カロスポ買い換えを機にナビとETCユニットも更新。初のETC2.0機になりますが、実際のところなにが違うのかあまりにややこしくて毎回ググってしまうので覚え書きとしてまとめてみます。
ETC2.0は単なる高速道路の料金自動収受に留まらず、従来カーナビのVICSが担っていた交通情報取得なども担うようになってきました。VICSではFM波、電波ビーコン、光ビーコンの3メディアがありFM波は多くのカーナビの標準装備、電波&光ビーコンは一体化してナビのオプション装備として提供されていることがほとんどでしたが、ETC2.0世代ではナビではなくETC車載器のオプションとして光ビーコンが提供されている形です(ETC2.0自体が電波ビーコンを受信して機能するのでそれは標準)。ETC2.0車載器が受信した交通情報は、
- 車載器スタンドアローンで音声で案内する
- 対応カーナビに表示する
- スマホで閲覧する
といったパターンがあるようです。まとめるとこんな感じでしょうか。
従来VICS世代
対象道路 | 提供コンテンツ | 使用機器 | 管轄 | 存続 | |
---|---|---|---|---|---|
FMラジオ波 | 一般道、高速の広域情報 | 文字(レベル1) 図形(レベル2) | ナビ搭載FMチューナー | VICSセンター | 2022年に廃止予定 |
電波(2.4GHz) | 高速道路 | 地図上に重畳(レベル3) | ナビのオプション | 高速道路管理者 | 既設設備は当面維持。新設はされない。故障具合によっては修理もされない。 |
光 | 一般道 | 地図上に重畳(レベル3) | ナビのオプション | 都道府県警察 |
ETC2.0世代
名称 | 対象道路 | 提供コンテンツ | 使用機器 | 管轄 | |
---|---|---|---|---|---|
FMラジオ波 | VICS WIDE | 一般道、高速の広域情報 | 従来に加え気象情報なども提供 | ナビ搭載FMチューナー | VICSセンター |
電波(5.8GHz) | ITSスポット | 高速道路 | 渋滞回避情報、安全運転支援情報 | ETC2.0車載器 | 高速道路管理者 |
光 | 一般道 | DSSS、TSPS | ETC2.0車載器のオプション | 都道府県警察 | |
光 | ITSコネクト | 一般道 | DSSS、CVSS | ナビのオプション |
ややこしいですね。
また双方向通信を利用した支援サービスとして、DSSS、TSPS、CVSSがあります。
・DSSS
交通安全支援システム(DSSS:Driving Safety Support Systems)。信号交差点、一旦停止や交差する道路からの車の接近を通知してくれる。
・TSPS
信号情報活用運転支援システム(TSPS)。文字通り信号機の状態を通知することで、赤信号が青にかわるまでの待ち時間や、これくらいで走ってれば赤信号につかまりにくくなるよ、といったことを把握できるようになります。
・CVSS
車車間通信システム(CVSS:Connected Vehicles Support Systems)。搭載車種同士で通信を行う。緊急車両が接近や方向を知らせたり(まだ愛知県の一部エリアのみ)、レーダークルーズコントロールで走行中の車同士が速度を伝え合うことで車間距離や燃費の適正化を行う(トヨタのMOPで対応の一部車種のみ)。
ややこしいですねw。
以上を踏まえてトヨタの純正ETCユニットのラインナップをみてみましょう。
- ETC2.0ユニット ビルトイン・ナビ連動タイプ(光ビーコン機能付)
- ETC2.0ユニット 汎用・ナビ連動タイプ(光ビーコン機能付)
- ETC2.0ユニット ビルトイン・ボイスタイプ
とあります。ナビ連動タイプは表示をナビ画面に出す方式、ボイスタイプは車載器スピーカーから声で案内する方式ということですね。光ビーコン機能付き、となっているものは文字通り光ビーコンの送受信機を(ナビではなく)ETC2.0車載器から生やして通信を行えるということです(ビルトインか汎用かは取り付け方式の違いです)。また社外メーカーからはスマホ連動タイプなども販売されています。
つまるところ、従来のVICS光ビーコン相当の情報をナビで受け取りたければ、1番のタイプを買うしかないということでした。ITSコネクトも是非体験してみたいんですが、関東ではまだ恩恵が少なすぎるのでとりあえずみおk
ややこしいですねww。
まとめると、
- 従来DSRCといってたものがETC2.0になり、電波ビーコンをITSスポットと呼ぶようになった
- ITSスポットとITSコネクトは別のもの
- FMと電波ビーコンの古い規格は近年中に廃止の方針が決まっている
- ビーコン受信はナビの機能からETC2.0の機能になりつつある(ETC2.0がナビに表示連動するものはある)
- 光ビーコンを使うサービスとしてITSコネクトというものが別に存在する(トヨタのみ?)
- 電波5.8GHzビーコンはカバーエリア的には2.4GHzと同等程度に整備済み
- 新世代の路車間通信に対応した一般道交差点はまだまだごくわずか
- 車車間通信も緊急車両に搭載しているのは愛知県のごく一部のみ
- CVSSのレーダークルースコントロール連携はたぶんDOPのナビ(NSZT-Y68Tとか)にITSコネクトユニットを後だけしても多分非対応。ナビから車速制御ができるのはMOPのみではないかと。残念!
というところでしょうか(2019年4月現在)。