結局、Kindle Paperwhiteも買ったった

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iPad miniを買ったしイラネと思いつつも、微妙に値下がりして、この値段なら買っても良かったなー、と思いはじめ、さりとて今更注文しても納期が1月とかなのでスルーを決め込んでたKindle Paperwhiteですが、発売日の昨日、普通にビックカメラに売ってたので買ってしまいました。家電量販店ではヨドバシ、ヤマダはAmazon憎しで取り扱わず、Amazonに出店していて共存を目指すビックカメラや、ケーズ、TSUTAYA辺りは扱うらしいですね。

■ハード面

サイズ、解像度、バックライトなど電子ペーパー的にほぼ同スペックのkobo gloと比べ、本体外寸はひとまわり大きい本機ですが、やはりサービスが全く別モノなので比べても仕方ないでしょう。

kobo gloは店頭で少し触った程度ですが、あちらのバックライトは輝度を上げるとインク色まで青っぽくなって、大昔のΣBookみたいな安っぽさがありました。それに比べると本機のバックライトは最大輝度としてはkobo gloに劣るものの、最大照度近辺でも墨色部分に不自然な青白さがあまり感じられない印象。暗いところでの補助というより、紙色をより白く見せるためのバックライトなのかなと。ただやはり海外発売時に言われていてムラはあるし、白部分に青さは出るので、点けなくて済むなら点けずにいた方がいいなぁという感じ。特に真正面から見た時の違和感が大きい。少し下方向からみるとむしろ綺麗なんですが、

レスポンスはまぁ電子ペーパーとしては納得のレベルかな。自炊コンテンツの場合、開いた最初の数秒は反応が詰まるのもお約束。iPad等に慣れていると多少イラっとしますが、普通に読み始めると(先読みが進むと)ほぼ問題ないページめくり速度になります。

あと、KindleDXやSONY Readerで気になっていたUSB経由でコピーする時の書き込みの遅さも随分解消されたなと思いました。前二機種はどんだけ安いフラッシュメモリだよって位書き込み遅かったです。

背面はラバーコートですが、滑りにくいかっていうとそこまででもなく、寝転がって片手保持するなら背面にハンドストラップ(?)のついたケースが欲しくなります。このニーズは結構把握されてるようで、BUFFALOはじめいくつかのブランドのケースでは既に対応済みです。個人的にはカバーいらないのでストラップだけ追加できるようなアクセサリが欲しいなぁとも思いますが。

■操作性

惜しいのはページめくりのタップ操作方式です。過去に何度も書いてますが、この手の端末では持ち手を頻繁にスイッチする為、左右どちらの手で持っても親指で順送りできることが重要です。逆送りなんて頻度でいえばたいしたことないので、スワイプとかで充分なんですが、どうもこの手の端末メーカーは順送りと逆送りの操作の対称性にこだわりたいようで。せめてiBooksアプリや他の多くのリーダーアプリのようにカスタマイズできるといいんですが。

Kindle(写真左)の場合、ヘルプ画像にあるように右寄りの狭いエリアが逆送りで、残りは順送りというタップ反応エリアを非対称にする措置をとっています(もちろん本の綴じ方向によっては反転します)。なので一応右手で持っても親指をちょっと伸ばせば順送りできるっちゃできるんですが、やはり地味に負担が大きいというか、読書に熱中していると指の伸ばし方が足りずに逆送りになってしまってイラッ☆とします。これに関して設定は一切できません。また裸で片手持ちする場合、画面上の枠を人差し指と中指で挟むようにして持つことが多いんですが、この状態で親指でタップすると上部のツールバー呼び出しゾーンが反応してしまうこともしばしば。

参考までにkobo gloの設定画面も載せておきます(写真右)。デフォルトは左右の一定ゾーン、設定で真ん中部分まで使うことができますが、両方順送りに指定することはやはりできません。このプレビューで見る限り、逆送りゾーンも結構太いみたいです。

kindlekoboglo

この辺りの割り切り、シンプルさがiOS等を爆発的に普及させた大事な観点で、日本メーカーが苦手とする部分でもあるんですが、当のApple製リーダーiBooksですらこの点は認識してカスタマイズ可能にしているんですよと言いたい。

