3キーでカスタマイズ可能なマクロキーパッドKeybow miniを組んでみた

ElgatoのStream Deckや以前私が作ったAZ-Macroをみて、同居人もマクロキーパッドが欲しそうだったのでプレゼントすることにしました。

マクロキーパッドとは、特定のキーコンビネーション(含む単一キー入力)を入力できる小型のキーボード装置のことです。Ctrl+Alt+F4みたいな複雑なキーボードショートカットを押すかわりに1ボタンで同等の操作を完結できるものです。たまにキーボードの上の方にメディア操作ボタン(再生、停止、スキップ、ミュートなど)がついているPCがあると思いますが、あぁいうのの外付け版みたいな感じですね。昨今、テレワークや配信ブームでマイクやカメラのミュート操作なんかを簡単にしたい、みたいな文脈で注目が高まっている感があります。

で、同居人のニーズとしては「ネットショップの出荷作業の際に、注文管理サイトの未出荷オーダーの一覧画面に一発で戻るボタン」という感じ。マウス数クリックのことではありますが、連続して何十件も処理する時に少しでも効率化できたら、という感じでした。

基本1ボタンで済むのですが探してみても1ボタンのマクロキーパッドというのは見つかりませんでした。もっとも少なかったのはこちらのZoomでマイクとカメラをミュートにできる2ボタンのもの。

しかしこれはMac用とWindows用が別製品になっている。つまり送出できるキーボード入力がハードコーディングされていて変更不可であるということです。カスタマーQ&Aに「私たちはあなたのためにプログラムを編集し、あなたにそれをカスタマイズさせることができます。 自分で設定したい場合は、お問い合わせください。」という返答があるので、なんらかの手段はありそうですが仕様がはっきりしないのでスルーしました。

ちなみにマクロキーパッドや自作キーボードの多くはProMicroという制御基板がデ・ファクトになっていて、これだとUSB経由で設定ファイルを書き込んでキー出力をカスタマイズすることができます。最近はBluetoothキーボードになる互換ボードもあるようです。

私が以前組んだAZ-MacroはProMicroを使わず、独自実装のようでした。設定もWebブラウザからできて扱い易かったです。

さて、今回購入したのはこちら。

1ボタンも2ボタンもいいのが見つからず3ボタンで落ち着きました。アドレサブルRGB LEDがついていて3キー独立で好きな色に光らせることができます。

制御ボードしてなんとRaspberry Pi Zeroを使います。

別売りなので総額はややお高めになります。一番安いスイッチサイエンスは売り切れていたので秋月電子で購入しました。Wi-Fi/Bluetooth機能はいらないので、Zero W/WHである必要はないですが、オスのピンヘッダーが必要なので、最初から装着されているWHが良いかも知れません。

あとはRaspberry Pi ZeroのOSをインストールするmicroSDカード。容量は全然いらないのでこちらの16GBをチョイス(実際には8GBでも4GBでも余裕なので手持ちがあればそれでOKだと思います)。

Raspberry Pi Zeroを使う難点としてはOSの起動に時間がかかる点。PC/MacからのUSB給電で起動し、キーが反応するようになるまで10~15秒ほどかかります。スリープ中でもUSB給電している機種/設定ならあまり気にしなくても良いかも知れません。

ちなみに起動後はオンメモリで動くので、いきなり電源をブチ切ってもSDカードのデータが壊れたりはしないとのことです。

キーユニットやキーキャップはバラバラで送られてきますが、ハンダ付けは要らず、差し込み、ハメ込みのみで完成します。購入時キーユニットがカチカチと静音タイプが選べましたがなぜか2,000円くらい差があったのでカチカチにしました。今は同額のようです。汎用品だしハンダ付けもしないので、その気になればキーユニットもキーキャップも交換できるでしょう。

接続ケーブルはRaspberry Pi Zero側のUSBはmicro B、PC側はAコネクタなケーブルが付属。USB Type-CのMacBookやPCの場合は別途変換アダプタ、ハブをかますか、ケーブルを買い直す必要があります。

■カスタマイズ方法がやや面倒くさく、日本語キーボード環境では問題あり

Raspberry Pieとか聞くとLinuxの知識がないといじれないんじゃ?と思われるかも知れませんが、本製品はそこら辺の知識は基本必要ありません。公式からOSファイルをダウンロードしてzip解凍した中身をSDカードにまるっとコピーします。そしてその中にあるテキストファイル形式の設定ファイルをエディタで編集するだけです。ただその記述方法は多少はプログラミング的な考え方が必要ですし、ドキュメントが公式サイトの英語のものしか見つからないのでそこは多少覚悟が必要かも知れません。

