KindleDX用小説自炊レシピ 最終版?

色々と迷走していますが、ついにKindleDXで綺麗にDot-by-DotでPDFデータを表示する技が完成しました。したような気がします。

要点は、「画面内の部品を認識して無駄な外周マージンを省いて拡大表示してくれやがる」という“親切”機能を無効化したい訳なので、画像の外周に部品を置いてやれ!ってことです。試しにJPEG画像の右上と左下に汚れをつけたものをPDF化してやると、綺麗にDot-by-Dotで表示してくれました。

で、これを一括大量処理するソフトを物色。こちらの「おてがる画像変換」が利用できることがわかりました。元々は透かしやロゴなどを合成するためのものなので、一度に1つの画像しかスタンプできません。そこで、充分なカンバスサイズで、上端と左端に1ピクセルずつグレーの直線を引いた透過PNGを作ってみました。これをeTilTranで傾きとガンマ補正した中間画像にスタンプしてやることで、PDF化した時に綺麗にDot-by-Dot表示されることを確認。

2009.09.01追記:eTilTran V0.12β-5に上記と同等の処理をするオプションが組み込まれました。ツール->オプションで「Kindle対応」を「あり」に設定すればOKです。

というわけで、現時点の我が家での小説自炊レシピをまとめてみます(KODANSHA BOXの例です。文庫本などでは設定値に微調整をすることになると思います)。

■KindleDXでもPCでも綺麗に見られて、検索もできるPDFの自炊レシピ

・本を裁断し、ScanSnapで取り込む

画質は「スーパーファイン」で最低圧縮率に設定。今回取り上げた本では、1463×2155前後になりました(自動サイズ調整にしてあるので、ページ毎に若干サイズが変わる)。

・eTilTranで傾きとガンマ補正

「ヒストグラム」で灰レベルを標準の127から180~200程度に上げてやると、Kindle上で見やすくなります。イラストページとテキストページがわかれている作品なら、イラストページを除外設定(種別を「漫画」などに)してからかければ、イラストが黒くつぶれてしまうのを防げます。この辺り、eTilTranは本当に気が利いてますね。

・eTilTranからリサイズ出力

KindleDX専用ファイルなら784×1142。PCでも綺麗に見たければ1568×2284を指定します。JPEG圧縮率が一定なら、後者は前者の倍程度のサイズになります。で、JPEGで書き出します。

・おてがる画像変換で隠し逆L字線を書き込む

これをしないとせっかくサイズを計算して出力しても、Kindle上では自由気ままに拡大表示されてガタガタになってしまいます。また、eTilTranよりも先にこの処理をすると、eTilTranでの傾き補正で線が消えてしまう場合があるので、この工程を後にしています。

おてがる画像変換は設定を保存しておけばドラッグ&ドロップで一括処理できるようです。

・JTBなどでJPEGデータ最適化

JTB(jpegtran)のようなJPEG最適化ツールでExifやサムネイルなどの無駄なデータを除去したりグレイスケール化するなどの最適化をすると、画像劣化無しで数%ほどファイルサイズを落とせます。

・PDF作成とOCR

なんらかのPDFツールでJPEG画像群をPDFにします。Acrobat 9なら「ファイル->結合->ファイルを単一のPDFに結合…」で行えます。ちなみにプロパティ->概要で「作成者」欄に著者名を入れておくと、Kindle上でタイトル(ファイル名)に並んで表示されます。

ツールを持ってない場合は再度eTilTranを使っても良いと思いますが、傾き補正は無効にしておく必要があります。

σ(^^)の場合は、e.TypistでOCR処理した後に透明テキスト付きPDFとして書き出します。

 

■作成

別の本ですが、上記手順で作成したものの例です。写真じゃわかりにくいですが、前エントリのものより更に綺麗になったと思います。

Real-DbD Real_DbD_pic

KindleDXで自炊小説PDFを綺麗に表示する覚え書き

前のエントリでPDFでもDot-by-Dot表示するための解像度を突き止めたんですが、これだけでは不十分でした。KindleのPDFビューワーがお節介にも外周の余白を落として拡大表示してくれるせいで、ページ毎に微妙にズーミングされてしまい、いくら元データを揃えても意味がないんです。また、PCで読むのには784×1142ではやや粗いので、1ファイル・マルチディスプレイ的な使い方にはイマイチです。

