA用ファイルはあくまで一時使用に限定って感じですかね。

ともあれ完全に片手で読めるのは文庫本のまま読むのに比べても色々アドバンテージがあります。電車読書はもちろん、寝っ転がってお菓子つまみながら読む時とか。

ドキュメントビューワーとしてのKindleDX

先日、仕事の打ち合わせ用の資料をKindleDXに入れて使ってみました。通常なら、ノートPCの画面でドキュメントとOneNoteなどの記録アプリを開いてスイッチしながら使うところを、ドキュメントをKindleDX側に追い出してやれれば使い勝手が良いのじゃないか、という試みです。ある意味、KindleDXをサブモニタ的に使ってみようということですね。

結論としては1点だけ惜しいところがあるものの、なかなかに快適でした。紙ドキュメントを見るのに充分な解像度があり、そこそこ軽いので、表示とハンドリングは合格。今のノートはtypeZの高解像度液晶版なので紙向けドキュメントを閲覧するにはちと表示が小さすぎますしね。

残念な点は、スリープに入るまでの時間が短すぎる点(設定不可)。紙資料代わりとなると、いつでも見られるように表示は維持しておいて欲しい訳ですが、KindleDXは数分で勝手にスリープし壁紙表示になってしまいます。30分くらいは維持できるよう設定させてくれるか、スリープしても同じ表示を維持するように改良してほしいものです。

あと強いて言えば、ランダムアクセスに弱いので、膨大なページ数でかつあちこち閲覧カ所がジャンプするような書類だと向かないかも知れません。

KindleDXのバッテリーの持ち、パネェよ!

WispernetをオフにしたKindleDXはホント電池持ちます。最後に充電したのいつだか覚えてませんが、少なくとも先週の水曜から一週間半で、画像PDFの小説を平均400ページx4冊は無充電で読んでます。で、現在バッテリーメーターは半分も減ってません。何段階表示かわかりませんが、パっと見で残2/3ってとこです。

既存ガジェットの液晶とバックライトがいかに大食いだったかっちゅう話ですね。

720p動画が撮影できるカメラを購入 Cybershot T900

KindleDXやiPhone3GSを買った時に、動作の様子を動画でアップしたいなと思ったんですが、ハイビジョン撮影ができるHandyCamは実家に貸しっぱなし。手元にはVGAまでしか撮れないPowerShot G10のみ、という状況でした。

で、せめて720pでいいので撮れるカメラがあるといいなぁ、と物色。最初は実売2万円で買えるCybershot W270に目を付けたんですが、詳しく調べてみると動画撮影中のズームができないことが判明。IXYの220ISも同様。やはり撮影中ズームは必須でしょうということで条件に設定。上は数万以上出すとどうせならHandyCamのフラッシュメモリタイプいっちゃえ、ってことになって危険なので、予算3万程度を目標に。

てことで、最終候補に残ったのがCybershot T90、T900、LUMIX TZ7あたり。T90は色が絶望的にイケてなかったのでボツ。TZ7はAVCHD Liteという将来的に汎用性が高そうなフォーマットがツボでしたが、G10との使い分けという視点で、常時携帯できそうなT900をチョイス。この薄さなら普段Type Zを持ち歩いているバッグのポケットに忍ばせておくことも可能です。G10はさすがに普段から持ち歩く気にはなれず、かといって出先でふとカメラが欲しくなった時に、iPhone 3GSしかなくて切なかった、ということが何度もあったので。

T900は光学ズームは控えめなものの、720pのMP4が撮れ、音声もステレオ、もちろん動画中ズームもOKと割と高スペック。静止画はG10があるので正直あんまり気にせずに選びました。

どうでもいいですが、この機種のレッドとブラウン、カメラカバーにグラデーション塗装を採用つってますが、どうみても剥げたようにしか見えないですよね。発売から日が経ってるし、ちょうど展示台が色が薄くなってる部分だけ見えて、あとは重なってるような作りだったので、モックが展示しているうちに剥げたんであって、実物はこんなのじゃないですよね?と店員さんに聞いてしまったり(^^;)。レッドとブラウンを考えてる人は一度店頭でモックや実機を確認することをオススメします。

ってことで“剥げてない”シルバーをチョイス。ヘアライン好きだし。3,4800円にポイント20%で実質3万以下でゲットできました。

t900

メモステは、動画撮るなら速い方がいいだろうと、HGタイプをゲット。Amazonで通常タイプと1,000円差しかなかったので。16GBで7,980円。

タッチパネルタイプのCybershotとしてはDSC-T2に続き2台目。2,3世代を経ているだけあって基本は同じですがなんとなくこなれてきている気がします。今T2が手元にないのでどこがどう違ってるか挙げられないんですが。あっちは内蔵メモリ中心でアルバム管理周りがワケわかんないことになってた分の違いかも知れません。

撮影時のプレビューはノイズ出まくりですが、撮ってみるとちゃんと綺麗に写るので、あまり気にせずシャッターを押してしまう方が良いみたいです。マクロも自動で切り替わるのは便利。最近ずっとG10であれもこれも手動でパラメーター調整しまくって撮る、というクセが身についているので、久々になんでもおまかせってスタイルが逆に新鮮(でもちょっと不安)。まぁ、静止画方面は今回の使途だと出先でちょい撮りできてiPhone3GSより綺麗ならいいや、って感じなのであまり気にしないことにしましょう。