また

  • SDカードをPC/Macにマウント
  • 設定ファイルを書き換え
  • SDカードをアンマウントしてKeybow本体に差し替え
  • 起動に10~15秒待ち
  • キーを押してみて動作確認
  • 電源を落としてSDカードを抜く

の繰り返しになる設定プロセスはかなり面倒です。トラブルなくいけば数回で済むことですが、私はハマって試行錯誤をすることになったのでかなりストレス。

なにに困ったかというとMacで日本語キーボード環境だとキー配列に互換性がないため、意図した文字が送出されない、という点です。本製品は基本的に英語キーボードして動作します。しかしOS側でこれを日本語キーボードだと認識しているおかしなことになります。Macの場合、初めて接続したキーボードに対しては自動的にウィザードが起動して設定できるわけですが、そのステップとして「左右のShiftキーの隣にあるキーを押せ」というステップがあります。このキーが存在しない為、ここを突破できないのです。マニュアルでキーボード個別に配列を変更する箇所は発見できませんでした。標準キーボードともども英語配列設定にすれば問題ないのですが、、、多分Windowsならデバイスマネージャーでキーボード別にドライバ選択で使い分けられる気がします。もしかしたらGUIにこだわらなければMacでも設定できるかも知れませんし、これを書きながら、「一旦Shiftキー隣のキーを割り当ててやればよくね?」とも思いましたが試していません。

で、OS側での認識が日本語キーボードのままで例えば「所定のテキストを送信する」という

みたいな設定をしたとしても、「:」や「_」といった日本語キーボードと英語キーボードでキーの位置が違うような記号は正しく送られていきません。あくまでUSBキーボードなのでテキストを転送するのではなく、キーストロークに分解して1文字ずつ送信しているっぽいからでしょう。
ドキュメントも基本的なカスタマイズしか記載されておらず、キーコードを定義するところは見よう見まねで試行錯誤するしかありません。これには16進数のUsage IDというのを使います。こちらの表がわかりやすいですが、例えば左F1キーは10進数で58のところにあり、16進数なら0xをつけて0x3Aを指定します。実際に定義ファイルkeybow.luaをみると、

keybow.F1 = 0x3a

という定義行があります。

では「:」が「+」になってしまう問題を考えます。英語キーボードではShiftキーを押しながら「;」で「:」です。「;」キーのUsage IDは0x33です。実際に「:」を送信するよう設定をすると、日本語キーボード環境では(一番右のJISの列)では「;」のUsage IDは同じ0x33なものの、Shiftコンビネーション時の出力は「+」となっているのがわかります。

逆に辿るとJISで「:」は0x34であり英語では「’」だとわかるので、

keybow.text(“https’//”)

でいけるんじゃないでしょうか(未検証)。私は

keybow.semicoron_jp = 0x34

のように定義を追加しました。とりあえずこれを使ってコロンは出せました。

しかしこれで全て解決とはいかず。今度は同じ方法で「_」を出すために、日本語キーボードで右シフトの左にある「\_ろ」のキーに相当するキーコードを定義してみます。キー名は「International1」であり、Karabinar Elementに付属のEvent Viewerでも確認できます。

keybow.backslash_jp = 0x87

これで「\」が出てくれればShiftキーと一緒に送出するだけです。しかしこれは上手くいきません。原因は不明ですが、International1-9は英語キーボードに相当するキーがない(表でN/Aとなっている)ので、KebowのOSでも動作対象外となっているのかも知れません。「:」が出せたので考え方は間違ってないと思うのですが、これ以上はお手上げ。公式サイトに問い合わせるしかなさそうです。

ちなみに同じファイルkeybow.luaの冒頭にこういう定義あって、

どうやらこれを書き換えればShiftキー押しながら書くキーをタイプした時の挙動をカスタマイズできそうなんですが、エスケープ(\)されたものとかあって後半のキーまできっちり合わせるのが大変そうで手を付けていません。Shift+9くらいまでならこれでもどうにかなるかも知れません。一般には\tがタブ、\nは改行だと思うんですが、\bがバックスペースで\aは警告音??Shift+TABとかShift+BSが警告音になっちゃうってこと??みたいな。どっかにフルドキュメントないんかな…

