TVを利用するフォトプレーヤー兼プリンタ AQUOS Photo Player

実家帰省中に近所のエイデンでアクオス フォトプレーヤーHN-PP100なる商品が処分特価で売られていました。これはよくある小型のフォトプリンタの小型液晶画面を廃し、かわりに大画面テレビに接続することで、大型フォトフレームとしても使ってしまおう的な製品です。ネット最安値に比べても激安で、実家に1台あるといいかも知れないし、飽きたらヤフオクで売却してもおつりが来るんじゃないかレベルだったので、衝動買いしてみました。

■基本スペック

300x300dpiの昇華型プリンタです。用紙と同じ幅の特殊なインクフィルムを使って転写する方式で、シアン、マゼンダ、イエロー、オーバーコートの4回用紙の上をヘッドが動く感じです(実際には用紙が移動する)。色数的には今時のインクジェットプリンタに比べると見劣りしますが、オーバーコートがあることで保存性や光沢なんかでは有利かも知れません。

用紙はL版とハガキがあり、L版は長辺方向両端にミシン目入りの余白がついていて、後でそこをパキッと折り取れば縁無しプリントができあがるという感じです。

気になったのはテレビとの接続端子がHDMIのみである点。最近でこそかなり小型のモデルまで複数のHDMI端子が装備されていますが、我が家の古いWEGAには1つしかなく、普段ビデオカメラを再生するのに占有しているのでちと困ったことになりました。せめて本機側がミニHDMIだったらカメラと本機をケーブル差し替えで使い分けられたんですが、そうではないのでケーブルごとテレビの背面で差し替える必要が生じます。またそもそも妹夫婦のテレビにはHDMI自体なかったり。できればコンポーネント/D端子もあると汎用性が広がったと思います。

メモリカード類はメジャーどころはおさえており不便はないでしょう。USB端子もあるのでUSBメモリも使えます。

赤外線はIrSSという比較的最近の規格のみ対応しており、残念ながら我が家では一番使いそうな妹と母親のケータイでは使えませんでした。たかだか2年前の、しかもシャープの端末なのに…ケータイからの赤外線利用を考えている人は事前に対応を確認しておくことをお勧めします。

■消耗品関係

前述の通り、L版とハガキサイズの2種類。L版は40枚入りと120枚入り、HDMIケーブルがセットになったスターターキットがあります。本体には一度に20枚までセットすることができ、各パッケージも20枚単位で包装されていて使い勝手が良いです。

インクカートリッジは巻き戻しすれば使えるかも知れないですが、用紙が余白付きの専用のものなので、汎用用紙だけ入手して使うといった節約作戦は難しいと思います。

注意しなければならないのは本体にはHDMIケーブルも用紙もインクカートリッジもついてこないという点。フォトプレーヤーとしてしか使わないという人でも最低限HDMIケーブルを用意する必要があります。

σ(^^)の場合はなんとスターターキットが500円だったので2箱も買ってしまいました。HDMIケーブル代としても格安です。

通常は40枚パックが1,500~2,000円ということなので、1枚のプリント代は40~50円というところでしょうか。

■フォトプレーヤーとして

大画面テレビをフォトプレーヤー化して楽しむという使い方に関してですが、レスポンスがいまひとつで、特にカード内に保存された写真枚数が多い時には少し待たされる印象があります。一覧表示した時に、サムネイルが1枚ずつポッポッと表示されていくんですが、この間操作を受け付けません。これだと、普段からメモリカードに写真を貯め込んでる人にはかなり辛いでしょう。「さぁ、こないだの旅行の写真見るよー!」って時にPC等で旅行の写真だけどUSBメモリなどにコピーして本機にもっていく、という使い方が現実的かも知れません。

操作ルールとしてはデジタル放送ライクに4色のボタンがついていて、画面下のガイダンスを参照しながら使い分けるという感じです(例えば写真が表示された状態では緑が編集、黄色が印刷)。

スライドショー時のBGMや画面転換効果は何パターンか選べますが、自分でBGMを追加するといった芸当はできないようです。

なお、上位モデルのHN-PP150はDLNAに対応しており、最近のNASやWindows7機に保存した写真を家庭内LAN経由で呼び出して表示することもできます。

■フォトプリンタとして

まず一番大きな問題は標準設定ではプリントされた写真が異常に暗い、という点が挙げられます。ちょっと家族の写真で試したのでサンプルをお見せできませんが、テレビに映っているものに比べるとかなり暗く、赤っぽいです。初期設定でRGB別に調整できたり「おまかせ補正」をオンにすることもできるのですが、偶然かも知れないですが一部がつぶれたようになったしまったので「おまかせ」は使わないことにしました。で、最終的には写真毎の補正画面で明るさをかなり持ち上げてやることで、そこそこ納得のいくプリント結果が得られるようになりました。ただ、これを大量にするにはちょっと手間かも知れません。あくまでホームパーティとかで写真をみんなで見て、「あ、これ欲しい!」って時に”つまみ拾いプリント”する用ですね(単一写真の複数枚プリントは可能)。(物理)アルバム用にドカっと印刷するならPC使った方が楽で速いと思います。また、明るさ補正はうっかりすると元データを上書きしてしまうので、やはり前述のようにその時みたいデータをコピーして移すのが安全かも知れません。

画質に関しては、上記の明るさを補正した後の状態であれば、比較用に同一データをプリントしてきたセブンイレブンのもの(1枚30円)よりは明らかに綺麗でした。セブンイレブンのは一見綺麗なんですが、近づいて見ると細かい質感がつぶれていたり、変な縞模様が見えたりと保存用にはちょっと遠慮したいレベル(ただ以前使った時はここまでヒドくなかったと思うので、機械の調子や写真データとの相性かも)。

 

σ(^^)の場合はたまたま5千円をも大きく下回る金額で買えたので良い買い物だったと言えますが、定価で2万、2010年10月現在で1万円前後という値段だとちょっと微妙かなと思います。最近のテレビだとフォトプレーヤー的な機能は内蔵してたりするので、プレーヤー単独としてはあまり価値がないでしょう。逆にそういう機能がついてない少し古いテレビだとHDMIが足りなかったり。再生専用ならもっと安くて動画などにも対応したメディアプレーヤーありますしね。

プリンタ単体として見た時には、明るさの問題を除けば画質に対するコストパフォーマンスは悪くないと思います。

製品コンセプト通りになっちゃいますが、

  • PCレスで自宅プリントしたい
  • フォトプリンタや複合機にありがちな、ちんまい液晶画面で作業したくない
  • ホームパーティなどで閲覧中にサクっと印刷して渡してあげたい

なんてニーズがある人には良いんじゃないでしょうか。

「TVを利用するフォトプレーヤー兼プリンタ AQUOS Photo Player」への2件のフィードバック

  1. 印刷用紙も安いけど枚数そんな要らないから買ってなくて、いつ使うのかも分からない。中古で見た目綺麗だけど使えるか分からないのも不安である。
    どんな写真の仕上がりなのか気になったので同じ昇華プリンターのセルフィーの動画を見ました。三原色で刷り上がるのはアナログな感じでとてもいい。
    また、リモコンがあるのはとても便利。
    東芝のTVでHDMIでつなげて普通にTV用のリモコンで操作ができた。
    是非一度使ってみたい、消耗品が売り切れる前にぜひ一度印刷を試したい。

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