Sound Blaster X5のUSBホスト機能でBluetoothアダプタを使ってみる

仕事の会議で使うShokzの骨伝導ヘッドセットAeropexもSoundBlaster X5経由で使ってみたくて結局BluetoothアダプタのBT-W5も追加購入してしまいました。これもクリエイティブ公式サイトでしか買えず単品で買うと送料無料条件に届かないので、X5と一緒に買っておけば良かった…。なお現在はUSB-C→A変換アダプタがプレゼントでもらえます。X5のUSBホスト用ポートはUSB-AでBT-W5はCポートなのでなにかしら変換アダプタ/ケーブルが必要になるので、今がチャンスと言えます。

■USBホスト機能とBluetooth

X5はもともと内蔵でBluetoothが搭載されているのに、なぜ別途USB Bluetoothアダプタがいるのかについて簡単に。内蔵のBluetoothはスマホなどのホスト機器と接続するためのものです。X5がスピーカーやマイクなどの周辺機器側になります。今回やりたかったのはX5を親機として外部のヘッドセットをつなぎたかったので、同じBluetoothといいつつ親子関係が逆なのです。なんかこうソフトでどっちの役割にもなれるようにできんもんかと思いますが、現状できないようです。

X5のUSBホスト機能についてはマニュアルにもロクに説明がなく、一応仕様をみるとUAC(Universal Audio Class)機器で消費電力が100mW以下、とだけあります。ドライバーをインストールしたりもできないので規格に準拠してるもののみという感じです。じゃぁBluetoothもなんでもいけるかな?と手持ちのELECOMのBluetoothアダプタを挿してみましたが認識しませんでした。こちらは公式で記載している同社製のBT-W3/4/5辺りである必要がありそうです。そもそもペアリング設定などどうするのかも謎のままです。BT-Wシリーズにはペアリングに必要なボタンがついています。WindowsやmacOSのBluetooth設定UIを介さずにペアリングができる必要があるので一般的なアダプタはダメなのかな?とも思いました(後述しますが半分当たりで半分外れだったようです)。

■とにかく情報がない!

モノが届いたはいいものの、設定方法がさっぱりわかりませんでした。X5のマニュアル(とも呼べないペラ紙)にもオンラインヘルプにも、BT-X5のマニュアルにもX5と組み合わせて使う方法が書いてありません。ググってもわからず、手探りで色々試しまくりました。

X5のマニュアルではボタンを2秒長押しするとペアリングモードになるということですが、確かにLEDの点滅でペアリングモードにはなるものの、ヘッドセット側もペアリングモードにしてもなにも起きず。どちらの機器も相手を選ぶUIがないので永遠にペアリング待ちのお見合い状態になって進まず、という感じ。

結論を言うと、「PCにつないでCreative Appを使ってペアリングを済ませてからX5に刺し替える」という手はずでできました。普段X5の設定に使っているCreative AppがBT-W5を直接認識してくれてファームウェア更新やペアリングなどの設定ができます(OS側のBluetooth UIは使わない)。

X5など他のクリエイティブ製デバイスがつながっている時は左上の「デバイス」の「>」で切り替えられます。まぁ一旦X5を切っておくのが早いかも。この画面になったら「ブルートゥースデバイス」を選択すれば↓の設定画面になってペアリングが行えます。

これくらいX5のマニュアルに載せといてほしいものです。

■BT-W5の仕様、操作感

画面にも書いてありますがW5には4台のBluetooth機器をペアリングすることができます。どれにつなぐかはW5にあるボタンを短押しする度に1台目→2台目→3台目→4台目→1台目→…とサイクリックにかわっていくようです。現在何番目かはLEDが1チカ、2チカ、3チカ、4チカで視認できます。

またマイクも使いたい場合はHFPモードに切り替える必要があります。これには上記ボタンをカチカチっと2回押します。切り替わるとLEDはオレンジに。戻すのは1回押し。

