MetaQuestにUVC/UAC入力がキタ!最適なキャプチャ選びは?

そうきたか!という感じですが、Meta Quest 2/3/ProにUSBキャプチャ経由でHDMI入力ができるアプリ「Meta Quest HDMI Link」が来ましたね。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2408/16/news115.html

外部ハードウェア(USBキャプチャデバイス)が必要になるものの、AirLinkやImmersed、VirtualDesktopなどの画面共有系ツールを使うよりも遅延が少なくできるので、ゲーム機をつないで仮想大画面でプレイする、といた使い方には良さそうです。著作権保護に対応したものは映せないので、AppleTVやFireTVのような映像コンテンツ受信デバイスはダメかもです。とりあえずFireTV Cubeはホーム画面すら映りませんでした。まぁQuest自身でもたいていのストリーミングアプリはあるのでわざわざ外付けデバイスを使う意味はあんまりないかなと。

構成としては、

HDMI出力機器-(HDMIケーブル)-> USBキャプチャデバイス-(USBケーブル)->Meta Quest

となり、USBキャプチャデバイスは一般的なUVC/UAC規格に対応したもので、USB 3.0接続のものが推奨となっています。Meta Quest HDMI Linkが1080/60pまでしか対応してないので最近の4K対応モデルである必要はなし。

ただ結構USBキャプチャデバイス選びでポイントになりそうなのはUSBポートの仕様(形状)でしょうか。絶対数が多いUSBドングル型だとUSB Type-Aプラグが生えていることが多く、仮にこれをQuestに刺さるようにUSB Type-Cに変換するアダプタをつけて直差しすると、Questのコネクタ部分に荷重がかかってよくなさそう。うっかり衝撃でも与えたら基板からコネクタが剥離して本体修理、ということにもなりかねません。短い変換ケーブル(Aメス-Cオス)が付属しているならば、キャプチャデバイス本体をQuestのバンド辺りに縛り付けるなどして固定するのはひとつの方法だと思いますが、やっぱりコネクタは垂直に飛び出すものがほとんどなので不安は残ります。プラグがL字のものがあればいいんですが、A側がメスになっていてかつ短く、USB3.0対応のものというと見つけるのが大変でしょう。後ろ方向にケーブルを伸ばすならコレとかですかね。

これでもキャプチャを直差しだと浮いて微妙そうなので、ショートケーブルは必要そうです。またUSBキャプチャデバイスをQuestに固定して重たいHDMIケーブルを引き回すとなると総重量や取り回しも微妙です。

ということで、もしこれからUSBキャプチャデバイスを新規に購入するのであれば、ドングル型よりも据置型というか、USBポートがUSB-Cジャック(メス)になっているものが良い気がします。手持ちで動作確認できたものだと、コレとか。

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古い製品の割に高いのが難点ですが、

ちなみに以前OBS Studioで遅延検証した時は0.16秒と今となってはメチャメチャ低遅延という部類ではありませんでした。
https://do-gugan.com/blog/archives/2023/06/hdmi_capture_delay.html

ただまぁ据置型よりはコンパクトなので、Questとゲーム機を外に持ち出して使いたいという時はアリかも知れません。

フットプリント大きくてもいい、自宅で据置で使うだけ、ということであればデスクトップ型でも色々選択肢はあると思います。

おさらいすると、

  • USB側がメスで好きなケーブルが使えるのが理想
  • 1080p/60p対応
  • UVC(Universal Video Class)対応
    • 同時に音声もUAC対応(仕様に明記されてないことも多い)
  • USB3.x推奨
  • 持ち運びたい場合はサイズが小さいこと

などがチェックポイントでしょうか。UVC/UACは業界標準なので今時の製品ならまず間違いないとは思いますが、UACはきちんと書いてないことも多いので不安ではありますね。

以下、実際にQuestで試してないので品質まで含めての保証はできかねますが、スペック的に使えそうなものをいくつか。

↓これとか。でもこれも1万超えますね…

↓これなんかはHDMIパススルーがついているので、同時にテレビなどにも映して、Questでプレイしている様子を仲閒はテレビで見る、みたいなこともできそう。

これは安いけど、どうかなぁ。仕様は満たしてますが、あんま激安だと遅延や安定さに不安もあります。

ゲーミングブランド各社の据置型ならたくさんあるので、高くてもいい、PCでゲーム配信/収録にも使いたいなどのニーズがあるならそういったものも選ぶのも良いでしょう。

■まとめ

ざっと探してみましたがUSB側がメスで好きなUSBケーブルを使えるものって意外と少ないみたいです。というか一気に値段が高くなりますね。

そのうちMeta純正も含めてどこかがUSB-Aメス→USB-C(L字)で色々な長さのケーブルを販売してくれたら、安価なドングル型キャプチャも使えていいんですが、、