で、その後も色々試行錯誤して、DbDの整数倍である、1568×2284という解像度で作るとなかなか良好な結果になりました。スキャンした解像度とあまり変わらないので、そのまま入れた方が綺麗なんじゃないか?という説もありましたが、実際に比べた結果、1568×2284の方が綺麗でした。どのみち傾き補正はするので一度はリサイズが発生しますしね。流石にファイルサイズは784×1142の時に比べて、2倍ほどになりましたが、それでも450ページの小説で300MBほど。動画コレクションに比べたら誤差のレベルです。KindleDX上での操作レスポンスも気になるほどの違いは感じられません。

以下はKindleDXに表示した状態でスクリーンキャプチャを撮ったものです。トリミングしてJPEG圧縮。

 

DbD濃

784×1142のリサイズした画像を取り込んでPDFにしたもの。ガンマ補正で全体を濃くすることによってフォントを太らせています。こうしないとKindle上では薄くて読みづらいからです。

3行目の「つ」や「け」など各所にリサイズによる崩れが発生。

全体のファイルサイズは139MB。


2倍DbD濃

2倍DbD(1568×2284)で食わせた例。ガンマ補正有り。

気になるほどの崩れはありません。

ファイルサイズは328MB。

2倍DbD

2倍DbD(1568×2284)で食わせた例。ガンマ補正無し。

こうしてみるとこっちの方が見やすいんですが、KindleDX上ではカスレ気味に見えて目が疲れます。KindleDXで濃度調整機能があればいいんですが…

ファイルサイズは319MB。
以下は後ろの2つをKindleDXで表示した様子(クリックで拡大)。

kindle_dbd_1 kindle_dbd_2

うーん、この写真だと右(ガンマ調整無し)でも読めそうに見えるかな?まぁ、読めないことはないんですけどね。ひらがなのはらいの部分みたいに細いところが消えかかってる感じ。あと全体にグレー字になって見えるので、環境によってはツラいんです。

Kindle用純正(?)LEDライト Mighty Bright Music Light Xtra Flex

Kindleの難点はバックライトがないので暗所では読めないというところです。まぁ、普通は部屋の照明をつけてればいいんですが、プロジェクターでゲーム等をしながら使いたい(攻略サイトを参照するなど)場合があるので電気スタンドでは明るすぎて、、→のクリップ型のライトを買って見ました。

この製品は元々は譜面台用とされていますが、Amazon.comのKindle StoreでKindle Accessoriesのところに載っています。わざわざ「Kindle Version」となってますが、どうもロゴが印刷されてるだけっぽい。どう見ても同じものですよね。てことで事実上の純正オプションなんだろうということでチョイス。

グースネックの部分は結構細くてグニャグニャ柔らかいですが、ヘッド自体がそう重い訳ではないので、多少揺れた位では勝手に変形したりはしなさそうです。

ただ、クリップ部分が大きくて、KindleDXのフレームに止めるには端っこギリギリしかありません。公式サイトだと平気で画面にかかるように止めてたりしますが、繊細な日本人には無理ですねw。ここでもかろうじて止められはいます。激しく動かさない限り一応止まっている、というカンジ。純正指定とはいて、所詮出来合というところですかね。ちなみに電池ボックスはクリップの裏側にあり、単4x3本。スイッチはヘッド部分にあります。重さはカタログスペックで109gありますが、これをつけるとメチャメチャ重くなるという印象はないです。まぁ、あまり長時間試した訳ではないですが。

mighty1 mighty2

2枚目の写真は部屋を暗くした状態で撮ってみたもの。色は一般的な白色LEDの色。もう少し色温度が低くい方が見やすいかも。明るさは充分かな。逆にもう少し照射範囲が狭い方が、プロジェクター画面に光があたらないという意味では理想。ただヘッドを画面に近づけてしまうと光源が映り込んで見辛くなってしまうんですよね。

Kindle専用設計ではない分の微妙さはありますが、まぁこの値段で買えるなら良しとしましょう。

WALKMAN W202を衝動買い

昨日Cybershot T900を買ったんですが(こっちはもう少し使ってからレビューします)、そのポイントで→の一体型WALKMAN W202を買って見ました。

iPhoneがBluetoothで音楽聴けるようになったといっても、まだスキップなどの操作に対応したレシーバーはないですし、なんだかんだで音が途切れたりしてチッと舌打ちしてしまう場面も少なくありません。正式に操作対応したレシーバーが出るまでのつなぎとして面白そうかなと思ったのが理由です。

本機の特長は、

  • 耳にかけてボタン1つで再生開始(左右ユニットをマグネットでくっつけると電源OFF、離すとON)
  • マスストレージでマウントし、D&Dで楽曲ファイルをコピーすれば転送完了

