xTool F1を買って1ヶ月でF2が出たorz→買い換えた

レーザ加工機xTool F1を2025年10月4日に注文し7日に届きました。3Dプリント品へのマーキングも、白フィラメントで苦戦しているものの、当初の目的だったことはできていた満足していました。

が、同月中旬、なんと後継モデルのF2が発表されてしました…

ほぼ同じ筐体サイズながら、F1と比べると

  • ブルーレーザー15W、赤外線レーザー5Wに強化(F1は10W/2W)
  • プレビュー(位置あわせ)用の50MPカメラ搭載
  • 最大速度6,000mm/sに高速化(F1は4,000mm/s)
  • オートフォーカス搭載
  • Wi-Fi / USB / IP接続(F1はWi-Fi / USB)

といった進化を遂げました。IP接続ってなんだろ?Wi-Fiと違うんですかね?

出力が上がったことで金属によくくっきりマーキングができるというか、黒色マーキングができる的なことが書かれています。できることが増えるのはありがたい。

また地味に大きいのがカメラの搭載。いまは青色のレーザーがプレビューとして照射されて、それをみて刻印対象物をズラして刻印範囲を合わせます。設置の都合上、PCとF1本体を数歩離れたところにおいてるので、この微調整に何度も往復するのが面倒だったんですが、おそらくxTool Studio上でカメラ映像をみて刻印箇所を合わせられるのでかなり効率化されるはず。安全上最後のスタートボタンは本体まで押しに行かないとならないのは一緒でしょうけど。F1/2 Ultraみたいにスライドエクステンション上に無造作に並べた材料を自動ロックオンして位置あわせするフリーダムガンダムみたいな機能はどうもなさそうですが、手動で位置あわせできるだけもありがたい。

あとエンクロージャーのカラーがグリーンからオレンジに。個人的にはどちらも好きですが、隣の3Dプリンター周りにオレンジのパーツが多いので並べた時にまとまりはいいかなとか。

定価基準だとほぼ同水準で、久しぶりに「やっちまった~」となりました。F1が出てから随分経ってること、上位モデルのUltra系ではF2 Ultraが出ていたことも認識はしてましたが、F1が代替わりするとは何故かまったく思いもしてませんでした。

が、しかしF2の予告ページをみているとFAQに以下の項目が。

FAQをみただけなのに「ご要望を申し伝えました。担当者より追ってご連絡いたします。」というのもおかしい日本語ですが、待ってれば最近買った人になんらかのアップグレードオファーが届くかのように見えます。ただ待ちきれないので記載のメールアドレスに問い合わせをしてみたところ、購入1ヶ月以内なら返品できるからF2買い直してくれ、という返信が!この時点で10月27日。ギリギリセーフです。発表があと1週間ほど遅かったらアウトだったかも知れません。これが特別オファーなのか、もともと海外企業なので一ヶ月以内の返品は普通なのかはわかりませんが、個人的には神対応と言わざるを得ません。

しかも、当初「一ヶ月以内に返送」と言われてたんですが、「F2の発送日がいつかわからないので、できるだけ一ヶ月ギリギリまで待って返送するよ」と返したら「できるだけ使用不可能期間を短くしたいというご要望をマネージャーに伝えまして、F2到着後の返送で良いと了承を取りました」的な返信が!そこまでお願いしたつもりはなかったのにシゴデキなオペレーターさんです。

なお、自分はAmazonのxTool公式ストアでF1本体+空気清浄機+スライドエクステンション+ロータリーユニット(RA2 Pro)のセットを買っており、

  • F2も同様のセットがあるのか、あるなら価格は?
  • 同等品なら梱包面倒くさいのでF1本体だけ返してF2本体だけ購入したいが可能か?可能なら価格は?