■結局記号付きの文字列送出はほぼ諦めた

上述のように1つ設定を書き換えてはSD差し替えてブート待ちして、というサイクルが面倒くさすぎて心が折れました。結局使用者の利用シーンを聞き取りして、記号文字「_」の送出はしなくて良い形でまとめました。参考とバックアップの為に今回の納品設定を晒しておきます。layoutsファイルにあるKeybow mini用のテンプレートmini.luaをコピーしてmy_mini.luaなどを作り、ルートにあるkeys.luaの2行目で呼び出せばOKです。「– 」で始まる行はコメントとして認識されるぽいですが、2バイト文字(日本語)があっていいかは不明です。ここでは可読性を優先して日本語でコメントを追記しておきます。

以上、かなり単純な操作に落とし込みました。URLをキーボードから送り出すのは諦めて、使っていなかったホームボタンに指定URLを登録し、単にそれを呼び出すだけにしました。
また所定のアプリ起動はSpotlightを使ってアプリ名で検索して起動するアプローチになるんですが、デフォルトのCommand + SpaceはIME切り替えに使っていたので、OS側での呼び出しショートカットもF5にした上であわせています。標準ショートカットの場合はsnippets/mac_snippets.lusに関数が定義されているのでそれを使ってもいいかも知れません。

■PC側のツールでどうにかするアプローチ

今回はセットアップ先が自分のPCではなかったので、極力常駐ものを増やすのは避ける方針でいきましたが、AutoHotKey(Windows)やKeyboard Maestro(macOS)などのユーティリティを使えば、本体側は普段使いとあまり重複しないキーを送信するだけにしておき、あとの処理はPC側でどうにかする、という方向性もアリじゃないかと思います。

■まとめ

このボタン数で活カスタマイズ可能なキーパッドは希少で他に選択肢がなかったんですが、Raspberry Pie Zeroを使った独自実装で資料が少なく設定は難航しました。単純なキーコンビネーションを送出するだけなら問題ないと思いますが、日本語キーボード環境で文字列送信まで視野にいれるとかなりしんどいと思います。そもそもキーストロークを送出するUSBキーボードのふりをするので、OS側のIMEがONかOFFかも意識せず「aiueo」と送ります。「あいうえお」と送りたければ、IME ONにアサインしたキーコンビネーションを送るなどする必要がありますし、漢字変換まで考えると実質制御不能でしょう。そういうことがしたければStream Deckのような常駐ソフトを組み合わせて動作する製品を選ぶ方が幸せになれると思います。

設定が面倒くさい点に関しては、せっかくWi-Fiを内蔵したRaspberry Pi Zero WHをいれたので、sshでログインしてviやemacsで書き換えできるようにならないかな?と思いつつこれも調べていません。おそらくデフォルトでは余計なポートやデーモンは無効化てありそう(してあってほしい)。

色々可能性は感じつつも、試行錯誤の面倒くささとドキュメントの少なさで、とりあえずの動作要件を満たせたところで「もういいや」という気分になっていますが、とにかく小さいキーパッドが欲しいという方、AutoHotKeyなどの使用に躊躇がない方には良いかも知れません。

個人的には価格、ワイヤレスでも使用可能、Web設定インターフェイスなど統合したらAZ-Macroの方が遥かに優秀かなと思います。ハンダ付けが苦手な方には完成品もありますし。

ちゃんと4KキャプチャができるUSBキャプチャ Elgato Cam Link 4K

テレワーク需要を受け、高画質なデジタルカメラの映像をPCにリアルタイムでいれてWebカメラのかわりにオンライン会議の顔映像として使いたい、という需要も増し、USBタイプのHDMIキャプチャーがあちこちから安価に出まくっていますね。

私が最初に買ったのはAverMediaのBU110でした。

2018年当時、フルHDR対応していて1.5万円ほど。当時としては小さく、電源不要でHDMI映像をUVCドライバーでカメラ入力でき、様々な現場で活躍してきました。

今回これと同じことができるデバイスがもう1つ、2つ欲しいなということになり物色。BU110もまだ現役で売っていますが、より小型で安い商品が中華勢から続々と登場しています。なんと1,000円を切るようなものまで。一瞬そういうのでいいか、と思いかけましたが、ちょっと不安になって色々リサーチ。というか普通にレビューをみていても遅延が、、などとお値段なりの品質を思わせるコメントが続々。日常のウェブ会議でたまに不具合が出るくらいならいいですが、UT実査などの収録でトラブルは困ります。

