X1-CarbonのPTFEチューブ交換記録、Modパーツ装着

BambuLab X1-Carbon Combo(以下X1c)を導入して1年3ヶ月。消耗品であるPTFEチューブ他、消耗品を交換したのでメモ。

■PTFEチューブ交換

要所要所でフィラメントを通しているPTFEチューブですが、摩擦ですり減るので消耗品とされています。摩耗しているとスムーズにフィラメントが送れず詰まりの原因となるようです。一概にどれくらいという指示は見当たりませんが、コネクタの抜き差しをするところの変形などが気になったので交換することにしました。

情報画面によると総プリント時間は1,738時間となっています。公式情報ではないですが、ChatGPTさん曰く、

  • 一般的には 500〜1000時間 程度の印刷ごとに点検するのがおすすめ
  • 高温フィラメント(例えばABS、PC、PA、CF混合素材など)を多用する場合は、摩耗や変形が早く進むため 300〜500時間 くらいでの点検を推奨
  • 交換の判断ポイント
    以下の症状が出ていれば交換した方が安心です:
    ☑ フィラメントの抜き差しが固い・引っかかる
    ☑ チューブの内径にスレや削れが見える
    ☑ チューブの先端が焦げていたり、変形している
    ☑ ノズル詰まりが頻発する
    ☑ 弾性フィラメントの押し出しが不安定

とのこと。-CFフィラメントも時々使うことも考えると、充分な時期は来てるというかむしろ遅いレベル。またノズル詰まりも頻繁に発生しています。こういうアナログ的な消耗は明確に発生を認知しづらいので、1年とか決めて定期的に交換するのが良さそうですね。

交換用のPTFEチューブは公式ストアで販売されています。別に市販品でも内径と外径だけ揃えばいいんでしょうが、公式のは機種毎に必要な長さにカット済みだし安心感を買う意味で公式サプライを購入しました。X1c用は送料別で680円。なにかのついでに買うのが吉ですね。交換手順も公式Wikiに動画が掲載されています。バッファー部分のチューブ交換は本体背面にアクセスする必要があるのでぎりぎりスペースに設置している我が家ではちと大変でしたが、作業自体は10分ほどで終わりました。

これでフィラメント送出トラブルが減るといいな。

■スティック糊の買い換え

BambuLabプリンターには2種類の糊が付属してきます。固体のスティック糊(ビルドプレート専用スティックのり)と液体のり(ビルドプレート専用液体接着剤)です。正直使い始めた当初は2つある理由はわかっておらず、塗りやすさから液体のりを中心に使っていましたし、そもそもビルドプレートのメンテナンス(洗浄)の手間を惜しんで、どうしても定着しない時以外なるべく使わないようにしていました。特にスティック糊は粘度が高くフラットに塗り広げるのが面倒でほとんど使っていませんでした。

ただやはり2つあるのにはそれなりに理由もあるらしく、接着力の液体糊、剥がしやすさ、洗いやすさのスティック糊という感じっぽい。ABS/ASA/PCのような高温素材では液体糊の接着力がないと剥がれて反りが発生するが、剥がしが大変だったり、乾いてしまうと除去が大変。PLA/PETGくらいならスティック糊くらいの接着力が剥がしやすさとのバランスも考慮すると適当らしい。

ただスティック糊はダマになりやすく底面の荒れにもつながるのでChatCPTさんに相談したところ、「そりゃスティック糊が劣化してるわ」という回答。公式では24ヶ月となってますが、ChatGPTさんは12ヶ月で使い切るのが良い、と。まぁ保管環境によっても違ってくるんでしょうが、とりあえず1年経っているので買い換えてみることに。そもそもPLA/PETGだとそこまで反りに悩むことはないですが、今後はこういう観点で使い分けていってみようかと思います。

あと送料無料条件を満たすのに購入アイテムを詰むのに、安い糊製品は便利だったり。単価でいえばAmazonなんかで社外品を買う方が安いかもですが。

■BIQUのワイパーとプープ詰まり防止プレート

みんな大好きBIQU(Panda)のBIQU Purging Reliability Improvement Upgrades Multi Material Printing Enhancement Kit for Bambu Lab P1/X1 3D Printersという社外アクセサリ製品を導入してみました。

同じくX1cの消耗パーツとしてノズルワイパーがあります。フィラメント交換時にノズル先端を擦り付けてゴミを除去する部位で、X1cでは1cm程度の短いPTFEチューブを使ったローラーのような構造になっています。ノズル先端に前の色のフィラメントが残ってたりすると造型物に意図しない色が残ったりするので、確実に先端を綺麗にするのは重要です。これがA1やH2Dなど後発モデルではシリコンのブラシになっています。MakerWorldなどでこのA1用シリコンブラシをX1cのノズルワイパーの代わりに取り付けるモデルがたくさん公開されていて、自分も2つほど試してみたいんですがどれもイマイチでした。微妙に干渉してエクストルーダーが引っかかったり、PETG程度ではノズルの熱で溶けてフィラメントくずと溶着してしまったり。結局純正ノズルワイパーに戻してたんですが、BIQUで完成品のPanda Brush PXが販売されていたのでゲット。さすがの精度でぴっちり取り付けでき干渉もないです。またアルミ製なので熱で溶ける心配もナサゲ。予備のシリコンブラシも付属しています。MakerWorkdのモデルはもともとのノズルワイパーを固定している小さな小さなネジを外して組み付ける方式がほとんどで、ウチのように天面ガラスにAMSが載っていて全開放できない状態では作業性がとても割です。うっかりネジをパージシュートに落として、慌ててプープの山を探したり。その点、Panda Brush PXは横からスライドしてはめこむだけなのも良き。元のワイパーのネジはドライバーで外す必要ありますが、今後シリコンブラシを交換する時には工具無しでできると思います。