脱獄したらこの辺りの境界座標をいじれるよ、っていうなら迷い無く脱獄したいレベルです。

■画質

KindleDXを除く多くの電子書籍端末は長らく600×800というのが主流でしたが、kobo glo共々ついに758×1024と高解像度されました。さすがにKindleの小説コンテンツはその恩恵を感じられます。一方Kindleコミックはまだまだ微妙。文字はかろうじて読めますが、トーンがつぶれてモアレが発生しまくり。iPad miniでも指摘しましたが、それよりも気になります。例えば無地のシャツを着ているはずのキャラが妙な柄物を着てることに翻案されてるレベル。服ならまだいいですが、髪に模様とかおかしすぎますw。もう少しインテリジェントなスケーリングアルゴリズムを採用するには処理能力が不足なんですかねぇ。個人的にはこれでコミックを読むことはない気がします。

自炊(小説)に関しては、この解像度変更でMeTiltranを使ったリフロー処理をしなくても、ChainLPの余白カットだけで実用になる域になったのが大きいと思います。特に一段組の文庫本なら充分です。画質的にはPDFが綺麗らしいんですが、なぜかページめくり方向が左綴じ固定になってしまう仕様で、現状はやや文字が太るもののmobi形式を使うのが無難かなという気がしています。自炊レシピについては別エントリにて。

■その他

KindleDXの頃と違い、充電器は付属していません。まぁいまやスマートフォン用にUSB5V充電器やmicroUSBケーブルなんて家に転がってる人が多いので妥当なところでしょう。ただ付属のmicroUSBケーブルはKindleDXに付属のものと似ている手触り。DXのものは1,2年で皮膜が硬化してボロボロに割れて来たので、今回もイヤーな予感しまくりです。

とにかく傾き補正を重視した自炊レシピメモ

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bREADERで快適に小説を読む為の自炊研究の続き。前の記事では、ノンブル領域を目安に素早く傾きがヒドいページを見つける方法を模索しましたが、これ自体が傾き補正精度を上げる訳ではありません。今回は全く別のアプローチで傾きを軽減するレシピについてです。

実はこれを見つけたのは偶然というか怪我の功名というか、還付金でもっと傾き補正がイケてるスキャナに買い換えようかと情報収集をしていて、(他のスキャナの話ですが)「傾き補正をオフにした方が傾かない」という書き込みを見つけたことがきっかけでした。多くのスキャナの傾き補正機能はeTilTranのような文字や罫線を認識しているのではなく、ページの末端を使っているらしいのです。で、自炊など断裁機で背表紙を裁ち落とした辺は傾いていることも多いので、これがかえって傾きを助長させてしまう(本来比較的まっすぐに取り込めているのに、この傾いたページ境界を使ってかえって傾いて補正されてしまう)という訳です。特に我が家の場合、糊残りでくっついてるページで重送されにくくする為と、スキャン速度を上げる為に、文庫本などは横向きにセットします。糊が残っている可能性がある断裁した側を上(後ろ)に向けるので、特に影響を受けてしまうんじゃないかと(ページ後端で識別するものが多いらしい)。

ということで、手持ちスキャナ(fi-6130)の付属ソフトの傾き補正をむしろオフにしたら他のモードにしてみたらマシになるんじゃね?ってことで実験を始めました。同スキャナの付属ソフトScandAll PROでは、「自動傾き/サイズ検出」という設定項目に「無効」、「後端検出」、「自動用紙サイズ検出」、「黒背景」という選択肢があります。「よしこの4モードを全て試して傾き方に違いが出るか試すぜ」となったんですが、そのうちの最後、「黒背景」というのが思わぬ結果をもたらしてくれたのです。

