Surface Pro Xのリカバリが失敗する時の覚え書き

x64アプリ対応などの目玉機能をはやく試したくてWindows11のInsider Previewを入れていたSurface Pro Xですが、スタートメニューがフリーズするなどどうにも不安定なので少し前に完全リカバリに踏み切りました。以前もWindows10のInsider Preview利用中、しかも出張中にいきなりグリーンスクリーンでブートしなくなるなど、やはりInsider Previewはそれなりリスクもあるようです。

で、二回目のフルリカバリーに踏み切ったわけですがこれが上手くいかない。うっかり写真を撮り忘れましたが、リカバリーの過程で再起動がかかり「リカバリ中に再起動したのはなぜですか?」的な画面になり、ソフトウェアアップデートで治る可能性があります的な表示になり、ネットワーク設定をしてしばらく放置しても駄目。3ヶ月くらい放置してありました。

で、仕事で必要になったのでそろそろ本腰いれて復旧しようと、公式サイトから最新版(20H2)のリカバリーイメージをとってきてUSBフラッシュメモリに書き込んでリカバリーするも同じ状況の繰り返し。

結論として「一度Windows11にした個体は、例えリカバリーイメージがWindows10であっても回復ドライブの作成をWindows11機でやる必要がある」ということのようです。当初Windows10のデスクトップ機で回復ドライブを作成し、公式イメージを展開してできたファイルを上書きコピーして使っていました。「もしかして回復ドライブを当該機、もしくはArm64機で作らないとダメかな?だとしたらSurface Pro X自体はすでに起動しないので詰んだ?」などと思ったんですが、最後の希望としてせめてリカバリ前と同じWindows11(の正式版)で回復イメージを作ってみようとRazer Blade 14で実行したらついに最後までリカバリーすることができました。Microsoftは現時点でWindows 10 20H2までのイメージしか提供しておらず、どうせSSDは初期化するから同じだろうくらいに思っていたのが敗因でした。

そしてなぜかWindows 10にリカバリー後、Windows 11は準備中となってふってきません。公式では対象モデルとして掲載されているんですが…。どうせx64アプリが動くようになったら色々インストールし直さないとなので、最初からWindows 11にしてしまってから再セットアップをしようと思ったんですが適いませんでした。落ちてる人のところにはもう落ちてきてるんでしょうか?しばらくWindows Updateをリロードし続ける日々が続きそうです。

Microsoft365のプランを変更したらメールが使えなくなった時のチェック箇所

業務メールにMicrosoft 365というかExchange Onlineを使っています。もともとPC用Officeが使いたくてMicrosoft (旧Office) 365を使い始めて、さらにメールを追加するのでExchange Online Plan 1を追加。さらに近年Teamsを使うのにMicrosoft 365 Business Basicを追加するというややこしいことになっていました。メールのライセンスはExchange Online Plan1とBusiness Basicの両方に重複して含まれていましたが、前者を年額で契約していたので仕方ないなと放置していました。

さて少し前からExchange Online Plan1の更新が近いぞーって警告が来てたんですが、上述のようにBusiness Basicを割り当てていればメールは使えるはず、と思い放置していたのですが、なんと失効当日にバッチリメール使用不可になりましたorz。

例えばWeb版のOutlookにログインしようとすると、

Something went wrong.

Microsoft.Exchange.Clients.Owa2.Server.Core.OwaUserHasNoMailboxAndNoLicenseAssignedExceptionという例外エラーが出て入れません。

エラー画面

明らかにライセンス系のトラブルです。もちろんアプリ版OutlookやThunderbirdからも送受信ともにNG。

365に管理ページに行くと、「ライセンス」タブではしっかりBusiness Basicが当該アカウントに割り付けられています(Teamsが使えているので当たり前ですが)。

「ライセンスとアプリ」タブ

しかし、隣の「メール」タブにいくと、

「メール」タブ

こんな感じで、「このユーザーにはExchange Onlineのライセンスが割り当てられていません。」と出ています。

重複していたメールライセンスの再割り当て操作とか必要なのかな?と思いあちこち管理ページを探ってみたんですがわからず、サポートに連絡。プラン的なものなのでチャットで相談できるかなと思いましたが、やはりテクニカルサポート扱いということで結局電話でとなりました。

結果からすると、「ライセンスとアプリ」タブで下の「アプリ(xx)」見出しのよこのボタンをしてリストを表示し、「Exchange Online (プラン1)」のチェックをONにする必要がありました。

いやわかんないわ!