またセット商品で、パージシュート(プープを捨てる穴)にプープが貼り付くのを防ぎ、確実に背面から排出するための金属板Panda Purge Sheld付き。確かに、このパージシュートの手前面にちょいちょいプープが貼り付いて排出エラーが出ることあるので、良いかも!と。

MakerWorldで部品を作ってもA1用シリコンブラシを公式で買うと500円くらいするので、それも差し引くと、これらのセットが2,000円程度ならコスパも悪くないかなと。

■まとめ

1,700時間時点でメンテナンスとして消耗品パーツを交換/アップグレードしました。

世の中はH2Dが話題で、個人的にもデュアルエクストルーダーは魅力ですが、お値段的にも設置場所的にも当面は厳しいので、X1cはまだまだ活用してきたいと思います。

AMSで紙スプール使うにはもうビニールテープでいいんじゃないか?

3Dプリンターのフィラメントはスプールと呼ばれるリールに巻き付けて売られています。このスプールが元はプラ製だったのが最近一部メーカーは段ボール的な紙で提供しています。OVERTUREとかeSUNといった大手も基本紙のようです。

これがBambu Lab X1-Carbonのフィラメントフィーダーシステム、AMSと相性が悪いです。

  • 摩擦の関係でローラーが滑って正常に送り/戻しができない
  • 紙が削れて粉塵となりギアなどに噛んで故障の原因となる

などと言われています。(と思っていました)。

そこで、写真のようなフレーム部品(緑色)を3Dプリンター自身で造形してとりつけるのが一般的です。

しかしこれがやってみるとなかなか上手く機能しませんでした。むしろ滑ってしまって巻き取りができず出力が止まりまくりです。ツルツルのPLAがダメなんかとPETG素材で出してみたり、外周がギザギザしたデザインのものを使ってみたりするもどれもイマイチ。「もう二度と紙スプールのフィラメントなんか買うもんかウワーン」と思いながらなんとかあるだけ使い切ろうと頑張ってきました。

しかしようやく写真の2スプールとも残りあとわずかというところで、なかばキレつつフレーム無しで使ってみたところ、ウソみたいにばっちり回転してくれるじゃないですか。「紙だと滑ってダメ」というのは都市伝説か自分の記憶違いで、普通に使えます。冷静に考えてみれば見るからに樹脂より摩擦高いよねと。

しかし、「紙が削れた粉塵が機械に悪い」というリスクは以前と残るのでそのまま使うわけにもいかず。あらためて海外掲示板なども含めてググってみると「electrical tape巻いときゃOKよ」という記述が。絶縁用のビニールテープのことですよね。

確かに摩擦だけでいうとパーマセルテープみたいなのがヨサゲですがこれも結局紙なので削れてしまいそう。早速手近にあったビニールテープを巻いてみました。

もうね、いままで散々苦労した紙スプールのフィラメントが魔法のように正常に使えちゃいましたよ。今までの苦労はなんだったのかと。多色出力すると層毎に何度も引き戻しして、その度にエラーになってで、つきっきりで手動巻き取りしないとだったのがウソのよう。これまでの造形トラブルはほぼすべて社外フィラメント(というかスプール)に起因するもの(紙スプール、小径スプールなど)だったので、「今度は(高いけど)Bambu Lab純正フィラメントでやってくぜ。少なくとも主要素材・カラーは純正NFCチップ入りスプール付きを揃えて、フィラメントを入れかえて使うぜ」と心に誓ってましたが、紙スプールでもこんな簡単なハックで普通に使えるならフィラメントの質としては問題なくコスパも良いOVERTUREやeSUNを使っていってもいいかなーとか。

2024.7.26追記

夏になって室温が上がったら貼ったビニールテープがデロデロに剥がれてきました。粘着剤が緩くなってビニール素材の真っ直ぐに戻ろうとする力が勝ってしまったという感じ。うーむ、粘着力の強さ自慢のビニールテープとかあんのかしら?とPerplexityさんに聞いてみたところ、スコッチの電気絶縁用ビニールテープの「プレミアム」というのが出てきた。調べると、一般品が80℃に対しプレミアムは110℃までの耐熱性があるらしい

Super 33+、No.35、Super 88の三種類あって、最高使用温度は同じ。最低使用頻度に差があるけど今回の用途ではどうでもよし。ちなみに剥がれてしまったトラスコのは、

  • 厚み(mm):0.2
  • 粘着力:1.4N/10mm
  • 引張強度:25N/10mm
  • 使用温度範囲:-5~80℃

だそうなので、粘着力でいえばノーマルでも倍の2.8N/10mmある。逆にNo.35だと2.2N/10mmだから差は縮まる。うーん、耐熱温度と粘着力のどっちを重視するべきだろう?

あとはコスパかな?てことでAmazonの相場を調べると、

Super 33+高いなっ!さすがスペック上位。これをAMSのためだけに買うのはどうなのって気が。No.35、Super 88も数十円で買える普通のビニールテープと比べたら桁が違う。ただしトラスコの75円は10m。スコッチの3つは20m。それでも数倍の単価差かぁ。

こんなのも発見。

3M スコッチ 電気絶縁テープ 12mm×5mm EL-12

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粘着力高めの3.0N/10mmで使用温度も-10~100℃。幅がちょっと狭くて12mm(他は19mm)、長さは5m。メートル単価としてはNo.35やSuper88より割高ですがご家庭用の少量版パッケージといったところでしょうか。スプール用としてみた時に、幅が19mmだと広すぎてフィラメントを通す穴を塞いでしまうのが気になっていたので、むしろ12mmは良いのかも。お試しでこれを買ってみようかなー。もしかするとホームセンター店頭で買えば安いかも?買ったら追記します。

2024.7.26追記

上記のEL-12が届きました。なんとSuper 33+の表記が。表のスペックと多少差異がある気もしますが、テープ幅の関係?