新しさには欠けるけど実績のあるBU110を1.5万円ほど出して買おうか、同じくらいの値段で4KまでいけるElgatoのCam Link 4Kにしようかという流れに。

ちなみに安物はきっぱり止めようと思えた動画がこちら。

後半で、LogcoolのWebカメラ、一般的な$20のキャプチャアダプタ、Cam Link 4Kで遅延を比較してくれています。安物はひと目で「これはないな」と思えますw。逆にCam Link 4Kは大丈夫そうだなとも。Logicoolの上級モデルのカメラもさすがですね。今回は光学望遠が使える外部カメラをつなぎたかったので除外ですが(というか同社のBrioは毎日問題なく使えています)。

さて、今回どうして4Kキャプチャーがいると思ったかというと、別に高画質ゲーム配信とかではなく、とあるUT現場で、ある製品の複数箇所、アングルを映す必要があったからです。当初3カメラで個別に映す予定でしたが、4KでキャプチャしてOBS側で必要な部分をズームして使えばカメラ台数を減らせるんじゃないかと。例えば引きの全体像と、表示部分のアップ、みたいなのを1台のカメラで撮れれば、機材も減らせるしキャプチャーの負荷も抑えられるかなと。もちろん4Kは単純にいってフルHDの4倍の解像度なので、1台でフルHD 4ストリーム分の帯域を食う可能性もありますが、どちらかというとUSB周りでデバイスが増えた時の不安定さの方を問題視しました。4Kでキャプチャできていればズームした部分もそれなりの解像度を維持できるのでいいかなと。

ちなみにAmazonでゴロゴロ出てくる中華製4K対応USBキャプチャ(2~3千円程度)のものも「4K」と書いてはありますね。ただこれはトラップです。4Kの信号を受けることはできるものの、キャプチャされるのはフルHDまでだったりします。4Kでゲームしている映像をフルHDに落として配信したい、とかならまぁいいんですが、4Kでキャプチャできるものはこの価格帯では現状ないと思います。

ということで最終候補として残ったのは、ElgatoのCam Link 4Kか、単独で録画もできHDRなどにも対応している4K60S+です。ノートPCで使うのでPCIexタイプは除外。他にはAverMediaなどでもいくつか仕様を満たすものはあります。

後者は単体録画ができたりパススルー端子があり、HDR対応しているので、PS5を4K&HDRで遅延なくプレイしながら録画したり配信したりができるのでかなり魅力でしたが、業務用としてはオーバースペックで、今回Razer Blade 14というCPU/GPUの強いPCを買ったので、懐が寂しかったのと、そちらのソフトエンコードパワーを生かしてやろうということでCam Link 4Kにしました。

■使用感

基本OBS Studioへの入力用なので専用録画アプリは入れただけでほとんど使っていません。

安定性はそこそこ。たまにOBS落としたりPCがスリープになったりすると映像がブラックアウトして、Cam Link 4KをUSBポートから抜き差ししたり、OBS上でデバイスを無効->有効にしたり、カメラをOFF/ONしたりしないと復活しなくなります。が、まぁこれはBU110も含めて似たり寄ったりじゃないかなという認証。今回話してる人を撮っているわけではないので厳密なリップシンクまでは検証できていませんが、見ていて明らかな遅延はありません。また一度映った状態、録画し続けている状態において途中で切れたとか熱暴走でフリーズとかはないです。

ちなみにUSBは直差しではなくハブ経由ですが電流不足にならないようバスパワーのこちらを使っています。

貴重なUSB 3.2 Gen2対応のハブで、Razer Blade 14のようにUSB Type-CでGen2なポートがあるノートにはぴったり。ちなみにCam Link 4K自体は要求仕様に「USB 3.x port」と書いてあるのでGen1(5Gbps)であれば問題ないですが、他のデバイスも同時につなぐならハブ-PC間はGen2(10Gbps)で帯域に余裕があるといいのかなと思っています(USBがそういう帯域の取り合いの仕方なのかわかっていませんが)。電源がとれてGen2なハブでしたらこれはオススメです(ただしダウンストリーム側にType Cはないのでご注意ください。A x4口です)。

USBポートに対して本体が幅広なので、短いUSB延長ケーブルが付属しています。これもUSB3.0で動作保証されているという意味では貴重ですが、絶対なくしそうなのでとりあえず元箱にしまって現場にはもっていきませんでした。がこれはやっぱり必要だったなと反省。上記ハブでも隣がデバイスだと干渉します。細いケーブルとかならいいんですが。今後はケーブルを本体につけて機材ボックスに保管しておこうと思います。