といったこともサイト記載前に丁寧に返信してくれました。結果的にF1本体のみの返品で、F2の発売記念クーポンなども組み合わせて4,5万の追い金となりました。素材キットも一部使ってたけど返品不要とのこと。ただF2ではロータリーユニットは新型のRA3も対応したらしく、そこも可能なら交換したいなと思ったんですが、まぁ値段も結構違うしそこまで使うかというと微妙なので、RA2 Proに傾斜やレーザー照射装置を追加するアップグレードキットだけ追加注文することにしました。

■注文受け付け開始日

事前に3,000円の内金をしておくと30,000円引きクーポンになるというキャンペーンをやっていたので、もちろん事前に購入。本予約は11月6日の午前11時開始とのことで首を長くして待ちました。時間にサイトを訪れると注文可能にはなっているものの、30,000円引きクーポンの適用方法がわからず。注文ページには18台まで翌日発送、それ以降は11月20日になると記載があり、しかもカートページでは残り4台みたいなことも出ていて焦りました。

結局、メールをみたら3,000円クーポン購入者にリンクが届いており、そこから辿ると無事30,000円OFFが適用されました。三井住友カードの不審購入ブロックにひっかかったりしてさらにワチャワチャしましたが、どうにか注文完了。その後でもう一度カートに入れて見たら「残り3台」となっていたので、多分初回発送分を確保できたと思いたい。さすがに新型iPhoneみたいな勢いで売れるものではないでしょうけど、わりとギリギリだったかも知れません。

発送連絡が来たらすぐにF1を梱包して返品手続きをしたいと思います。

■まとめ

一大決心して買ったF1が一ヶ月足らずで後継モデル発表となりうなだれかけましたが、神対応で救われました。今ストアの表記をみると14日返品OKとなっているので、30日以内というのはF1を買ったばかりの人向けの特別対応みたいですね。マジで有り難い。

xToolは国内代理店がなくサポートに不安や遅延があると某動画で言われてましたが、実際にやりとりしてみると担当者は英語っぽい名前ですが翌日には日本語で返信が来て非常に満足のいくサポートでした。格安機種にしなくて良かったなと思います。

ただ今回はAmazonでセットを購入したうちの一部返品になるのでAmazonを経由せずに直接返送した方が話が早いとなって返送先が送られてきたんですが、なにやら個人名+gmailアドレスになってたのがあやしげっちゃあやしげw。ストリートビューでみると倉庫っぽい建物ではありますが。やはり正規拠点はなくて委託みたいな形なのかも知れません。まぁきちんと対応してもらえるなら気にしなくて良いでしょう。今後修理とかの必要ができた時に、そこで対応するのか、本国を往復するのかは気になるところです。入らなかったけど保証サポートに加入してたら新品交換とかになったり?

HT PLAの耐熱テストを実施

コンシューマー向け3Dプリンターでもっとも使われる素材はPLAでしょう。安価で難しい調整なしに綺麗に造形でき、カラバリも豊富で使いやすい材料ですが、比較的低温でも造形できるということは溶ける温度が低いということで、造形後も高温になると変形してしまうということになります。形状や荷重状況にもよりますが多くのPLAでは概ね50~60°くらいで変形してしまいます。

今回はそんなPLAなのに150℃まで耐熱性があるとされるPolimaker HT-PLA(耐熱PLA)を入手したので、オーブンで実際に熱を加えて変形しないのかテストしました。

検証に使ったモデルは当ブログ/ショップの人気アイテムのこちら。

こちらで注文できます

TOYOTA新型クラウン/80ハリアー向けスペアホール→タイプDスイッチアダプター

TOYOTA新型クラウン/80ハリアー向けスペアホール→タイプDスイッチアダプター

参考価格: ¥1,800(別途消費税、送料がかかります)

在庫: あり

自動車内で使うパーツなので、炎天下の車内でも変形しないよう配慮して割高なBambuLab純正のASA-CFという材料を使用して販売しています。炭素繊維が混ぜ込んであり軽量で精度の高い造形が可能で、耐熱性能は110℃までとされています。難点として、

  • 単価が高い
  • 造形に必要な温度が高めなので加熱時間や電気代も嵩む
  • 使用前に8時間の乾燥が推奨されている
  • 表面がややカサカサした質感(実際には付かないが指に粉がつきそうな手触り)

