引っ越し先についてたICカード式ロック レビュー

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2月に引っ越したダイワハウスのアパートは新築で色々と新しいギミックが満載でした。浴室暖房、キッチンの浄水器内蔵カラン、脱衣所の曇り止めヒーター内蔵ミラー、照明はすべてLED、など。そして玄関はICカード式のスマートキー。同じカードで1Fのオートロックと集合ポストもあけることができます。カードは5枚貸与されますが、1枚は緊急時用にALSOCKに預けて実質4枚(管理会社は保持していないようです)。またダイワ物件入居時に作らされるEdy付きVISAクレジットカードのD-roomカードをカードキーとして追加登録することもできます。

残念ながらサムターンの形状が特殊(つまんでひねらなければならない)で、セキュリティ上は良いのですが、QrioもAkerunも取り付けできなくなってしまいました。イケてようがいまいが選択肢としては使うしかないという状況です。

■基本動作

玄関のオートロックの操作盤にテンキーがありますが、基本来客用で、住人はカードをリーダーにタッチするだけで開きます。

中に入って郵便ポスト。こちらは読み取りボタンをひと押ししてからあてる必要があります。閉める時はロック操作不要で、バタンと閉じるだけです。ちなみに一番下に小さな宅配ボックスもついていますが、ICカード連動はしておらず、表側で自分でダイヤル回してあける必要があります。まぁ配達員の方に特別な操作方法を憶えてもらうのも大変なのでということでしょうか。

で、自分の部屋のドアですが、こんな感じになっていてポスト同様まずはボタンを押す必要があります。電池式なので常時リーダーを起動していることが難しいということでしょう。

■感度に不満

カード単体であてた時はオートロック、ポスト、自室とも当然問題ないんですが、財布の一番外側のポケットにいれた状態ではやや問題ありです。オートロックは上述のように電源の心配がいらないせいか感度高めでほぼ問題なし(たまにエラー)。ポストと自室ドアはかなり厳しいです。感度が弱いというより財布内の他のいICカードが干渉してるという方が正しいのかもですが。他のカード抜いてもダメな時はダメだったりともあれ一発で気持ち良くあいてくれません。折り畳んだままタッチ->NG、財布を開いて(他のカードが遠ざかるように)タッチ->NG、諦めてカードを抜き出してタッチ、みたいなことが頻繁に起きます。

市販の電磁波遮断シートを入れてみると若干改善はするのですが、100%にはほど遠い感じです。

■カード追加

このMIWAのロックシステムPiACKは製品ページを見る限り専用カード、スマホアプリ、Edyカードをいずれか鍵にできるらしいのですが、管理会社からの情報では、入居時に渡される専用カードとD-Roomカード(Edy付きクレジットカード)となっていて、実際、Edyを使えるようにしたおサイフケータイなどは登録できなかったので、カスタマイズされてるのかも知れません。残念。

 

ともあれ、カードという物理キーは必要だし、感度の不満はあるものの、リアル鍵束のチャラチャラが増えることなく、いちいちスマホアプリを起動して操作することもなく鍵を開け閉めできるので気に入っています。D-Roomカードをメインのクレジットカードにするのであれば、実質荷物は増えないんですが、残念ながらポイント条件などはビミョーなので家賃専用と化していて、少なくともD-Roomカードか専用カードのどちらかを鍵として持ち歩くことにはなっています。

2019.06.01追記:内側の写真

Bluetooth南京錠Noke Padlock、ようやく、、、

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IMG_7883クラウドファンディングで出資していたBluetoothでスマフォからロック/アンロックできる南京錠(?)、Noke Padlockが延期に延期を重ね4月についに到着しました。1年くらい待ったんじゃないかな?ちなみに“ぬーく”って読むんだと思ってたら、No Keyの造語で“のーき”みたいです。