TPUフィラメントを乾燥させてみたらスゴかった

3Dプリンターの素材であるフィラメントは様々ですが、ものによっては吸湿性が高く、開封後しばらく放置すると湿気を吸って造形品質が悪くなる場合があります。もっともメジャーなPLAはそこまででもないですが、PETGやABS、TPUといったものは気を使います。

通常真空密閉されて送られてくる新品を開封した後は、乾燥剤を入れた密閉容器に保管するなどする必要があり、ものによっては改めて使用直前に加熱乾燥することが推奨されているものも。

とはいえ自分は売り物を作ってるわけでもないので、「使えればいいや」くらいで最低限の除湿剤保管くらいしかしてきませんでした。先ごろ購入したX1-Carbonはヒートベッドの加熱機構を流用して乾漆乾燥するモードが備わってますが、実際やるとなると8時間とか12時間とか占有されてしまいプリントができなくなるので躊躇していいました。

そんな折、久しぶりにTPUフィラメントを使う機会があったので、実際どれくらい違いがあるもんかと試しに加熱乾燥をして比較してみました。

1月(4か月前)に購入して除湿剤(シリカゲル)を入れて密閉バッグに入れていたフィラメントです。X1cのプリセットでは12時間となっていましたが、途中で切り上げたので10時間くらいだったと思いいます。X1cの加熱チャンバー容積はフィラメントスプールに対してかなり大きいので、フィラメント購入時に入ってる段ボール箱をかぶせるか、配布されているカバーのモデルを自分でプリントして使うことが推奨されています。ただ後者は加熱に耐えるPCなどの素材が指定されており今回は段ボール箱で実施。

なにもしないで造形したのが写真右、乾燥後に再度造形したのが左です。

結構違いが出ましたね。ブルーの半透明フィラメントですが、未乾燥の方はところどころ白くなっている上、糸引きがちぎれたようなプツプツが無数にできて全体にザラザラしていますが、乾燥してからやった方はそれが完璧とはいわないまでもかなり改善されています。

やっぱり効果あるんだなぁと実感。

TPUの使用頻度はそこまで高くないですが、柔らかいものを作りたい時などは第一選択しになる素材です。PLAの次に使うPETGなどでもそこそこ効果があるみたいなので、やはり面倒でも仕上げにこだわるときは乾燥した方がよさそうですね。

ということで専用ドライヤーを購入

ということで、長時間X1cで乾燥させるのは不便だし、熱量的にも効率が悪いと思うので、専用のフィラメントドライヤーを購入することに。ものによっては一度に複数のフィラメントを乾燥できるものもありますが、設置場所の問題もあるのでとりあえず1スプール用から。

要件として考えたのは、

  • 静音性が高いこと
  • 温度x時間指定しなくてもフィラメント種別指定で済むタイプ

あたり。

候補として挙がったのがSANLUとCREALITY。

価格差は誤差程度。ちなみにアリエクでもそんなに値段がかわりませんでした。

操作系もほぼ同じ、というか同一パネル?

大きく違うのが設置方向。SANKUは横向きにスプールが入って、フタも横に開くので左右方向にスペースが必要。逆にCrealityは前後方向にスペースを食う感じ。想定した設置場所の都合でSANLUにしてみました。デザイン的にはCREALITYの方がかっこいいんですけどね。

しばらく使用しての所感

動作音はほぼ無音で気になりません。最大消費電力も48Wなので電球くらいでしょうか。設置位置の都合上、X1cと同じコンセントから電源をとっていますがタコ足で心配する必要はたぶんなさそう。そうした基本的な使い勝手は概ね満足しています。いくつか不満点としては、

電源アダプタのコネクタ形状がイマイチ

本製品は付属のAC-DCアダプタで電源供給をするわけですが、プラグは一般的な丸型コネクタで、背面側から垂直に突き出る格好になります。なので本体を壁ピタで設定できなかったり向きをかえる時に引っかかったりしがち。どうせ足で浮いてるんだから底面とかからもう少し上手く生やしてほしかったなと思います。