という感じで色々とコストがかかります。反りや外観の綺麗さを求めて試行錯誤も大変でした。一応セッテイングを詰めたので今は機械的に追加生産できますが、今後またASA-CFでなにかを作る時はまた試行錯誤することを思うと少し大変。またなにより問題なのは、Bambu純正ストアで品切れが続いているという点。今ある分を使い切ったら一時的に製造ができなくなる可能性があります。BambuストアはPETG-HFも売り切れがちだし、もう少し在庫を潤沢にもつようにしてほしいものです。

■主要材料を加熱テストしてみた

現在同アイテムで使っているASA-CF(110℃)、その代替材料となるかも知れないHT-PLA(150℃)、PLAよりも少しだけ耐熱性がある(69℃)PETG-HF、そして一般的なPLA代表のPLA PROの(57℃)の4つのフィラメントで同じアイテムを作り、コンベクションオーブンで耐熱検証をしてみました。

最初に造形の出来映えを見比べる

それぞれ右下にレーザーマーキングもしていますが、左からHT PLA、PETG-HF、ASA-CF、PLA PROとなります。表面の滑らかさではASA-CFは劣りまる。結果表面の凹凸ができるのでレーザーマーキングも若干見づらくなります。他の3つはさすがの綺麗さです。HT-PLAは耐熱性が高いせいか他と同じレーザー出力設定だとやや発色が薄く、通常2パスのところ5パスに増やしてやる必要がありますが、結果としては充分綺麗なマーキングが可能です。

トータルでいうと見た目の綺麗さはPETG-HFかなと思います。まぁ見えないところに組み付けるパーツなのでそこはさして重要ではないのですが。

コンベクションオーブンで加熱試験

加熱は3Dプリンターユーザーはみんな大好き、テスコムのTSF61Aを使います。

万一ドロドロに溶けてもいいようにアルミフォイルを敷いて4つに並べます。

設定温度は80℃。このアイテムは車内といってもパネルの裏側に取り付けるので直射日光が当たるような場所で使われることはないのですが、一応マージンをとって高めにしています。風もあたるような場所ではないので送風はオフで7時間加熱しました。炎天下の真夏日に丸一日放置というイメージです。実際には内部のスイッチ部品をぴっちりはめ込むので、収縮に抵抗するかも知れませんが、今回はあくまでも単体で置いての検証です。

結果としてはスペック通りの順当な形になったかと思います。

左から2番目のPETG-HFと右端のPLA PROは明らかに背が低くなっています。ちなみに造形時は「▲DRIVER」と書いてある方を上にしていますので、X-Y方向に大きく縮んだ形です。

サイズ変化を定量的にまとめてみます。幅、奥行き、高さは写真の向き基準、()のXYZは3D造形時の基準です。1mm以上変化が出たところを赤字にしています。(加熱前のASA-CF基準なので造形時点で多少誤差はある可能性はあります)。

フィラメント名耐熱スペック幅(Z方向)奥行き(Y方向)高さ(X方向)
加熱前(ASA-CF)29.8mm25.2mm29.9mm
HT-PLA150℃30.5mm25.2mm29.0mm
PETG-HF69℃34.3mm24.8mm24.9mm
ASA-CF110℃29.9mm25.6mm29.2mm
PLA PRO57℃32.5mm24.8mm27.0mm

PETG-HFとPLA PROは論外ですね。実際にスイッチ部品2点が挿入できたのはASA-CFとHT-PLA。ただHT-PLAはわずかにスイッチの動きが渋くなりました。数字でもASA-CFの方が変化が少ないですが、これは基準も同じASA-CFだということを差し引いて考えもいいのかも知れません。

このアイテムでいえば、おそらく設置箇所が80℃になることはないので、ギリギリHT-PLAでもいけるのかも知れませんが、やはり入手困難になるまでは引き続きASA-CFが最適かなと思いました。スイッチ穴のサイズをコンマ何ミリ単位で微調整を繰り返してきたモデルなので、ほんのわずかな歪みでもスイッチが戻らなくなってり抜けなくなったりする可能性がありますし。

■まとめ

PLA系なのに150℃まで耐えるというHT-PLAの実力が検証できました。サイズ変化という意味ではわずかにASA-CF(耐熱110℃)に劣る結果でしたが、

  • ASA-CFに比べて安価で現時点では入手性も良い
  • カラバリがある(ASA-CFは黒のみ)
  • 造形面が滑らかで綺麗
  • 造形温度が低めで短時間でプリントできる

という点で価値の高いフィラメントだと思いました。

高い寸法精度を維持することが要求される今回のアダプタでは引き続きASA-CFを使おうと思いましたが、このまま入手難が続くようだとHT-PLAに移行するか、他社ブランドのASA-CFも購入して検証かなというところです。

[3Dプリント] トヨタスマートキー小型化ケース刷新、IGLA2キーフォブ一体型もあるよ!

