Windows Home Serverファーストインプレ

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 先日導入したWindows Home Server(以下WHS)ですが、とりあえずXenでも普通に動いています。パフォーマンスとかは測ってないですが、XenはCPU効率は高いですが、ネットワーク周りがまだ弱いみたいなので、読み書き速度とかはあんまり期待できないかも知れないですね。

■物理ディスクを追加

 500GBのHDDも無事認識させられました。Domain0(ホストOS)上でパーティションを切って、DomainUの定義ファイルで、

disk = [‘file:/var/lib/xen/images/guest,hda,w’,‘phy:/dev/sdb2,hdb,r’]

としたら、Windowsから認識してくれました(/dev/sdb2の部分は環境にあわせて適宜修正してください)。fdiskでパーティション区切る時に念のためタイプをNTFSにしておきましたが意味があったかどうかは定かではありません。Domain0上ではフォーマットはしませんでした。

■集中管理、バックアップ

 どんな感じで動作するのか簡単に説明してみます。

 まずクライアント1台1台に、付属のHome Server Connectorというツールをインストールします(CD-ROMでついてますし、初期状態で共有フォルダにも置かれています)。そうするとクライアント側ではタスクトレイにアイコンが常駐し、またサーバーの管理画面にマシン名が現れます。これでWHS側でマシンの管理ができるようになります。例えば、ファイアウォールがオフになってたりウィルス検知ソフトが導入されていないマシンがあると警告が表示されます。これはクライアント側のタスクトレイアイコンにも通知されます(他のマシンに関する警告も全マシンのトレイアイコンで報知される模様)。

 フルバックアップはこのまま放置しておけば始まるようです。デフォルトでは0:00時開始。クライアントがスタンバイ/休止状態になっていても自動で起動するようです。これはWOLではなく、クライアント側のタスクスケジューラーと使ってるぽいです。一度に1台のバックアップしかとれないので、各マシンが起床するタイミングをどうやって制御しているのかは謎です。このまま何日か放置しておけば、各マシン間で適当にシフトが組まれるんでしょうかね?

 デフォルトでは日ごと、週ごと、月ごとのスナップショットを3パターンずつ保持してくれます。それらの中から特定のファイルを取り出すことのできるようです。また手動で開始した場合は名前をつけて別保存(上書きしない)することもできます。

 バックアップの除外設定はフォルダ単位のみです。.MPGを除外とかはできません。

 圧縮効率ですが、前にも書いたように、別システム間でも重複するシステムファイルなどは上手く排除して記録する仕組みのようで、1台分のバックアップがどれだけ占有しているかを知る術はありません。ただ印象としては思ったより縮むな、という感じ。逆に時間は結構かかります。初回はデスクトップ1台に半日かかりました。以後の差分はそんなにはかからないはずですが、ノートPCも初回だけは有線でつないでバックアップした方がよいでしょうね。

 集中管理画面(Windows Home Server Console)はタスクトレイやスタートメニューから呼び出せます。仕組み的にはリモートデスクトップ接続してるみたいですが、基本的にデスクトップ画面はみえず、簡単な管理インターフェイスシェル(往年のMacOSを知る人には、AtEaseとでも言えばわかるかw)が映ります。そこからバックアップの設定、開始、ユーザの追加、ディスク使用量のチェックなど簡単な設定ができます。

 このまま平穏無事に動けばという条件付きですが、バックアップソフトの存在感が希薄なのは良いです。タスクトレイとその吹き出しでしか意識することはありません。バックアップ先の外付けディスクをいちいちつないだりという手間もないですしね。逆にバックアップ中なのに気付かずに電源落としたりしないかなとも思いますが、基本的には夜中に勝手に起動してやっておいてくれるコンセプトなんでしょう。なので負荷が問題になる可能性も低いかな。寝室のマシンとかだと夜中に動き出してびっくりすることもあるかも知れません。ちなみにノートPCはACアダプタがつながっていないとバックアップは実行されませんので、朝持ってでかけようとしたら電池が切れてた、なんてことはないでしょう。逆にいえば、夜はちゃんと電源につないでおかないとバックアップされないので注意が必要です。