EL-12 = Super 33+でした

とりあえず貼り直ししてみました。思ったとおり、12mmと幅が短い分、エッジに貼ってもフィラメント留めの穴を塞がなくていい感じです。その分、接着面は少ないわけなので剥がれやすさについてはなんともですかね。

トラスコのがあまり剥がれていないスプールについては、応急処置的に端っこをこんな形で止めてみました。

まぁ剥がれる時は全体に剥がれてくるので気休め程度ですが、Super 33+は単価が高いので、こういう末端処理で間に合うならそれに越したことはないかなと。

と感覚ですがやはり密閉空間であるAMSにセットしていたスプールほど剥がれがひどい印象です。乾燥剤が入ってる分多少は湿度が低く保たれているはずですが、動作時含め温度は上がりやすいんでしょうかね。その辺の違いも含めて継続ウォッチしつつ、剥がれてこないかなどレポートしたいと思います。

3Dプリンターのために3Dプリンターで部品を作る ~Bambu Lab Mods(随時追加)

3Dプリンターの面白いところは、3Dプリンター自身で部品を作れるところです。将来的に月面とか火星みたいな極地で現地の素材で材料で現地で部品をプリントすればイイジャナイみたいな研究もあるみたいです。それは極端な話としても、実際3Dプリンターが好きな人はDIYが好きなのか世界中のユーザが数多くの部品や改良パーツ(Modification = Mod)をリリースしています。3Dプリンターに食わせられるモデルデータの交換に特化した交換サイトもPrintablesとかYegiとか色々あります。特に今回購入したBambu LabはMakerWorldというサイト(自社運営?)と密接に連携しており、サイト上のダウンロードボタンのかわりに直接純正スライサーソフトであるBambu Studioに読み込んだり、スマホアプリのBambu Handyからプリンターに出力指示したりできるようになっています。またアップロードされたモデルデータが高評価(DL数?良いね数?)だとその貢献の報酬としてポイントがついて同社の公式ストアのギフト券と交換できるぽいです。

そんなこともあってかBambu Lab社のプリンター用のMODデータもとてつもない数がアップロードされています。本記事ではそんな中で「これは要る!」と思ったものを記録も兼ねて挙げておきます。いつか自分が「これ壊れたまた造形したいけどどのデータだっけ?」ってならないようにと、どなたかの参考になれば幸いです。

庫内を掃除しやすくするスロープ

X1Cは基本フィラメントくずは背面のダクトから放出されるのですが、少量はやはりエンクロージャー内に落下して次第に溜まっていきます。それを掃除するのを楽にするため、扉を開けた床面の段差をスロープ化するパーツがありました。

出力素材はPLAのマットシルバーで、いい感じに色が馴染んでくれました。他の方の2分割設計を1つにまとめたのが採用理由ですが、それ故か微妙に左右幅がピッチリで真ん中が浮いてきますので両面テープ接着必須です。

スロープの始まり(向かって奥側)が少し鋭さが足りず1mm弱の段差になってるのは、指定の0.1mm指定を見落としていたかも知れません。今度出し直してみようかな?

まだ掃除するほどくずが溜まってないですが間違いなくあった方がよいと感じます。

ゴミ箱(poop chout)

Bambu LabのX1シリーズ、P1シリーズはフィラメントの自動交換システムがあり、フィラメント交換時にノズル内のフィラメントを輩出して背面の放出口から捨ててくれます。なので、その下にゴミ受けを設置しておくのが鉄板になっています。このゴミをp〇〇p(ウ〇チ)と呼ぶそうで、poop choutやpurge bucketという名前で非常に多くのモデルが共有されています。主流は背面の放出口から左側面にスロープで転がり落ちてくるタイプのようですが、個人的にあまりサイドに張り出させたくなかったのと、多色整形をしない限りそこまで大量にp〇〇pが発生しないだろうという目算で、背面に隠れる小型のボックスを選びました。採用理由はボトムフレームが本体底部に連結する形になっており、背面が見えてない状態でボックスを再設置する時にパコっとはまるので位置決めがしやすいかなと思ったという点です。マグネットでくっつけるタイプもあったんですが、まぁ調達の手間もかからない方がいいかなと。

底フレームと本体底面との連結は一瞬持ち上げて差し込むだけで、ねじ止めなどはないので簡単ですし非破壊です。

Y字スプリッターサイドスプールホルダー

Y字スプリッターはこれまたBambu Lab製品の定番MODで、AMSからのフィラメントとそれ以外のフィラメントを入れ替えるのを楽にするパーツです。文字通りフィラメントの差込口をY字に分岐して入口を2個に増やすといったものです。もちろん同時使用はできませんが、差込口をサイドに飛び出させることで背面をゴソゴソしなくてよくなりますし、AMS側のチューブはつないだままで済みます。

なお差込部分は造形物直ではなく、継手コネクターというエアチューブをワンタッチ接続する部品を取り付けるのが習わし(?)のようです。日本のAmazonで指定サイズかつあまり入数が多くないものを見つけました。この銀色の方しか必要ないんですが、探した時点ではこれが一番安いからいっかと。

スプールホルダーはそのAMSの4つ以外のフィラメントを使う時にスプールをひっかけておくバーです。標準では背面に生える形のものが付属していますが、やはり使いづらそうなので、サイドにおけるものを選びました。これがあるのでゴミ箱は再度に出ないものにしたという経緯も。このモデルはスプールを受ける軸部分に市販のベアリングを入れるバージョンもあり、その方がスムーズに静かに回転してくれるかなと思って投資することにしました。これも海外Amazonリンクしかないので自分で日本Amazonで探しました。ちょうど二個セットで発見。