1. 黒枠つきでスキャンする

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実際に「黒背景」モードでスキャンするとこんな画像が吐き出されます。このスキャナがスキャンできるA4サイズに対し、紙がかかっていなかった部分が黒く塗りつぶされている訳です。一見すると使い物にならない訳ですが、ものは試しにとeTilTranに食わせてみるとびっくり!かなりの精度で傾きが補正されています。それもそのはず、下の写真はeTilTranの内部演算プレビューを表示したところですが、中の文面には目もくれず、紙面と黒枠の境界部分の上下辺を基準に補正してくれてます。つまり断裁の影響を受けていない2辺ということですね。

image

見かけ上、解像度が落ちてるようですがそんなこともなく、単に全体のピクセル数が大きいので縮小されて見えるだけです。

つまり、この画像から黒枠部分をトリミングできればほぼ理想の傾き補正済み画像が得られるという訳です!

2. 黒枠部分を裁ち落とす

おそらくこのような画像を読み込んだ場合、全てのページが「漫画」種別で認識され、基準テクスト領域が全体を囲い、ノンブル領域は未指定になってると思います。まずこの基準テクスト領域を紙面相当部分に指定しなおしてやります。

「領域設定」ウインドウで偶数ページ、奇数ページそれぞれ値を修正していきます。前にも書きましたがeTilTranの領域設定はマウスで範囲指定して、とかできないのでちと面倒ですが、まずWidthとHeight値を「黒枠なしでスキャンした場合に出てくるサイズ」を目安に指定すると手っ取り早いです。300x300dpiでスキャンした文庫本の場合、1180×1760位になります。少し小さめ位にしておくと後の調整が楽です。偶数ページと奇数ページでは多少ズレが出るので片方に合わせたあとで4つの数値を書き写し、X,Yを修正してやります。またページを重ねるうちに段々ズレてくるので、最初の方と最後の方で確認しておきます。枠を小さめにしてどこでチェックしても黒枠が入らないようにすればOKです。

今回の例では、

偶数ページ X:0239 Y:0187 W:1175 H:1760

偶数ページ X:0193 Y:0182 W:1175 H:1760

となりました。基準ノンブル領域は設定しなくていいです。

次に前回も使用した「自動領域補正」を使います(失敗してもいいよう適宜プロジェクトを保存しつつ作業して下さい)。「トリミング範囲を基準領域から自動計算する」にチェック。余白指定はお好みで(指定したピクセル分の余白が各4辺に足されるようです)。中段は「基準テクスト領域に、テクスト領域のみを合わせる」を選択(ここの選択肢の違いはよくわかってませんが、まぁノンブルは指定してないのでノンブルを使わないのがいいだろう、位の理解w)。

imageすると今回の例では偶数ページだけが少し右へズレてトリミングされてしまいました。とはいってもこの段階で実際にトリミングが完了している訳ではないので補正が可能です。まず右サイドバーの「テキスト補正」欄を見ながらカーソルキーでプレビューを動かして、いい感じに赤枠に紙面が収まる位置を見つけます。今回はX(水平)方向に-25でOKそうです。この数字だけ記憶し、一旦補正を0に戻します。

次の同じだけの補正を全偶数ページにだけ一括適用させます。「ツール」->「一括補正」を開き、写真のような感じで指定し「適用」をクリックすれば、全偶数ページが25左に移動してピッタリ赤枠内に収まってくれます。部分ごとにパラーメーターを変えて適用することもできるので上手く使いこなして下さい。

image

3. 後処理

σ(^^)の場合、この後はヒストグラムを調整して文字を濃くするんですが、ひとつ困ったことがあります。全てのページが一律で「漫画」に分類されてしまっているので、挿絵のページを除外してヒストグラム変更する、といったことができません。

仕方ないので手作業で分類しなおす訳ですが、その際は、Explorerでサムネイル一覧表示にしてやれば挿絵ページをすぐ見分けられるので、それと見比べながら作業するのが良いかと思われます。