フタ形状がイマイチ

スプールの出し入れにフタをほぼ180度バカっと開く必要があるので、実質のフットプリントはやや大きめ。出し入れのたびに本体の位置や向きをかえています。

またフタをロックする機構がなく、フタの穴にフィラメントを通して造形を行うと、たまに穴をスムーズにフィラメントが通過できなくてフタがパカっと開いてしまったり、スプール毎持ち上がったりしてフィラメント供給が止まってプリンター側でエラーになったりします。

70℃までしか設定できない

最近ASAを使ってみてるんですが、Bambu Lab製の公式の推奨乾燥要件は80℃で8時間です。しかしSanlu S2は70℃までしか対応していません。実際フィラメントプリセットにASAがありません。PLAやPETG系なら55℃とか60℃なので問題ありませんが、ABS/ASA/PCなどを利用する場合はちょっとスペックが足りないので要注意です。

自分はアニール処理やシリカゲル乾燥用途も兼ねてこちらの低温コンベクションオーブンを購入しました。

これはこれで専用機ではないので温度によってはスプールが溶けてしまうなどのリスクがあるし、そもそもフィラメント乾燥を目的として開発されている商品ではないのでご参考まで(ご利用は自己責任で)。

まとめ

多湿な日本の夏において、やはりフィラメントの乾燥は気を配った方がいいんだなということが実感され、ドライヤーを購入しました。一回に数時間とか半日かかるので、さほどきっちり毎回やるのは難しいですが、誰かに納品するような品質重視の時にはしっかり活用していきたいと思います。

またABS/ASA/PCのような造形温度が高いフィラメントは乾燥に必要な温度も高く、この機種では不足も感じます。それらを多用する場合は他の機種を検討した方がいいかも知れません。

MagSafeスマホホルダーをクラウンに最適化

クラウンではこちらのMagSafe式のスマホホルダーを使っていました。

ナビアプリなどを使うのに一番見やすい位置にスマホを保持できます。今のスマホ(iPhone 15 Pro Max)のバッテリーもちなら特に車内充電の必要を感じず、単にMagSafe規格のマグネットでペタっとくっつくだけのものです。

最近は純正ナビよりもNP1の方でナビをすることが多く、毎回スマホを操作してNP1アプリを起動した上でペタっとつける、というのも手間に感じるようになってきました。そこでシール型のNFCタグを購入して、iPhoneをかざすとNP1アプリが開くようにしたんですが、このシールを貼る良い場所がまたない。

一応目立たないよう黒いものにしたんですが、やはり質感が違うのでメータークラスターのパネル正面に貼りたくはない。さりとてシボの入った上面部分だとかざしづらい。マグネットリングの中央だと動作としてもスムーズかなと思って3Dプリンターで魔改造してみました(ちなみにリングの中央に当たるパネル正面にも貼ってみましたが奥行のせいで届かないのか磁界が邪魔するのかNFCを認識できませんでした。)

完成したのがこちら。

リングの中にちょうどハマるパーツを作成し、裏蓋の中にNFCシールを貼って隠せるようにしました。シール面から手前のNFCロゴの面までは1mm程度しかなく問題なくNFCチップは動作します。

ついでにフレキシブルなアームのせいでややグラつきがあって扱いづらかったので、基台部分を取り外してがっちり固定できる台を独自に制作。ダッシュボードの微妙な傾きに沿うようにして両面テープで固定しました。これでスマホをやや雑に引っ張ってもいい感じに脱着できるようになりました。

当初、耐熱性が60℃程度のPLAより高いPETG(70℃程度)で造形してみたんですが、なかなか表面が綺麗にならず、結局ASAという100℃くらいまで耐えられて紫外線耐性も高いフィラメントを購入して作り直しました。表面の滑らかさではPLAに劣る気もしますがまずますの仕上がりになりました。仕上がりの綺麗さと強度でいったらカーボンファイバー配合のPLA-CFもいいかなと思ったんですが、調べてみると通常のPLAよりもさらに耐熱性は落ちるみたいで断念。

ASAはABSについて匂いが出ると聞いて躊躇していたんですが、心配していたよりは気にならない匂いと強さでした。確かに造形中独特の匂いはしますが、刺激臭というレベルではなかったです。ABSよりは高いですが、Bambu純正の価格でいえばPLA-CFなどよりはずっと安いので、こうした車内、屋外用途では積極的に使っていこうかなと思います。