ストレージルームに利用。これで鍵束からひとつ鍵を減らせます。

感度はまぁAkerunとかQrioと同じ感じで、しばらく側でじっとしてないと認識されない感じ。iPhoneのBluetoothビーコン検知頻度が低いんですかね。じれったいので結局Nokeアプリを起動して手動操作で解錠してます。その場合の感度は上々。また万一スマフォを忘れてきた場合は、U字の部分をモールス信号的に長短の押し分けでカチカチやることで解錠することもできます。また電池交換はアンロック状態でないとフタがあかないのでできないんですが、万一ロック状態のまま完全に電池が切れてしまった場合、下部の端子に新品電池を当ててやることで電流を流し込んで短時間駆動させることができます。なかなか考えられてますね。

Bluetooth南京錠といえば、電通系のスタートアップが突然サービス終了を発表し、使い物にならなくなるという事案が発生してます(返金はしてくれるようですが)。Nokeがオンラインサーバーに依存して同様なことになる可能性があるのかどうかは定かではないですが、後継機も含めて持続していってほしいものです。

Akerun用に3Dプリンターでサムターンを自作

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「Akerun開発者に見せたい醜いハック」でトップカバーを外し、サムターン代わりに配線モールの端材を貼り付けて使用していましたが、いまひとつ使い勝手が良くないので、前々から3Dプリントをやってみたかったのもあり題材としてチャレンジしてみました。

123d

以前購入した右の書籍を参考に、123D Designを使ってデータを作成。DMM.makeに出力してもらいました。費用は2,500円程度。日数は5日ほどで送られてきました。

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素材は色々悩みつつも値段がもっとも安いナイロンで。ナイロンの欠点は手触りが多少ざらつくことと、色が(直接は)塗れないことですが、実際に手に取ってみると手触りは許容範囲で実用上は全く問題ない感じ。色はプライマーを吹いてから上塗りしようかと思って白にしましたが、とりあえずこのままでもいいかなとも。ただ塗った場合の手触りなんかも気になるのでいずれ気が向いたらチャレンジするかも知れません。

サイズはノギスとかなかったので普通の定規による目測でしたが、円径部分の直径がやや足りず、中心の凹みがやや狭かったです。凹みのキツさで固定できるという結果オーライな感じになってますが、アクリルとかだったら硬くてはまらなかったかも。この辺の微調整に日数やコストがかかる点が3Dプリンティングの悩ましいところですね。実際にはある程度のところで妥協したり手で補正加工したりして使うことになるでしょう。

ともあれ今回はそんな追加作業なしにスポっとはまるものが作れたので成功と見なしたいと思います。

DMMのクリエイターズマーケットにも出しておきましたので、もし使ってみたいというマニアックな方がいらっしゃいましたらご自由にご利用ください。端数くらい切り上げて儲けとさせていただいていますが、ほぼ実費です。またデータも無料公開しているので加工してのご利用もご自由に。

#うん、まぁ一人でもいたら驚きだな…

いやー、3Dプリンティング楽しいなー。3Dプリンターが欲しくなってくるけど、コスト的にも置き場所的にもまだまだ躊躇しますね。

スマートロックのQrioとAkerun両方買って見た(その後)

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前記事「スマートロックのQrioとAkerun両方買って見た」が注目されているようなので、少しフォローアップをしておこうと思います。バージョンアップがある度に2つをつけかえて試していますが、どちらも日々進化しておりだいぶマシにはなってきていますので、最新の状況で購入を判断していただきたいと。

■Qrio

本体のファームウェアが更新され、アプリからの信号認識までの時間が随分短縮されました。またiOSアプリ最大の欠陥であった、「開閉スライダーの地ごと動いてしまい、スライダーノブをスワイプできない」フラストレーションもついに改善(改善したというアナウンスのバージョンで直っておらず、その次で直った気がする)。アプリを立ち上げてさっと解錠操作できるようになりました。

またハンズフリー開錠が追加実装されたのですが、こちらは今のところあまりきちんと動作してないように思います。最悪なのは帰宅後に内側から施錠し中に入って忘れた頃に自動開錠動作をして鍵をあけられてしまう点。Akerunのようにドア開閉センサをもっていないので、原理的にはどうしようもない気がします。