 

eTilTranの作者さんは最近はChainLPばかりメンテされてeTilTranはあまり手を掛けて下さってないですが、個人的にはこれが一番便利で使い出があると思います。なんとかマウスで領域指定できるようになってくれるとさらに神なんですけどねぇ。

2012.04.19追記:コミックの場合、「原稿外枠しきい値」を調整する

そもそもeTilTranにはこうした黒枠がついた画像を識別し分離する機能がついていました。設定->原稿外枠というカテゴリのパラメーターで、「原稿外枠しきい値」と「原稿外枠識別」の2つです。後者は単なるON/OFFなのでまぁONにしてきます。で、前者は文字通り、外枠として認識する基準値を指定します。基準の決め方は上記公式サイトの説明にあるように、「モノクロ化閾値上限」をかえつつ、内部演算プレビューで「二値画像」を選択した状態で、綺麗に中身が真っ白になり、外枠だけが黒くなる状態を探します。その数値をこの「原稿外枠しきい値」に指定して、再読込すればOKです。説明には50~80とありましたが、カラーページなどはかなり低くしないと上手く分離できませんでした。まぁ、白黒のページで基準領域が決まったら、あとは「原稿外枠識別」をOFFにしてカラーページだけ再読込してやればヨサゲ(ページ毎の再読込は、左サイドバーのリストを右クリックすればメニューがあります)。

eTilTran補正でノンブル領域を活用するメモ

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bREADERが便利すぎ、『境界線上のホライゾン』が面白すぎて自炊率が上がっている今日この頃です。同シリーズの文庫は900ページ近くある巻も多く、とても紙で読んでられないので電子化は必須です。bREADERはMeTilTranよりもリフロー誤爆が少なく、極端にスキャン画像が傾いてなければほぼ正確に処理してくれるんですが、やはりそれでもゼロではありません。bREADERがページを画像だと判定してリフローを断念すると、普段白黒反転して黒地に白で暗くした寝室で読んでると、いきなり真っ白なページが表示されて「目がーっ!」となるのでダメージデカいですw(まぁ本来の挿絵でどのみちそうなるんですが)。

さりとてホライゾンの様に900ページもあると傾き補正のチェックも一苦労なんてもんじゃありません。それにあまり本文に目をやると思わぬネタバレをしてしまうリスクがあります、というか実際にIIの下巻を自炊していてやっちゃいましたorz。

ということで、ページが傾いているかを本文を見ないで簡単にチェックする意味も含めてノンブル領域を基準とした補正について研究してみました。ノンブル領域とは、Office的にいうヘッダやフッタにあたる領域のことで、小説だとページ番号や章タイトルなどが入っていることが多いです。左右のページそれぞれでこの領域に文字が入っていることを利用し、eTilTranはこの領域を基準にした自動調整をすることができます。

1. ノンブル領域を指定

eTilTranに画像ファイル群を読み込ませる時に出るダイアログで、ノンブル領域の上下や左右位置を指定しておきます。

2. 領域設定を修正

ノンブル位置を指定して画像ファイル群を読み込むと、自動的に奇数ページ、偶数ページそれぞれのパターンを解析し、テンプレートを赤枠で表示してくれます。ページ番号を囲う小さな枠がノンブル領域、本文を囲うのが基準領域です。本来ノンブル領域は常に一定の位置に表示されるので、逆にここでカーソル上下左右で画像を移動してこの枠に収まるように調整してやれば、本文ともども一定の枠に収まってくれることになります。またノンブル領域がある程度長ければ傾き補正が上手くいっているかどうかも見て取りやすいわけです。

image

章タイトルが表示されていても、大抵はページ番号部分だけを囲む様に設定されるので、これを図のように章タイトルまで含む様に横幅を広げてやります。ツール->領域設定を選ぶか、右サイドバーで同名のボタンをクリックして、領域設定ダイアログを表示します。

image

マウスで直接矩形指定することはできず、上記ダイアログで「変更」ボタンを押して数値を書き換えます。横幅だけ伸ばすなら「W:」の値を増やせばOKです。XY位置は画像側をズラして調整すればいいのであまり気にする必要はないでしょう。

