ウチのアパートにはダイワハウスのD.U-NETという無料付帯のインターネットサービスが入っています。一応光みたいですが(たぶん全戸で)200Mbps。深夜こそ200Mbps近く出ることもありますが、普段は決して速いとはいえない実効速度でした。特にここ最近はテレワーク化の波が来ているのか10Mbps台まで落ちる時間帯も。GWに入ってからは10Mbps切ったことも。もはやWi-Fi切ってLTEで通信した方が速いレベルです。
そんな予感もあって、というわけではないですが、年末くらいに「NURO対応したよ」というチラシがポスティングされていました。公式サイトにも対応物件として名前が出てきます。続き棟のうち、我が家の棟だけが載っているので実際にどこかの世帯が頑張って引き込んでくれた模様。1年間980円/月のキャンペーンなどもやっていたのでものは試しにと3月末日に滑り込みで申し込んでみました(結局まだ同じキャンペーンやってるけど…)。
申し込み時に屋内工事日の予約フォームから日時を指定するわけですが最短でなんとゴールデンウィーク、一ヶ月以上先かと絶望しましたが、ようやくこの日が来ました。今はテレワーク需要が加速しているのか予約すらできないとも聞くので、まぁまだマシなタイミングだったのかも…
NUROは同社が担当する建物内工事と、電柱のNTTのダークファイバーから引き込む屋外工事の2段階制で、今日完了したのは前者。つまりまだネットワークとしては開通していないのですが、最大の懸念であった引き込みの部分について参考までに記録しておこうと思います。
■管理会社からは穴開け、ビス留め不可の返信
すでにいずれかのお宅が引き込んだということは、管理会社とも折衝が済んでいて色々話が早いんじゃないかと期待したんですが、メールで問い合わせたところ端的に「お客様ご自身でインターネットを引き込む際は穴あけ・ビス止め等物件に傷がつかない工事であれば可能でございます。」という紋切り型の文面が返ってきたのみ。とりつく島もないというか、例えば立ち会いや鍵開けなどに対応してくれそうにすらない素っ気なさです。
もうこれは当日なるようにしかならないだろうと開き直って工事日を待つことにしました。
■事前リサーチでわかったこと
集合住宅向けNUROには大きく2つのプランがあります。NURO光マンションミニ(G2 V)とNURO for マンションです。とてつもなく区別しづらいネーミングです。もう少しわかりやすさを考えてほしいものです。以下、それぞれ「マンションミニ」と「forマンション」と省略します。
簡単にいうとマンションミニは戸建て住宅向けのプランを集合住宅に適用する形で費用も戸建てと同じ4,743円(税別)です。その代わり一本のファイバーを専有でき速度低下が起きにくいです。光ファイバーを引き込むには、
MDFなどから既設配管を通す
エアコンダクトなどを使う
新規に穴を開ける
など個別の状況に応じた選択肢があります。
他方、forマンションは建物が対応物件であり少なくとも建物までは引き込み済みとなる世帯向けです。原則として最低4世帯は契約者がいることを条件に設備を設置してもらい、そこから各部屋に分岐して配線されます。つまり元となるファイバーを共有するので速度面では多少不利になります。ただし設備負担が軽い、というか投資して設置したものを使ってもらって回収しないとなので利用料は安めの2,500円スタート。同一建物内に利用者が増えると金額はさらに下がっていきます。
今回キャンペーン対象であり、ウチのアパートが対応したのはマンションミニの方。専用設備は未導入で、前例があるとはいっても個別に引き込みが必要なケース、ということになります。これが1年間980円で使えて、2年目からは4,743円になるという感じです。まぁ使ってみて5,000円/月の価値はないなーと思ったら解約すればいいのですが、工事費が分割され割引きと相殺されていて、それの残債が一括で請求されるので、1年でやめると2,3万円くらいの支払いが発生する覚悟はいります。
ウチのアパートの場合、穴開けはNGなのでMDFから通すかエアコンダクトから通すかになります。(一番速度を出したい)私の部屋が電柱のある通りに面しているので、できれば仕事部屋のエアコンダクトから通して欲しいなぁと思ってました。今の既設ネットワークのRJ-45ポートはリビングに出ており、そこからはWi-Fiで仕事部屋につないでいました。メッシュルーターのOrbiにしてからはそれなりに速度は出ていましたが(理論値では1Gbps超えですし)、やはり有線の安定性が欲しい。
また以下は公式サイトの図です。