また固定には本体裏のM3ネジを外して少し長いネジに交換して共締めするので、この機会にいろいろな長さのM3ネジが入っているセットを買っておきました。

これら同士を接続するPTFEチューブも必要でした。外形が4mm、内径が2.5mmという純正使用は公式ストアに売ってますがなんと品切れ。Amazonで同じ仕様のものをゲット。純正品と比べると透明度が高い一方、固さはちょっと固い感じ。その分、少しフィラメントの通りが悪い気もします。公式サイトで再入荷したら買い直すかも。

チューブを切る際に変形してしまうとフィラメントがスムーズに通らなくなるようなので、専用カッターも購入。

新潟精機 BeHAUS 日本製 チューブカッタ TC-21

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999円(07/15 22:08時点)
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ひとつひとつはたいした値段じゃないですが、こまごまと買い物が発生しますね(楽しい)。この手の工業部品はAliExpressで探したらさらに安いんでしょうが、今回ははやく環境を構築したかったので納期優先で国内調達したというところです。安く抑えたい人はアリエクで探してみると良いでしょう。

Y字スプリッターは数あるなかからフラットなものをチョイスしてスプールホルダーに両面テープで接着。

完成状態がこちら。下の白いチューブが純正品でAMSから来るもの、上の緑のフィラメントが通っているのが今回買った社外品のチューブで、外部スプールから入れる方です。

最近お気に入りのOVERTUREのマットオレンジで造形しました。左がスプールホルダー(+Y字スプリッター)、右側は次項のプレートスタンドです。だいぶフルアーマー仕様になってきました。

2024.3.31追記: A1用ホルダーを使った引き戻し機能付ホルダー

良さげなモデルデータを見つけたので外部スプールホルダーをアップグレードしました。同じくBambu Lab製モデルのA1シリーズ用AMS(AMS Lite)のホルダーパーツを流用するというもの。

このホルダーはスプリングが入っていてフィラメントを送った後少しだけ引き戻す動作が入るっぽいのです。通常スプールホルダーをフリーでぶらさげているだけでは、勢い余って余分に送り出して最悪フィラメントが絡むことがあります。それが防止/軽減できるならいいんじゃないかと。このスプリング機構入りのホルダーをX1/P1シリーズに取り付けて使おうというもの。パーツはBambu Labの公式ストアで保守部品として購入可能です(執筆時点1,980円+送料)。取り付け方向別に緑色と黄色という選択肢がありますが、このモデルに使うには緑色を注文する必要があります。

最初に作った方のスプールホルダーと部品構成は似ていて、ねじ込みで本体に固定します。なので大きな本体側は共通でAMS Spindle Holderという棒パーツだけ出し直せばいいかなと思ってたんですが、ねじが微妙にあわずにそのままは無理でした。元の方はネジ部分だけ独立していてそこに角柱を差し込む構造だったのでこの角柱部分を切り取ってAMS Spindle Holderのネジ部分とリプレース。これで本体側は流用することができました。

とりつけた状態がこちら。スプールの固定自体にもスプリングで押し開いて固定する機構があるので、かなりしっかりと固定できます。見た目もかっこいいw

装着後まだ外部スプールを使う機会がなく評価は追々。

ビルドプレートスタンド

これもBambu LabプリンターMODとしては一大ジャンルな気がします。複数種類を使い分けることになりがちなビルドプレートの保管用スタンドです。卓上に置くもの、本体サイドに取り付けるもの、AMSや本体の下にはさむ形、ウォールマウントなどあらゆるソリューションが提示されていますが、今回は当面は最大でも3枚程度で常に1枚は本体にセットしているので、2枚保持できればいいかなと思い、スリムなこれにしました。これもゴミ箱と同じで本体底面の凸凹にあわせてはめ込む方式です。写真は左側についているのですが作者が写真を流用してあるだけのようです。きちんと右側用です。

しかしこれがどうやってもはまらない。どうもBambu Lab製品は時々サイレントに仕様やサイズがかわるらしく、今回もそれかもしれません。仕方なく固定箇所を物理で切断して、写真とは少し違う位置ですがとりつけできました。結果的に手前にきてオーライかなと。本当はFusion 360に取り込んでデータからいじればいいんですが、フィラメントがもったいないので力づくで解決。配布されてる.stlデータなどはメッシュデータといて面データにコンバートした後の状態なので、Fusion360で再編集するには変換が必要でちと面倒だったり重くなりがちだったりなので、あんまり凝った再編集はしたくないというのも。このあたり、もう少しノウハウを集めたいところ。

本体ビタ付けなので多少出し入れはしづらい面もありますが、フットプリントが小さく、倒れる心配はないのでいいかなと思います。

といっても既にプレートは2枚。あと1枚まではおけますが、それ以上増えたらまた物色ですね。

AMS用湿度計ホルダー

AMS内は乾燥剤をいれてフィラメントの防湿もできる仕組みになっていますが、きちんと湿度を保てているかをモニタリングするための湿度計をいい感じの場所に固定するホルダーです。Youtubeで3Dプリンター関連の動画を出しているかける氏の作品。

ちょうどこれ用の湿度計は以前に買ってもっていたので流用できました。4つセットなのでAMSの外側にも置いて対比してみようと思ってんですが1つしか見付からず。でも室内で30%くらいだったのが撮影時に20%、その後でみたら18%になっていたので頻繁に開け閉めしている割にはきちんと除湿できてるっぽいです。今は付属の除湿剤を入れてますが継続的に純正のを買うと高いので、後述のシリカゲルトレイを使っていく予定。

