ついでがあって、ようやくOffice OneNote 2007をちゃんと活用できるよう環境整備をしました。
仕事の打ち合わせ時のノートとりや、原稿のアイデアメモなどにOneNote2003をずっと使ってきました。打ち合わせにもってくマシンは都度異なるので、Sambaサーバー上においたファイルをマスターとし、Windowsのオフラインフォルダ機能で同期して使っていました。ただライセンスの関係上、デスクトップ機までには入れられず、もっぱらメインのTablePC機2台に入れていたので、自宅でその記録を参照するのに面倒を感じていました。
で、OneNote2007発売を機に、デスクトップ機の分までライセンスを買い足して、ノートの一元管理環境を構築しようとしたまでは良かったんですが、2007には本体に同期機能がついており管理方法が変更になった関係で、しょっぱなインストールした時点で面倒になって放置してありましたw(春先からあんまり打ち合わせに行くような仕事がなかったせいも…)。
で、先日Windows Home Serverを立ち上げたからみで、そこにFolderShareを動かして、単純にフォルダ単位で全ノートファイル同期すれば簡単かも知れない、と思って、OneNote環境再構築計画に取り組んでみたわけです。
結論から書くと、FolderShareなどによるファイルレベルの同期は必要ありませんでした。というより上手くいきませんでした。OneNote2007形式のファイルは、内部にマスターファイルの参照パスを保持しており、下記のような仕組み、手順で同期を実現していたのです(挙動からの推測なので間違ってるかも知れません)。
1. マシンAでノートファイルを作成する
まず1台目のマシンで適当なノートブック(OneNote2007では従来のセクションをさらにまとめたノートブックというファイル単位を導入しています)を作成します。もちろん旧バージョンのデータからコンバートしても構いません。ローカルHDDに保存すると同期時にそのマシンを起動しておかなければならないので、ファイルサーバー上が良いでしょう。
2. マシンBでノートファイルを開く
次に別のマシンでそのサーバー上のノートブックファイルを開きます。すると、そのマシン上のノートブックの保存先とは別のどこかにファイルがキャッシュされます。こうして開いたノートブックのタイトル部分に同期実行用のインジゲーター兼ボタンが表示されます。
ユーザインターフェイス的には、ローカルのノートブックとサーバー上のノートブックはこのアイコンの有無をのぞけば一元的に扱えるわけです。
3. ノートを同期する
こうして読み込んでおいてサーバー上のノートブックはオフライン環境でも参照、編集が可能で、編集するとインジゲーターは赤に変わります。帰宅後サーバーとオンラインになった状態でOneNoteを開くと自動的に(あるいはクリックした時に)変更がサーバー側のマスターファイルに反映される、という仕組みです。
とまぁ、このような仕組みで、ユーザはノートブックの実体ファイルの在処をあまり意識することなく、複数マシンでのデータ共有が可能になっています。自分でファイルレベルの同期をする必要がないわけです。なかなかよくできていますね。WordやExcelで作った書類ファイルはそれぞれが存在感をもっているので、割と明示的に管理しやすいんですが、もっと細かい走り書きレベルのメモは雑多に散らばりやすいので、一元管理が大変です。OneNoteはタスクトレイにアイコンを常駐させ、付箋的なメモを記入する仕組み(ミニノート)もあり、それも含めてマシン間で同期できるというのは、結構重宝すると思います(ミニノートの保存先は他のノートと別に設定項目があるので、そこもサーバー上のファイルを指定しておかないと同期の対象になりません)。
OneNote自体は、TabletPCと組み合わせて手書きメモとテキストの混在メモが簡単にとれたり、仮想プリンタドライバでWebページのスナップショットをノートに取り込めたり、機密性の高い打ち合わせの議事録などセクション単位でパスワードをかけられたりと、ノートソフトとしても便利な点が多くあります。操作方法はややクセがありますが、今回のこの同期機能の強化で、名前の通りノートの一元管理がよりやりやすくなったと思います。公式サイトに試用版などもあがっていますので、興味をもった方は是非お試しあれ。
P.S.
逆に言えばファイルレベルの同期をしているとたぶん問題になります。従来、このサーバー上のフォルダ自体をオフラインフォルダでキャッシュしていたんですが、それをやるとOneNoteから見ると同期が反映されたように見えても、実際はオフラインフォルダのキャッシュまでしか反映されていない、なんてことになると想像されます。ということで早速オフラインフォルダ同期の対象からは外しました。