ハンズフリー開錠に期待しないのであれば、そこそこコスパは上がって来た、というか値段なりの働きはするようになってきたかなという印象です。

■Akerun

こちらもアプリについては何度か更新があったのと、以前お伝えした「Akerun開発者に見せたい醜いハック」により認識率が向上したことで実用性は高まってきています。ハンズフリー開錠がドアの数歩手前でほぼ確実に動作するようになっており「これぞスマートロック」という体験ができるようになっています。

ただフタを外したせいかこちらも室内で無駄に認識してしまうことがあります。開錠までされたことは少ない(ゼロでもない)ものの、自宅内のBluetooth機器に反応してやたらとピッピ音がなります。例えばMacをスリープから起こしただけで反応しますw。音がなる以外の実害はあまりないのですが…

あとウチ固有の問題かも知れませんが、ドアの外に立つと「見かけ上Wi-Fiがつながっているけどパケットが流れない」状態になります。この状態でアプリを起動すると延々グルグルが続いて施錠操作ができません。「ちっ、またか」と思ってWi-Fiを切ると瞬時に認識する、という感じです。クラウドに操作履歴を残す為に通信可否をチェックしてるっぽいんですが余計なお世話ですね。かなり前のバージョン履歴にネットがつながらなくても使えるように改良したというのを見た記憶があるのですが、、、今のところこれが最大の不満です。自動施錠設定にすればいいんですが、同居人がうっかり締め出されそうだからイヤだと反対していて使えません。

公約だったAppleWatch対応も果たされましたが、これWatchとBeaconが直接通信しているのか、なぜか本体より認識が遅いことが多く、あまり実用的とは感じていないです。

Android版に関しては、指定のロックの開閉トグルショートカットをホーム画面に置くことができるようになりました。前記事に複数ロックを扱わない個人ではひと手間無駄だと書いたんですが、それが一応解消された形になります。

またAkerun TouchというBeacon端末オプションが発売されましたね。速攻で予約しましたがいまだに届いていません。おそらくスマフォのアプリをひっぱたいて操作無しで開閉動作を起動するだけのもので、これとAkerunが直接通信するなどして通信感度を向上させるような機能はもっていないと思われます。その意味で、現状ハンズフリー開錠がそこそこ動いているところに追加する意味はあるか微妙ではありますが、上記の施錠動作が少しマシになるといいなぁ、という儚い望みを抱いて注文しました。また届いたら追記します。

 

という感じで、両者とも購入当初に比べると一応まともに動くようになってきています。どちらもまだ一長一短ではあるのですが。またAkerunは内側の操作性が悪いので手製ハックが前提の評価にはなりますが、このままいくとAkerunで落ち着くかなという印象です。とにかくハンズフリー開錠がきちんと動くので、内側の手製ノブをもう少しちゃんとした材料で作り直せばだいぶ不満はなくなります。あとは通信状況が悪ければとっとと諦めて施錠動作だけしてくれるよう更新してくれれば神。

普段使いの部分以外で残る不満は、どちらもオンラインアカウント登録をしないと鍵の貸し借りができない点くらいですかね。特にAkerunはSMS認証が必須で、複数端末同時ログインもできないので、たとえば電話/SMS契約のないサブ端末を予備でもっておきたいという時にかなり不便です。問い合わせした時に意見してもみたんですが、変えるつもりは毛頭無い、という感じでした。不便を強いればセキュリティが向上する訳ではないので他にやりようはあると思うんですけどね。そもそも自宅の鍵のセキュリティレベルを購入者が自由に設定できないというのは少し納得がいかないところでもあります。

Akerun開発者に見せたい醜いハック

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AkerunとQrioを買ってどっちも認識感度が悪く/遅くて使い物にならないという記事を書きましたが、その後です。

■Akerun

現在使っているのはこちら。ただし内側のタッチスイッチ(と書くとまるで静電容量スイッチみたいですが実際は単なるマイクロスイッチをフタの突起で押してるだけ)の感度が悪かったり、動作速度が遅かったり、見た目に鍵かかってるかどうかもわからないので、空いてるにわざわざロックしてしまい二度手間だったりとスマフォ操作での精度以前の部分で同居人に大不評だったので、写真のように改造しました。