注意書きにあるように側面の壁がかなり薄く、サポート材を剥がす時に一部折れてしまいました…実害がないので放置。

トップガラスリフター

高温プレートを使う時にトップ面のガラスを開けるよう指定がありますが、上にAMSを積んでいる人はなかなかそうもいきません。そこでいくつかガラスを(AMSがズリ落ちない程度に)斜めにあけて、間にはさんで固定するパーツが提案されています。その中で、持ち手と一体化して普段は折り返しておけるタイプのものを導入。オリジナル版よりも角を丸めてあって良いのと、オリジナル版は最初から組み上がった状態で造形され外れなかったのに対し、こちらは別々に並べて造形するようになっていて良かったです。当初、下に挙げている換気用中間台をイメージしてましたが、こうして少し持ち上げるだけで済むならこれでいいかなとか。

■その他、気になっているMod

換気用中間台

X1/P1Sは素材によっては上面のガラス蓋を開けるてエンクロージャー内の温度を一定以下に保つことが推奨されています。しかしAMSが上に積んであるとそれが難しいので、このような間にはさむスタンドが考案されています(他にもAMSがズリ落ちない程度にちょこっとだけガラスを斜めに持ち上げるスペーサーなどもあります)。

かなりヨサゲですが、まだガラス開けないとなんともならない状況になっていないのと、大物で目立つので使うフィラメントや色をしっかり検討しようかなと思って保留にしています。消費フィラメントが1kgを超えているので2巻購入しなければならなかったり。すでに作ってしまったサイドパーツとあわせてオレンジはちょっと派手すぎるかなーとか、OVERTUREの段ボールスプールのフィラメントはできれば今後は避けたいなー、とかいろいろ思案してます。

シリカゲルトレイ

AMS内部には乾燥剤としてシリカゲルのバッグを入れておくスペースが2つあります。ただ使い捨てのバッグは再使用もできずコスト高いので、電子レンジ加熱で何度でも使える粒々タイプにしようと思っています。それを直接ザラザラっとくぼみに入れてしまうと取り出しが大変なので、こういうトレイが提案されています。(別途本体側の蓋があるにも関わらず)蓋付きが多い中、これは蓋無しなのと、つまんで持ち上げるための突起がついてるのがいいかなと思っています。

■まとめ

結構な部分が「なんで最初からこうなってないねん!」って気もしますが、まぁこれはこれで物色してプリントして試してってできるのも楽しいかなと。MakerWorldなんかはスマホで物色してそのままプリンターの送れるのでちょっとした隙間時間や布団の中で眺めるのもまた良しです。

今後もよさげなModを見つけたら追記していきます。

Bambu Lab X1-Carbon、三日目

ThinkPadではない方のX1-Carbon、設置三日目のレビューです。どうでもいいですが、ThinkPadは「X1 Carbon」、Bambu Labの3Dプリンターは「X1-Carbon」とハイフンが入るっぽいので、準じていきたいと思います(A1 miniはハイフン入らないんだ…)。

この三日でかつてないペースでプリント(造形)しています。次々できあがるので楽しいというのと、Bambu Labのプリンターは有志によるModパーツが豊富で、MakerWorkdやPrintableを眺めてるだけで「お、これは便利そうじゃん」っていうモデルデータが見つかり、あれもこれも、となります。それらはまた別記事にまとめたいと思います。

とりあえずしばらく使ってみての印象としては、

  • キャリブレーション中以外はそこまでうるさくない
  • 糊はやっぱりめんどくさい
  • AMSでやたらひっかかるサードパーティスプールがある

など。

■騒音について

ファーストインプレではメチャメチャうるさいようなことを書きましたが、実施にうるさいのは最初のキャリブレーション中。振動による影響を抑えるためかこのプロセスであえてエクストルーダーを高速振動させるフェーズがあってそこがめちゃめちゃうるさいです。なにかの不具合かとビビるレベル。X1Cのキャリブレーションはベッドレベリングとかいくつかあるっぽいですが、それぞれどれくらいの頻度でやるべきかがあんまよくわからず。ベッドレベリングはプラットフォームが水平になっていることを確認するプロセスですが、設定条件は毎回そんなに違うわけではないので、そんなに頻繁でなくてもいいのかなと思います。厳密にはビルドプレートを付け外ししたら微妙な差は出るのかも知れないですが。MagicianXの時は気が向いた時って感じだったかな。月イチくらいではやってた気がします。ただX1Cの場合は造形前のチェックボックスでやるかどうか決めるって感じで、実施後にそのまま造形に進んでくれるのが便利。Magicianでは完全に別の操作で、改めて造形開始の操作をしにプリンターの前までいかないといけなかったので。

自在にフィラメントを出して造形している時の音は、速い分Magician Xより大きいんですが、エンクロージャーに囲われていることもあってそこまで耳障りではない気がしてきました。ノイキャンヘッドフォンをするほどではないかなと。ただ細い領域を塗りつぶすような高速な往復動作をするような場面ではそれなりに作動音も高まります。

まとめると、うるさいのは造形スタート時のキャリブレの数分間。設定でどこまでスキップしていくかの詰め方かなと思えて来ました。

■糊について

せっかく付属してきたり、公式にも使うことをプッシュされているので試しに1本使い切るまで使ってみようとやってます。やはりビルドプレートは汚れるので、造形後の写真撮るのに映えとしては微妙…

ただ塗ってるおかげか今のところ1層目の剥がれは一度もありません。逆に造形後にビルドプレートから剥がすのが大変はほど。新しくヘラを購入しました。

井上商会 INOUE カーボンはがしヘラ 40mm 17041

井上商会 INOUE カーボンはがしヘラ 40mm 17041

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今まではカーボン強化ヘラを使ってましたが(というかほぼ出番なかったですが)、金属製で幅も広くしてみました。

曲斜刃という文字通り途中でブレードが曲がっていて、より水平に刃を差し込みやすい形状のものにしてみました。製品名はコレ↓なんですが、写真が曲がってるように見えないので違うものが届いたらごめんなさい。お近くにコーナン店舗があればそちらを探してみた方がよろしいかと思います。

やはり糊を何度も塗っていると厚みが不均一になってきて見た目が悪いのはもちろん、精度的にも心配になってくるので定期的に洗浄、清掃が必要になってきます。とりあえずスプレーボトルに無水エタノールを入れて常備したのと、いちどキッチンにもっていって中性洗剤で洗ってみました。上記ヘラでこそげるように落とすとピッカピカに。公式でOKとなっている無水エタノールはそこまで劇的には落ちなかったような。もしかしたらイソプロピルアルコール(IPA)だと違うかな?