車のスマートキーってなんであんなにデカいんですかね?あらゆるものが技術進歩で小型化する中、自動車のスマートキーはちっとも進化しないというかなんなら大型化しています。イモビライザーに要求されるセキュリティ機能が高度化する中で仕方ないことなのかも知れませんが。また昨今はスマホを使ったデジタルキーなども搭載が進んでいますが、特にバックグラウンド動作に厳しいiOS(iPhone)では実用上まだまだ難アリだと思います。せめてBluetooth機器のように複数の車両とペアリングできれば良いのですがそれすら実現する気配もなく、複数台の車を所有している場合はこのデカいのをいくつもぶら下げるはめになります。

■スマートキーの構造について

ところで、皆さんはスマートキーの電池交換などでケースを開けたことはありますでしょうか?ディーラーやカー用品店でやってもらうという人もいるでしょうし、意外と中を見たことがないという方もいると思うので、写真を貼ってみます。

スマートキーの中身

写真の赤枠部分がメインの基板(電池含む)です。そして青枠は非常用のメカニカルキー(物理鍵)です。電池切れの時などに引き抜いてドアの鍵穴に刺して昔ながらの開け方をするものです。このようにメカニカルキーが外周に格納されているため一回り大きくなっています。その他、衝撃吸収とか浸水のマージンとか色々設計上の都合はあると思いますが、実際の動作に必要な基板は思いの外小さいということです。

以前このブログでは、30プリウス(ZVW30)のスマートキーを小型化する試みをしました。

メカキーを廃して基板ギリギリサイズのケースを3Dプリンターで自作したのです。今回はメイン車両である新型クラウン用のものについても改めてチャレンジしてみた、という記事になります。先の写真のスマートキーはトヨタの現行車種の多くでも使われているタイプです(ハリアー、カローラシリーズ、ヤリスシリーズなど、電動ハッチバック非搭載車は2ボタン)。

■新たにクラウンなど現行車種用も製作

今回の進化ポイントは、

  • 従来格納できなくなっていたメカキーに鞘状のカバーを製作し、一緒に鍵束にぶら下げられるようにした
  • レーザー刻印機を導入したので、ボタンのアイコンなどをフィラメント交換式に比べより精緻に入れられるようになった
  • カーボン模様転写ビルドプレートを使い、表面と背面にカーボン柄(微細な凹凸)を入れてみた
  • 動作LED部分は薄く造形して透かしていたのから、透明レジンによるクリアパーツ化で視認性アップ

という辺り。現状の仕上がりはこんな感じ。

現行スマートキーの基板は長方形ではないので、それに沿わせて凹凸のある外形になっています。メカキーのカバーを作るというのはある方にいただいたアイデアなんですが、やはりメカキーも携帯しないと不安だという方や、鍵束にぶら下げないまでも周りに傷をつけない形でバッグの底などに入れておきたいという方にも刺さるんじゃないかなと思います。ついでに同じ製法でプリウス用もリニューアルしてみました(レジンパーツと鞘ケースは除く)。

IGLA2のキーフォブも一体化

我が家のクラウンクロスオーバーにはAUTHOR ALARM社のカーセキュリティIGLA2+を搭載しています。乗車時の自動セキュリティ解除のために、小さなタグ(キーフォブ)を携帯しておく必要があるのですが、これも樹脂カバーを外すと電池と小さな基板で構成されていますので、ついでとばかりに本ケースの底に搭載できるようなバージョンも作成しました。