3.ページ種別を正しくセットする

次の一括自動処理を実行する前に、「漫画」「縦書」「横書」「不明」といった種別が正しいかチェックします。これはノンブルがない挿絵や口絵といったページに無駄な影響を抑えるためです。ほぼ自動で問題ないので、例えば「縦書き」に分類されているのに「計測°」欄が「不明」なページを探せばたいてい挿絵だったりするので、そのページの種別を「縦書」以外に変更しておきます。

4. 画像を基準枠に収まる位置に自動調整する

いよいよノンブル領域に実際のノンブルが収まるように一括調整をします。ツール->自動領域補正を選択しダイアログを開きます。

image

注意すべきは、ノンブルの内容や位置が見開き左右で異なるレイアウトの場合、奇数ページと偶数ページで別々に処理すべきという点です。ページ番号の桁数や章タイトルの長さによってノンブルの幅も違うので、「ノンブル基準」欄を左側のページでは「左端合わせ」、右側のページでは「右端合わせ」にしないと上手く合ってくれません。「奇偶」欄で処理対象ページを選べます。また「種別」欄で「縦書」を指定するのもお忘れなく。

これらをセットして「補正」ボタンを押せばさほど時間もかからずに処理が完了します。

 

この処理自体は傾き補正には影響しないっぽいのですが、自動傾き補正が大きく誤爆していないかをチェックする効率はかなり上がる気がします。つねにノンブル領域部分をにらみながらページをめくっていけばいいからです。ただ章タイトルがなくページ番号だけの方は傾きを発見しづらいですが…

eTilTranはもう何年もお世話になっていますが、まじめにいじるとまだまだ伸びしろがあるものです。

 

というか、次にスキャナを買う時は、もしくはbREADER専用に買い増すとしたら、画質は二の次でいいのでとにかく傾きが抑えられたモデルを選びたいですね。

久々の神認定電子書籍リーダーアプリ「bREADER」

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久しぶりに電子書籍自炊ライフに衝撃をもたらすiPhoneアプリを発見しました。その名は「bREADER」。青空文庫向けだとばかり思ってスルーしていたんですが、なんと自炊電子書籍、つまりスキャナで読み込んだビットマップ画像で構成されたファイルのリフローに対応しています。リフロー、つまり画像を文字単位で認識して画面のサイズにあわせてレイアウト(改行位置)を変えて読みやすくする、といえばMetilTranが有名です。これはWindows向けのソフトで、事前に画面サイズを指定してリフローした画像を吐き出してくれるので、それをzipで固めるなりPDFに変換するなりして各種リーダーで読む、というものです。一方、bREADERの場合、WindowsまたはMac用のサポートアプリbrcを使用しますが、このツール自体は画像を解析した情報をd.brdというファイルでzip内に加えるだけの非破壊処理。実際のリフロー処理はiPhoneアプリ側でリアルタイムに行います。なので、画面ピンチで動的に文字サイズが変えることができますし、単一のファイルでPCでの閲覧とiPhoneでの閲覧に対応できます。

動作の様子。これはテキストベースの表示例ですが、自炊書籍もこのようにリフローできます!

そして、今のところ試した感じでは、MetilTranに比べて誤爆が少ない。多少ルビが欠けることはありますが、行が真っ二つに割れてしまうような致命的な誤爆はいまのところ遭遇していません。挿絵のページが無駄にバラされるような誤爆もなさそう。ルビ欠けも画像のガンマ値を調整すれば減らせそうな感じ。今後新しくスキャンする時に少し試行錯誤してみるつもりですが、今まで少し文字を濃くハッキリよめるようにガンマ調整してたのが、あまり必要なさそうな印象です。