これで下に「Microsoft 365 Business Basic」と出て、そこ由来のライセンスで有効化されたということっぽいです。反映に30分ほどと言われましたが、実際には数分くらいで復旧し、メール消失などもしていませんでした(30日は保管されるらしい)。

4月にMicrosoft 365 Apps for enterpriseが切れたら、Teamsもメールも含むMicrosoft 365 for businessに移行しようと思っているので、その時にまた同じ轍を踏まないよう覚え書き。

気付けば骨伝導ヘッドセットAfterShokzが3モデル揃ってたので比較

■OPENCOMMを1年使っての感想

テレワーク最強ヘッドセットと名高いAdterShokzのOPENCOMMを購入して1年が経ちました。

私は仕事柄、リモート会議よりもリモートインタビューで、一日に90分を3,4件と集中して使うことが多いので、耳を塞がないで長時間使っても疲れない骨伝導ヘッドセットはとても重宝しています。カナル(耳栓)型のイヤホンもたくさん使っていますが、これらはノイズキャンセルなど音楽を聴くということには優秀ですが、長時間、しかも自分もしゃべる作業の時には違和感が大きく我慢なりません。その点、骨伝導は耳は完全にフリーなので違和感ないし、なんなら飲食してもモゴモゴしないとかサイコーです。オーバーヘッドヘッドフォンのように重さや締め付けが気になることもないし、完全独立ワイヤレスイヤホンのようにポロっと落ちないかドキドキする不安もありません。

そんな中でも特に評価が高いAdterShokz社のテレワーク(オンライン会議)特化モデルOPENCOMMはこの一年とても重宝しており買って良かったと思っています。強いて言えばさすがに丸一日つけていると耳の上辺りが痛くはなります。これは平気というレビューも多いので、自分がメガネを使っていることとも関係しているのかも知れません。ちなみに自室ユースなのでマスクは併用してないです。

OPENCOMMはテレワーク特化モデルなので、より口元近くで話し声を明瞭に拾うようアーム型のブームマイクが搭載しています。これも評判が高いようです。「ようです」って伝聞調なのは、自分では使っていないから(笑)。マイク自身や位置が上等でも所詮伝送経路がBluetoothな時点でビットレートが上げられないからなぁと、結局上記記事に書いたようにマイクは別にコンデンサマイクを使っているのです。オンライン会議専用であればどのみち圧縮かかるのでおそらく実効レベルで差はでないと思いますが、動画のアフレコ用などでセットアップしてあるマイクがあるので、結局そっちを使ってしまう、という感じ。本機のマイクが使い物にならないということはなく、むしろ一般的なヘッドセットよりも長いアームで口元に近いだけ優位だと思いますが、どうこう言うほど使ってないのでノーコメントで。ともあれ内蔵マイクは上に立てたままテスト程度にも使ってない。むしろ邪魔だなと思ってました…

■Amazon Black FridayセールでAEROPEXが一瞬安かったせいで…

先日終了したBFセールで、ブームマイクがないAEROPEXが結構安かったんですよね。おっと思ってカートに入れはしたものの、2,3時間後にみたら売り切れて定価に戻っていました。

でもその2,3時間の間にリサーチと検討をしたらかなり買う気になってしまったのです…

まずAEROPEXの骨伝導ユニットは第8世代で、OPENCOMMの第7世代よりも進化しているぽい。具体的には振動と音漏れが軽減されているそうな。Aftershokzは骨伝導と思えないくらいに音質が自然なんですが、音量をあげると物理振動がこめかみにビリビリくるという難点があります。オンライン会議で実用的な音量で聴く分にはほぼ気にならないんですが、たまに大声が来たりあるいは音楽や動画をみて音量があがると気になるといえば気になります。不愉快というほどでもないですがこそばゆい。また音漏れも結構あってOPENCOMM購入時に対面の同居人に聞いている曲をズバリ当てられて以来、ノマドなどで使うのは憚られるなと思い自室専用としていました。その辺りが改善してるのなら俄然興味がわきます。