基板が二階建て構造になり電波干渉が起きないか不安で、アルミ板をシールドとして挟むことも検討しましたが、現時点では特になにもせずとも動作は良好な気がしています。

二階建てになった分、厚みは少し増していますが、それでもポケットの中での収まりは良いんじゃないかなと思います。

こちらがメカキーを収める鞘ケースです。とりあえず凝ったロック機構などは設けず、穴のキツさだけで固定しています。滅多に使用するものではないので、結構固めで不意に外れないことを優先。

■現状の課題

夜間の視認性がイマイチ

レーザー刻印によるマーキングは明るいところでみるとかなりクッキリしていて綺麗なのですが、真っ暗に近いところだと反射面積が少なくてやや見づらいかなと感じています。カーボン柄の反射に埋もれがちなのもあるかも知れません。基本的にここのボタンを操作するのはたまにバックドアを手動で開けたい時くらいなので致命的とまでは行かないですが、素材カラーや刻印のデザイン、サイズ、太さなどで改善できるならしたいなというところです。

白字に黒は見やすいが、レーザー刻印では難しく研究が必要

形状での判別しづらさ

似たような話ですが、ポケットに手を入れて操作しようとした時に、向きや裏表の判別を手触りだけでするのがやや難しいなと思います。向きは鍵束のリングの付き方などでまだなんとかわかりますが、裏表に関してはどちらも全くのフラットなのでちょっと困ります。これまた使用頻度が低いのでどこまで突き詰めるかは思案中。

3Dプリントなので自由に凹凸をつければいいんですが、3Dプリンターの構造上、やはり一番綺麗に面が作れるのはビルドプレートに押しつける底面なんですよね。ここの凹凸をつけるということは、その面を上にして造形するとか、下にサポート材という捨て部分を作ることになり、結果的に表面の滑らかさが犠牲になります。そうするとレーザー刻印も綺麗に出なくなったりとデメリットも多いのです。表面のフラットさをキープしつつ、上手く裏表が判別できる形状を考えたいと思います。

  • 裏面だけにモールドをつける
  • 側面の形状を工夫する
  • 後から凸部品を貼り付ける
  • 初期プリウス用みたいにボタンパーツを別体化する
オリジナルのボタンパーツを流用した例

スナップフィット(パチ組み)の強度

プリウス版では外側に爪を4箇所生やしてパチっとロックする機構でしたが、今回はそれを内側に隠蔽する構造を採っています。当初6箇所にしていましたが、小さい突起なので何度か開け閉めしていると折れてしまうことがありました。3Dプリンターの積層方向の関係でどうしても剥がれやすい向きでもあります。

スナップフィット部分の拡大図(初期版)。3Dプリンターが造形する層毎の筋で割れやすい

現在は爪から全周囲む形にして強化を図っていますが、いずれにせよ

  • 意図せずパカっと開かないこと
  • 電池交換時には労せず開くこと(純正スマートキー同様、メカキーでこじって開くスリットを設置)
  • 繰り返し開け閉めしても破損しないこと
  • 落下などの衝撃でも破損しないこと

などが要件となり、まだまだ検証が必要そうです。

防水性

純正スマートキーではボタン部分をカバーするシリコンシートが挟まっていますが、本品ではボタン部品がなく、表面のたわみだけで内部スイッチを押す構造なのでシリコンシートは流用していません。ただキャスト(金型に溶けた樹脂を流し込んで作る方法)と違って、3Dプリント品な層と層の間に微細な隙間が空きがちなので、どうしても完全に水分を遮断するのは難しいです。層の厚さや温度(溶かし具合)で改善はできるのですが、他の造形上の都合との両立も難しかったりします。

トヨタのスマートキーは「飛沫は平気だけど洗濯したらアウト」というスタンスのようで完全防水とはなっていません。現状はそれに準じるくらいの防滴性能くらいが目標かなと思います。

3Dプリントで造形する以外の方法での防水も考えています。

  • 防水スプレーなどでコーティングする(表面は摩耗するので内側?)
  • 内部基板をリモコンなどを水滴から保護する熱収縮フィルムで保護?
    • ドライヤーやヒートガンで基板を炙ることにリスクもあり