■まとめ

結果的に今回の現場では思惑の「4Kで撮って必要なところをアップで切り出す」という使い方はボツになりました。撮りたいアングルが乖離してしまったせいです。ただし4Kキャプチャはしていてその品質は満足しています。似たような仕様の中華製品が安くある中で1万円台を出すのは勇気がいりますが、価格なりの品質が伴った商品だと思います。

Razer Blade 14用マウスにLogicool MX Anyware3を購入

Razer Bladeのトラックパッドは広くて(多分)ガラスでレスポンスは上々です。が、現場でマウスが必要な要件があって専用で1台買うことに。

せっかくなのでRazer製マウスを揃いで買おうと思ったんですが、ガチゲーマー用ブランドだけあって意外とモバイル向け選択肢がない。唯一Atherisはデザインも好みだったんですが、ブラックは国内終売なのかホワイトしか買えず。

結局、定番中の定番のLogicool MX Anywhere 3にしました。

定番といいつつ、自分ではこのMX Anywhereというシリーズ名になる前のエニーウェアマウスM905以来な気がします。

このシリーズは絶妙の形状とモビリティ、トラッキング精度、そしてモバイルマウスでは貴重な、ホイールがヌルヌル高速回転とクリック感のあるモードを切り替えて使えるのが特徴。お値段なりの性能、使いやすさをもっています。たしか当時の上司に貸したらすっかり気に入られてしまい、その場で定価で買い取られたんじゃなかったっけ(笑)?その後また買い直せばいいやと思いつつそのままになってたような。

 

その後、トラックパッドが便利なMacBookがメイン機として長く、MX Anywhereとしてリニューアルされて3代目まで買う機会がありませんでした。

■使用感

操作感、手への馴染みは相変わらず抜群に良いです。精度も不満なし。現在自宅デスクトップはLogicoolのゲーミングマウスG903ですが、あまり違和感なく行き来できています。

サイドのモールドデザインは前モデルの鉱物っぽいテクスチャの方が好きで、これも在庫のMX2を買おうか悩んだ一因でしたが、普通に使う分にはあまり目に入らないから買ってしまったら割とどうでもよかったなと思っています(笑)。

便利だなと思ったのはBluetoothのマルチペアリングで底面に3つのダイレクトスイッチとLEDがあり、3つの機器とスムーズに連携できます。ちょうど今回の案件ではPCを2台並べて使っているので、GUIで何度もクリックしなくても即座にスイッチできるのはとても便利。

ホイールは3代目の特徴として、

  • ヌルヌルとクリクリが自動切り替えになった
  • 左右のチルトホイールが廃止された

という違いがあります。チルトホイールはExcelでたまに使うのでなくなったのかー、じゃぁ在庫品の2を買うかなーと一瞬思いましたが、一応サイドボタンを押しながら使えるということなので目をつぶることにしました。そこまで必須でもないかなと。

ホイールの自動切り替えはどういうことかというと、ゆっくり回すとクリック感がクリクリありますが、高速に回すとラチェット機構が働いてヌルヌルでビューンと回る仕組みです。この切り替えポイントは自分で意識してできないので多少の違和感はありますが、まぁ致命的な問題というほどではないかと感じています。しばらく使ってまた評価しようかなと。

逆に3の改良点として外装がシリコンになって長期使用時に加水分解でベタベタにならないというのが惹かれました。そこまで長く使うかわからないですが、あれは大変不快なものです。実際の肌触りは現時点で大きくは違わない気がしますが、サラサラしていて不満はなし。

■Logicool Flow使用感

もうひとつ今回の現場のように2台のPCを並べて使う時に便利そうな機能があります。それが付属ユーティリティOPTIONを双方にインストールすることで実現するFlowです。

いくらスイッチひとつといってもマウスをひっくり返してボタンを押すのはシームレスとは言えません。Flowを使うと、(同じネットワークにつながった)2台のPCがあたかもマルチディスプレイでつながった2台のモニタのように、画面のはじっこを乗り越えてマウスを行き来できます。また片方でコピーしたファイルをもう片方へペーストすることでファイル転送もできてしまいます。

Windows/Macもまたげて3台までのPCでいける模様。私はWindows 2台でしか試してませんが、確かにできました。ファイルコピーも充分な速度が出ています。