ポイントとして、電柱からファイバーを引き込むところに「光キャビネット」というボックスと、引き留め金具もビス留めするとあります。場合によっては光キャビネットは強力両面テープで済ましてくれるという話も見られますが、さすがに引き留め金具は強度が要りそうでどうなんだろう、と。
もうひとつ室内側で光コンセントとして壁付けパネルの「光アウトレット」か「光ローゼット」という小箱をビス留めすることになっています。まぁ室内側は自分でもビス打ってるところもあるし退去時に目立たなくしておくかすればいいかなと思いつつもうひとつの不安要因。
なんてところを心配しつつ、「仕事部屋にONU+ルーターが通せるといいなぁ」と漠然と思いつつ工事日を迎えました。ちなみに前日まで業者からの連絡はなにもなくSo-netから「大家に許可とっといてね」というSMSが来たのみ。工事の内容もわからないのに許可の取りようもありません。業者の側からすると現地みないことにはなにも言えないんでしょうけど、この辺が集合住宅で光回線をひきこむまでのストレスではありますね。なんかもっと膨大なパターンの事例集くらいあるといいなと思いました(その気持ちがあってこうして記事にまとめています)。
■MDFボックスからあっさり通せた
迎えた工事当日。前の予定が2件とんだ、ということで3時間ほど早まりました。
結局、聞かれもせずMDFボックスからの配線となりました。6戸の小さなアパートなのでカギのかかったMDF部屋などはなく、屋外の壁面についた箱にアクセスします。普段はカギがかけられていますが業者が共通鍵を持ってるらしく大家抜きでさっくり開けていました。
以下がその中身の写真です。
下半分が既設の無料ネットサービスのもののようです。黒いのはフレッツ光でよくみるONUですね。白いのがルーターで、右の黒いのがスイッチングハブでしょう。ここから部屋数だけ水色のケーブルが上にのび、各部屋につながる配管(パイプ)に1本ずつ入っていってます。
対して上半分がNURO関係らしく、左端が問題の光キャビネットでしょうか。その隣に4分岐ハブのようなものがあり、1本が配管を通っていってます。実際には部屋の中から光ファイバーを差し込んでいって、ここの配管から飛び出してきたのが写真の右の方に映っている白い線です。おそらくこれをまたハブ的なものに接続する感じだと思います。
つまるところMDFボックスがあって、配管に光ファイバーが通せる隙間さえあれば、なにも心配することはなかった、ということです。こういう情報が事前に揃っていればもっと気軽に申し込めたんだろうと思います。
なお、「だったら今日すぐつながるの?!」と期待したんですが、やっぱりNTT側でも簡単な接続工事が必要とのことで、やっぱり開通は後日となりました。ただすでに引き込んであるということは残る作業は簡単なのでそんなに待たされずに済むだろう、と言っていただきました(ちなみに今日来た人はNUROの下請けさん、次に来るのはNTTの下請けさんです)。
こちらが室内の様子。パネルはもともとついているものです。
一度パネルを外し、奥に見える配管に光ファイバーをぶっこんでいったわけですが、最後はパネルの外枠に挟む形で室内端を出してフタがされています。この先に光ローゼットがあるわけですが、固定不要と伝えたところそのままそっと床置きで置いてってくれました。こちらも非破壊で済んだわけです。やれやれです。
そして光ローゼットから更に先にあるのがこちらのONU兼ルーターです。せっかくの月980円キャンペーンですが、そこにオプション料金700円/月のスマートセット を付与しました。燦然と輝くSONYロゴ!
SONYファンならおさえておきたい、同社初のルーター製品
NUROは2Gbpsを謳うサービスですが、通常、有線LANはギガビットイーサネット、つまり理論値で最大1Gbpsまでしか扱えません。でもまぁ2つ以上のポートやWi-Fiもあわせて同時に1Gbps以上出ることもあるよ、ってことで2Gbpsをアピールしてきました。Wi-Fiも11ac(Wi-Fi5)なので最高1.3Gbps出ますし)。
そこに登場したのがこのSONY初のルーターNSD-G1000Tです。有線ポートが2.5Gbpsに対応し、Wi-Fiも11ax(Wi-Fi6)対応です。もちろん2Gbpsを超えることはないですが、仮にWAN側が理論値の2Gbps出ても余裕をもって対応できるポテンシャル、ということです。別料金、しかも買い切り不可の永年支払いにするとかきたない! しかも現状新規加入時のみ選択可能で、後付けもできない!きたないぞSo-net!