技適問題

前記事でも触れましたが、電波を出す製品は検査を受けて技適(技術基準適合証明マーク)を取得して販売されます。これを改造することは基本的にできません。ただ調べた限りスマートキーの技適番号は内部の基板に刻印されています。つまり基板単位で認証をとっており、外装ケースは認定に含まれていないのでは?という指摘があります。事実トヨタの異なる形状のスマートキーで内部基板と技適番号は共通だった、というパターンが存在するようです。ただまぁこれについてはなにもみても誰に聞いても「大丈夫です!」というお墨付きは得られにくく、どこまでもグレーだと思います。あくまで樹脂ケースだけ頒布して組み付ける(改造する)のは自己責任でヨロ、という逃げも可能かもは知れませんが、まぁあまり大っぴらにはできず、個人で使うだけに留めるのが無難かなぁと。なのでショップには陳列しないかもです。

■まとめ

メカニカルキーを一体化して携行できないという点を犠牲にすることで、よりコンパクトなキーカバー(シェル)を自作してみました。常時2つ持ち歩く私としてはポケットの中が劇的に”スマート”になった気がします。また今回は外したメカニカルキーにも鞘をつけることで一緒に鍵束にぶら下げたり、バッグの中などに入れておくことができるようにもなりました。

大手を振って販売できると喜ぶ人も少なくないとは思いますが、法律的なところ誰か詳しい方教えてください。

3Dプリントフィラメントの残量をきっちり測る

3Dプリンターで造形する時、スプールに残ったフィラメントで足りるかどうかは常に気になります。造形途中でフィラメントが切れると面倒くさい一方、できるだけ無駄なく使い切りたい。

MakerWorldにこの手のスケールが多数公開されており、写真のように当てるだけでおおまかな残量を調べることができるのですが、さすがに「おおまか」すぎるのと、そもそもスプールの横幅がブランドによって違うので、より正確に測るにはブランド毎にこれを用意して使い分ける必要があり、なかなか厳しいなと思いました。

Bambu Studioでスライすると画面のように使用フィラメント量の予想が距離と重さで表示されるので、足りるか微妙~って時はやはりこれを活用して重量できっちり判定をしたいという考えに至りました(距離で測るのは難しい)。

ブランド毎の空スプールの重量はまちまちですが、少なくとも一度使い切って空スプールができたブランドは重量データを残しておけば、次からそれを引き算して正確なフィラメント残量を調べることができよう、という話です。せっかくなので、ここにも順次記載していきたいと思います。

Bambu純正(通常)248g
Bambu純正(高温)
(樹脂スプールの場合、紙芯を含む)

我が家の場合、フィラメント先端を固定するクリップも取り付けている場合があるので、参考値だとお考えください。

デジタルスケールを買い換える

普段、事務用として作業場にある測りは郵便物くらいにしか使わないので10年以上前に買ったアナログ針式のものしかなかったので、この機会にデジタルスケールに買い換えることにしました。デジタルだと数値が読みやすい他、現在の計量値を引き算できる「風袋(ふうたい)引き」という機能がボタンひとつで使えるのがポイントです。アナログ式だとダイヤルをグルグル回して0g位置に針を合わせるのが地味に面倒。

フィラメントスプールは基本1kg単位なので、スプール重量を加味して1kg強が測れる必要があります。他の用途も考えると2kg~5kgまでは測れるのが良いでしょう。逆に0.1g単位まで測れる必要はあまりない。それよりはデスク周りに置くのにできるだけコンパクトなものがいいです。まとめると今回の用途だと、

  • デジタル表示
  • 2kg以上計測できる
  • 1g単位で充分
  • 風袋引き機能マスト
  • 大きなものを載せた時に画面が隠れにくい、またはホールド機能搭載
  • スリムでそれなりにオシャレな外観(今回の置き場所だと黒が理想)

といった要件定義になりました。

選んだのはこちら。

  • 3kgまで測れる
  • 国産で法規にもきちんと準拠

といったところで信頼性も高そう。ちなみに裏返したところのシールにはKINGJIM L-3010という記載があります。キングジムのOEM品のようですね。商品ページにはないですが説明書をみるとPCS機能、つまりネジなどの小さい部品をジャラジャラっと載せて数を調べる機能もついていました。逆にホールド機能はないですが、表示部と計測台には段差があるので覗き込めばなんとかなるかと妥協。後述の治具も作って対応しました。