ただ画面端にマウスポインタをもっていけばいい設定と、Ctrlキーを押しながら画面端にいった時のみ越境できる設定がありまして、いまんとこ前者で使っています。ただたまに誤動作なのか本来マウスが接続されている側でマウスが行方不明になります。他PCにマウスを転送している間は当然元PC上のマウスは無効化しないと思わぬところをクリックしてしまう危険があるので、無効化は必要だと思いますが、それがスムーズに解除されない、というか。やはりCtrlを押しながらでしか行き来できなくする方がトラブルは少ないのかも知れません。これもしばらく使い比べてみてみようと思います。といっても今回の現場が終わったら普段はそうそう使うこともないかもなんですが、、、

どちらかというと普段のメインPCのG903でサブPCを操作したいことなら自宅でもたまにありそうですが、Logicoolのマウスの中でも、OPTIONを使用するモデルのみでしか使えないらしく、ゲーミングブランドのマウスや低価格帯の機種はどうも対象外のようです。

■まとめ

10年ぶりにM905の直系子孫(と私は理解している)MX Anywareシリーズのマウスを購入しました。相変わらず小型ながらの手に馴染む感はすばらしく、マウスとしての性能も不満ありません。マウスとしてはお高い部類に入るかも知れませんが、こだわりの逸品として所有感を満たす満足度の高いモデルだと思います。

3台のPCでの使い分けが底面スイッチで簡単にできるので、複数台のノートPCを使い分ける方にオススメ。また高速ヌルヌルホイールがあるので、高リフレッシュレートの液晶を搭載したPCやiPad Proなどでブラウザのスクロールをさせる時なんかにも相性がいいんじゃないかなと思います。

 

Razer Blade 14 (2021)

届いたばかりのRazer Blade 14を現場に持ち出して使ってみました。

やったことはOBS Studioで録画と配信。HDMI出力でフルHDの外部モニタに画面拡張で出力しつつ、HDMI-USBキャプチャ経由でフルHDx2、4K x1、Rode Wireless GO 2のUSBオーディオをソースとしてフルHDキャンバスにレイアウトし、録画とサブモニタに出力したプレビュー画面をGoogle Meetで画面共有配信という感じ。常時監視してたわけではないですがCPU負荷は30%程度、低い時は10%台で推移していて楽勝感は強かったです。Ryzen9 + ハードウェアエンコード支援のおかげでしょう。

4Kのキャプチャが映像途切れたり若干不安定気味でしたが、これはどっちかっていうとキャプチャユニットやカメラ側の問題っぽいので評価保留。

ただそれなりに熱くはなったので、安定優先で先日買っておいたノートPCクーラーに載せてました。単体でどれだけ熱く五月蠅くなるかは未検証。

キーボードの打ち心地はかなり快適。付属ユーティリティのRazer Synapse3でキースワップも可能で、全く使うことのない「かな」キーを別のキーにアサインしたりアプリ起動やWindowsショートカットなどに割り振ることができました。そう思うともうちょっと余分なキーがあっても良かったなと思います。この機種、PrtScやHome、PgUp/DownみたいなキーがFnと組み合わせでもなさそう。
キーボードの唯一の不満というか慣れない点は一番右上に電源ボタンがあり、前機でDeleteの位置だったのでDelete叩くつもりで電源押しちゃう点です。ただ単押しではいきなりスリープしたりとかはないのでダメージは軽め。

HDMIポートがあるのはよかったけど、隣のUSB AポートにCam Link 4K挿したら干渉したので

ホテルではあえて付属充電器ではなく、このPD 100Wの充電器で充電して使ってみました。

やはりこんな感じの警告は出ました。

USB PD 100W充電器でも電流不足の警告

ただ、もともと現場で残量Maxにした状態からOfficeやブラウザなどを使って軽作業をしてみましたが常時100%のままで減っていかなかったので、ある程度の負荷だったらPD充電器でも給電が追いつくのかなと思います。

画面の色も鮮やかで、165Hzのおかげかわからないですが全体にサクサクスピーディに動いてくれて現状とても満足感高いです。

配信用にGeForce RTX搭載ノートを買った Razer Blade 14 (2021) ファーストインプレ

これを買いました。

選定経緯はこちら。

■入手までのやきもき

発表された発売日が2021年6月25日。Amazonで6/21に注文するもお届けが26-28日となっていました。その時点でヨドバはシ注文可能になっておらずまぁ仕方ないかとオーダー。ちなみにその後ビックには掲載されましたがポイント相当分が上乗せされた価格が設定されており、ポイント分を得することはない模様。ヨドバシも同じだろうと推測。