またブームマイクがないせいか10gほど軽いので、もしかして終日つけていた時の耳の痛みも軽減されるかな?とか、そもそも邪魔に思っていたのでスッキリするな、とか。

一度BFセールで安い値段をみてしまうと定価で買うのが悔しくなってしばらく悩んでたんですが、結局次にはじまった楽天のセールで1,000円差くらいまで下がったので突撃しました。

購入後にまだ終日インタビューをする案件がなく、1時間程度の会議を何回かしただけですが、確かに振動は軽くなってる気がします。完全になくなりはしないですが、骨伝導ヘッドセットつけている感覚が希薄というか。重量差も聞いているのかも知れません。

その他の差は大きくはなく、強いて言えばマグネット充電コネクタの向きと形状が異なっており、AEROPEXは真下、OPENCOMMは真後ろからつける感じ。OPENCOMMの方が卓上において浮き上がらない作りですが、AEROPEXも垂直に生えるわけではないので実用上は大差ないかなと。コネクタ(充電ケーブル)自体は相互運用可能っぽいです(充電ランプは点きますが自己責任で)。

それぞれのマグネット充電ケーブルをつないだ状態のアップ写真をどうぞ↓。

AEROPEX
OPENCOMM

どちらかというと影響が大きいのは音量兼電源ボタンでしょうか。装着時、耳の後ろで手探り操作するワケですが、明らかにOPENCOMMの方が特定が容易です。「こことここにボタンが2つある!」っていうのがはっきり触感でわかります。AEROPEXはまだ慣れていないのもあるかも知れないですが、「ここら辺かな?」と不安げに押す感じ。

■気付いたらエントリーモデルのOPENMOVEも買っていたぜ…

細かい使い勝手や音質に差を感じつつも、Aftershokz全体としては確かな満足感があります。今後の想定としては、仕事部屋用のメインはブームマイクがなく聞く方の音質が良いAEROPEXにし、ブームマイクで音をしっかり拾ってくれそうなOPENCOMMを車載用にする予定。後者はそれほど頻度が高いわけではないのでやや勿体ないですが、最近家庭内Dicodeサーバーを建てて、1人で長距離運転中に音声で雑談したり待ち合わせの相談をしたりすることもあるので、そちらをよりクリアにしたいという動機付けがあります。耳を全く塞がないので通常の片耳イヤホン型ヘッドセットよりも安全なんじゃないかと。

そんなこんなで骨伝導にどっぷりハマっていると、他の場面でもそれ以外の方式は使いたくなくなってきます。階下のリビング、風呂、トイレなど(自分はお風呂はもちろん、お腹こわしやすいのでトイレに長時間こもる際にタブレットを持ち込みます)。2万円するAEROPEXやOPENCOMMはさすがにもったいないですが、エントリーモデルのOPENMOVEなら実質7,000円ほどで買えるのでアリかなと。

特長としては、骨伝導ユニットはOPENCOMMと同じ第7世代。防水も同じIP55(AEROPEXだけIP65)。お風呂でもシャワーを直接かけたりポチャンしなければ問題なさげ。値段が安いので最悪壊れても諦めがつきます。また他の上位モデルと大きく違うのは充電コネクタがUSB Type-Cであること。専用ケーブルが不要なのが良いです。我が家はトイレ内にタブレットやKindleの充電コーナーがあり、当然そこにType-Cケーブルも生えてるので、新たに専用マグネットケーブルを増やさなくても充電運用できます。端子にはキャップがあるのでそれを開いてUSBプラグを差す、という二手間にはなりますが、利用環境によっては専用ケーブル不要ということのメリットが上回ることもあるでしょう。

・メガネerにはOPENMOVEは辛いかも…

さて、なんやかんやで代表的3モデルが揃ってしまったわけですが並べるとこんな感じ。ちなみにカラーは常に黒系をチョイス。オンライン会議やインタビューで髪に紛れて目立たないからです(黒髪でない人はその限りではありませんが)。その観点でもAEROPEXは一番小さく、変に目立つ色をしたボタンもなく、そしてブームマイクがないので一番さりげないかなと思います。