[3Dプリント] TPUスマホケースにストラップホールをあける補助具を作成

使いたいスマホケースにストラップ穴が空いてなかったり場所が気に入らない時はどうしていますか?特に衝撃吸収性が優れたTPU素材の場合、グニャるのでドリルやピンバイスで穴を空けるのも一苦労だったりします。実際同居人が毎度左サイドのにストラップをつけたいのに右にしか穴がなくて自分で空けるのに苦労していたので、今回3Dプリンターで治具を作成してみました。

出来上がったのがこちら。

パッと見どう使うかわかりませんねw。一番左の大小の穴が4つ空いているのがAパーツとします。残りの突起がついたピンクと半透明のをBパーツ1&2と呼びましょう。Bパーツの1&2の違いは穴の径です。今回は25mm用(ピンク)と28mm用(半透明)としています。

実際に使う時はこんな感じ。

穴を空けたいスマホケースの内側にAパーツをセットして、スマホケースをはさむようにしてAパーツを取り付けます。この時、Aパーツの大きな穴とBパーツの円錐突起をはめ合わせる様にすると、小さい穴つまりドリルを通す穴がピッタリ合うようになっています。またAパーツの横端をスマホケースの底面(写真では上側)にピッタリあわせるようにすると、反対側の元々の穴と同じ位置にドリル穴がくるように計算してあります。両パーツの大きな凹みは指でつまんで持ちやすいようにつけてみました。

この状態でしっかりスマホケースをはさんでA/Bパーツを固定しながら2.5mmまたは2.8mmのピンバイスでグリグリ穴を空けていきます。ドリル刃は真っ直ぐケースに垂直にブレずに当たるので正確な位置に綺麗に穴が空けられます。両側からサンドしているのでグニャって逃げることもできないので力もさほどいらなかったようです。またBパーツを交換することでドリル穴径も変えられるので、下穴として最初に小さな穴をあけ、そこから太いドリル刃にかえて穴を拡張していく際にも正確に同じ位置に差し込めます。今回は作りませんでしたが下穴用なら2mm以下のより細いものを用意してもいいかも知れません。

TPU素材のケースの場合、一発で綺麗な穴にならずちぎれかけた素材がへばりつく場合もあり、適宜ニッパーやカッターで整える必要が出てくる場合もあります。本当はドリル刃をライター等で炙ってやると綺麗な穴になりますが、3Dプリント造型物は数十℃~100℃程度で溶けてしまうので使い捨て覚悟でやることになりそうです。もしくは下穴をこれで空けてから、最後に切り口を揃える為に炙ったドリル刃を再度通す、とかですかね。

今回はGalaxy S24 Ultra用のケースを想定して作成しました。スマホの厚みや底面からの距離、穴と穴の間隔などは簡単に調整できるようにモデルを組んだので、別機種にも対応できそうな気がしています。というか自分で位置決めしてしっかり挟んでおけば汎用的に使えそうな気も。

ともあれ、「すでに手で穴を空けてしまったケースも買い直してこれを使いたい」と言ってもらえる程度には成功したかなと思います。ご興味あればコメントでお知らせください。

低温コンベクションオーブンTSF61Aを買ってみた。ただし調理目的にあらず…

自室に低温コンベクションオーブンを導入してみました。オーブンの中でもファン付きで熱風でこんがり焼けるのがコンベクションオーブンで、更に温度設定が100℃以下に設定ができて低温調理やフードドライヤーとしても使えちゃうのが”低温コンベクションオーブン”です。

TescomのTSF61Aというモデル。1台6役の多機能モデル。外箱に大きく謳われているキャッチコピーは「低温でうまれる、温かい食卓」です。

がだスマン、お前の設定場所は写真の通り、3Dプリンターの横なのだ。キッチンではないし調理に使われることもない…

■3Dプリンターと低温オーブン

3Dプリンターとオーブンがどう関係するのか?実はPLAなどの素材は3Dプリンターで造形しただけでは完全体ではなく、さらに追い加熱することで分子構造が変化してより強固に結合して強度が増したり変形が抑えられたりするらしいです。これを”焼きなまし”とかアニール処理とか呼びます。

