仮面ライダー響鬼

 エクササイズ中に録り貯めたビデオを続々消化中。ERの第9シーズンに続き、1月の放映開始から1話も観てなかった「仮面ライダー響鬼(ひびき)」を視聴開始。
 毎回新作が発表になる度に「なんだよコレは。こんなの仮面ライダーじゃねぇよ」とうなだれつつも、見始めるとそれなりに面白くて見てしまう平成ライダー。今回のはその中でも異彩を放っていると思います。どうも平成6作目だけにアマゾン的なテイストを狙っているんだとか。

・仮面ライダーというより“鬼”

 山びこや一反木綿といった妖怪(劇中では魔化魍(まかもう)と呼称)を人知れず倒すための全国規模の組織“猛士”の中の戦士階級“角”(階級が将棋の駒メタファー)の人達が厳しい鍛錬を経て“鬼”に変身できるようになるらしい。
 昆虫モチーフではないので複眼デザインでもないし、変身ベルトもない。

・たくさんいる

 これは平成ライダーでは珍しくないですが、今回もたくさん出てきそうです。太鼓で戦う響鬼(近接戦闘型)、笛で戦う威吹鬼(いぶき)(遠距離攻撃型)など。空を飛ぶ一反木綿が出たら遠距離銃撃ができる威吹鬼を派遣するなどマッチングまで組織に管理されています。

・楽器で戦う

 “仮面ライダー”という呼称は今のところ劇中ではされておらず、公式サイトでは“音撃戦士”という言葉も。太鼓のバチで叩いたり、銃になるトランペットで撃ったりして魔化魍と戦います。変身ツールも音叉や笛など楽器系。それもあってかサントラもかなり異色。ガンダムSEED/DESTINYの佐橋さんの曲ですが、映像の合わせて効果音とも音楽ともつかない“音”が溢れています。仮面ライダーのノリとしてはビミョーですが、ちょっと面白いです。

・つーか、“ライダー”ちゃうし(^^;)

 威吹鬼はともかく、響鬼はバイクにすら乗りませんw。アシスタントのお姉ちゃんの車で移動します。自分ではマニュアル車もマトモに走らせられない様子。
 龍騎もバイクとは呼べないような乗り物に乗ったりしてましたが、自分で乗り物運転しないっつーのは斬新w。

・ディスクアニマル

 特徴的なガジェットとしては、各種の動物形態に変形する円盤状の小型装置です。鳥、狼、猿、蟹、蛇など。基本的に魔化魍出現ポイントの山奥にキャンプを張り、ディスクアニマルをばらまいて偵察させ、発見したら変身して倒す、というパターン。トランスフォーマーのカセットロボみたいなもんですね。ディスク状になった状態では記録メディアとして機能し、変身に使う音叉にセットすると偵察結果を伝達させることができるようです。ちょっとオモチャ欲しいかも…。
 とまぁ、「これはもう仮面ライダーじゃないよ」度がシリーズを重ねるごとに増してく平成ライダーですが、ストーリーや背景設定の緻密さは、「悪の組織が世界征服を狙っているので、毎週1体ずつ怪人を倒す」が基本の昭和ライダーに比べれば凝っていて見続けちゃいますね(途中を跳ばしにくい)。とりあえず3人目以降のライダーや新しいディスクアニマルが楽しみ。
 ちなみにEDが布施明ってのも異色。OPはインスト曲ってのもライダー初かな?
 あと、どうも威吹鬼の兄ちゃん、どっかで見たことあるなぁ、としばらく悩んでたんですが、実写版セーラームーンのマモちゃんですた(そういや実写版では「マモちゃん」、「うさコ」と呼び合ってなかったような)。

タイガー&ドラゴン

 私は国内ドラマはほとんど観ない人で、割と好きな「踊る大捜査線」もテレビシリーズはちゃんとは観ていない。テレビシリーズを通してちゃんと観たのは「TRICK」くらいじゃないかなぁ。
 当然、春の新番組もノーチェックだったんですが、naokAタソに今日から始まる表題のドラマを薦められました。年始にスペシャル版が放送され好評で、今日からテレビシリーズの放映開始です。まだ第一話は観てないんですが、とりあえずスペシャル版を入手して視聴。
 長瀬智也演じる笑いを知らない主人公が落語家に弟子入りする話。最初は型どおりの古典落語に挑戦してダメダメ。次第に型破りなスタイルで支持を集めていくというカンジ。話の展開自体はありがちですが、やっぱり気持ちがいいですよね。基本的に伝統の型が破られていく話が好きなんだな。ヤクザと落語家というギャップも面白い。
 ちなみに宮藤官九郎作品自体はじめて。唯一、「池袋ウエストゲートパーク」はリブリエのレビュー記事を書いた時に原作を試しに読んでみたことがあるくらい。元卓球部なので、「ピンポン」くらいは観てみたいと思ってるんですが、気を逸し続けたまま。
 テレビシリーズもHiVision制作のようなので、地デジのTS録画で予約してみました。とりあえず楽しみ。