しかし遅くとも28に着くと思われたものの前日の27になっても、28になっても発送される気配がないというkonozamaパターン。25日には秋葉原には店頭入荷されたとの記事をみて、よっぽどAmazonキャンセルして買いに走ろうかと思いましたが我慢。そして28日(月)の昼頃になっても「本日お届け予定」表示。ボットチャットで問い合わせても注文履歴画面と同じ情報が返ってくるのみ。するとどうでしょう。その数分後に「入荷が8月になりました(てへぺろ」というメールが。せめてもう一日早く言えよ(╬ಠ益ಠ)。週末にわかっていれば秋葉原に買いにいったのに!そしてこの時点で店頭販売したらしいツクモとPC Arkのオンラインは在庫切れ。他のどこにも見当たらない…

7月に仕事で使いたかったので、どうにか入手できないものかとダメもとでtsukumo eXのRazerストアに電話してみたところ、「大阪と北海道の店舗には在庫があるので、秋葉店頭で支払をして直送手続きをするか、各店舗と直接掛け合ってみて下さい」とのこと。都合上、現金とカードにわけて決済したかったので秋葉原まで支払に行くことに。コロナ自粛で1年以上ぶりの秋葉原にまさかの急襲。しかも仕事が残ってるので最低限の用事を済ませたらとんぼ返りです、、

それでも大阪で当日発送してくれる可能性に掛けてなる早で秋葉まですっ飛んでいき無事注文。結局当日発送は適いませんでしたが、翌日佐川で発送され、本日6/30に無事入手することができました。早速明日の7/1にリハーサルに持っていきたいので、神速でセッテイングしつつ、気になったところを写真とってファーストレビューしておきたいと思います。

 

■外観インプレ

外装はつや消しのブラックで、指紋はめちゃめちゃ目立つって程ではないですが、付くか付かないかでいけば付きますね。

キーボード面上部のスペックシールは端っこが本体からはみ出ており、もう剥がすの前提な作り。当然買った人には不要なものではありますが、今まであんまり見たことないタイプ。速攻で剥がしましたが、こういうの残しておきたい人は端っこをカットするなどしないとかもです。

剥がすこと前提のスペックシール

秋葉に在庫探しにいった時にArkでちょっとだけ実機を触ることができた既に安心はしていたのですが、改めてキーボードをタイプしてみるとかなりいい感じ。MacBook 12’辺りからペタペタ系のストローク浅いのを高速タイプするのにハマっていまして、シザー世代のキーボードは大好き、バタフライはいまいち食指が動かなくて買い換えられず、というタイプです。あとDELL XPS 15 9575の磁気浮上式スイッチもお気に入りでした。それらと比べても遜色ない打鍵感です。ゲーミング用だからか浅い割にクリック感がしっかり感じられる。だからと言って重いということもなくという絶妙な感じ。またシザー/バタフライ構造スイッチのような仕組みなのかキーの端っこ、角っこを押してもキー全体が真っ直ぐに沈みしっかり認識される感じ。高速タイプした時の取りこぼしとかが少なそうです。

キーボード

外観的にも日本語配列なのにひらがな刻印がなしというこだわりデザインですっきりしています。数字列のShiftキーをおした場合の記号も少し小さくなっていますね(上下が逆転してるのも珍しいかも)。

そして独立型のLEDです。派手ですねw。

キーボード(点灯)

別にレインボーに光らせる気はないですが、従来のキーボードバックライトの色が変えられるものと思えばなかなか綺麗だし良いです。デフォルトのRazerイメージカラーであろうグリーンも黒に映えて綺麗だと思います。最終的にはホワイトにするかもだけどw。制御ユーティリティのRazer Synapseでいくつかのパターンを試した様子がこちらの動画です。

後半の「リアクティブ」はタイプしたキーが一定時間光るというもの(長さは3段階)。「リップル」はさらにそこから波紋のように光が広がるというもの。これらはちょっと面白いかなと思ってます。リップルは単独で押した時はいいんですが文章をダダダっとタイプすると光りすぎる感じで、当面はリアクティブにしてみようと思っています。しっかり入力が受け付けられたかわかるし、もしOSがフリーズした時に止まるなら、時計のコロンのチカチカのようにフリーズしてるかの目安になって良さそう(笑)。

ちなみに液晶背面のRazerエンブレムはグリーン一色で、点灯(明るさ調整可)、ブリーズ、OFFが選べます。ノマドとかする時に無駄にブリーズとかさせときたいですね。

