DP2sを買ってRAW現像の機会が増えました。カメラにはSIGMA Photo Pro(通称SPP)という現像ソフトがついてきます。無料でそこそこ使いやすいので使ってましたが、いくつか不満があって市販ソフトも視野にいれてみることに。
主な不満は、
- リサイズ、トリミングなどのツールがなく、ブログ用写真を準備するのにPhotoshop Elementsを併用する必要があった
- RAWファイルに現像パラメーターを埋め込めるのは便利だが、JPEGエクスポートと同時でないとできなそげ?また1パターンのみ
- RAWを開いて編集可能になるまでがやや遅い
といった辺り。画質的な不満というより使い勝手に関するものが主です。また、Photoshop Elements 8でもSIGMAのRAWは開けるのですが、パラメーターがシンプルすぎだったり、複数のRAWファイルをいっぺんに開くのにやや難があったりしました。
んで、Adobe LightroomとSILKYPIX辺りが候補になる訳ですが、幸いσ(^^)は今某大学の職員の肩書きがあり、アカデミック版が1万円程度で買えるLightroom3をチョイスしました。
軽く触ってみた印象として、以下のような点にメリットを感じました。
各RAWファイルへの変更がヒストリ、スナップショット付きで自動保存される
適当に触りつつ、別の写真に切り替えたりアプリを終了しても「保存しますか?」等は聞かれず、普通に履歴が保存されます。また「これでいいかな?」と思った時点で名前をつけてスナップショットを保存しておくこともできます。またこれらの操作は元ファイル非破壊で行われるので、気軽に色々試せる点が嬉しいです。逆にRAWファイルを別PCに持って行った場合には引き継がれない点はSPPに比べると不便ですが、もしかするとなにか一緒にもってく方法があるのかも知れません。
64bit対応のせいか全体に軽い
SPPでは最初にRAWファイルを開くと、とりあえず写真は瞬時に表示されるものの、デフォルトの現像パラメーターが適用されて操作可能になるに数秒程度(C2Q9650)。Lightroomだと4秒といったところ(現像モード)。またライブラリモードではその行程もスキップされてスパスパ表示されるので、とりあえず膨大な写真のうちからピンぼけを捨てて残すものを選ぶといった作業が効率アップしました。
ホワイトバランスのプロファイルの「フラッシュ」がいい感じ
ブツ撮りをする時には外付けフラッシュを使ってバウンス撮影するんですが、SPPのホワイトバランス設定にある「フラッシュ」を適用するとあきらかにおかしな色合いになりあまり使い物になりませんでしたが、Lightroomの「フラッシュ」はかなり自然なできあがりで、多くの場面で一発現像できそうな雰囲気。SPPの「フラッシュ」はなにを基準にしてるんでしょうね?使ってるのもSIGMA製のストロボなんですが…
多彩な比較表示モード
補正前と後の二画面表示で比較しながら作業できる点も便利です。縦並び、横並びはもちろん、1枚の写真を分割して半分ずつにしたりとモードも多彩です。ある時点の片方の状態を他方に簡単にコピーできるので、基準側の画面も適宜更新できて使いやすいです。
カラー別調整
SPPでどうしても満足行く色合いにできなかった緑色のクリームソーダの写真があったんですが、Lightroomで特定の色の部分だけ彩度や明るさを調整できるツールがあって、これで緑色だけ彩度をあげるなどしていい感じに現像できました。SPPだと全体に彩度をあげるしかなく、他が不自然になってたんですよね。
似たような処理はPhotoshop Elementsでもできるんでしょうけど、こちらの方が簡単にできたし、なによりRAWの時点で、しかも非破壊で試行錯誤できる点は有り難いです。
ツール内でスポット補正やトリミング、回転が行える
これができることで、RAWからブログ用JPEG出力までがほぼ単一アプリ内で完結できるようになりました。今まではちょっとしたゴミを消したりトリミング、リサイズしたりをPhotoshop Elementsに頼ってましたから。JPEG圧縮行程も減らせるし、Lightroom側で作業履歴を保存できるし万々歳です。作業ステップ数が増えるのも面倒ですが、アプリをまたぐと作業履歴や中間バージョンの管理がとても面倒で、ブログ用をアップロードした時点でRAWファイル以外は捨てたりすることが多かったんですよね。で、別の用途で別サイズでもう一度必要になったらRAWから現像しなおす、みたいな。Lightroomなら全てのヒストリーを保持できるので重宝します(ちゃんと調べてないけど、データの保存量とかスゴいことにならないんでしょうかね…)
アスペクトを指定したトリミング
細かい点ですが、まずアスペクトを数値指定すると枠が表示され、それをドラッグしてトリミング範囲を決める、というフロー設計になっていて感激しました。こういうのを求めてたんです!例えば800×600のフォトフレーム用に一番おいしいところ切り抜く、なんて時に重宝します。ケータイ用の壁紙なんかもそうですね。独立のトリミングソフトなんかではたまにありますが、現像ソフト、レタッチソフトに統合されてることで実用性が一気に増します。
同じ修正を複数のRAWファイルに一括適用できる
同じ条件下でとった写真はとりあえず同じパラメーターでいいのでまとめてJPEG変換したい、ってことがあります。SPPでも基本、直前にパラメーターが強制適用されたり、名前をつけて保存したりはできるんですが、Lightroomはコピペ的な操作で適用できよりやりやすいです。
とまぁ、さすが有料ソフトだけあって色々と良い点がありまくりでした。「Pro用ツール」とかパッケージに書いてあるので自分みたいなホビーユーザーが買っても持て余すかなと思って、ずっと躊躇してたんですが思い切って買って良かったです(まぁ、アカデミックプライスで買えたから余計にコストパフォーマンス感も高いんですが)。RAWで撮ると失敗の取り返しが効くのはいいが、後の管理が大変、ブログに貼るのもひと手間かかる、というイメージがあったんですが、これがあればあまり気にせずバシャバシャRAWで撮っていけそうです。
■管理ソフトをどうするか?
いままで長いことSONYのPMBを愛用してきました。カレンダービューがサクサク動いて写真が探しやすいというのが理由です。しかしさすがにSONY製以外のRAWは扱うことができず、今まではRAWはSPP、JPEGはPMBと使い分けていました。RAWでとったものもお気に入りだけはJPEGに現像してPMB管理下に置いておく、って感じです。が、今後とりあえずRAWで撮って放置、ということが増えそうなので、なにか対策を考えないとなぁ。とりあえず他にヌルヌル表示してくれそうなのはPicasaですかね?みたところSIGMAのRAWも扱えるみたいだし。
■アカデミック登録申請
今回はじめてAdobe製品をアカデミックで買いました。Adobeの場合、Microsoft等と違って店頭ではノーチェックで購入でき、後日Webやケータイで身分証明のスキャン画像を添付して申請してシリアルナンバーを受け取る。それまでは体験版として30日間使える、という方式でした。
さっそくWebフォームから申請をしたんですが、夜中に申請したらその日の午前中には届いてました。書類には三日ほどで届く、と書いてあったのが、実質10時間以内です。もちろん再インストール無しでシリアルナンバーを入力するだけで製品版として利用可能になりました。
ストロボ買い換え
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