最後まで悩んだ候補はこちら。滅茶苦茶小さいのが魅力であると同時に、フィラメントスプールを載せるのにはさすがに小さすぎるかなと思って外しました。

「コーヒースケール」というカテゴリで探すと黒色でコンパクトでオシャレなデジタルスケールがたくさんあるんですが、タイマー機能など今回の用途では不要な機能が色々あって逆に使いづらそうなのと、値段も高い傾向があるので断念。USB充電式だったり、ガジェットとしてはかなりそそるんですけど。

実際のフィラメントを図ってみる

スプールは寝かせると画面が隠れて見えないし、立てると転がって行きやすい形状なので、写真のような固定台を作ってみました。

本機は都度風袋引きの「T」ボタンを押さなくても、電源投入時の重さを0gとしてくれるので、これを載せてから電源を入れれば、この固定台の重さは無視できます。

実際に冒頭の残り僅かなスプールを図ってみると294.5gとなりました。

空スプールが248gなので、残量はあと6.5g程度だな、という計算ができます。常に空スプールが手元にあれば、まずそれを載せて「T」ボタンで風体引きしてさっと測りたいスプールに載せ替えれば実際の残量が直接表示されますが、そのために空スプールを全種用意しておくのがちょっと現実的ではないかな。あらかじめ引き算する値をメモリしておけるようなインテリジェントな量りがあると理想ですね。

IKEAの多孔ボードSkadis用のマウンターも作成

各種ツールをIKEAのSkadis(スコーディス)に壁面収納してるので、これも一緒に入れておけるように専用ホルダーも作ってみました。

まとめ

フィラメントの残量を計測するのに必要充分な精度と基準をもったデジタルスケールが1千円ちょっとで買えて満足です。

唯一ホールド機能がないので、定型外郵便物の計量などで大きい封筒や段ボールを測る時は少し不便かなとも思いましたが、色々バランスを考慮して妥協しました。是非次期モデルではホールド機能を搭載してほしいものです。

macOSでギガぞうWi-Fiにつながらない時の信じられない馬鹿馬鹿しい解決方法

最近、ファミレスノマドをする機会が増えてきたので久しぶりに公衆Wi-Fiサービスである「ギガぞうWi-Fi」を契約しました。ファミレスに無料Wi-Fiがあったりしますが、1時間で認証が切れてしまうので、ターミナル作業とかしてると非常に煩わしいんですよね。「ギガぞうWi-Fi」は昔からをWi2系列の新サービスのようです。

しかし複数店舗で試してもMacBook Proから接続ができず、電波状況以外の原因で問題があることが確定したので、色々試行錯誤してようやくつながった方法をメモしておきます。結論だけみたい方はスクロールしてすっ飛ばしてください。

本来のステップ

ギガぞうWi-FiはWebページの接続説明がかなり乏しいし、トラブルシューティングのFAQも全く役立たずです。その替わりというか正規の方法としては「専用ツールで設定するだけでOK」というスタンス。が、そのツールでやってもつながらない→役立つヘルプ情報がない、というスパイラルです。

macOSの場合ツールといってもアプリをインストールする方式ではなく、ブラウザで構成プロファイル作成ページにアクセスして、そこでログイン情報を入力すると、たぶんそれを埋め込んだ構成プロファイルが生成されダウンロードできます。これをMacBookにインストールするとWi2eapというSSIDのWi-Fi設定がシステムに追加されます。本来はこれで都度認証する必要がなくなるはずなんですが、なぜか毎回IDとパスワード入力ダイアログが出ます。

公式FAQに「Wi-Fi接続時に、Wi2のログイン画面が表示されてしまう場合について」といエントリがあり、そこには

これは、SSIDに接続後、OSがインターネット接続状態を確認したときに、アプリでのユーザー認証が完了していない場合に起こります。
この場合でも、バックグラウンドではアプリによる認証処理は続いているため、ユーザー認証が完了次第、インターネットがご利用可能になります。

