先日購入したレーザー加工機は、材料によっては煙や匂い、有毒ガスが発生します。工房のような広くてある程度の汚れや匂いが許容される場所なら良いのですが、我が家では普通に私室(仕事部屋、寝室兼用)への設置になります。極力匂いや汚れ、果ては有毒ガスなどは出すわけにはいきません。なので、それなりにお高い専用の空気清浄ユニットも同時に購入したのですが、そこから出る清浄後の空気もできれば部屋に戻したくないな、ということで窓に排気ダクトをつけてみました。
使用したのはこちら。
スポットクーラーの排熱ダクトを窓に作るための穴空きパネルです。サッシと窓枠の間に挟むようにして取り付けます。掃き出し窓(テラス窓)用の長いものが少なくて結構探しましたが無事見つけられました。
ダクト径があわない?ならば3Dプリントだ!
さて、まず困ったのはF1の空気清浄機から出る排気ダクトと、このパネルについているダクト穴の径が全く合わないという点。スポットクーラーの方が流量が大きいのでかなり大きな穴になっています。当然そのままではスカスカで接続できません。
こういう時は3Dプリンターです。早速異形アダプターを作製しました。

パネル側もただ穴が空いているだけではなく、内側には虫などの侵入を防ぐ多孔パネルがつき、外側には排気の向きを90°曲げるカバーがつきます。内側のパーツに蛇腹ダクトをねじ込むようにつける形です。
下の写真の左がパネル付属の部品。右が空気清浄機に付属するダクト先端のパーツ。下が今回作ったアダプターです。

パネル付属のパーツは内側にも外側にもねじ込みのための溝の代わりになる突起があって、5mmくらいしかマージンがありません。ねじ込み部分まで設計するのは大変なので、その5mm分だけはめこんであとは防水テープなどでグルグルまいて固定することにしました(一応やり直す可能性も考えて接着剤は避けました)。
テープぐるぐるする前の状態がこちら。ガタつきなくピッタリはまりました。

たぶんそんなに熱は出ないと思いますが、一応PLAより少しだけ耐熱性があるPETG-HFを使用。70℃くらいまでは耐えられるかな?ASAでも良かったんですが在庫にホワイトがなかったので。(ASAも便利なのでもう少しストックを増やしていきたいなぁ)。
で、パネルを窓枠に取り付けた状態がこちら。ところどころ隙間はあくので、この後、アルミか何かダクトテープを貼って塞ぎたいと思います。パネル側の窓は開閉できなくなりますが、元々ほとんど開けたことがないのでヨシ!

これで、煙や匂いの出やすい材料も躊躇無く加工できそうです。
レーザー加工で出る有毒ガスとは
レーザー加工機では禁忌の材料があります。主なものはPVC(塩化ビニール)、ABS、MDF合板などです。PVCやABSはウチでは現状使っていませんが、市販の樹脂製品には普通によく使われる材料なので、うっかり使わないよう注意が必要です。またカラーボックスみたいな組立家具でよく使われているMDF合板(木を一度粉末状にして押し固めたもの)もレーザーで加熱するとホルムアルデヒドなどの汚染物質が出るようです。それ以外の木や革なども表面に塗られた塗装や接着剤が溶けるとよろしくないものが出たり強い臭気が出たりするようで、市販品を加工する時はしっかり素材や加工をチェックした方がよさそうです。
フィラメントなどはたいていメーカーがSDS(安全データ表)を公表しているので、そういうものを確認するのが確実でしょう。BambuLabならこちら。
あとは木材や革とかは普通に煙とか出やすいので気をつけます。本当は万一発火した際のために部屋に消火器も常備しておくのが良いでしょうね。高価な装置に噴霧する勇気がいるでしょうが、やはりいざという時にはそうも言ってられません。
次の記事でまとめてみたいと思います。