現在新しいサーバー機を購入し環境を移行中なんですが、今回はXenを使ってサーバー機自体を仮想化する試みをしています。そのついでに、新サーバーの余力でWindowsサーバーも稼働させることを思いつきました。そこへ、Windows Home Serverなるシステムが発売になったので、500GBのHDDと一緒にDSP版を買ってきました。
■Windows Home Serverの特徴
・ディスクをつなげばどんどん保存領域が増える
仮想ボリュームになっているので、物理的には別ドライブでも、みかけ上は単一の大きなフォルダに見える仕組み。しかもRAIDに似た仕組みでドライブ間相互バックアップをとってくれる模様。しかもしかも、そのドライブは他のマシンで普通にNTFSマウントできるとか。至れり尽くせりですな。
・集中バックアップ
各マシンに専用ソフトを入れておけば、決まった時間に勝手に差分バックアップしてくれます。差分なのに復旧時はディスクイメージリストアが可能というのが高ポイント。サードパーティでもありそうだけど、MS製だと信頼性高そうな印象。
面白いのは、複数マシンのバックアップをとっていて、システム系ファイルなど重複は避けて保存する点。何台もOS丸ごとバックアップしても、割と容量は抑えられるらしい。DLLとか微妙にバージョン違いそうなのは、MD5とかで比較して管理したりするんですかね?
・リモートアクセスゲイトウェイ
Windows LiveポータルからHome Serverマシンにアクセスし、さらにそれを介してLAN内の各マシンにリモートデスクトップ接続できるらしいです。
■しかも仮想環境で構築してみるっ!
とはいえ、これ以上24時間稼働マシンを増やしたくないということで、新サーバーマシン上に、Xenの完全仮想化で入れてみました。
もとから入っていた160GBに、ホストOS(CentOS5)とメインサーバーになるゲストOS(CentOS5)を入れて、余った93GBに導入。追々500GBは追加予定。
CPUはAthlon x64/3500+と普通のWebサーバー、メールサーバーには余裕ありまくりなので、負荷的にもいけるんじゃないかと(WHSの要求CPUは1GHz以上)。メモリは注文したのが明日にでも届けば計2GBになるので、これも余裕かと。
仮想化技術ってスゲーなぁ
安定して使えるようなら、TeraStationや現在24時間稼働しているWindows機(エンコ、PacketiX、Orb、TVersityサーバー等)の役割を集約できれば、かなりの省エネになる予感。
・インストールで若干トラブル
インストールはLVM上の論理パーティションに行い、CentOSの仮想マシンマネージャーからインストールしました。
途中、再起動がかかった際、青画面で「Setup is starting Windows」となったまま進まなくなる現象がおきました。さすがにWindows Home ServerをXenで動かす情報はまだ見あたりませんでしたが、WHSはWindows Server 2003ベースなので、そちらでググってみると、RedHat Knowledgebaseに情報がありました。どうも、インストールの過程で再起動がかかった時に、仮想マシン側から光学ドライブが見えなくなるのが原因のようです。仮想マシンマネージャーが作った定義ファイルを編集して、光学ドライブを追加登録します。
(Hogeという名前で仮想マシンを作製した場合)/etc/xen/Hogeをエディタで開き、下記を追加します。
disk = [‘file:/var/lib/xen/images/guest,hda,w’,‘phy:/dev/scd0,hdb:cdrom,r’]
boot = “d”
disk行の前半は環境に応じて仮想マシンマネージャーが定義してくれているはずなので変更しなくて良いはずです。追加の赤字部分のうち、「/dev/scd0」部分はホストOS側での光学ドライブデバイスを適宜指定します。それを仮想マシン側で/dev/hdbに指定することで、Windows的にはDドライブに割り当たります。boot行は文字通りWindowsを光学ドライブからブートさせる指定です。Windowsの起動メディアは自動的に2回目以降はスルーしてHDDブートしてくれるのでこうしておくのが無難のようです。ただしインストールが終了したらboot行は削除します。
とりあえずこれでインストールは完了でき、いまんところ普通に稼働しているようです。パフォーマンスなどはこれから追々検証してみます。