リーダーとしての使い勝手もまずまず。というか、

  • 表紙画像に対応した本棚ビュー(リストビューも有り)
  • アクセスしやすい明るさ調整
  • 白黒反転、セピアカラーなど表示色カスタマイズ
  • OpenInで他のアプリでダウンロードしたzipファイルを開ける
  • 自動スクロール

とよくできてる部類。自動スクロールは最低速にしてもちと速いのが玉に瑕って位かな。

MetilTranというWindowsオンリーなツールに頼らずともMacのみで完結できるところもポイントですね。それでも個人的にはeTilTranで傾き補正などの下処理はする気がしますが。

なおbrc(解析ツール)の対応ファイルはJPEGまたはPNGが入ったZIPもしくはフォルダ。PDFで作ってしまった場合はバラして連番ファイル名で出力しておく必要があります。またおそらd.brdファイルが必要なので最終的にbREADERで読ませるにもPDFではダメでzipのみでしょう。なのでOCRなどとの両立は不可能です。また縦書きのみ対応、二段組みはOKのようです(未検証)。

 

これは小説積ん読消化が大幅に捗りそうです。

Galaxy Tab買いました

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今更ですが最近安くなってたのと、近々Andoroid絡みの仕事が来そうだったので研究用にGalaxy Tabを買って見ました。仕事でXperiaなどは触ったことありますし、遊びでEMONSTERに2.1を入れていじってみたことくらいはあいますが、ちゃんとしたAndoroid端末を購入するのは初めてです。

■コストパフォーマンス

ちょうどσ(^^)がGalaxy Tabを購入した日に日本通信が売り切りで39,800円のタブレット端末Light Tabを発表し、「日本で一番安いモバイル・タブレット」と言っちゃってますが、甘い認識ですね。まずスペックからしてショボい。多くの中華製タブレット同様、液晶が800×480しかない上にマルチタッチに非対応。対してGalaxy Tabは1024×600でマルチタッチ対応です(サイズはどちらも7インチ)。

さてこのGalaxy Tab、いくらで入手可能なんでしょう?巷で話題の新規0円の場合、SPモードなどのオプションを全部カットすると基本料780円+α(ユニバーサル利用料など誤差範囲)の2年縛りになります。加入手数料が3,150円で、2年間の最低利用料は2万2千円ってとこですね(3Gパケットを使わないでWi-Fi運用した場合。詳しくはググってください)。Light Tabの半分近い値段です。3G回線が不要な場合は明らかにこちらの方が割安ですね。3Gバリバリで使いたいけど速度はあまり出なくていいという場合はLight Tabにb-mobileの速度制限付きSIMを組み合わせる方がランニングは安いかもですが。

σ(^^)はといえば、もともとおサイフケータイ用に保持してるdocomo回線があったので端末買い増しという形にしてみました。iモードとspモードは両方つけても値段かわらないですし、パケホーダイも共有できます。つまりガラケーとの排他利用ながら毎月の支払いは変わらずで端末購入代金のみの負担で入手できました。価格は23,980円というところがあったんですが、結局ポイントがあった関係でヨドバシの28,980 –10%ポイントで買いました。中華系タブレットでも1024×600液晶のものはほとんどない上に、あっても4,5万とかザラなので、良い買い物だったと思います。

■ハード面

物理的にiPhone4とiPadの中間にあたる大きさですが、どれが一番ということはなく、それぞれのシーンで使い分けるのが(贅沢ですが)ベストって感じですね。特に寝モバで使うにはiPadでは重すぎるしiPhone4では小さすぎるので、これくらいがベストマッチかもです。

裏面はポリカっぽいプラスチック系素材でiPadやiPod touchのような傷付きやすそうな印象はなく裸で気兼ねなく使える印象。タッチパネルの指滑りもよく当初は液晶保護フィルム無しで運用しようと買わずに帰ったんですが、指紋がひどくてやっぱり貼ることにしました。指の軌跡がクッキリ残るので、Androidのお家芸であるパターンによるロック解除を使った跡がバッチリ読み取れてしまいますw。

