BambuLab製3Dプリンターのビルドプレート使い分けメモ

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新たに導入した3Dプリンター、BambuLab X1-Carbonの関連記事です。

たくさんあってどれ使えばいいやら…

ビルドプレートは標準では「常温プレート」(=Cool Plate)/「エンジニアプレート」のリバーシブルなものが付属してきます。その他に別売りで「高温プレート」(=High Temprature Place)、「両面スムーズ PEI プレート」「両面テクスチャード PEI プレート」などがあります。これらは一長一短あってややこしいです。

  • 使える素材
  • 糊の必要/不要(素材毎に異なる)
  • 天面のガラス蓋の開放の要/不要
  • 耐久性
  • 表面にPEIシートが貼ってあるものとそうでないもの(貼り替え可能)
  • 表面がテクスチャード(ザラザラ)なものとフラットなもの

といった観点があります。見やすい一覧表みたいなものが見当たらず、ビギナーは混乱しますね。以下、自分の気になる点をまとめておこうと思います。

TPU、ABSも視野には入れつつ、主にPLA系、PETG中心で眺めてます。あとAMSがあるので、天面ガラス開けはしんどいなということでデメリットとして考えてます。手前を持ち上げて隙間をあけるMODパーツがあるようなので、それで足りるならそこまで気にしなくていいかもですが…。また業務で毎日ゴリゴリ造形するわけではないので、耐久性はコスパはそこまで優先度が高くないと思っています。そんな視点でグリーンは長所、ピンクは短所、注意点な感じでハイライトしておきます。

常温プレート&エンジニアリングプレート

標準付属品で裏表で2種類の異なる特性をもったプレート。約4千円。

英語ではCool Plateですが日本語では常温なんですね。PLAでも糊が必要。またPETGやABSなど高温素材は不可でその時は裏返してエンジニアリングプレートを使ってねと。

エンジニアリングプレートについては商品説明が少なくメリデメが不明です。手触りは常温側よりはわずかに粗いですが、テクスチャーというほどではなく。ABSやPETGも対応。糊はなくてもダメージにはならないが、剥がしやすさの面では推奨だそうです。また剥がす時は10分ほど冷まし、鋭いスクレーパーを使ってくれと書いてありますね。ガラス開けの要不要が不明。常温プレートの説明が「エンジニアリング プレートまたはテクスチャード PEI プレートより耐久性が低い」となっているので、非テクスチャードの中では耐久性があるという感じ?

常温プレートは「優れた接着性とモデル剥がしも容易」とはありますが、たぶんこれといった大きな優位点がなく、良くも悪くも標準付属品の並グレードということなのかなと理解しました。PLAを常温側、それ以外はエンジニアリング側と使い分けは必要だけど、一応1枚でマルチに対応できてガラス開けも不要という平均的、汎用的な位置づけなんじゃないかと。付属品にはピッタリ?

エンジニアリング側の平滑度がいい感じに低いので、糊なくても剥がれやすくてガラス開けも不要なら普段使いにはベストになり得るかも?

高温プレート

お値段は常温&エンジニアリングプレートよりちょっと高い約5千円ほぼ同じながら、表面シートだけを3千円弱で貼り替え可能。

対応素材が多いのが特徴。常温&エンジニアリングプレートのように素材で裏表使い分けなくて良い点はシンプル。ただしよく使うPLAで糊「お勧め」(「はい」よりは弱い表現)、ガラス開けも必要なのが惜しい。ただYoutube動画をみていると塗らなくて平気、温度設定を下げればガラス開けもしなくてOKという声もあったので買ってみました。それが本当ならこれ1枚でマルチに使えそうかなと。やや耐久性は低いぽいがシート貼り直しができる点もコスパでは有利?