そういう意味ではこの薄さは重宝します。発表時、カタログ写真の巧妙な撮影アングルに「薄っ!」と驚きつつ、実物をみて「騙された…」って感じで萎えていたんですが、あれから時間がたって少し気持ちが寛大になったのかも知れません(笑)。

付属品は電池と充電池以外は未開封のまま。いまんとこクレイドルに載っけたり、HDMIでテレビにつないで再生などの用途は必要性を感じないです。そういうのが必要な人はminiHDMI端子が直接出ているIXYやLUMIXの方が良いかも知れませんね。

あと気になってるのは、愛用のPMBで本機で撮影した動画を認識しないっぽい点。製品付属のバージョンではなく最新版を使っていますがどうもダメっぽい。純正ユーティリティでこのていたらくはどうよ?という印象。製品添付CDから上書きインストールしたら対応しました。使っていた方のが新しいバージョンだったのでバージョン下がらないかドキドキだったんですが、本体のバージョンダウンはせず、必要なプラグインだけ追加されたぽいです。PMBはこの辺りのプラグイン周りが煩雑ですね。結果としては全自動で良かったんですが、もう少しインストーラーが親切に状況を説明してくれても良いと思います。

残念ながらPSPにメモステ差し替えても認識できない模様。>動画

■せっかくなので、KindleDXを撮ってみました

回線帯域に余裕のある人は是非HDモードでご覧下さい。

(字幕を入れる為に、TMPGEnc 4.0 Expressで再エンコードしています)

KindleDX用小説自炊レシピ 最終版?

色々と迷走していますが、ついにKindleDXで綺麗にDot-by-DotでPDFデータを表示する技が完成しました。したような気がします。

要点は、「画面内の部品を認識して無駄な外周マージンを省いて拡大表示してくれやがる」という“親切”機能を無効化したい訳なので、画像の外周に部品を置いてやれ!ってことです。試しにJPEG画像の右上と左下に汚れをつけたものをPDF化してやると、綺麗にDot-by-Dotで表示してくれました。

で、これを一括大量処理するソフトを物色。こちらの「おてがる画像変換」が利用できることがわかりました。元々は透かしやロゴなどを合成するためのものなので、一度に1つの画像しかスタンプできません。そこで、充分なカンバスサイズで、上端と左端に1ピクセルずつグレーの直線を引いた透過PNGを作ってみました。これをeTilTranで傾きとガンマ補正した中間画像にスタンプしてやることで、PDF化した時に綺麗にDot-by-Dot表示されることを確認。

2009.09.01追記:eTilTran V0.12β-5に上記と同等の処理をするオプションが組み込まれました。ツール->オプションで「Kindle対応」を「あり」に設定すればOKです。

というわけで、現時点の我が家での小説自炊レシピをまとめてみます(KODANSHA BOXの例です。文庫本などでは設定値に微調整をすることになると思います)。

■KindleDXでもPCでも綺麗に見られて、検索もできるPDFの自炊レシピ

・本を裁断し、ScanSnapで取り込む

画質は「スーパーファイン」で最低圧縮率に設定。今回取り上げた本では、1463×2155前後になりました(自動サイズ調整にしてあるので、ページ毎に若干サイズが変わる)。

・eTilTranで傾きとガンマ補正

「ヒストグラム」で灰レベルを標準の127から180~200程度に上げてやると、Kindle上で見やすくなります。イラストページとテキストページがわかれている作品なら、イラストページを除外設定(種別を「漫画」などに)してからかければ、イラストが黒くつぶれてしまうのを防げます。この辺り、eTilTranは本当に気が利いてますね。

・eTilTranからリサイズ出力

KindleDX専用ファイルなら784×1142。PCでも綺麗に見たければ1568×2284を指定します。JPEG圧縮率が一定なら、後者は前者の倍程度のサイズになります。で、JPEGで書き出します。

・おてがる画像変換で隠し逆L字線を書き込む

これをしないとせっかくサイズを計算して出力しても、Kindle上では自由気ままに拡大表示されてガタガタになってしまいます。また、eTilTranよりも先にこの処理をすると、eTilTranでの傾き補正で線が消えてしまう場合があるので、この工程を後にしています。

おてがる画像変換は設定を保存しておけばドラッグ&ドロップで一括処理できるようです。

・JTBなどでJPEGデータ最適化

JTB(jpegtran)のようなJPEG最適化ツールでExifやサムネイルなどの無駄なデータを除去したりグレイスケール化するなどの最適化をすると、画像劣化無しで数%ほどファイルサイズを落とせます。

・PDF作成とOCR

なんらかのPDFツールでJPEG画像群をPDFにします。Acrobat 9なら「ファイル->結合->ファイルを単一のPDFに結合…」で行えます。ちなみにプロパティ->概要で「作成者」欄に著者名を入れておくと、Kindle上でタイトル(ファイル名)に並んで表示されます。

ツールを持ってない場合は再度eTilTranを使っても良いと思いますが、傾き補正は無効にしておく必要があります。

σ(^^)の場合は、e.TypistでOCR処理した後に透明テキスト付きPDFとして書き出します。

 

■作成

別の本ですが、上記手順で作成したものの例です。写真じゃわかりにくいですが、前エントリのものより更に綺麗になったと思います。

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