新型クラウンでもカロナビを! Pioneer NP1

以前から気になっていたPioneerのドライビングパートナー/オールインワン車載器NP1が通常1年プラ員で6.5万円くらいのところ年末年始のキャンペーンで3万円台まで値下がりしていたので買ってみました。

NP1はパイオニアがドライビングパートナーとかオールインワン車載器呼んでいる独自カテゴリの商品で、どんなことができるかというと、

  • 音声ナビ
  • 前後型クラウドドライブレコーダー
    • 駐車中衝撃検知型アラーム(常時電源配線時)
  • LTE車内Wi-Fiルーター(別契約が必要。docomo in-Car Connect)
  • Alexa Auto端末
  • ドライブコール(後述)
  • 固定オービスアラーム

などが主なところ。ハードどしては画面がないLTEでネットにつながったGPS搭載スマートスピーカーという感じ。

ナビは音声認識で行き先を選んで、音声ガイドで案内を受けるのが基本ですが、さすがにそれだけだと実用上難があるということで、アップデートを重ねて、

  • スマホアプリ上に地図や案内表示
  • CarPlay/Android Autoで車載ディスプレイオーディオに表示(スマホ経由)

なども可能になりました。スマホが結局いるやん、ということではありますが、カロッツェリアの見やすい地図、案内を使えるのは嬉しいところ。

ちなみにPioneerは単なるスマホアプリとして年末に「COCCHi(コッチ)」というナビアプリもリリースしています。基本機能無料、月350円でより高度な機能が利用可能となります(CarPlay/AndroidAuto対応含む)。今後どういう棲み分けをしていくのかわかりませんが、NP1も見捨てずにしっかりアップデートしていってほしいものです。

NP1の話に戻りますが、ドライブレコーダー面ではクラウド録画対応ということで、普段はSDカードに常時録画し、イベント時は月60回までクラウドに自動アップロードし、スマホから再生できる形になります。イベントは走行中の衝撃検知だけでなく、煽り運転を検知した時や、常時電源配線がしてあれば駐車中の衝撃も検知してくれます。駐車中の衝撃検知でスマホに通知がいき、その場でスマホから映像を確認することもできます。あとは音声コマンドで「写真撮って」などと言って保存することもできるようです。

ユニークなのはドライブコール機能で、カメラ映像を送りながら通話することができます。例えば誰かの家に遊びに行く時、その家主とドライブコールをすれば「あ、そこを右に曲がって」など行き方を教えてもらいながら向かうことができたりします。

個人的なニーズとしては、純正ナビ(DA)はOttcastなどが専有している場合でも、スマホでナビができる点、しかも昔から使い慣れた見やすいカロナビが使える点、また走行中常時録画や駐車中監視ができない標準装備のドライブレコーダーを補完できる点、そして相手に位置情報とカメラ映像を見せながら通話できるドライブコールを使ってみたかった、などです。

気になりつつも購入に至ってなかったのは、

  • 年間利用料がかかる
  • 筐体が一般的なドラレコより大きく、クラウンのようなフロントガラスが低めの車種だと目線にかぶって邪魔そう

といった辺りが気になっていたためです。今回4万円を切る値段で購入できたので、1つ障壁が下がり試しに買ってみるか、となった次第。

■ファーストインプレ

フロントガラスへの設置はやはり視界に入って邪魔といえば邪魔です。ワゴン、ミニバンとかフロントガラスが垂直に近く大きな車種であればどうということはないと思うんですが、天井が低くてミラーが目の高さに近いような車種だと結構視界が狭まる感はあります。助手席側につけることも一瞬考えましたが、操作ボタンやマイクの感度など原則としてドライバー側にあることを前提としたデザインっぽかったので断念。でもまぁ走っていればそこまで気にならないかなとも。次期モデルではより一層小型化を期待したいです。もしくはマイクとカメラ以外を別筐体にするなど。