OPENMOVEは耳の部分がチタン化されていない

上位のAEROPEXとOPENCOMMはフレームが「フルチタン」とされています。細い部分にチタン製の芯が入っていてグネグネとしなやかに曲がるので装着感が良いのです。比べてOPENMOVEはコスト削減なのか耳欠け部分がプラ製になっており固定形状となります。ここが地味に装着感に関わってくるようです。特に私のような眼鏡ユーザには影響が大きそう。例えば首を上下に動かした時にうなじ側で押されて耳周りにも圧がかかるのですが、その時に融通が利かないOPENMOVEはズレたり眼鏡と擦れてグググっと異音が鳴ったりします。気にならない人は全然平気かもしれないですが、個人的には眼鏡している方や装着感を気にする方には上位モデルをオススメしたい感じ。少なくとも店頭で装着感を比較してみると吉でしょう(最近ならヨドバシとかにはほぼ展示があります)。

■まとめ

ガチ音楽用ではWM-1000XM4などには及ばないですが、オンライン会議や一般的な動画視聴やポッドキャストくらいなら違和感ないくらいには自然な音質になってきている骨伝導。AfterShokzだけとびぬけてスゴいのか、他社類似品でも進歩してきているのかはわかりません。さまざまな賞ををとっているだけあってAfterShokzが鉄板な気もします。他にも水泳対応完全防水モデル、子供サイズモデル、TV用トランスミッターセットモデルなど、利用場面にあわせたラインナップが豊富なのも特長だと思います。

イヤホンやヘッドフォンの長時間使用でQoLが下がっている方、テレワークで常時待ち受けしながら家事とか他の作業をしたい方などには是非一度使ってみてほしいなと思います。

Macで独立型のWebカメラ背景ぼかし XSplit VCam

オンライン会議で部屋の背景を見られたくないみなさんこんにちは!

私もワークデスクの後ろはすぐ壁なんですが、そこに作業デスクを追加設置してかなりゴチャゴチャしてきているので、ちょっとそのまま見せるのはどうかという感じです。最近のオンライン会議ツール(Zoom/Teams/Meetなど)には当たり前のようにバーチャル背景がついていますが、個人的には品質はイマイチだと思っています。人物と背景の境界線処理が雑。また業務で使うブラウザベースのオンラインインタビューツールなんかだとバーチャル背景のような高級な機能は含まれておらず、そのまま参加してしまうとインタビュー相手はもとより見学にきた多数のクライアントに部屋が丸見えになってしまいます…

そこで私はNVIDIAがリリースしているNVIDIA Broadcastを愛用していました。これは同社のグラフィックボードRTXシリーズ(20×0シリーズと30×0シリーズ)の処理性能を使って背景をボカしたり、フェイストラッキングをしたり、音声面では強力なノイズ除去も利用できるフリーソフトウェアです。これのためにRTX dGPUが搭載されたノートPCに買い換えたほどです。

ところが最近M1Max搭載のMacBook Pro 16′ 2021を購入し、やはり仕事のオンライン会議ツールでそちらも活用したくなります。音声のノイズキャンセルについてはAudio Hijack + Loopbackというツールでほぼ不満は解消されました。

しかし背景交換については良い案がなく、結局ほとんどの場面でWindowsデスクトップを使っていました。

■ハードウェア処理できるOBSBot Meetは来年春まで出ない

まず目に付いたのは超小型のAI人物追跡機能付きWebカメラOBSBot Tinyで有名なOBSBot社のクラウドファンディング中の新型OBSBot Meetがあります。

(ちなみにOBSBot Tinyは最近手に入れてとても良いカンジなので近々改めてレビューしたいと思います。)

OBSBot Meetはカメラ内でAI処理をして背景を消したりボカしたりできるという触れ込みで、PC/Macにはボカし済みの映像が最初から届くので、専用ソフトのインストールもいらないし画像処理の負荷がないのが特長です。しかし今予約しても届くのは来年2022年の3月。クラウドファンディングとはいえ海外購入したものが、将来的に国内代理店でサポートが受けられるのかも不透明。故障時に本国送りとかになるくらいなら多少高くても国内販売後でもいいかと思ってしまいます。