洗った後は一度だけ液体のり(写真の緑のボトル)も使ってみました。塗りやすさはこちらの方がダントツに楽だし、凸凹も生じにくい気がします。高いだけある。今後塗り重ねていった時の様子次第ですが、今後買うなら液体のりかなと。

■ビルドプレートについて

Magician Xで使ってなかった糊を使うようになったのは、別段X1Cの短所というわけではなくて、テクスチャードPEIプレートではないからですね。Magician Xは標準のガラスプレートが速攻で定着しなくなったのでPEIプレートに買い換えて以降ずっとそれを使ってました。接面のシボのような模様を気にしないなら糊が不要で簡単にはがれるテクスチャードはやはり楽だったんだなと実感。ファーストインプレで「当面テクスチャードはいいや」って書きましたが、ちょっと気が揺らいで来てます。見えない場所に使う部品とかは別にテクスチャードでもいいので、やっぱ買っておこうかな?とか。

高温プレートはまだ封印してます。常温プレート/エンジニアリングプレートをもう少し噛みしめてからで。

PETGを使うのでエンジニアリングプレートを使いましたが、やはり多少剥がしやすかった気がします。PLAもこっちでいいんじゃ?と思うものの、Bambu Studioで警告が出るので試してません。ただ糊を塗ったプレートを裏返しながら使うと、プラットフォームに汚れが移っていくのが抵抗あります。簡単に外して洗えないパーツなので。やはり片面で万能に使えるプレートがあれば移行していきたいなと。

■タッチパネルは使わない?

ミドルグレードのP1Sと一番迷った点であるタッチパネルですが、やはりそこまで使用頻度は高くないかもなとorz。造形指示は当然モデリングをしていたPCから流れで行いますので、本体操作は不要です。タッチパネルは完了後に「異常はなかったかい?」みたいなダイアログが出てるのを閉じてるくらい(これすら実際には不要)。「あれー」という感じです。

ただ、まだちょっとできるかどうかわかってないですが、あらかじめ造形データだけをX1Cの内蔵ストレージに送り込んでおけるのであれば、造形待ちのものを送っておいて、あとは本体タッチパネル操作で開始キューを出せるといいかもなとは思ってます。プレートのお掃除などは本体前に行く必要があるので、「PCで出力設定→本体前にいってプレート準備→PCに戻ってスタートボタン」みたいな行程を踏んでるのが楽になるんじゃないかと。

出力したものが本体メモリの中に残っているのはわかるんですが、データだけ先にまとめて送っておくことができるや否や?

同日追記:内蔵ストレージではなくmicroSDカードですが、Bambu StudioからWi-Fi経由でデータだけ送っておくことはできました。通常「造形開始」となってるボタンの脇の矢印からプルダウンで「送信」を選ぶとボタンが「送信」になるので、それをクリックで造形開始することなくデータだけ(本体にささった)microSDにコピーできます。試してないですが「エクスポート」はSDがPCに刺さっている時にローカル保存するんでしょう。

これができるのであれば、造形予定のものを先んじてSDカードに送っておくことで、後の操作はPCレスで本体前で完結できます。何度も同じものを造形する場合はいったん送信しておいて本体側で出力するのがヨサゲですね。たぶんP1シリーズでもできるんでしょうがファイル名で見分けなければならず、その不便さはMagician X時代に感じていたので、やっぱりタッチパネル機にしてよかった、うむうむ(自分を納得させる)。

なお本体側での造形指示をする時にAMS内のフィラメント指定だけはできるっぽいです。

あとSD上にあるデータをBambu Studioから造形開始することももちろんできます。

ちなみにこのタッチパネル、結構指紋が目立つ気がします。毎度お世話になっているPDA工房さんに預けて防指紋フィルム作ってもらおうかな?タッチパネルだけ取り外せるけど、外したままPC操作で使えるのかな?数日とはいえ付かないと不便だし。

■AMSのフィラメント送りが絡む問題

OVERTUREのPETGフィラメントがやたら絡んで、「モーター過負荷」エラーが頻出して造形が止まってしまうことが多発。ひどいと数分置きにでて本体前を離れられないことも。

もともとOVERTUREのフィラメントはスプールが段ボール製なのでそのままではAMSがサポートしていません(樹脂製と摩擦が違うので正しく回転させられない)。そこで、こういったMODパーツを造形してスプール外周に取り付けているんですが微妙。n周目の巻がn+1周目のフィラメントに上から抑えられるみたいになって引っ張っても進んでいかないみたいな状態になります。ただ手の力でグイっと回してやるとバチっと外れて進んでいくので、本当に絡んでるわけではなさそうで謎。

最初、スプールの外周が増えてギリギリAMSの蓋に干渉してきちんと回ってないのかも?と思って、蓋を開けっぱなしにしてみたんですが、完全には解消せず。

フィラメントが減ってくると軽くなって送りローラーとの摩擦が弱くなって正しく送れなくなることがある、という海外掲示板の書き込みもみて、中心の穴に液体のりのボトルを置いてみたけどあんまし。