でもやっぱりせっかくなら最高スペックのものが欲しい、SONYファンとしては初ルーター製品のUIとか気になる!ということで選んでしまいました。
こちらがポート面。まだなんもつないでません。とてもスリムな正方形。スタンドは側面にも取り付けられ、横に寝かせて使うこともできます。「どっちにしときますか?」と聞かれたのでWi-Fiの飛びの良い方で、と返したんですが「同じです」と言われました。本当かな。まぁネジで付け替えるだけなので届き方が足りなければ自分で直せば良し。ホコリ被らなそうとか放熱に有利そうということでとりあえず縦置きです。
2020.05.06追記 :壁掛けにしてみました。
NUROスマートセットのSONY製ルーターNSD-G1000Tをいじってみた
■いらないQrioの抱き合わせ
スマートセットには何故かスマートロックのQrioが含まれています。初代モデル では色々苦労させられたものですが、今の家は非接触ICカード式ですし、正直今更いりません。またウチのドアロック形状が特殊で、初代は非対応、新型でも別売りアダプタが必要です。
まぁQrioだけ拒否もできないのでそのまま箱にしまっとこうと思ってたんですが、なんと業者が取り付けした証拠写真を撮ってかないとならないルールに先月くらいから変わったとのことで、一時的にでもいいから取り付けさせてくれ、と。しかも別売りアダプタの存在すら知らず、当然手持ち在庫もないので、どう頑張ってもウチのドアにはつかないのです。結局、仮止めしてついたことにして写真を撮っていきました。ちなみにその状態では手でも施錠方向には回せるけど解錠方向には回らない、という恐ろしい状態でした。もし私がQrio使う気満々で、なおかつ素人で、業者さんが無理矢理にでもつけて帰っていったら、後でドアがロックされて開けられなくなっていたかも知れません。ゾっとします。So-netもいらん抱き合わせを企画するなら別売りアダプタのことも含め下請け業者さんに通知してあげてほしいものです。私も業者さんも無駄に時間をつぶして、後には綺麗に再梱包された新型Qrioだけが残りました。レンタル品なので売り払うこともできず、、いったい誰が得をする施策なんでしょうね。SONYが在庫処分したいだけなら取り付け証拠写真とか求めなくてもいいんじゃないかと思います。ちゃんと料金を払っているのだから活用しようがしまいが好きにさせてくれと。施工実績数のかさ増しでもしたいんでしょうかね。
■既存の1Gbps環境をどうアップグレードしていくか?
ともあれ、なんとか部屋にファイバーが引き込まれ、あとは電柱との接続を待つわけですが、もう一つ悩みがあります。それは我が家の既存機器がすべて1Gbpsではルーターだけ2.5Gbps対応しても全く意味がないという点です。ゲーム機やレコーダーなどの家電は致し方ない(そもそも100Mbps製品も少なくない)ですが、せめてPC関係は2.5Gbpsで使ってみたいというのが人情です。
・ルーター
一番悩ましいのは現行のRTX1210をどうするかです。
7万円もするバリバリの業務機です。でもEthernetポートは1Gbpsです。設定の柔軟さや複数ルートの振り分けなど継続して使いたいのですが、これをする限り2.5Gbpsが活きてきません。そしてYAMAHAからはまだ2.5Gbps以上のマルチギガビットモデルは出ていません(出てもお高いでしょう)。
そしてさらにNUROのルーターはブリッジモードにできないらしいです。最新のSONY機がどうなのかはまだわからいませんが、歴代NGだったぽく、仮にRTX1210をルーターとして使う場合、NUROルーター側はDMZ(全ポート丸投げ)で通すしかありません。それすると実効速度もかなり落ちるという事例も見かけたことがあり、未知数です。
NUROルーターはVPN機能もなさそうなので、いずれにせよなんらかRTX1210を組み合わせる必要はありそう(VPN & DHCP専用機?なんと贅沢な…)。
・Wi-Fiアクセスポイント
現在はメッシュのOrbiを使っています。当然これの有線ポートも1Gbpsです。NUROルーターがWi-Fi6なので、こいつが単体で部屋の隅々まで届いてくれて安定動作するなら廃止かなーと思っています。
OrbiのWi-Fi6 & 2.5Gbpsポートモデルも登場していますが2台で9万とまだまだお高いのですぐには導入は難しいかなという感じ。(ちなみに2.5GbpsなのはWANポートですが、アクセスポイントとして使う場合はLANポートとして使える模様)
・ハブ
現在我が家にハブは3台ほどあります。そのうち最低でもルーターのあるリビングと仕事部屋の間の幹線は2.5Gbps化したいとなると、1台は2.5Gbpsハブが必要になります。手頃なのはBUFFALOの5ポートすべて2.5Gbpsのこれかなと思っています。
せっかくのYAMAHAのルーター+ハブの統合管理体制からは外れてしまいますが仕方なし。
・MacBook Pro 15′ 2016