例えばBambu Labの純正フィラメントの仕様表の一番下の行みてみると、PLAでは「50~60℃で6~12時間」となっています。PETGは不要ですが、PETG-CFなら「65~70℃で6~12時間」という具合。高めのレンジだとABSやASAが「80~90℃で6~12時間」、よりマニアックなフィラメントで130℃まで指定があります。こうした数十度~百数十度前後の温度帯を保って加熱ができる安価なデバイスとして低温コンベクションオーブンが使われるようです。もちろんメーカー想定外の使途で自己責任ですし、食品調理とも兼用しない方が良いと言われています。この記事を参考にされる方も自己責任でお願いします。

他にも

  • フィラメントの事前乾燥
  • 乾燥剤(シリカゲル)の再利用のための乾燥

などにも使えたりします。フィラメントドライヤーとしてはSanluのこれを購入済みですが、シリカゲル乾燥がキッチンまで行かなくてできるのはヨサゲ。

そういう用途として、この機種はこちらの動画で紹介されていたものです。

100℃未満の低温帯に対応(35℃スタート)で、フィラメントのスプールが入る奥行きってのがポイント。ビックカメラ店頭では「25cmピザOK」のマークがついており、普通のトースターより奥行きがあって網や鉄板が正方形に近い形をしています。

一応競合価格帯の他メーカー品も比べて私なりの選定理由も挙げておきます。店頭で競合として置いてあったのが例えばこれ。

温度設定が細かい

HMO-F300は低温帯と高温帯のダイヤルが共通で、40℃~250℃の9段階で20℃刻みです。一方、TSF61Aは低温と高温のツマミが別れており、低温帯だと35℃スタートの5℃刻みで加減ができます。どれくらいの温度を常用するか未知数ですが低温用として買うならばこのレンジで細かく調整できるに越したことはありません。

またモードが分離しているので、うっかり高すぎる温度を設定してしまうリスクも避けられます(上記動画では100℃で加熱してPLAだと変形しまくってました)。

タイマー設定時間がデジタル表示で見やすい

長時間設定がある

HMO-F300は最長5時間までタイマー設定が可能。しかし上記フィラメント加熱表で6~12時間となっているので足りません。TSF61Aだときっちり12時間まで設定できてしまいます。調理用として見てもフードドライヤーとして乾燥フルーツやビーフジャーキーをがっつり乾かそうという時に心強いスペックです。

デザインがシンプル

またHMO-F300みたいに前面に「トースト」「ピザ」「焼きいも」みたいな調理メニューボタンがないのも今回の用途では無駄がないし、「食品調理用を転用してます」って罪悪感も薄れるので良いですw。

緻密な温度制御(オーバーシュート防止)

公式ページのグラフをお借りします。

ファンも使うせいか温度管理が緻密で、より設定温度に対して忠実な振れ幅で加熱ができるようです。コンベクションオーブンとして普通なアピールポイントなのかも知れませんが、テスコムはドライヤーの技術を応用しているとアピールしています。一方日立のHMO-F300のページでは特にこれに触れている箇所はありませんでした。

ただ、上記のかける氏の動画での実測では最初に一瞬設定温度を超過してしまったぽいですが、さてどうなんでしょう。

そんなこんなで、調理用としても期待できる製品ですが、仕様的に3Dフィラメント品のアニール処理用としても充分かつ使いやすそうということで自分もチョイスしてみました。他にもジップロック公認で低温調理に使えるというのもユニークです。通常の低温調理器やホットクックを使う場合、タンクに水を張ってジップロックに入れた肉や魚を沈めて加熱します。結構これが面倒だしジップロックに水が浸入したりしがち。熱媒体として水を使わずに直接ジップロックを更において加熱できるって地味にスゴい。なんか見てると普通にキッチン用にも1台欲しくなってきます。

■一応調理もしてみる

とりあえず初期不良時に「3Dプリント品を熱したら上手くできませんでした」だと通用しないでしょうから、動作チェックも兼ねて上記のジップロックを使ったステーキ調理を試してみました。ステーキは家庭のフライパンで焼く際に、中まで火を通し過ぎず柔らかく焼く火加減は難しいですが、「低温調理器でレアに火を通して、最後にフライパンでさっと両面に焼き目を入れる」という手法はお手軽でとても有効なのは(低温調理器やホットクックで)実証済みです。これを比較のためにやってみます。

なお公認なのはジップロックのみで、他社製品だと保証はないのできちんと買って来ました。

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公式レシピはローストビーフしかなかったので、より薄くて火が通りやすいステーキ肉ということも加味して、過去の経験から65℃で2時間。ジップロック使用時はファンOFFで良いようです。