フィルムは安心のパワサポからはリリースされてなかったのでマイクロソリューションのこちら。このフィルム、かなりピッタリのサイズで作られているんですが、Galaxy Tabは外周のエッジが微妙に盛り上がっているため、少しでもズレると端が浮いてしまい、貼るのにはかなり苦労しました。とにかくとりあえず汚れホコリ上等で位置あわせのために何十回と貼り直し、場所があったところで半分ずつはがしてゴミ取りをして、という手順で小一時間かかりました。今までで一番苦労したかも。ゴミ取り用の弱粘着シートが2枚ついてたのは親切ですが全然足りなくて結局セロテープも大量消費しました。液晶フィルム貼りになれてない人いはちと敷居が高いかもです(出来映えをどこまで気にするか次第ですが)。苦労の甲斐あってか指滑りを維持しつつ高い指紋防止効果も得られるようになりました。アンチグレア系なので若干ボケて白っぽくなるのは他社製同様です。実写動画や写真の見栄えを重視する人以外にはオススメです。

本体の話に戻ります。SIMカードとmicroSDカードスロットは側面。電源入れたままでも抜き差し可能なのは便利です。SIMカードは抜き差しすると自動的に再起動かかりますが。

充電は残念ながらiPodコネクタを改変したような専用コネクタ(おそらくAV出力端子を兼ねてるせいでしょう)。USBケーブルと充電器が付属してますが、充電器のピンアサインが特殊らしく、他のUSB充電器では充電できないという表示が出ます(一応緩やかには充電されるらしい)。σ(^^)の使い方だと実家にももう1セット用意したいのですが純正品で揃えると数千円にもなる模様。適当に安いものを物色します。

ハードボタンはサイドにスリープと音量があり、iOSデバイスのHOMEボタンにあたる部分に、MENU、HOME、BACK、SEARCHの4つのタッチボタンがあります。このあたりはAndroidでも端末によって異なるんですが、まぁ無難な配置かと(いまんとこSEARCHはあんま使わないですね)。ただ形状は完全にフラットで、バックライトはついているもののしばらくすると消灯するので暗いところで使うには少々迷います。だいたいのところをタッチし、バックライトがついたらもう一度正確に押すという二度手間に。そもそもベッドでゴロゴロして使ってるといつのまにか180度反対を向いてたりして、いくらタッチしても点灯しないぞ?ということにもなったり。フラットな方がデザイン的に綺麗なのはわかるんですが、個人的には触ってわかるようモールドが欲しいです(夜の住人なので暗闇ユーザビリティ重視w)。

■動画端末として

H.264に関してはハードウェア再生支援があるので720pでも楽勝です(フルHDは試してませんが1440×1080はいけるらしい)。標準のビデオプレーヤーアプリはチャプターには非対応ですが、アプリ上で独自にマーカーをつけることは可能。一覧画面ではiPadのように番組名タグで階層表示にはならず、フォルダごとに分割されるものの表示はフラットに一度に並ぶので大量のファイルから探すのはやや使い勝手が悪いです。再生能力はほぼ互角ですが、使い勝手ではiPadの方がややリード。

アスペクトは16:10なので結局上下に黒帯は出ますが、iPadに比べれば微々たるものなので、16:9動画を見る分にはあまり小さくなった印象はないです。そのくせハードは小さく片手保持も楽なので、上述のように寝転がって撮りためたビデオを見るにはイイカンジ。

ブラウザで.mp4ファイルへのリンクを叩いた場合、ビデオプレーヤーで開くかダウンロードするか選べます。ただ同じプレーヤーアプリなのにストリーミングではエラーになり、一旦SDカードに保存して開けばOKというものが結構あります。条件は絞れてませんがちと残念。プレーヤーを他のものにすればいいのかな?DLNAクライアントソフトも標準で入ってますがやはりこれもエラーになったり真っ黒のまま再生が始まらないファイルが多く、実用性は今一歩。