探した限りThunderbolt3で2.5GbpsのLANアダプタというのはなさげ。ただ2.5GbpsならUSB3.1のGen1があれば仕様上は足りるようで、同じくBUFFALOからこれなんかが出ています。ただしこれはUSB type-CではなくAなので注意。海外製品でtype-Cのものもあるようですが、個人的には4つしかないMacBook Pro 15’のtype-Cポートは既に埋まり気味なので、あえてUSB3.1のハブを経由してコレかなと。
で、USB PDのスルーが純正アダプタの87Wを超えるハブを探したところELECOMのコレが100W対応でした。
USBハブとしてもGen2/10Gbpsに対応しているので、これを介してもMacBook ProのUSB性能は落ちずに済みます(Thunderbolt3ポートとしては使えなそう)。type-C端子が2つついていますが片方は充電専用なので要注意です。ただ、こいつの充電スルーポートに純正充電器をつないでおけば、これ1つ挿すだけで充電と有線LAN、その他のUSB機器が接続できることになります。よくある安いUSB-Cハブは60Wくらいしか通せず充電速度が落ちるものが多いので、これは希少なハブだと思います。
ちなみにUSB type-Cポートを1つ塞いでもいいから2.5Gbps LANアダプタ単体で使いたい人の場合、これ辺りならいけそうです。
Ethernet、HDMI、USBハブなどが一体になったマルチポートハブでは2.5Gbps対応のものはまだないように思います。今後色々選択肢が増えていってほしいものです。
・デスクトップPC(Windows自作機)
PCI Express経由のNICでは1xあれば2.5Gpsは使えるようです。ウチの古いマザーではもはや1xスロットしか空いてないので助かります。
4,000円くらいで買えるようです。チップはどちらもRealtekのようです。
・NAS(Synology DS1517+)
インターネットのサイトでシングル2Gbpsでても恩恵はほとんどなくて、やはりLAN内の高速ファイル転送用途ということではNASの高速化は避けて通れません。幸い我が家のDS1517+はオプションで10Gbpsカードがつくのですが値段が2万くらいになってしまいます。うーん、どうしたものか。1Gbpsポートが2つあるのでリンクアグリゲーションすればよさそうですが、上記のハブは対応してなさげ。
海外含め互換性情報を調べて2.5Gbpsでいいので安いものがないか探してみるつもりです。
ともあれ、10Gbpsはまだまだ高くて個人では手が出ませんが、マルチギガビット(2.5Gbps/5Gbps)製品が登場してくれたおかげで手軽に1GbpsオーバーのLANを組めるようになってきました。しかもケーブルは今までのCat5e以上で良いということなので大助かりです。
諸々開通して買い揃えたらまた速度レポートをあげようと思います。
■随時追記:その後の日程
3/31 申し込み
5/5 屋内工事
5/19 「大規模準備工事が必要で時間がかかる」というSMSが届くorz
【NURO光開通工事に関するお知らせとお願い】NURO光にお申込み頂きありがとうございます。現在、開通工事を行うための準備を進める段階で「大規模準備工事」を行う必要があり、開通までにお時間が必要な状況となっております。お客様の工事日調整可能となる見込は「6月上旬」を予定しております 。お待たせして誠に恐縮ですが開通工事の準備が整い次第、ご連絡をさせて頂きますので今しばらくお待ち頂けますようお願いいたします。
5/22 「工事予約が可能になりました」SMSが届く
最短で選択可能だった6/10午後、11午後に予約(それぞれ第1、第2希望)←イマココ
という感じで進んでいます。「工事調整可能となる」のが6月上旬となっていましたが、工事予約可能となる、という意味なのか、実際に予約できる最短日程が、という意味なのか微妙な文面ですね。前者であれば少し早まった、後者なら予告通りということでしょうか。ともあれあと少しだけ待たされますが着実に進んでいるようです。
5chみてると早いとこはもっと早い(全部でひと月以内)し、かかるところはもっとかかる(数ヶ月レベル)という感じですね。また大規模準備工事のお知らせが来た人も実際にはもっと早く工事予約できるようになったケースを散見しますので、多少は早まると期待してもいいのかも知れません。
あとはせっかくつながってもこのコロナ禍で速度が出ない、という話をよく見るので実際どうなるかが一番ドキドキします。せっかく有線2.5Gbpsのスマートルーターを借りているので、それに意義を感じられる速度が出てほしいものです。そして混雑する時間帯でも100Mbpsくらいはキープしてくれたら御の字ですかねぇ。
■2020.06.23追記:たぶんキャンセルします
本来ならすでに開通している時期ですが、諸般の事情で急遽引っ越しする可能性が浮上し、屋外工事を延期しています。ここまで来たら開通させて使ってみたい気持ちアリアリですが、一旦開通してしまうとキャンセル料というか工事料金の残額支払いが発生するので、1年未満で引っ越すとなればちょっと踏ん切れません。