いい感じにピンクのレアみが出ました(外側の仕上げはフライパンで焼いてます)。1枚1,000円するかしないかの豪州産お手頃肉ですが柔らかく仕上がりました。できあがりとしては水に沈める低温調理器やホットクックと同等かなという印象。

ソラチ ローストビーフのたれ 175g×12個

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なおソースはこれがお気に入り(リンクは12個入りなので注意)。

もう一枚一緒に焼いた国産のお肉だとこんな感じ。

設置は下の写真の通り、直上にフィラメントラックがあって熱の影響が心配でしたが、加熱中の天板は触れなくはないくらいでとりあえず大丈夫かな?なんなら乾燥になっていいかも?

200℃とかまで上げればわからないですが、先に書いたフィラメント加熱の温度帯ならなんとかイケる?まぁしばらくは在室中に観察を続けていきます。

あと動作音としてはたまにカチっとリレー音がするのみで無音です(ファンがオフなので当然ですが)。

■3Dプリント品で使ってみる

さっそく3Dプリントしたものを処理してみました。使用したのはプロト用の激安フィラメントです。

ちょうど格子状で比較しやすい造形品があったので、これでテストします。かける氏の動画では100℃で加熱して縮みまくっていたので、今回はBambu Labのフィラメントガイドにある「50~60℃で6~12時間」というのを目安にして、50℃/6時間でやってみました。

結果、50℃でもめっちゃ縮みましたorz

写真の左がオリジナルサイズ。右が加熱後です。

(黄色いテープは識別用なので気にしないでください)
右下を揃えた時の左上の拡大

長辺方向が220mmくらいなんですが、6,7mmくらい小さくなっています。3%くらい縮んだ形。また折角に縮むだけならまだしも、歪みも出ていて、フラットな面に置いた時、一部が浮いていて指で押すとカタカタ動くレベルです。これだとちょっと正確なサイズが重要なCADモデルでは辛いですね。

今回試したのがBambu純正フィラメントではなく安物なので、後日BambuのPLA Basicでも比較してみようと思います。

仮にもっと低い温度、短い時間に留めて変形を防止できるとして、肝心のアニール処理の効果まで弱くなってたら意味がないですしね。うーむ。

Bambu純正のPLAフィラメント(PLA Basic)の場合

(追記予定)

シリカゲルの再乾燥をしてみる

坂本石灰工業所 なんでも除湿シリカゲル 1kg

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AMSの除湿に使っているシリカゲルを加熱皿にあけて再乾燥してみました。シリカゲルには吸湿度を示すカラーがついた粒が含まれており、かける氏の動画によると130℃程度でこのカラーマーカーが破損してしまうらしく、触れないほど熱くなってしまう電子レンジやフライパンよりも安全かもとのこと。氏の動画では120℃で加熱してましたが、本オーブンは高温モードだと最長1時間までしか加熱時間をセットできないので、低温Maxの90℃で3時間にセット。1.5時間くらいで未使用品くらいの色味になったので加熱を終了しました。

加熱前(マーカー粒が紫)
加熱後(マーカー粒が青)

小粒のシリカゲルは油断するとすぐに跳ねて散らばってしまうので、AMS内の乾燥ボックスからこの皿にあけたり、逆に回収して乾燥ボックスに戻すのがちょっと大変。加熱皿の底は縦溝た多く入ってるので、かき集めるのもやりづらかったり。なにか代わりの耐熱でフラットな皿を物色したいところです。

2024.8.24追記:

これでいいんじゃないかと思っています。23x23cmのケーキ型です。鉄にシリコンカバーがしてある模様。シリカゲルは入れ込む時に跳ねてとびちったりしがちなので、ある程度深さがあるのもヨサゲ。

2024.8.28追記:

シリカゲル再換装に使う金属皿は結局DAISOで「ケーキ焼型」を買ってみました。ラベルのデザインが違いますがJANコードも一致するのでこれですかね。税抜き200円なので上に貼ったものよりかなり安いし、万一ダメでも諦めつくかなって。

表記のサイズは23cm x 22cmで25cm角が置けるはずの本機の網にほぼピッタリ。厚みは実測で54mmほど。シリカゲルのような跳ねて飛び散りやすいものを扱うにも余裕があると思います。

ちょうどこないだ再乾燥したばかりでまだテストできてませんが、とりあえずメモとして記録。結果はまた追記します。