■そこでXSplit VCamですよ

もうハードでもソフトでもいいからウェブ会議ソフトから独立して仮想カメラとして機能する背景交換ツールがないのかなぁ。そうWindowsでいうXSplit VCamみたいな…などと調べていたところ、当のVCamが今年8月にMac対応していたことを知りました。M1対応については明記がないですが、アクティビティモニターでみると種類が「Apple」になってるのでM1(Appleシリコン)対応済みのようです。

なんだよはやく言ってくれよ!XSplitはOBS Studioの競合となる配信ソフトXSplit Broadcasterなどで有名なところで映像処理技術には定評があります。国内ではソースネクストがパッケージ版、ダウンロード版ともに販売していますが、Mac版はまだないっぽいです。Mac版が必要な人はXSplit公式サイトから購入しましょう。

公式の購入ページ(投稿時点)

こんな感じの画面になるんじゃないでしょうか。英語なので簡単に説明します。Vcamは一番左のグリーンのところです。隣のPresenter、Broadcasterは別のソフトなので今回は関係ありません。ただしこれらも抱き合わせしたセットに興味ある場合は一番右のPremium Bundleもチェックしてみると良いでしょう。

Premiumというのが背景ぼかしを含む有料版機能が使えるバージョンなので、今回気にすべきはこのVCam Premiumということになります。

上のLicense Duration(ライセンス期間)のバーで1ヶ月、3ヶ月、12ヶ月のサブスクかLifetime(買い切り)が選べます。12ヶ月が$30、買い切りが倍の$60だったので買い切りにしてしまいました。有料機能を試用したい場合は1ヶ月$8をとりあえず買ってみるのもアリかも知れませんね。

使ってみた

試した感触は上々です。精度面ではNVIDIA Broadcasterと同等レベルと言えるんじゃないかと思います。髪の毛のふちが多少誤爆したりはしますがZoomやTeamsの内蔵機能よりは明らかに上です。手を素早く振っても多少指が欠けたりしますが通常のオンライン会議でそんなことしないので問題ないかなと。遅延は皆無ではないですがオンライン会議なら問題ないかなと。OBS Studioに貼ってみた感じサイズは1280×720までのようです。

機能としては、以下のものを背景に指定でき、そのボカシ量をスライダーで100段階で選ぶことができます。

  • オリジナル(カメラ映像のまま。これにぼかしをかければ背景ぼかしに)
  • 消去(真っ黒)
  • 静止画、動画などローカルのメディアファイル
  • Youtube動画
  • Webページ
  • Unsplashの写真

Youtube動画やWebページを背景にできるのは面白いですね。Unsplashは動画素材サイトのようです。

まあウォーターマーク(透かし)画像を入れられたり、背景映像の明るさコントラスト、サイズなどの調整もできます(「オリジナル」のカメラ映像の背景を独立で調整することはできません)。

更に凝ったことをしたい時は、OBS Studioにいれてそちらで加工するのがいいかなと思います。「消去」を使って黒背景にすると黒髪の日本人だと上手くぬけないので、緑一色(OBSのクロマキーフィルターのデフォルト値に合わせるなら#00ff00)の画像を作って背景にしておくのが良いです。で、OBSで映像ソースに「クロマキー」フィルターを適用すれば綺麗に背景が透明になるので、あとは他の画像を重ねたりサイズを変更したりはし放題です。二重に仮想カメラを通るので遅延は多少ありますが、少なくともM1MaxのMacBook Proなら「気にしてみれば」程度かなと思います。

ひとつ惜しいのはボカシがいまいち綺麗ではないという点。写真は標準の部屋の背景(右側中断)を選択し、ぼかし強度を38にした状態。

なんだか縦横に縞のような模様が目立って気になります。元画像に直線要素があるとそれがやたらと強調される感じ。NVIDIA Broadcastでは気になったことがないので、ブラー処理のアルゴリズムの違いなのかな?と思います。後ろに本棚やキャビネットがあるような環境だと少しうるさく感じるかも知れません。実際ウチの背景ともちょっと相性が悪くて残念です。いっそ背景を写真でとってPhotoshopで綺麗なボケ加工をしたものを静止画として合成しようかな(笑)。

■まとめ

ともあれ現状ググって見付かる唯一、Macで独立型、高画質の背景交換ツールかなと思います。ちなみに往年のChromaCamもM1対応済みだったので試してみましたが数年前から進歩が見られず、切り抜き精度などはZoomなど以下という感じで速攻アンインストールしました。