これらの操作をするのにアダプタであるW5上のボタンを操作する必要があるため、X5の背面ポートに挿した場合は操作性に難があります。

そこで自分は短い延長ケーブルを買ってX5の側面に貼り付けてみました。

ちなみにモニターの足の高さにあわせた置き台を3Dプリントで作りました

こちらの20cmケーブルを買ったんですが見ての通り短すぎました。実際にはコネクタの根元の曲げられない範囲があるので、今回のようにヘアピンで折り曲げる場合はもう少し長さに余裕があるものが良さそうです。しばらく使ってみてやっぱり不便だなと思ったら買い換えるかも知れません。これから買う人は最低でも30cmくらいはあるものを物色してみると良いと思います。最初からC→Aの延長なら公式ストアでくれるアダプタがなくてもいけるかもですね。

■X5での使用感

ようやく認識してAeropexがX5経由で使えるようになりました。これでWindows機とMacBookをKVMで切り替えた際にBluetoothヘッドセットも一緒に切り替わるので、手間が省けます。音量コントロールも一括してX5のボリュームダイヤルで行えるのが良き。

ただし残念な点もありました。音声出力設定がヘッドフォンでもスピーカーでもBluetooth側には常に音が出ます。言い換えるとBluetoothヘッドセットで音を聴いている時、スピーカーかヘッドフォンからも音が出てしまいます。そしてBluetoothからの音はかなり小さいのでボリュームを上げてやらないとならず、結果としてスピーカーは論外としても、ヘッドフォンからもかなり音漏れするようにシャカシャカ聞こえてしまいます。しかもBluetooth側には明確なディレイ(遅れ)があるので気持ち悪い。マイクが拾ってしまうとエコーのような状態になってしまいます。結果としてBluetootヘッドセットで聴く時は「ヘッドフォンコネクタを抜いた上で出力先をヘッドフォンにする」運用が必要になります(スピーカーやアンプに電源やボリュームがあるならそっちをオフにするでも)。

HP/SPKボタンがHead Phone/Speaker/USB HOSTみたいな三択動作をしてくれたら良かったんですが。内部の系統が2つしかないから無理なんですかね。

またマイクを使う場合はHFP(ハンズフリープロファイル)モードに切り替えますが、これをすると聞こえてくる方の音が明確に下がります。低音が弱いスカスカな音に。これはX5/W5のせいというよりBluetoothの宿命みたいなものなので仕方ないんですが、やはり切り替えた瞬間にガッカリ感があるのでやはりマイクは別で用意してBluetoothヘッドセットはスピーカープロファイルのままで使うのがいいかなーと思ってます。その方がマイクも有線で音質も良いですし。そこまでしてBluetooth使う意味あるかって話ですが、カメラで顔を映す時にあまりごついヘッドフォンをしたくないんですよね。その点、Aeropexのような骨伝導ヘッドセットなら耳も出てますし無線でケーブルに煩わされることもないし。ゲームや動画試聴では音質有線でバランス接続ヘッドフォン、会議では見た目とケーブルレス重視で軽量ヘッドセット、という感じにしたい。

■まとめ

情報のなさで設定方法が謎すぎたX5とW5の組み合わせの使い方、使用感をまとめてみました。同じ悩みをもった方の参考になれば幸いです。

ただスピーカー/ヘッドフォンとの排他使用はできないので常時併用する使い方にはちと向かない気がします。「有線ヘッドフォンとBluetoothスピーカー」とか「Bluetoothヘッドセットと有線スピーカー」みたいな形でどちらかを常時Bluetoothに置き換えるスタイル向けかなと。

それでも複数PCで使うにはペアリングし直し問題がないなど一定のメリットがあると思うのでもうしばらくは使ってみたいと思います。

気付けば骨伝導ヘッドセットAfterShokzが3モデル揃ってたので比較

■OPENCOMMを1年使っての感想

テレワーク最強ヘッドセットと名高いAdterShokzのOPENCOMMを購入して1年が経ちました。

私は仕事柄、リモート会議よりもリモートインタビューで、一日に90分を3,4件と集中して使うことが多いので、耳を塞がないで長時間使っても疲れない骨伝導ヘッドセットはとても重宝しています。カナル(耳栓)型のイヤホンもたくさん使っていますが、これらはノイズキャンセルなど音楽を聴くということには優秀ですが、長時間、しかも自分もしゃべる作業の時には違和感が大きく我慢なりません。その点、骨伝導は耳は完全にフリーなので違和感ないし、なんなら飲食してもモゴモゴしないとかサイコーです。オーバーヘッドヘッドフォンのように重さや締め付けが気になることもないし、完全独立ワイヤレスイヤホンのようにポロっと落ちないかドキドキする不安もありません。