2024.3.26追記:

高温プレート使ってみました。低温プレートはかなりガッチリ貼り付いて造形物の取り外した大変だったのと比べると、剥離性はとても良いです(液体糊あり)。ただ文字通り温度高めで造形するせいか、動作中のファンの音がかなり大きくなります。ガラス開けしてもしなくても明らかに低温プレート使用時よりうるさいです。

両面テクスチャード PEI プレート

テクスチャードというのは文字通り表面がザラザラしているタイプ。MagicianXでも別売りで愛用していました。造形物が剥がれやすく糊の必要性が低い(TPU以外)のがメリットですが、その分、造形物の底面にザラザラが転写されてしまいます。普段触れたり目にしたりしないような用途ならそこまで気にならないんですが、やはり「3Dプリンターで作った」感はあります。

またX1-Carbonとの相性でいうと、LiDARセンサーでの検知時に影響があるぽいのと、PLAでもガラス開けが必要なのが微妙。当面は使わない方向で考えています。

2024.4.2追記:未確認ですが、ファームウェアアップデートでテクスチャードプレートでもLiDARセンサー使えるようになったとか。日本の公式サイトが更新を怠ってるらしい。

両面スムーズ PEI プレート

非テクスチャードの中でも特に平滑度が高いものがスムーズのようです。表面はPEIシートになっていて、PLAなら糊が不要だがそれ以外では必須仕上がりの質感はヨサゲですが、造形後に数分覚ましてから剥がさないと損傷するとか定期的に洗剤と水でクリーニングが必要などデリケートさがあります。ABSなど反りやすい素材で大きなプリントをしても反りにくいんだとか。お値段も純正の中ではもっとも高い(6千円超えで1.5倍ほど)。天面ガラス開けの指示もないし、普段使いのPLAでは扱いだけ気をつければ楽そう。しまった、これ買っておけば良かったかな?

こうして整理してみると、PLAメインなら「両面スムーズPEIプレート」は1枚持っておいても良かったなぁという感じ。本体とセットで割り引かれるセールやってたので買えば良かった。ただ公式見解はさておき使っている人の声では「高温シート」でもそこそこマルチに使えそうなので、まずはそっちを失敗覚悟で活用してみる感じかな。両面スムーズはセールとかあったら買ってみよう。

2024.4.18追記:

「両面スムーズPEIプレート」が再入荷していたので買ってみました。現時点では最高です。PLAで使う分には糊塗らなくても平気。剥がれもないし、定着しすぎて剥がれない、ということもない。また高温プレートほどファンがやかましくなることもなし(ちなみにBambu Studio上では高温プレートとスムーズPEIプレートは設定は共通、でもあきらかに高温プレートの方がファンがうるさい気がします)。「冷ましてから剥がす」という指示だけ守れば、底面も綺麗だし最高。糊を塗らないのでプレート表面は綺麗なまま。寿命はわかりませんが両面使えるので、片面がエンジニアリングプレートになる常温プレートや高温プレートよりも実質コスパも悪くないんじゃないかと思います。公式サイトには天面開けについて指定はないですが、画面ではドアをあけるよう表示が出ます(PLA)。

連続で造形したくて冷ます時間が惜しい時のために、これをもう1枚買って交互に使うのが究極な気がしてきました。少なくともPLAメインならそれでよさげ。

あとは常温プレートや高温プレートを推奨を無視して糊無しで使ってみてどうかなというところも気にはなります。スムーズPEIプレートがあれば最悪常温/高温はダメになってもいいので試してみようかな?両者とも造形後の剥がしが大変(特に常温)なんですが、これが糊がなかったらどうなんだろうというところなんだと思います。

現状まとめ(PLA想定)

公式糊指定剥がしやすさファン音
常温プレート必要悪い静か
エンジニアリングプレート
高温プレート推奨やや悪いうるさい
スムースPEIプレート不要良い静か

エンジニアリングプレート(常温プレートの裏面)はまださほど使ってないので空欄にしときます。底面のフラットさはどれもテクスチャードほどではないですが、糊を重ね塗りするとどうしてもガタガタしてくるので定期的に洗浄が必要になります。その意味でも糊を塗らなくて良いスムーズPEIはスムーズさを維持しやすくもあります(ただし定着力が落ちてきたら要洗浄やヤスリがけとある)。

あとサードパーティのプレートなんかも結構出てて、あえて模様をつけるみたいなのも面白そうかなと思っています。

なんやかんやでビルドプレートは枚数が増えそうで、スタンドとかもモデルデータがたくさん公開されているので、そのうち用意しないとです。

こんだけややこしいと、できればプリントしようとしてる素材に応じて、「このプレートがオススメ、糊塗れよ、ガラスあけろおよ」と都度画面にガイドを出してほしいものです。

一応、プレートとフィラメント素材のアンマッチングがある場合、こういう警告が出るみたいです。日本語UIにしていても現状まだここは翻訳されてないみたいですね…

内容的にも、糊やガラス開けについての指示は含まれてないようです。

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