ようやくこれでMacもオンライン会議案件でバリバリ活用できそうです。

[BlackFriday] スピード、セキュリティ、ユーザビリティが三方良しな外付けSSD SAMSUNG T7 Touch

前記事にも書きましたが、前から気になっていた外付けSSDがAmazonのBlack Fridayセールでかなりお買い得だったのでゲットしました。SAMSUNGのT7 Touchです。

容量は500GB/1TB/2TBの三タイプで、500GBを例に挙げると、現時点でヨドバシが17,090円(-10%還元)、Amazonの通常価格が13,616円、それがBFセールで1万円切りの9,990円です。先日ヨドバシ店頭で買おうと思ったんですが品切れで買えなかったのが今となっては幸いです。

SamsungのこのシリーズはUSB 3.x gen1(500GB/s)のT5と、gen2(1,000GB/s)のT7があり、T7で指紋認証に対応したものがT7 Touch、という構成になります。以前ATEM MINI用にT5を買って使ってましたが薄型コンパクトで携帯用にも便利で両用という感じでした。

ただM1MaxのMacBook Proを購入して最新インターフェイスを活かしてみたかったのと、指紋センサーでセキュリティを確保しつつ、実質の使い勝手も落とさないという両立に魅力を感じて買い換え/買い増しを狙っていたという感じ。

通常、外付けストレージを暗号化して使う場合、専用ユーティリティによるパスワード入力が必要になります。普通にPCにマウントするとそのユーティリティのみが保存された小さなパーティションが見え、そこでパスワードロック解除をするとメインのパーティションが追加、あるいは置き換わるようにしてマウントされる、という作りのものが多い気がします。以前はこれがWindows専用だったりして困ったものですが、最近はさすがにmacOSも対応しているものが当たり前になってきました。

ただやっぱりこれは普通に面倒くさいし、仕事でデータの受け渡しをする際に、見慣れぬユーティリテイを起動してもらって、パスワードを打たせてもらう、などの手順は互いに煩雑です。感染対策としても互いのデバイスに触れる機会は減らしたいもの。そこでこの指紋センサー付きのストレージデバイスが脚光を浴びるのです。以前からUSBフラッシュメモリなどではちらほらありましたが、より高速、大容量なSSDでは比較的珍しいのではないかと思います。

■操作イメージ

最初のパスワードロックと指紋登録にはやはりWindowsまたはmacOSの専用ユーティリティが必要になります。これは自宅・会社PCなどにインストールしておけば良いでしょう。指紋は4つまで登録できます。法人で部署で共有するには多少心許ないかも知れません。ただし指紋の再登録は中のデータを消さずに行うことができます。また専用ユーティリティでパスワードや指紋を変更したりロックのON/OFFをするのは指紋ではできずパスワードが必須になります。万一パスワードを忘れても指紋で普段使いは可能ですが管理操作をするには必ずパスワードが必要になるので、忘れないように注意が必要です。パスワードがわからなくなったら同じ指紋で使い続ける(設定変更は不可)か、全データ初期化するしかなくなります。

指紋登録した後も、マウント時の挙動は一般的なパスワードロックされた外付けストレージ機器と同じです。WindowsとMac用のユーティリティがおかれた小さなパーティションがマウントされます。ここでそれを起動してパスワードを打つ代わりに、本体の指紋センサーに登録した指を軽くタッチすることでロックが解除されます。もちろんケーブルをつなぐ前の時点では通電していないのであらかじめアンロックしておくことはできないですが、USBケーブルを挿したその手でタッチする、などすれば、ほぼパスワードロック無しのストレージと同じ感覚で使え、他人のPCに一時的につないでデータを読んだり書いたりしてもらう時に、とてもスムーズにできます。

最近では法人と契約する時にセキュリティチェックシートなどを記入させられ、その中の項目に「持ち運ぶリムーバブルメディアにパスワードロックなどアクセス制限をかけているか?」などの質問も含まれることが多いですが、これで堂々とYesと回答し、なおかつ使い勝手を落とさず利用できます。

■ATEM MINI Proへの録画は?