外観/形状面で唯一の不満点はこのトラックパッド下の凹み(液晶を開く時に有用)の角がかなり尖っていて手のひらが痛いという点。

ここが尖ってて痛い…

底面はこんな。ぶっといゴム足が2本左右に貫通しています。おそらく排熱のために本体を浮かす意図だと思うんですが、持ち運ぶ時にも指がかかってホールドしやすいのがGoodです。

 

底面のゴム足が片手持ちのホールド感を高める

■使用感

165Hzも手伝ってか体感はかなりサクサクしている感じ。キーボード、トラックパッドの反応も正確で良いです。ストレージも測ってないですがいい速度でてると思います。インストールなどがサクサク進む。総じて気持ち良い。

いまのところファンが全開に回るようなゲームやエンコードをしてないので暫定評価ですが、特に音がうるさいとかパームレストやキートップが熱くなるとかいうハイパワー機故のデメリットは感じないです。一応ファンは耳をそばだてれば「回ってるな」ってのはわかります。無音ではない。それでも普通に事務作業していて熱や音が気になるということはないんじゃないかなという印象です。本来の目的であるOBS Studioなどを使った録画や配信に使った時の感触はまた追って報告します。

14インチQHD (2560×1440)というサイズは絶妙。デフォルトの125%でいままで使っていたXPS 15 4Kと違和感ないサイズで、精細感、発色の良さもあって視認性は上々。ただしHDRは非対応です。

まだ使ってないですがHDMIポートがある機種は久しぶり。ドングルから開放されると思うと心強さがあります。あともう一息LANポートがあるとほぼ完璧にドングル的なものから開放されそうでしたが。USBはAもCもあって潤沢ですし。まぁその代わりACアダプタはやたらデカいです。15インチのXPSと同じか角張っている分、大きいくらい。ポートも専用形状です。USB-Cからも充電できるとどこかで読んだ来ますが詳しい仕様などは未確認。標準ACアダプタが230Wなので、100WとかのPD充電器を使ったとしてもフル稼働、フルスピード充電には全然足りなそうで、非常用という感じでしょうか。

■ケース

どうぜならRazerロゴの入ったカッチョいいのにしようと思ったんですが14インチ用は見つからず。AmazonのPrimeセールでこれを買いました。

初MOFTです。MOFTというと背面に貼り付けて畳めるスタンドのイメージですがコイツはケースです。ケースのフラップ部分が立ち上がってアングルを2段階つけられます。直線で保持するので底面の大部分は覆われず排熱効率も良さそう。Razerカラーのグリーンにしょうかと思いましたがいまいち写真で色味がわからなかったのと、Primeセールで値引きされてたのがブラックだけだったのでブラックにしました。なんかステッカーでも貼ろうかな。

ほぼほぼピッタリですが、上記ゴム足の分厚みがあるのか、本体をかなりしっかり押し込まないとマグネットのフラップがピタっとくっつかない気がします。そのうちクセがついてくれば平気になるかも知れません。

■まとめ

ともあれこれでモバイルでもNVIDIA Broadcastが使え、配信/録画にも余裕をもって対応できそうな環境が整いました。頑張って仕事で活用して元を取らねばなりません。30万って最近のMacBook Proだとなんか「たっか!」と思ってしまって腰がひけてしまう価格でしたが、なぜかこいつはモニタも小さいというのに特攻してしまいました。とりあえず後悔はしていません。

最近流行の14インチというサイズも、人気あるのが頷ける感じの手頃感ありますね。「ちょうどいいフリード」みたいな感じでしょうかw。コーディングとかPremiere Proで映像編集とかしだしたらまたわかりませんが、それ以外の作業ならQHDあればとりあえず許せるかなと。それでいて持ち運びが楽。ゲーミング用なのでACアダプタが鬼サイズなので、内蔵バッテリーで足りないような持ち出しニーズだとちょっとしんどいかなぁ。公称通りもつかも今後の検証課題です。

ここ何年かでXPS 2-in-1、Surface Pro X、Surface Go2、OneMix 3 Proとタッチ&ペン対応PCばかり買ってきたので、ひさしぶりにガチノートという感じ。ワクチン打ったらコメダやスタバでブログやレポート書きまくるのが楽しみ。XPSとSurface Go2を処分して、Windows11でようやく日の目を見られそうなPro Xをメインペンタブレット機として残留。OneMixは寝モバゲーム用という感じで整理していく目論見。