同じOVERTUREのマットPLAだと起きないので、OVERTUREかつPETGの問題か、はたまた巻の質が悪いロットなのか。いずれにせよなんとかこれを使い切ったらなるべく紙製スプールのフィラメントは避けていきたいです。ただOVERTUREは色も多いしお値段もお手頃なので悩ましい。いま使ってるマットオレンジは良い色出し。この外周リングの他に、樹脂スプールにまるっと移植するという手もあるし、AMSを使わないという方法もあるので、それらも検討しつつベストな解を探っていきたいです。外部スプールホルダーは標準では本体背面にとりつける形で不便そうなのでつけておらず、今後サイド取り付け型のホルダーとAMSとの切り替えを楽にするY字スプリッターを導入すべく必要パーツを揃えているところです。

2024.03.23追記:

写真のスプールリングですがやはりイマイチな気がしてきました。空回りしていることがあるのと、AMSの上蓋が微妙に閉まりきらないのが理由です。AMS内はフィラメントが湿気らないように乾燥剤をいれてあるんですが、密閉してなければ意味がありません。ということは蓋の内側が擦れて傷になるんじゃ?と思ったんですが、今のところ目立つ跡はありません。ただリング側の外周は黒ずんで来ていますので、どこかには擦れてるんでしょう。

やはり紙製スプールはプラ製のものにつけかえるか、AMSを使わずに外部供給するしかなさげ。

■まとめ

社外品のフィラメントで若干のトラブルはありますが、全体としては非常に満足度高くて楽しく造形できています。より安定、安心して使って行くには純正フィラメントを使い、各種ビルドプレートを正しく使い分け、のりは液体を使い、と公式ストアの買い物が捗る商品だなという印象w。ノズルも一般的な先端だけ交換可能な方式ではなく、ホットエンドというもう少し大きな単位でまるごと交換、みたいな仕組みなので、サイズ取りそろえるとお金かかりがち。なんだかんだで純正パーツを買わされるなって…

社外品でノズル交換可能なホットエンドパーツも出るっぽいので、それもアリかなぁ。品質が同等ならですが。

BambuLab製3Dプリンターのビルドプレート使い分けメモ

新たに導入した3Dプリンター、BambuLab X1-Carbonの関連記事です。

たくさんあってどれ使えばいいやら…

ビルドプレートは標準では「常温プレート」(=Cool Plate)/「エンジニアプレート」のリバーシブルなものが付属してきます。その他に別売りで「高温プレート」(=High Temprature Place)、「両面スムーズ PEI プレート」「両面テクスチャード PEI プレート」などがあります。これらは一長一短あってややこしいです。

  • 使える素材
  • 糊の必要/不要(素材毎に異なる)
  • 天面のガラス蓋の開放の要/不要
  • 耐久性
  • 表面にPEIシートが貼ってあるものとそうでないもの(貼り替え可能)
  • 表面がテクスチャード(ザラザラ)なものとフラットなもの

といった観点があります。見やすい一覧表みたいなものが見当たらず、ビギナーは混乱しますね。以下、自分の気になる点をまとめておこうと思います。

TPU、ABSも視野には入れつつ、主にPLA系、PETG中心で眺めてます。あとAMSがあるので、天面ガラス開けはしんどいなということでデメリットとして考えてます。手前を持ち上げて隙間をあけるMODパーツがあるようなので、それで足りるならそこまで気にしなくていいかもですが…。また業務で毎日ゴリゴリ造形するわけではないので、耐久性はコスパはそこまで優先度が高くないと思っています。そんな視点でグリーンは長所、ピンクは短所、注意点な感じでハイライトしておきます。

常温プレート&エンジニアリングプレート

標準付属品で裏表で2種類の異なる特性をもったプレート。約4千円。

英語ではCool Plateですが日本語では常温なんですね。PLAでも糊が必要。またPETGやABSなど高温素材は不可でその時は裏返してエンジニアリングプレートを使ってねと。

エンジニアリングプレートについては商品説明が少なくメリデメが不明です。手触りは常温側よりはわずかに粗いですが、テクスチャーというほどではなく。ABSやPETGも対応。糊はなくてもダメージにはならないが、剥がしやすさの面では推奨だそうです。また剥がす時は10分ほど冷まし、鋭いスクレーパーを使ってくれと書いてありますね。ガラス開けの要不要が不明。常温プレートの説明が「エンジニアリング プレートまたはテクスチャード PEI プレートより耐久性が低い」となっているので、非テクスチャードの中では耐久性があるという感じ?

常温プレートは「優れた接着性とモデル剥がしも容易」とはありますが、たぶんこれといった大きな優位点がなく、良くも悪くも標準付属品の並グレードということなのかなと理解しました。PLAを常温側、それ以外はエンジニアリング側と使い分けは必要だけど、一応1枚でマルチに対応できてガラス開けも不要という平均的、汎用的な位置づけなんじゃないかと。付属品にはピッタリ?

エンジニアリング側の平滑度がいい感じに低いので、糊なくても剥がれやすくてガラス開けも不要なら普段使いにはベストになり得るかも?

高温プレート

お値段は常温&エンジニアリングプレートよりちょっと高い約5千円ほぼ同じながら、表面シートだけを3千円弱で貼り替え可能。

対応素材が多いのが特徴。常温&エンジニアリングプレートのように素材で裏表使い分けなくて良い点はシンプル。ただしよく使うPLAで糊「お勧め」(「はい」よりは弱い表現)、ガラス開けも必要なのが惜しい。ただYoutube動画をみていると塗らなくて平気、温度設定を下げればガラス開けもしなくてOKという声もあったので買ってみました。それが本当ならこれ1枚でマルチに使えそうかなと。やや耐久性は低いぽいがシート貼り直しができる点もコスパでは有利?