そんな中でも特に評価が高いAdterShokz社のテレワーク(オンライン会議)特化モデルOPENCOMMはこの一年とても重宝しており買って良かったと思っています。強いて言えばさすがに丸一日つけていると耳の上辺りが痛くはなります。これは平気というレビューも多いので、自分がメガネを使っていることとも関係しているのかも知れません。ちなみに自室ユースなのでマスクは併用してないです。

OPENCOMMはテレワーク特化モデルなので、より口元近くで話し声を明瞭に拾うようアーム型のブームマイクが搭載しています。これも評判が高いようです。「ようです」って伝聞調なのは、自分では使っていないから(笑)。マイク自身や位置が上等でも所詮伝送経路がBluetoothな時点でビットレートが上げられないからなぁと、結局上記記事に書いたようにマイクは別にコンデンサマイクを使っているのです。オンライン会議専用であればどのみち圧縮かかるのでおそらく実効レベルで差はでないと思いますが、動画のアフレコ用などでセットアップしてあるマイクがあるので、結局そっちを使ってしまう、という感じ。本機のマイクが使い物にならないということはなく、むしろ一般的なヘッドセットよりも長いアームで口元に近いだけ優位だと思いますが、どうこう言うほど使ってないのでノーコメントで。ともあれ内蔵マイクは上に立てたままテスト程度にも使ってない。むしろ邪魔だなと思ってました…

■Amazon Black FridayセールでAEROPEXが一瞬安かったせいで…

先日終了したBFセールで、ブームマイクがないAEROPEXが結構安かったんですよね。おっと思ってカートに入れはしたものの、2,3時間後にみたら売り切れて定価に戻っていました。

でもその2,3時間の間にリサーチと検討をしたらかなり買う気になってしまったのです…

まずAEROPEXの骨伝導ユニットは第8世代で、OPENCOMMの第7世代よりも進化しているぽい。具体的には振動と音漏れが軽減されているそうな。Aftershokzは骨伝導と思えないくらいに音質が自然なんですが、音量をあげると物理振動がこめかみにビリビリくるという難点があります。オンライン会議で実用的な音量で聴く分にはほぼ気にならないんですが、たまに大声が来たりあるいは音楽や動画をみて音量があがると気になるといえば気になります。不愉快というほどでもないですがこそばゆい。また音漏れも結構あってOPENCOMM購入時に対面の同居人に聞いている曲をズバリ当てられて以来、ノマドなどで使うのは憚られるなと思い自室専用としていました。その辺りが改善してるのなら俄然興味がわきます。

またブームマイクがないせいか10gほど軽いので、もしかして終日つけていた時の耳の痛みも軽減されるかな?とか、そもそも邪魔に思っていたのでスッキリするな、とか。

一度BFセールで安い値段をみてしまうと定価で買うのが悔しくなってしばらく悩んでたんですが、結局次にはじまった楽天のセールで1,000円差くらいまで下がったので突撃しました。

購入後にまだ終日インタビューをする案件がなく、1時間程度の会議を何回かしただけですが、確かに振動は軽くなってる気がします。完全になくなりはしないですが、骨伝導ヘッドセットつけている感覚が希薄というか。重量差も聞いているのかも知れません。

その他の差は大きくはなく、強いて言えばマグネット充電コネクタの向きと形状が異なっており、AEROPEXは真下、OPENCOMMは真後ろからつける感じ。OPENCOMMの方が卓上において浮き上がらない作りですが、AEROPEXも垂直に生えるわけではないので実用上は大差ないかなと。コネクタ(充電ケーブル)自体は相互運用可能っぽいです(充電ランプは点きますが自己責任で)。

それぞれのマグネット充電ケーブルをつないだ状態のアップ写真をどうぞ↓。

AEROPEX
OPENCOMM

どちらかというと影響が大きいのは音量兼電源ボタンでしょうか。装着時、耳の後ろで手探り操作するワケですが、明らかにOPENCOMMの方が特定が容易です。「こことここにボタンが2つある!」っていうのがはっきり触感でわかります。AEROPEXはまだ慣れていないのもあるかも知れないですが、「ここら辺かな?」と不安げに押す感じ。