といった点。iTunesのリスト上で選択して直接Explorerにドロップもできるので、iTunes上の特定プレイリストの曲をまとめて転送、というのも簡単にできます(DRM付きAACには非対応)。

ZAPPINというサビ部分のダイジェスト再生機能もありますが、これはSonic Stageで解析が必要になるので、個人的には使うことはないでしょう。

短所としては、

  • プレイリスト再生に非対応

といった辺り。サブフォルダ単位の再生はできるようなので、テーマ別にフォルダを分けておいて、頑張ってスキップすれば一応場面毎の使い分けくらいはできるかなと。

スイッチ類はジョグ、音量+/シーソーSW-、シャッフルON/OFFスライドSWのみ。ジョグの押し込みで再生/停止。勢いよくジョグを回すと曲スキップです。なぜか普通にジョグを回しても無反応。将来的なファーム更新でなにか割り当てが追加されるかも知れません。個人的には、普通にまわすと曲スキップ、大回しでフォルダスキップ、くらいできてくれると満足なんですが。

音質面は値段なり、というか結構ショボいです。実は店頭で試聴した時は結構イケてると思って買ってしまったのですが、自分の曲(AAC/256kbps)を入れてみたら「あるぇぇぇっっっっ??」ってカンジ。ファイルフォーマットで適不適があるのか、デモ曲はかなり高音強調してあったのか、ともあれ、ラジカセっぽいというか、かなり籠もった感じの残念な音です。

 

ということで、本機のメリットは、自由に曲が入れられる点と、装着感の2点に尽きますね。例えば、σ(^^)は帰省中にもCDを買ったり借りたりしてリップしますが、iPodだと自宅に戻るまで追加することは(ややトリッキーなことをしなければ)出来ません。コレならさくっとUSB miniBケーブルでつないでコピーするだけです。転送ソフトのインストールしてある自分のマシンである必要すらありません。首から下にケーブルが垂れない点もGood。(カナル型なので自転車は危ないですが)電車などでも使い勝手もいいですし、Tシャツ1枚でポケットもないような格好している自宅でもずっとつけていられて料理中でもトイレでも音楽を一緒にいられます。

値段が1.5倍くらいになってもいいので高音質プレミアムバージョンが出て欲しいですね。せめて、ファーム更新で上記のスキップ対応と、イコライザ機能くらいつけばなぁと思います(UI無くて設定ファイル書き換えなどでもOK)。

KidnleDXでPDFをDot-by-Dot表示する

KindleDXでPDFを表示すると、画面上下にメタデータを表示する領域が強制的に入る為、824×1200で作った画像PDFでは綺麗に表示されません。特に文字主体のデータでは潰れが酷くかなり読みづらくなります。

そこで、上下の領域を差し引いたピクセル数をスクリーンショットを使って計測しました。その結果。784×1142という数値が導き出されました。横は差し引かれないので、実際には824×1142でもいいかも知れませんが、824×1200の元データがアスペクトを維持して縮小された時の実測値が784×1142という訳です。本当にDbDかどうか確認する術はありませんが、一応Photoshopで作ったグリッド画像を表示してみた感じでは綺麗に表示できてるっぽいです。。

実際、eTilTranからこのサイズで出力したものをPDF化したところ、かなり良好に表示できました。新書サイズの小説をこのサイズにしたところ、PCで見るには若干解像度不足かなという気はしますが、当面はKindle優先で。解像度的には損してる感がしますが、やはり小説の場合、文字が綺麗に見えてナンボなので、Dot-by-Dotは重要です。

後継機に買い換えるどころか、今後PDFの全画面表示に対応するなどファームウェア更新ですら状況が変わってしまう可能性がある刹那的な設定ですが、まぁ当面はこれで頑張ってみます。

■MeTilTran

eTilTranの姉妹ソフトである、MeTilTranも試してみました。このソフトは、画像中の文字を文字単位で認識し、指定した解像度に最適な行数、列数で並べ替えをしてくれるというシロモノです。よくまぁ、思い付いたなと感心しきりです。

例えば、iPhoneに縦40文字とか入れたら小さくて読めないですが、縦20文字くらいにして行数とページ数を増やす方向で再配置すると、文字サイズを保って読みやすい画像ができがる訳です。

やってみると精度も実用レベル。これはかなり使えます。KindleDX位の解像度なら再配置しなくてもいけますが、PDA用に変換する場合などは重宝しそうです。

残念なのは現在縦書きにしか対応していない点。横書きも扱えると翻訳モノのビジネス書なんかにも使えて良さげなんですけどね。