RFIDタグで無くし物発見?XIAOMAI BH-01-C

我が家にはガジェットがたくさんあり、細かい付属品なども含めると行方不明になる品も多いです。フリマアプリで手放そうとしたら箱がない、純正付属充電器はどれ?などなど日常茶飯事。そんな時に役に立ちだなと思ったのがGREEN FUNDINGでクラファンしていたXIAOMAI BH-01-Cです。

こういうさも画期的っぽい中華ガジェットのクラファンは、AliExpressとかで格安で既に一般販売されてるものを輸入してるだけだったりしがちですが、本品については探した限り同一品ぽいものも同価格帯で類似した商品も見付からなかったので、超早割の25% OFFだしいっか、と買ってみました。

正直ハードもソフト(アプリ)も60点くらいの出来映えですが、現時点ではユニークで(家庭用では)代替品が見付からないカテゴリのアイテムなのでまぁアリかってところです。

■どういうもの?

日本人に馴染みが深いのは、特許侵害訴訟で話題のUNIQLOやGUのレジシステムです。商品のひとつひとつにRFIDタグをつけてあり、買い物カゴをレジにセットするだけで非接触で何が入っているか読み取って会計できるアレです。

Suicaなどでも使われるNFCチップを読み取り専用で極小のシールやカードにして安価な使い捨てにしたものというイメージで良いと思います。NFCチップは改札や決済端末などにほぼゼロ距離でかざす必要がありますが、RFIDタグは数m離れていても読み取りができる点も大きな特長です。またNFC同様にAirTagなどと違ってタグ側にバッテリーがいらず、スキャナーからの電磁波を電力源として応答します。バッテリー不要なので恒久的かつ安価に読み取りができます。

BH-01-CはUNIQLOレジよりも長い距離(公称6~7m)の範囲でRFIDタグの内容を読み取れるスキャナーで、スマホアプリとBluetooth接続することで、特定のRFIDタグを探すことができます。スマホアプリから探したい物品(事前に登録したタグを貼り付けたもの)を指定して、スキャナをもって部屋の中をウロウロすると、近くにある時に音が鳴って教えてくれます。

タグ捜索中の表示

ウチみたいにガジェット機材が何十点、細かい付属品までいれれば3桁はありそうな環境で、「あれどこしまったっけ?」みたいな時に重宝してくれます。公称6~7mですが実際には電磁波を反射する金属製の障害物(壁や箱)があると検知できないので、「家の中のどこにあるか見つける」というより、ロッカーや引き出しを1つ1つ開けて中にむけてスキャナーをフリフリする位の距離感だと思っておいた方がガッカリしないと思います。AirTagなどと違ってタグ自らが電波を発するわけでないので、どうしても通信距離は短いです。それでも電子マネーのようにビタ付けはしなくても数m先まで検知できるのはありがたい場面もあるでしょう。

■本体仕様

本体は充電式で、珍しく電池タイプ3,300mhAのバッテリーが脱着可能な形で搭載されています。一般的な電池サイズではないですが、将来的に劣化した際にすぐ交換できそうなのは良いですね。

普段の使用ではUSB-Cで充電して使います。ただしPower Deliveryには非対応で、A-Cケーブルでないと充電できないタイプです(60点)。

スマホとはBluetooth経由でリンクして使います。

■RFIDタグの種類

3種類のタグが用意されています。製品にも一定数同梱されていますが、もちろん追加購入も可能です。消耗品で、なければはじまらないものなので、本体と同時に追加パックもいくらか購入しておきました。

写真の右上が「汎用タグ」、左が「書籍タグ」、右下が「洗濯タグ」です。

共通要素として、表面に中国語と英語でタグ形状と、ユニークID、QRコードが記載されています。自分で何かを書き込める余白はほぼありません。ぱっと見なんだかわからないので、例えばこれを貼ったノートPCを拾得した人がみても「???」となりそう。海外旅行者の忘れ物かな?的な。NFCタグみたいに情報書き込みができるといいんですが、

汎用タグ

その名の通り一般的に使う基本形です。実測で60 x 15mmのシールタイプ。長期的にはわかりませんが、ガジェットなどの曲面にもしっかり貼れるくらいの粘着力はもっている印象です。

書籍タグ

蔵書管理などに使う用で、細長いです。実測93 x 8mmでこちらもシールタイプです。クラファンのページをみる限りでは、特に粘着力や通信距離に違いがあるかどうかは不明で、単に形が違うだけかな?という理解。貼り付けるスペースにあわせて使い分けてもいいのかどうか、いまいちはっきりしませんが、普通にそうしています。アプリ上でも特に書籍タグだから書籍アイテムにしか紐付けできない、みたいなことはなさそうです。

洗濯タグ(防水)

こちらは上の2つと違って粘着テープがついておらず、穴があいておりぶら下げる紐もセットになっているまさに「タグ」という感じ。サイズは60 x 25mm。衣料品店で値札やサイズタグと一緒にタグガンで留めて使うような感じです。ただタグカードというにはやや薄くてペラペラな感じ。また特徴として防水仕様であると書かれています。

衣類などにぶら下げるようの紐が同数付属してきます。プラパーツでパチっと留める方式。

個人的に衣類に使うことは考えていませんが、シールで貼り付ける必要がなく再利用もしやすいので、箱やバッグに入れておくような利用方法もアリかなと思っています。書籍なども一時的な用途であればしおりの様に挟んでおくのもアリかな?