仕方ないのでローカル再生をする訳ですが、本体内の16GBフラッシュメモリに保存する場合、ブラウザで時間をかけてダウンロードするか、専用ケーブルでPCにつなぐかで不便なので、16GBのmicroSDを購入しました。一時保存用なので信頼性落ちてもClass10優先でってことでこちら。3,000円しないとか爆安ですね。いまんとこ普通に使えてます。

■電子書籍端末として

いくつかアプリが出てますが、操作設定などがMangaMeeya CE並に細かく設定できるPerfect Viewerを使ってみてます。画面のタップゾーンを細かくわけて動作をアサインできます。拡大縮小アルゴリズムも選択できますが、Bi-cubicやLanczos3など高画質なものはちょっとレスポンス的に厳しいですね。読んでる間に裏で処理とかしてくれるようになるといいんですが。サイドの音量+/-ボタンにページめくりをアサインすることもできるのは嬉しい。

縦持ちした場合の横解像度が600ということはSONY “Reader”やKindleと同じなので、まぁやはりマンガにはちと厳しいですが、カラー/階調表示がある分、多少は誤魔化しが効いてる感じもあります。アスペクトが縦長なので上下にかなり余白(余黒?)が出るし。これしか持ってなければ充分使える感じですが、σ(^^)みたいにiPad、iPhone4、KindleDX、SONY ‘Reader’までよりとりみどりな環境だと微妙(横解像度ではiPhone4にも負けてる)。

■iOSと比べてAndroidはどうなのか?

ここからはGalaxy TabというよりAndroid全般としての評価中心。

やはりなんといってもAndoroidはホーム画面の設定の自由度が高いのが良いです。検索やニュース、天気といったウィジェットを置けるのもありますが、ランチャーアイコンも左上から順に強制的に並ぶiOSと違い、自由な場所に自由な間隔で配置できるので、例えば人物写真や萌えアニメの壁紙を設定した場合、顔の部分にはアイコンがかぶらないように、といったこともできます。iOSは簡単さを何よりも重視して、こうしたカスタマイズ性を排除しがちですが、利便性でいったらAndroidに軍配が上がりますね。iOSにも実装してほしい筆頭機能です。設定が難しくなるのを嫌ってというより、マルチタスク常駐負荷によるバッテリーライフを懸念してのことかも知れませんが、どちらにせよ使わないという選択肢があればいいだけな気がしますよね。

久しぶりにMacを使った時にも思いましたが、結局最近コンテンツはクラウドやサーバー上にあるので、普通に快適な日本語入力環境と液晶の解像度と品質、そして動画再生パワーがあれば、OSの違いは些細なことですね。gmail、PicasaなどGoogle贔屓な人にはAndroidの方が吊るしの状態で使える度は高いですが。Web、メールと並んで使用頻度の高い(というかメールよりはるかに高い)Twitterも、iOS、PCで愛用しているHootSuiteのアプリがあったのでそれさえ入れてしまえば基本iOSとかわんないですし。iOSのSafariもAndroidのブラウザもベースは同じWebKitなので、iOS向けに最適化して作ったページもほぼ問題なく閲覧できます。

日本語環境としてはどれも端末標準搭載のものはイケてないですね。ただSimejiやOpenWnn Plus、そしてATOKとサードパーティ製の優れたIMがあるのでまぁそこまで入れて評価すればさほどiOSにもひけは取らないかと。特にATOKはイイカンジです。QWERTYキーボードの各キーの下フリックに記号がアサインしてあって、モードを切り替えなくてもかなりの文字種をスイスイ打てます。正式版が出たら速攻で買うでしょう。

そうはいっても実際にはiOS上に細々と資産もあるので明日通話端末もAndroidに乗り換えられるか?って言われると難しいですが、これからスマートフォン始めようかなー、って人には正直どっちでもいいんじゃね?って言える気がします。特にSoftbank以外の人ならMNPしてまでiPhoneにこだわらなくてもdocomo、auのAndroid 2.2ケータイでいいんんじゃないかと。おサイフケータイも利用できるように準備がされつつありますしね。