前記事「スマートロックのQrioとAkerun両方買って見た」が注目されているようなので、少しフォローアップをしておこうと思います。バージョンアップがある度に2つをつけかえて試していますが、どちらも日々進化しておりだいぶマシにはなってきていますので、最新の状況で購入を判断していただきたいと。
■Qrio
本体のファームウェアが更新され、アプリからの信号認識までの時間が随分短縮されました。またiOSアプリ最大の欠陥であった、「開閉スライダーの地ごと動いてしまい、スライダーノブをスワイプできない」フラストレーションもついに改善(改善したというアナウンスのバージョンで直っておらず、その次で直った気がする)。アプリを立ち上げてさっと解錠操作できるようになりました。
またハンズフリー開錠が追加実装されたのですが、こちらは今のところあまりきちんと動作してないように思います。最悪なのは帰宅後に内側から施錠し中に入って忘れた頃に自動開錠動作をして鍵をあけられてしまう点。Akerunのようにドア開閉センサをもっていないので、原理的にはどうしようもない気がします。
ハンズフリー開錠に期待しないのであれば、そこそこコスパは上がって来た、というか値段なりの働きはするようになってきたかなという印象です。
■Akerun
こちらもアプリについては何度か更新があったのと、以前お伝えした「Akerun開発者に見せたい醜いハック」により認識率が向上したことで実用性は高まってきています。ハンズフリー開錠がドアの数歩手前でほぼ確実に動作するようになっており「これぞスマートロック」という体験ができるようになっています。
ただフタを外したせいかこちらも室内で無駄に認識してしまうことがあります。開錠までされたことは少ない(ゼロでもない)ものの、自宅内のBluetooth機器に反応してやたらとピッピ音がなります。例えばMacをスリープから起こしただけで反応しますw。音がなる以外の実害はあまりないのですが…
あとウチ固有の問題かも知れませんが、ドアの外に立つと「見かけ上Wi-Fiがつながっているけどパケットが流れない」状態になります。この状態でアプリを起動すると延々グルグルが続いて施錠操作ができません。「ちっ、またか」と思ってWi-Fiを切ると瞬時に認識する、という感じです。クラウドに操作履歴を残す為に通信可否をチェックしてるっぽいんですが余計なお世話ですね。かなり前のバージョン履歴にネットがつながらなくても使えるように改良したというのを見た記憶があるのですが、、、今のところこれが最大の不満です。自動施錠設定にすればいいんですが、同居人がうっかり締め出されそうだからイヤだと反対していて使えません。
公約だったAppleWatch対応も果たされましたが、これWatchとBeaconが直接通信しているのか、なぜか本体より認識が遅いことが多く、あまり実用的とは感じていないです。
Android版に関しては、指定のロックの開閉トグルショートカットをホーム画面に置くことができるようになりました。前記事に複数ロックを扱わない個人ではひと手間無駄だと書いたんですが、それが一応解消された形になります。
またAkerun TouchというBeacon端末オプションが発売されましたね。速攻で予約しましたがいまだに届いていません。おそらくスマフォのアプリをひっぱたいて操作無しで開閉動作を起動するだけのもので、これとAkerunが直接通信するなどして通信感度を向上させるような機能はもっていないと思われます。その意味で、現状ハンズフリー開錠がそこそこ動いているところに追加する意味はあるか微妙ではありますが、上記の施錠動作が少しマシになるといいなぁ、という儚い望みを抱いて注文しました。また届いたら追記します。
という感じで、両者とも購入当初に比べると一応まともに動くようになってきています。どちらもまだ一長一短ではあるのですが。またAkerunは内側の操作性が悪いので手製ハックが前提の評価にはなりますが、このままいくとAkerunで落ち着くかなという印象です。とにかくハンズフリー開錠がきちんと動くので、内側の手製ノブをもう少しちゃんとした材料で作り直せばだいぶ不満はなくなります。あとは通信状況が悪ければとっとと諦めて施錠動作だけしてくれるよう更新してくれれば神。
普段使いの部分以外で残る不満は、どちらもオンラインアカウント登録をしないと鍵の貸し借りができない点くらいですかね。特にAkerunはSMS認証が必須で、複数端末同時ログインもできないので、たとえば電話/SMS契約のないサブ端末を予備でもっておきたいという時にかなり不便です。問い合わせした時に意見してもみたんですが、変えるつもりは毛頭無い、という感じでした。不便を強いればセキュリティが向上する訳ではないので他にやりようはあると思うんですけどね。そもそも自宅の鍵のセキュリティレベルを購入者が自由に設定できないというのは少し納得がいかないところでもあります。