ナビはさすがのカロッツェリアベースで充分分かりやすいです。ただやはり音声のみは実用的ではないかなと思います。単純な十字路ばかりならまだしも、分岐が連続するような交差点や高速ジャンクションでは音声指示だけではわかりづらいし、あらかじめ心構えもできません。スマホアプリを起動しておけば、交差点案内図やレーン案内は充分見やすくわかりやすいです。また地図のカロナビが長年洗練指せ続けてきた視認性の高いカラーで、高速と一般道が描き分けられているなどトップクラスの見やすさだと思います。原理上、GPSのみで測位するので、ジャイロセンサーがない分、車載ナビには精度で劣るはずですが、いまのところトンネルも含めてそこまで不便を感じません。都心の首都高高架下などを走るとどうかなというところです。

CarPlayに映せばCyberNaviまでは言いませんが楽ナビに載せ替えた気分。ただしCarPlayのシステムの制約でピンチジェスチャーは使えないので、地図の拡大縮小は昔ながらの+/-ボタンになるのが惜しい。これはどこのCarPlayナビも同じなんですが、ボタンが左端にあるので、クラウンのような12.3インチワイドのDAだと押しづらいです。同様に「現在地に戻る」テキストボタンも左上隅で指が届きづらいのは残念。

いずれにせよ、DAをつぶすくらいなら純正ナビでも良いかなとは思います。使うならスマホナビモードが一番多くなる予感。

・ドライブコール

ユニークなドライブコールについて詳しく触れておこうと思います。通話方法はやや煩雑というか自由度が低いです。

まずアプリで相手の電話番号を5件まで登録できます。ヨミガナを入れて声で起動できると思います。起動すると相手に電話がかかるのではなく、まずSMSで通話のためのリンクが相手に送られます。「(ユーザ名)さんからドライブコールに登録されました(+URL)」という文面でめっちゃ説明不足です。事前にドライブコールとはなんぞや?と相手に教えておかないとこわくてタップできないでしょう。

相手がそのURLをタップするとWebページが開いて自分の電話番号の下4桁を聞かれます。SMSを送った番号と一致しなければ先へ進めません。暗証番号的な意味合いなんでしょうがやや面倒です。登録が5件までと制約が大きい上に電話番号が必須なのが縛りとしては大きいです。まぁ自分宛にSMSを送ってそのURLを自分の番号下4桁を添えて伝えれば、それ以外の人にも通話招待できそうではあります。個人的にはこの機能は家族など固定の相手に使うより、仕事で待ち合わせする時に1回だけの相手を呼び出すみたいな場面かなぁと思っているので、ちょっといらん制約がついてるなという印象が否めません。

ただ相手側は専用アプリは不要でブラウザ上で完結できるのは良き。電話番号は必要なものの実際には通話をするわけではなく、データ通信で完結するのも〇(でも相手がパケットを節約したい事情かどうかなどは配慮が必要でしょう)。

なおNP1側は月120分まで通話できるようです。なんなら内蔵LTEとは別のWi-Fiを使ってでもいいので無制限に使えるとまた違った使い方もできたかなと思います。

・マイカーウォッチ

もうひとつNP1ならではの機能としてはリアルタイムのカメラ映像をいつでもスマホでみられる「マイカーウォッチ」です。Google NestCamのようなクラウドカメラを車載するようなものです。これは衝撃通知などなくともスマホアプリからいつでも起動して見ることができます(1回5分で月60分までの制限あり)。セキュリティとしては安心感あります。

ただ実際に試してみると、通信不良でつながらないこともしばしば。ダメじゃん。

ちなみに実装としてはこれもブラウザベース。起動ボタンはMy NP1アプリの中ですがおすとブラウザに遷移するので、URLをブックマークしておけばブラウザ単体でも使えるのかも知れません。

■まとめ

実装面、特に通信周りがいまひとつこなれてない印象ですが、通信機能を搭載したことでドライブレコーダーとしてもユニークな商品になっていると思います。純正ナビがディスプレイオーディオ化して市販後付けナビは死の淵に立っている昨今、パイオニアとしても新しい活路を見出す想いでこのような製品を投入してきているのだと思われます。今後の展開が楽しみです。

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