2024.3.26追記:

高温プレート使ってみました。低温プレートはかなりガッチリ貼り付いて造形物の取り外した大変だったのと比べると、剥離性はとても良いです(液体糊あり)。ただ文字通り温度高めで造形するせいか、動作中のファンの音がかなり大きくなります。ガラス開けしてもしなくても明らかに低温プレート使用時よりうるさいです。

両面テクスチャード PEI プレート

テクスチャードというのは文字通り表面がザラザラしているタイプ。MagicianXでも別売りで愛用していました。造形物が剥がれやすく糊の必要性が低い(TPU以外)のがメリットですが、その分、造形物の底面にザラザラが転写されてしまいます。普段触れたり目にしたりしないような用途ならそこまで気にならないんですが、やはり「3Dプリンターで作った」感はあります。

またX1-Carbonとの相性でいうと、LiDARセンサーでの検知時に影響があるぽいのと、PLAでもガラス開けが必要なのが微妙。当面は使わない方向で考えています。

2024.4.2追記:未確認ですが、ファームウェアアップデートでテクスチャードプレートでもLiDARセンサー使えるようになったとか。日本の公式サイトが更新を怠ってるらしい。

2024.8.7追記:公式ストアの送料無料条件に届かせるために買ってみました。もっとも愛用しているスムーズPEIプレートだとPETGなどが割とガチっとくっついてしまうので、底面に模様ついても構わないものはこちらを使おうかなと。あとASAも使ってみることにしたので、そちらで糊不要なのもいいなと思って同時に買いました。Bambu Studioのプレート選択メニューに「テクスチャード」というのがなく、単に「PEIシート」というのがあるのみですが、消去法的にこれなんだろうなぁ。

両面スムーズ PEI プレート

非テクスチャードの中でも特に平滑度が高いものがスムーズのようです。表面はPEIシートになっていて、PLAなら糊が不要だがそれ以外では必須仕上がりの質感はヨサゲですが、造形後に数分覚ましてから剥がさないと損傷するとか定期的に洗剤と水でクリーニングが必要などデリケートさがあります。ABSなど反りやすい素材で大きなプリントをしても反りにくいんだとか。お値段も純正の中ではもっとも高い(6千円超えで1.5倍ほど)。天面ガラス開けの指示もないし、普段使いのPLAでは扱いだけ気をつければ楽そう。しまった、これ買っておけば良かったかな?

こうして整理してみると、PLAメインなら「両面スムーズPEIプレート」は1枚持っておいても良かったなぁという感じ。本体とセットで割り引かれるセールやってたので買えば良かった。ただ公式見解はさておき使っている人の声では「高温シート」でもそこそこマルチに使えそうなので、まずはそっちを失敗覚悟で活用してみる感じかな。両面スムーズはセールとかあったら買ってみよう。

2024.4.18追記:

「両面スムーズPEIプレート」が再入荷していたので買ってみました。現時点では最高です。PLAで使う分には糊塗らなくても平気。剥がれもないし、定着しすぎて剥がれない、ということもない。また高温プレートほどファンがやかましくなることもなし(ちなみにBambu Studio上では高温プレートとスムーズPEIプレートは設定は共通、でもあきらかに高温プレートの方がファンがうるさい気がします)。「冷ましてから剥がす」という指示だけ守れば、底面も綺麗だし最高。糊を塗らないのでプレート表面は綺麗なまま。寿命はわかりませんが両面使えるので、片面がエンジニアリングプレートになる常温プレートや高温プレートよりも実質コスパも悪くないんじゃないかと思います。公式サイトには天面開けについて指定はないですが、画面ではドアをあけるよう表示が出ます(PLA)。

連続で造形したくて冷ます時間が惜しい時のために、これをもう1枚買って交互に使うのが究極な気がしてきました。少なくともPLAメインならそれでよさげ。

あとは常温プレートや高温プレートを推奨を無視して糊無しで使ってみてどうかなというところも気にはなります。スムーズPEIプレートがあれば最悪常温/高温はダメになってもいいので試してみようかな?両者とも造形後の剥がしが大変(特に常温)なんですが、これが糊がなかったらどうなんだろうというところなんだと思います。

現状まとめ(PLA想定)

公式糊指定剥がしやすさファン音
常温プレート必要悪い静か
エンジニアリングプレート
高温プレート推奨やや悪いうるさい
スムースPEIプレート不要良い静か
テクスチャードPEIプレート不要とても良い静か

エンジニアリングプレート(常温プレートの裏面)はまださほど使ってないので空欄にしときます。底面のフラットさはどれもテクスチャードほどではないですが、糊を重ね塗りするとどうしてもガタガタしてくるので定期的に洗浄が必要になります。その意味でも糊を塗らなくて良いスムーズPEIはスムーズさを維持しやすくもあります(ただし定着力が落ちてきたら要洗浄やヤスリがけとある)。

あとサードパーティのプレートなんかも結構出てて、あえて模様をつけるみたいなのも面白そうかなと思っています。

なんやかんやでビルドプレートは枚数が増えそうで、スタンドとかもモデルデータがたくさん公開されているので、そのうち用意しないとです。

こんだけややこしいと、できればプリントしようとしてる素材に応じて、「このプレートがオススメ、糊塗れよ、ガラスあけろおよ」と都度画面にガイドを出してほしいものです。

一応、プレートとフィラメント素材のアンマッチングがある場合、こういう警告が出るみたいです。日本語UIにしていても現状まだここは翻訳されてないみたいですね…

内容的にも、糊やガラス開けについての指示は含まれてないようです。