■気付いたらエントリーモデルのOPENMOVEも買っていたぜ…

細かい使い勝手や音質に差を感じつつも、Aftershokz全体としては確かな満足感があります。今後の想定としては、仕事部屋用のメインはブームマイクがなく聞く方の音質が良いAEROPEXにし、ブームマイクで音をしっかり拾ってくれそうなOPENCOMMを車載用にする予定。後者はそれほど頻度が高いわけではないのでやや勿体ないですが、最近家庭内Dicodeサーバーを建てて、1人で長距離運転中に音声で雑談したり待ち合わせの相談をしたりすることもあるので、そちらをよりクリアにしたいという動機付けがあります。耳を全く塞がないので通常の片耳イヤホン型ヘッドセットよりも安全なんじゃないかと。

そんなこんなで骨伝導にどっぷりハマっていると、他の場面でもそれ以外の方式は使いたくなくなってきます。階下のリビング、風呂、トイレなど(自分はお風呂はもちろん、お腹こわしやすいのでトイレに長時間こもる際にタブレットを持ち込みます)。2万円するAEROPEXやOPENCOMMはさすがにもったいないですが、エントリーモデルのOPENMOVEなら実質7,000円ほどで買えるのでアリかなと。

特長としては、骨伝導ユニットはOPENCOMMと同じ第7世代。防水も同じIP55(AEROPEXだけIP65)。お風呂でもシャワーを直接かけたりポチャンしなければ問題なさげ。値段が安いので最悪壊れても諦めがつきます。また他の上位モデルと大きく違うのは充電コネクタがUSB Type-Cであること。専用ケーブルが不要なのが良いです。我が家はトイレ内にタブレットやKindleの充電コーナーがあり、当然そこにType-Cケーブルも生えてるので、新たに専用マグネットケーブルを増やさなくても充電運用できます。端子にはキャップがあるのでそれを開いてUSBプラグを差す、という二手間にはなりますが、利用環境によっては専用ケーブル不要ということのメリットが上回ることもあるでしょう。

・メガネerにはOPENMOVEは辛いかも…

さて、なんやかんやで代表的3モデルが揃ってしまったわけですが並べるとこんな感じ。ちなみにカラーは常に黒系をチョイス。オンライン会議やインタビューで髪に紛れて目立たないからです(黒髪でない人はその限りではありませんが)。その観点でもAEROPEXは一番小さく、変に目立つ色をしたボタンもなく、そしてブームマイクがないので一番さりげないかなと思います。

OPENMOVEは耳の部分がチタン化されていない

上位のAEROPEXとOPENCOMMはフレームが「フルチタン」とされています。細い部分にチタン製の芯が入っていてグネグネとしなやかに曲がるので装着感が良いのです。比べてOPENMOVEはコスト削減なのか耳欠け部分がプラ製になっており固定形状となります。ここが地味に装着感に関わってくるようです。特に私のような眼鏡ユーザには影響が大きそう。例えば首を上下に動かした時にうなじ側で押されて耳周りにも圧がかかるのですが、その時に融通が利かないOPENMOVEはズレたり眼鏡と擦れてグググっと異音が鳴ったりします。気にならない人は全然平気かもしれないですが、個人的には眼鏡している方や装着感を気にする方には上位モデルをオススメしたい感じ。少なくとも店頭で装着感を比較してみると吉でしょう(最近ならヨドバシとかにはほぼ展示があります)。

■まとめ

ガチ音楽用ではWM-1000XM4などには及ばないですが、オンライン会議や一般的な動画視聴やポッドキャストくらいなら違和感ないくらいには自然な音質になってきている骨伝導。AfterShokzだけとびぬけてスゴいのか、他社類似品でも進歩してきているのかはわかりません。さまざまな賞ををとっているだけあってAfterShokzが鉄板な気もします。他にも水泳対応完全防水モデル、子供サイズモデル、TV用トランスミッターセットモデルなど、利用場面にあわせたラインナップが豊富なのも特長だと思います。

イヤホンやヘッドフォンの長時間使用でQoLが下がっている方、テレワークで常時待ち受けしながら家事とか他の作業をしたい方などには是非一度使ってみてほしいなと思います。