RFIDタグのコスト

気になる価格ですが、クラファン後の一般販売価格はそれぞれ90枚で税込1,780円になる予定らしいので、1枚の単価は約20円というところです。3種セットパックなどもあります。もし一般通販サイトや家電量販店で販売されればもう少し安くなる可能性もあるでしょうかね?

■気になる点

使用アプリが探しづらい

専用アプリとして「Xiaomai Home」というのを使うんですが、付属のマニュアルペラ紙の記載がやや不親切。Android版はQRコードが載ってますが、iOS版は「AppStoreで”xiaomai home”と検索」とだけ書かれており、正式なアプリ名称やアイコンなども載っていません。検索した結果、違うアプリがトップに出てきたりしてもわかりません。なんといっても名前が紛らわしい。「Xiaomi(シャオミ) Home」というアプリも実在します。こちらはXiaomai(シャオマイ)です。これを手打ちで検索してインストールしろ、というのは危険すぎます。今時、iOS/Android共通のQRコードだって難しくはないと思うのですが、なぜこういう表記にしたのか謎です。ちなみにワンチャンリダイレクトしてくれるかな?と思ってiPhoneでQRコードを読み込んでみたんですが、Xiaomaiサイトから謎の(数字ファイル名の)zipファイルをダウンロードしようとしました。もしかしてAndroidもGoogle Play経由ではない?!

色々とあやしいです。一般販売までにもう少し体制が整うとよいのですが、、

起動が遅い

デバイスの電源ボタンを押してから、スマホとBluetooth接続できる待機状態にいくまでがけっこうかかります。起動画面が消えてホーム画面的な表示にかわるまで1分。そこからアプリで接続ボタンを押しても何度もタイムアウトになり、最終的に接続完了までコミコミで1分38秒かかりました。一般的なマウスやイヤフォンのようなBluetoothデバイスの接続と比べるとフラストレーションです。

タグが大きい

タグの中にはコイル的なアンテナが入っているので仕方ない(小さくすれば検出距離が縮む)のですが、小物ガジェットに貼ろうとするとはみ出てしまうケースも多々あると思います。機材でいえばRODE Wireless Proみたいなワイヤレスマイクとかは本体はもちろん充電ケースも微妙。小さいものほど無くしやすいと考えると、使いどころ自体が限られてしまう可能性も。

またデザイン的にも正直カッコいいとは言えないので、背面や底面にこっそり貼ろうと思うと、なかなか場所探しが厳しいなという感じ。

金属(アルミ)と相性が悪い

これまたRFIDタグの技術的弱点だと思いますが、金属面に貼ると電波が遮断なり反射されてしまい正常に機能しません。例えば、AppleTVの「Siriリモート」リモコンの裏面に汎用タグを貼ってみたんですが、数cmの距離まで寄せても検知できません。シールをペロっと剥がすと途端にピーピー鳴る、という感じ。たぶんアルミだと思うのですが、アルミはとても電波を通さないランキング上位の金属なんですよね。Apple製品の多くはアルミ筐体なので相性悪いかも知れません。追々iPadやMacBookでもテストしてみたいと思います(ていうか普通に使いたい)。

アプリが中国語中国語しい

Xiaomai Homeの主要な画面は一通り日本語化されているんですが、全体に中華フォントだし、一部画面で中国語が残っており、「中華製品」感がとても高いです。

実用面でも、意味がまったくわからない表示があったりして結構困ります。例えば、以下の画面はどういう状況だと思いますか?

これも是非一般販売までには改善していってほしいところです。

日本語翻訳されたワードがラベル領域からはみ出てしまっていて「マイデ…」とか「フィー…」とか意味不明な表示になってる箇所も目立ちます。これは英語表記に切り替えても同様です。

もう少しローカライズに力を入れてほしいところです。

アイテム登録に写真登録が必須

操作フロー面では、物品や部屋の登録に写真登録が必須な点が煩わしいです。

個人的には登録物からテキスト検索で探したい物品を選んで、スキャナーでピーピー音が鳴ってくれてよくて、画面で写真を見たり写真で探したりはしないかなと思います。何十、何百というアイテムを登録するのであればなおさらです。登録の手間は少しでも少ない方がよい。本を百冊登録しましょうって時に、1冊1冊表紙の写真を撮る手間があるとないとでは大違いでしょう。部屋(保管場所)にもいちいち写真を要求する意味がわかりません。アイテム登録時の部屋選択UI上は文字タグしか出ないのです(写真赤丸部分)。

いちいち全ての写真を要求するのは手間だし容量の無駄でもあります。使えてもいいですが必須にするのはやめていただきたい。

その他、全般的にアプリが使いづらい

その他にも、デバイスとBluetooth接続する時にいちいち確認ダイアログが出るとか、ユーザー名がメールアドレス表記で、識別しやすい名前をつけられないとか、微妙に使いづらい、気が利かないところは多いです。おいちゃんユーザビリティの専門家だからコンサル発注しないかい?と。

■まとめ

全体にこなれてない感が拭えませんが、現状家庭用製品としてはかわるものがなく、ユニークな価値をもっている商品だと思います。一般販売時までには色々とブラッシュアップを期待したいところです。

あと予備タグの販売経路も充実させ、かつ継続を期待したいですね。