  • フタを外した(ネジ止めなので非破壊で取り外せました)
  • それでもサムターン部分が回しにくいので、余ってたモールの切れ端を両面テープで貼り付けて掴みやすくした

akerun2という2点。これでもう劇的に使いやすくなりました。モールの代わりにもう少し硬いしっかりした部材を探そうとは思いますが、ともあれ視覚的に開閉がわかるし、つかんで回すのも一瞬です。感度の悪いタッチスイッチを何度かおして、そこからウィーン…ガシャ…ウィーンなんてのを待ってる必要もありません。

そしてなんと、こうしてフタを外したせいか急に感度があがり、ドア外からのスマフォ操作の反応までよくなりました。今まで一度として成功しなかったハンズフリー解錠も動作。まだ満足とは言えませんが、とりあえずスマフォをポケットにいれたまま数秒ドアの前に突っ立っていれば開くことが多くなりました。

Akerunの認識感度が低くてお嘆きの皆さん、騙されたと思ってフタを取り外してみて下さい!

このカバーは上に90度跳ね上げる方式なので、そのままではドアの開け閉めができなくなることも多かろうと。潔く外してしまうのが吉です。

akerun1ちなみに、こちらは取り外したカバー。

木片が貼り付けてあります。この下にロック/アンロックのマイクロスイッチがあるのです。少しでもスイートスポットを押せるよう目印としてつけていました。半円状なので、上から押さえる様にしてもスイッチを押し込む方向に力がかかるという具合です。

とにかくこのカバーこそ多少のデザインの為にAkerunの使い勝手を動作精度を損ねている存在だと言えます。

思うんですけどね、、この人達、こんなドア模型でしかテストしないで出荷してるんじゃないの?と、、、だから現実のドアにとりつけた時に感度が想定以上に落ちて使い物にならなくなってるんじゃないかと。是非外部アンテナを兼ねた新デザインのカバーを設計して無償配布してほしいものです。

あとApple Watch対応のiOSアプリはまだですかね。もう10月なんですが。といってもハンズフリーの方が便利なのでこのままAndroid使いそう。iOSの方にもハンズフリー解錠がつくなら電波2倍で速く認識した方で反応するかな?

 

■一方のQrioは、、、

Android版のみハンズフリー解錠に対応したぽいので、もういちど戻して試しましたが、こっちもダメ。ウチのドアの電波遮断性能高すぎ!?あろうことか、帰宅後、夜中に突然室内のスマフォとつながってハンズフリー解錠作動というそら恐ろしいマネをしてくれました。AkerunにもQrioにもこうしたことを防ぐ為に、一旦一定距離自宅から離れてからでないとハンズフリー動作をしないようになっていますが、結局のところそのフラグが立った後で最初にAkerunと通信が確立した時点でハンズフリー解錠動作が行われるわけなのでこういうケース(自宅に入ってから認識)は防ぎようはなさそうですね。Akerunの場合、ドア開閉センサが付属しているのでこれをきちんと取り付けていれば理論上は防げる気がします(実際一度も起きていません)。

QrioはiOSアプリも更新が途切れていて、例の左右に動く画面上にスライドスイッチというクソ使いにくい仕様のまま放置されていて、現状オススメ度としては(カバーを外した)Akerun以下という感ですね。

 

海外産のAugustとかスゴくよさそう(アメリカで見てきた人もめっちゃ動作機敏だといってた)なんですが、サムターンの上から取り付ける上記製品と違いサムターンを取り外して交換するタイプで、かつ日本の一般的なサムターンには形式的に非対応っぽいので3つ目のスマートロックとして特攻するのは諦めました。ちゃんと取り付けられるのであれば、原理的にはヨサゲなんですけどね。是非不甲斐ない国産メーカーのケツに火を付ける意味でAugustには日本上陸してほしいものです。(Amazonで並行輸入して売ってるとこがありますが、自宅のドアにつけられるかしっかり確認することをお勧めします)