電波状態や通信速度によっては、ユーザー認証が完了するまでに最大15秒程度かかる場合がございます。
ログイン画面が表示されたとしても、ID/パスワードを入力せず、しばらく待っていただくと、自動認証処理が完了してインターネットがご利用できる状態となります。

と書かれています。が、待てど暮らせどインターネットに接続されることはありません

追加で試したこと(解決せず)

  • マイページからMacBookのMACアドレスを登録
    • もちろんmacOSのダミーMACアドレス機能はオフにし、ハードウェア本来のMACアドレスを登録しました
  • ログインIDは「(Aではじまるお客様ID)@gigazo@wi2」形式、パスワードはマイページにログインできることを確認した正しいもの、の組み合わせで認証

最終的に接続成功した方法(要iPhoneアプリ)

では、以下に私が成功した方法を説明します。なおOS環境はmacOS Tahoe(26.0.1)です。

1. macOS用のプロファイルを導入しておく

こちらで正規の手順で構成プロファイルを作ってインストールは済ませておきます。

正常に完了していれば、「設定」アプリで「プロファイル」と検索すると「構成プロファイルをインストール/表示/削除」という項目がヒットし、選択すると右側に「Wi2 high security profile」という項目が表示されるはずです。

これをすることでWi2eapというWi-Fiへの接続設定がシステムに登録されるようになります。ただしこれだけだとWi-Fiにはつながるんですが利用認証のID/PWが通らないのでインターネットに接続できません(何度もID/PWを聞かれる)。

2. iPhoneにiOS向けの「ギガぞうWi-Fi」アプリをインストール

こちらをインストールします。たぶんiPadからでもいけます。Androidでは試せていません。

アプリを起動するとログインを求められるので、マイページに入る時のお客様IDとパスワードでログインします。正常に設定を済ませるとこちらは普通にWi2eapというWi-Fiに接続できるようになるはずです。

その状態でiOSの「設定」アプリを開き、Wi-Fi設定画面にいくと「Wi2eap」という設定ができてると思うので、右側「i」ボタンをタップします。

すると詳細画面が開きます。ここにユーザー名、パスワード欄があり、タップするとFaceID/TouchIDで認証された後、「お客様IDとは似ても似付かない文字列に@gigazo@wi2がついたID」と「見たこともない長いパスワード」が表示されます。これをMac側で表示されているID/PWとして入力するとあら不思議、すんなり接続/認証できました。

IDもPWも長いですがタッチするとコピーできるので、ユニバーサルクリップボード連携ができていれば、iPhoneでコピー、MacBookでペーストができると思います。認証ダイアログに直接ペーストしてもいいですが、自分は念のためMacBook側のテキストエディタにペーストして内容を視認してから使いました。

考察

ようするにギガぞうWi-Fi公式ツール(構成プロファイル生成Webアプリ)が壊れている、もしくは最新のmacOSに対応しないまま放置されているんじゃないかと思います。

構成プロファイル(.mobileconfig)はApple ConfiguratorというApple純正ツールで中身を確認できますが、普通に生成時に入力したIDに「@gigazo@wi2」を付加したIDが登録されていました。パスワードはマスクされていて見えませんが、ようするに手入力した場合と同じ内容が送信されるよう組まれているわけです。手入力で通らないものは構成プロファイルでも通るわけがありません。

プロファイルを作成する時に、上記の方法でiPhoneから取得したID/PWを使ってやれば、きちんと動作するものができるんじゃね?と思ったんですが、単に生成プロファイルに埋め込むだけでなく一旦認証もしているようで、残念ながらID/PWが間違っているといわれて生成に進めませんでした。

またApple Comfiguratorで編集して正しく機能するプロファイルに更新しようとも思ったんですが、プロファイルが電子署名されているため書き換えNGでした。

結局のとろこ、上記の手順で

  • SSID「Wi2eap」の認証鍵はは構成プロファイルの情報でパスする
  • ID/PW認証はiPhoneから取得し、OSのWi-Fi設定に保存する

の二段階を踏む必要がありそうです。

一度設定してしまえば次からはなにもせずとも自動接続してくれるので実害はないですが、ともあれ公式手順やFAQをいくら眺めても辿り着けない方法が必要だったので共有しておこうと思います。