発売直後から気になってはいたものの品切れ状態で買えなかったIRKit(公式サイト)がようやくAmazonで注文可能になっていたので速攻で入手してみました。
これはよくあるスマフォからネットワーク経由で操作できる赤外線学習リモコンサーバー製品ですが、
- 価格が安い(7,700円)
- iOS用のSDKやWeb APIなどが提供され自作アプリ開発が容易
- Arduino Derivativeベースで自分でセンサーを追加できるらしい
といった特徴があり、多少プログラムができるσ(^^)のような人間にとっては色々ハックのしがいがある製品です。
まだそこまでは着手できていませんが、とりあえず使ってみたファーストインプレをば。
■ハード周り
まず驚いたのは小ささ。てっきりAppleTVやAirMac Expressみたいなものを想像してたのに二回りくらい小さい。写真の比較用電池は単4です。電源アダプタは付属しておらず、microUSB端子の充電器やモバイルバッテリーを自分で用意する必要があります。
マニュアルも簡素、というか基本的に添付されておらず公式サイトで見ろって感じです。
ハードとして気になるのは赤外線エミッターの到達範囲ですが、割と広い範囲でも操作できる感じです。ただまったく反対の方向とかは無理なので、外付けのエミッターが増設できるといいかなと思います。
■なかなか考えられた初期設定フロー
前回紹介したネットワークカメラ同様、この手の製品はリテラシーの低い人がネットワークにつなぐまでが一山なわけですが、本製品はこんな感じで進みます。
- iOS端末に専用アプリをインストール
- アプリに自宅のWi-Fi設定情報を入力(今つながってるESSIDが自動入力されるので暗号化キーのみ入力)
- IRKit本体の電源を入れる
- IRKitがWi-Fiアクセスポイントとなって添付カードにあるESSIDを発するのでそれに接続。暗号化キーも書いてあるものを入力
- アプリが自動的にWi-Fi設定情報をIRKit本体に書き込んでくれる
- IRKitが設定用ESSIDの発信を止めるのでiOS端末は(原則として)元のネットワークに自動的に再接続する
- アプリが自宅ネットワークにぶらさがったIRKitを発見し、名前設定画面になり、入力したら完了
文字で書くとややこしそうですが画面の案内なども充実していてサクっと終わりました。
■赤外線学習フロー
現状、アプリとしてはIRKit純正の「IRKit Simple Remote」とSDKを利用して別の人が作った「リモコンNK」があります。純正の方はデモ的な要素が強く最低限の機能しかありません。リモコンNKの方がページングができたり、学習データとボタンが独立していて、ボタン毎に学習をしなくても、別のボタンで学習信号を再利用できたりと使い勝手が良いです。また連続して信号を発生させるマクロ機能もついています。広告有りで無料、100円払うと広告が消えた上、エクスポート/インポート機能が解放されます。
リモコンの学習操作はSDKを利用している以上同じのようで、アプリで学習モードにしておき、本体に向けて赤外線を発します。取り込みが成功すると本体のLEDが点滅し、アプリ側では信号名称をつける画面になり、保存すれば完了。うっかりiOS端末にリモコンを向けたくなるのはご愛敬w。
これもSDKで共通なのか、一旦ペアリングしてしまえばWANからでもシームレスに家の中の家電を操作できます。特に設定は不要です。
残念ながらAndroid向けSDKは存在しないですが、WebAPIがあるのでLAN内からリモコン操作するだけならそんなに大変なことはなさそうです。自宅にWebサーバーがあってスクリプト言語でコードがかけるなら簡単なWebアプリが作れるはずです。
SDK/APIによる無限の可能性を感じて購入しましたが、とりあえずリモコンNKを使うだけでも充分実用になると感じました。テレビやレコーダーなど画面を見る前提で複雑なGUIを持つ製品はともかく、照明やエアコンなどはこまごまとリモコンを使い分けるのはイヤなものです。それが(たいてい手元にある)iPhoneひとつで済むのは便利。普通に実家にもう一台買おうかと思っています。そしてあと少ししたらヒマができるので色々とプログラムもして遊んでみようと思います。