■ファイル共有、公開

 LAN共有は特に苦労することもないでしょう。普通にマイネットワークにあらわれます。共有は1つだけで、少なくとも管理UIからは共有を追加したりはできなそうです。Photos、Videos、Music、Software、Publicといった公開フォルダと、Users下にプライベートなユーザ毎のフォルダがあります。市販のNASに比べてもかなりシンプルな作りです。ユーザもグループ定義とかはできなそうなので、もう少し凝ったことがやりたい人はNASの方が良いかも知れません。

 インターネット公開は上手くいってません。UPnPで自動設定してくれるはずですが、使用ポートが80、443など普通にWebアクセスに使うポートなので、ウチのように既に公開サーバーが立っている環境ではぶつかってしますのです。IISを自分でいじればいけるかも知れませんが、HTMLファイル内のリンクもいじらないとダメじゃないかなぁと思ったり。Apacheのmod_proxyでリバースproxyとかやってみたいんですが、どうもSSL(443)の方が上手く機能しませんでした。もうちょっと検証してみます。また、xxxxx.homeserver.comというダイナミックDNSによるホスト名も取得できますが、これも本当にただのダイナミックDNSで、ウチの場合、ウチのWebサイトが見えるだけです。

追記:普通に外からみたらポート変更だけで動いてました…

 普通に動的なIPアドレスで、サーバーなんて公開してないよ、という人には非常にお手軽で便利なソリューションだと予想されます。良いホスト名を取りたい人は急いで導入しましょうw。

■メディア共有

 うちは一人暮らしなので、別に写真や音楽を共有する必要がないし、既にDLNA環境は組んであるので、あんまり試す気がないです(^^;)。ただざっと見た感じでは、上記のパブリックなフォルダにおいて、XBox360などを経由してリビングで観ようってレベルで、別段メタデータで整理ができるとかまでは考えられていないようです。もしかしたらVistaのメディア管理機能と組み合わせればなにかできるのかな??

 投稿者別にアルバムとか作れて、おたがいに評価したりできると面白いんですけどね。そういうAdd-Inが出ないかなぁ。

■コストパフォーマンス

 完成品に関しては、現在手に入る某ショップのものは250GB1台で129,900円とちょっと高い印象です。Athlon X2とかRadeonとかサーバーにはちょっとオーバースペックな仕様も気になります。HPのアレはデザインもいいし、値段がどれくらいになるのか気になりますね。

 あまりCPUやメモリの要求スペックは高くないので、手頃なお古のマシンがあればHDDだけ買ってDSP版で導入してみる方が割安でしょうね。ただ、大容量HDDをつけてナンボなので、せめてSATA環境は用意した方が良い気がします。また24時間稼働なので静音、省スペース、省電力である点も優先したい。そんなケースやベアボーンが色々と出揃ってくると良いなぁと期待。

 普通のNASやバックアップソフトと比べてどうか、ってことですが、細かい除外設定やスケジューリングなどの面では専用ツールに劣りますが、リカバリDVDでブートして、サーバーからイメージコピーして復元できる、個別ファイルも取り出せるなどリストア面では充分な機能と使い勝手を備えているので、お手軽度はなかなかのものだと思います。システムファイルなどの重複を避けてくれる仕組みも、OSメーカーならではという気がします(少なくともσ(^^)はサードパーティ製では知らない)。ので、

  • 家庭にマシンが3台程度以上あって、既にLAN環境も組んである、という人
  • ついでにVPNルーターなどリモートアクセスソリューションも揃えたいと思っていた人
  • 家族のマシンもちゃんと安全に運用されてるか気にする人
  • 手頃なマシンが余っている人

なんかは、WHSの方がシアワセになれるかも知れない気がします。

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