ユーティリティ不要でアンロックできるので、WindowsでもmacOSでもない機器にもマウントできる点も長所となります。例えばiPadOSやAndroidなどUSBストレージを認識できるOSなら使えるっぽいです。まぁこれらでそんなに高速なストレージが必要になる場面は今のところないですが…。いつかM1 iPad Proに買い換えたら簡単な動画や写真編集はiPadでやりたくなるかも?

SanDiskが認識せずT5を買い直すきっかけになったATEM MINI Proではどうでしょう?指紋でアンロックした時の再マウント動作が影響しそうな気はします。

結果は、バッチリでした。最初に接続した時はATEM MINI Proのランプがオレンジに光ってエラーを示しますが、T7 Touch側で指紋認証すると再マウントされてグリーンにかわります。短時間ですが録画ができることを確認しました。

当初、「一見マウントできているようで指紋アンロックを忘れて撮れなかった」みたいなミスをやらかすリスクがあるかな?とも思ったんですが、実際に試してみると、書き込み中はT7 Touchの指紋センサーの周囲の四角形のLEDが4辺毎に独立してクルクル回るように光るので、何も光らないT5よりも録画インジゲーターとして良い確認手段なんじゃないかという気すらしてきました。

ATEM MINI Proで録画して、高速にPC/Macに取り込む、という使い方にも充分使えそうです。

SanDiskが使えなかったのはNVMeだからという仮説があったんですが、あっさり覆ってしまいましたね。単に相性だったんでしょうか…

■外観、付属物

いわゆるクレジットカードサイズで、厚みは1cmを切っていて非常にコンパクトです。PCバッグのポケットなどにスっと入れておけます。ケーブルは内蔵しておらずUSB Type-Cポートがついているだけなので、別途ケーブルも持ち歩く必要があるのはやや煩雑ではあります。ただ付属品としてA-CとC-Cの短いケーブルがついているので購入する必要派ありません。むしろそこらの適当なケーブルを使うと速度が出ないことがあるので、基本は付属ケーブルを持ち歩くのが無難でしょう。何故か手持ちのUSB3.2 C-CケーブルでもMacで認識しないものがありました。相手PCとのやりとりを考えると、A-CとC-Cは両方持ち歩く必要があるので、短くて先端だけ変換できる10Gbps対応ケーブルが見付かったら買ってもいいかなと思います。

■速度ベンチマーク

実のところ500GB/sのT5でも1GB程度の動画ファイルなら数秒で書き込みできるのでそれほど不満ということもなかったのですが、やはり待ち時間は短いほど良いということで。

比較のため、500GB/sのT5と、同じ1,000MB/sのSandiskのものも測ってみました。

Windows(Razer Blade 14 2021)

まず参考までに計測い使ったRazer Blade 14 2021の内蔵SSDを計測。

Razer Blade 14 内蔵SSD
SAMSUNG T5 (500GB/s)
SAMSUNG T7 Touch (1,000GB/s)
SanDisk (1,000GB/s)

T7 TouchとSanDiskはほぼ互角でシーケンシャルアクセスは理論値近くまで出てる感じですね。T5は理論値の500GB/sを超えてます。

MacBook Pro 2021 (M1 Max)

[参考] MacBook Pro 内蔵SSD

こちらも参考までにMBP2021の内蔵SSDは読み書きとも5,000MB/s以上出ます。素晴らしい。ここからコピーしたりされたりするわけなので、やはり少しでも速いストレージを使いたいものです。

SAMSUNG T5 (500GB/s)
SAMSUNG T7 Touch (1,000GB/s)
SanDisk (1,000GB/s)

T5の倍とはいきませんでしたが確実に速くなっているのがわかります。理論値の7割程度というところ。同じGen2のSanDiskよりも読み込みはちょい負けて、書き込みは勝ってるという感じですね。

まとめ

速度ヨシ、セキュリティとユーザビリティの両立ヨシ、そしてSanDiskのようにATEM MINI Proで認識しないなどの問題もなく互換性もヨシ、シンプルなデザインもヨシ、そしてAmazonのBlack Fridayセールでコスパもヨシとかなり良い買い物ができました。

Black Fridayセールはもうすぐ終わってしまいますが、元の値段に戻ったとしてもこれからT5買うよりはセキュリティ、速度で優れるT7 Touchをオススメしたいところです。