スパイダーマン2とヒーロー考

 マーベル好きの上司Tさんに借りたままだった「スパイダーマン2」をようやく視聴。個人的には1作目より好きかな。正義を守ることと、自分の生活(彼女との恋愛)を取捨を迫られスパイダーマンを引退してしまう主人公。この辺の葛藤が石森章太郎チックで良いすね。
 これを観て、最近の平成仮面ライダーがなぜ今ひとつ燃えないかわかった気がする。クライマックスで正体がバレるという重大イベントが無いんだ。龍騎は一応最終回間際に令子姉さんに変身を目撃されるシーンがあったけど、555や剣だと一緒に戦ってる仲間は最初から正体知ってるんだもんなー。仮面ライダーに限らずウルトラマンのハヤタ隊員にしてもそうですが、普段秘密裏にヒーローをやってるせいで表の生活ではダメダメちゃんの地位に甘んじなければならない葛藤。そして、クライマックスに「えぇっ、いつもダメダメなアイツが、□□□□□の正体だったの?!アイツが今まで俺たちを守るために戦ってきてくれてたの?それなのに俺たちはアイツのことを酷く言ってしまった。それでもアイツは黙って戦って…」ってのが泣けるワケですよ。

ダメダメなアイツの例

  • ウルトラマンが怪獣を倒し終わった頃に戻ってくるアイツ
  • 年中教室でヒーローごっこをしているアイツ
  • バイトには遅刻するし、原稿の〆切も守らないアイツ

 やっぱヒーローものはこれがないといけませんな。是非このシチュエーションは必須要件にしていただきたい。
 そういう意味ではスパイダーマン2は王道的でマルですな。日本的、なのかな?他のアメコミ・ヒーローってどうだっけ?スーパーマンとかバットマンあたりはそういうのあったっけ?
 つーか、まだ続くの?>スパイダーマン
 ちなみにトレッキー的なポイントとしては、「STARTREK INSURRECTION(叛乱)」のヒロイン(?)アニージと、VOYAGERの132話「Blink of an Eye(超進化惑星の煌めき)」(←このエピソード大好き)で宇宙飛行士ゴタナ・レッズの役をやってた兄さんが出てました。どちらも最初だけだったけど。

MEMENTOとミステリートと前向性健忘

 前向性健忘という記憶障害があります。一般に知られる記憶障害(逆向性健忘)は、ある時点(例えば事故で頭にショックを受けた時)以前の記憶が想起できなくなるワケですが、この前向性健忘はその逆、つまりある時点以降、新たに物事を記憶することができなくなるというものです。(今時の認知屋として適切な説明ではないかもしれませんが)短期記憶から長期記憶への転写が阻害されてしまうワケですね。アルコールなどの薬物によっても引き起こされる現象なので、単発的には経験された方もいるのではないでしょうか?
 表題の2作品は、どちらも前向性健忘、それも脳障害で継続的に症状が起きるキャラクターが登場します。一定時間が経ったり、寝て起きたりすると、発症までの記憶がさっぱりなくなっているワケです。ある意味、普通の記憶喪失よりもタチが悪い。しかし、二人には絶対に忘れてはならない記憶があります。それは愛する人を殺した犯人を目撃した記憶です。MEMENTOの主人公レナードは独自の捜査でつかんだ事実をメモや自分の体へ刺青を刻むことで覚えようとします(メモは他者に改竄されるから)。ミステリートの登場人物、百合原玲は普段はボイスレコーダーを記憶補助に使っているものの、殺人現場に居合わせた瞬間にそれを所持しておらず、それを忘れまいとの執念で自分の血文字でメモをとり、探偵である主人公に捜査を依頼(その時点で既に目撃の記憶は無い)。


 この難儀な症状をサスペンスに取り込んだミステリートに脱帽していたところ、どうも元ネタがMEMENTOらしいということを知って、速攻レンタル屋に走りました。でちょうど週末風邪でベッドから出られなかったのを機会に視聴。
 うーむ、前向性健忘を(おそらく)最初にサスペンス劇に盛り込んだ点や、クライマックスから始まり、だんだん記憶を遡っていき、最後に事の始まりまで戻った時に衝撃の事実が判明する、という演出は見事なものでしたが、シナリオ全体を通していえば、ミステリートの方が良い出来ですね。確かに、前向性健忘な人が復讐を誓った時、MEMENTOのような結末はあり得る話だとは思うんだけど、、、
 単に、レナードがオッサンで、玲が可憐な美少女という感情移入上のハンデwもあるかも知れないんだけど、レナードが犯人への復讐心だけは記憶に刻んでいるのに対し、玲は殺人が行われた事自体記憶にない。その執念は外部記憶にのみ宿っている、という辺りも興味深い構図なワケです。
 まぁ、ミステリートをプレイした時以上の感動は無かったけれど、おそらくこの作品が生み出される為に無くてはならなかったであろうことを考えると、素直に有り難うと言いたい。>MEMENTO