まずは用語解説。
・クルーズコントロール(クルコン)
アクセルを踏まなくても車速を一定に維持してくれる機能。高速道路などを長時間巡航する時に楽ちん。燃費的にも有利。実は結構昔から高級車には密かについてた。
・スロットルコントローラー(スロコン)
実際のアクセルペダル踏み込み量とエンジンのスロットル開度の相関係数をいじって、ちょっとしか踏んでないのにググっと加速させてパワフルに見せかけたり、踏んでもいまいち加速しないようにして燃費を稼ぐ装置。
昔と違い、最近の車はアクセルペダルの踏み込み量は電気信号でECUに伝達されているので、カプラー(コネクタ)に割り込んで信号を制御してやれば、割と簡単にこれらの機能を実現することができます。
σ(^^)は2,3ヶ月に一度実家に帰省したりと割と長距離運転をするのでクルコン大好きで、SERAの時も後付けの製品を自分で取り付けていたんですが、ワイヤー制御だったSERAと電子制御スロットルになったCOLTでは互換性がなく移植はできずにいました。そして当然電制スロットル車に使えるクルコンユニットというのもググってはみたんですが当時は見つけられず4年半が経ちました。
で、何かの拍子にふと再度検索してみたところ、いつのまにか販売されてるではないですか!しかも複数。COLTに対応するハーネス(コネクタを分岐させる二股のような部品)もある。電子制御だけあって部品構成もシンプルで取り付けも簡単そう(ワイヤー式の場合、ワイヤーを引っ張る力を発生させるエアーポンプをエンジンルームに取り付けたりと大変だった)。
見つけた選択肢としては、i-CruiseとPivot 3 drive ACがありました。3 driveはスロコンとしての存在は認知してたんですが、新モデルでクルコン機能が搭載されたようですね。SERAにとりつけた時に、やはりコントローラーは純正式にステアリングコラムから伸びるレバー式のが使いやすかったなと思ったので、i-Cruiseをチョイス。COLT用のハーネスが同梱されたキットを注文しました。
■取り付けも比較的簡単
届いて取り付けマニュアルを見ると、ブレーキ信号線への接続は接触不良があるといけないのでワンタッチコネクタ禁止、必ず半田付けを、と書いてありましたが、場所的に半田作業はしたくなかったので、Pivotから出ているブレーキ用のハーネスを流用しました。COLT用はBR-2という型番のものが適合しました(Pivot側では他社製品への転用を認めていないので自己責任です)。ブレーキ信号の他、ACC電源もこのハーネスから取り出せたので、後は車速信号とバック信号、アース、そしてアクセルペダルのカプラーにハーネスをかますだけです。車速もバックもカーナビ用に取り出し済みだったのでワンタッチコネクタで分岐。ギボシ加工すら不要って感じで、SERAの時の苦労がウソのようにシンプル。
あとは操作レバーをステアリングコラムに取り付ける訳ですが、こちらは14mmのドリルが必要でした。文字ラベルは両面にシルク印刷してあり、コラムの右側でも左側でもつけられるようになっています。ドリルで開けた穴に通してナットで締めるだけです。
こちらが取り付けた様子。見た目割と綺麗につきますね。
レバーのスイッチ部分は若干のガタツキがあり、自動車の純正部品レベルの質感にはやや届かないものの、実用上は問題ない、という感じ。写真ではスポークを避けてますが、COLTみたいなT字スポークだとステアリングを正位置にした時には隠れて見えません。先端の白い部分が青色LEDで光るので、夜はなんとなくわかるんですけどねw。後上についてる小さなぽっちも二色LEDでスロコンのモード表示等に使われます(赤がパワー、緑がエコ)。
■ファーストインプレ
まだ長距離巡航で試したワケではないですが、とりあえずの感触をば。
やはりレバー式なのでステアリングから手を離さず操作できるのは良いです。純正式を使ったことがあれば操作方法も同じで違和感ないですが、全くの初めてという人にはややとっつきづらいかもです。ざっと手順を書くと、
- 先端(READYボタン)押し込み待機モードに(青色LEDが点滅しはじめるが、この時点では変化なし)
- 希望の車速まで加速した後、レバーを下に押す(SET)と動作開始し、その速度を維持
- 動作中にレバーを上下(▲/▼)すると巡航速度が調節できる
- もう一度READYボタンを押すかブレーキを踏むと動作解除(待機モード)
って感じ。待機モードでレバー上(RES=RESUME)すると解除前の速度まで復帰。もしくはSETで現在の速度を維持、という感じです。やっぱ文章で書いてもわからんですねw。わかってしまうとよく考えてあるなという印象なんですが。巡航中にちょっと前がつまってきたらどっちみちブレーキ踏みますよね?そうすると解除はされるものの、設定速度は記憶してくれてるので、また道が空いてきたらRESUMEすれば元の速度まで加速してくれるって感じです。
物理的にアクセルペダルを操作するワイヤー式と違って、ペダル自体は動かないのでちょっと違和感ありますね。足下でペダルが動いてる=クルコン制御で加速しているというフィードバックになってたんですが、電子制御式だとブラックボックス的に加減速されてる感じ。ちなみにフィードバックという意味では別売りの表示ユニットなるものも販売されています。
街中などクルコンとしては動作していない場合、スロコンとして利用することもできます。別売り表示ユニットをつけない状態ではPOWER、NORMAL(動作OFF)、ECOの3段階で、単純にレバーの上下で切り替えられます(エンジン切っても最後に使ってたモードを記憶)。POWERだとLEDが赤(オレンジ?)、ECOだと緑に点灯するのでわかりやすい。で、試しにECOにしてしばらく走ってみましたが、確かに少しトルクが落ちるというかもっさり感が出ます。発進はまだしも、上り坂とかちょっとかったるいですね。この辺りは単純にxx%強める/弱めるというだけではなく非線形の方程式になっていてそのチューニング具合が各社の腕の見せ所というとこなんでしょうね(そもそも自動車メーカーの制御も非線形なんでしょうし)。しかしこれ、確かにいつもの感覚で踏んでるとスロースタートになるので燃費はよくなりそうなんですが、しばらくすると足が適応していつもより余計に踏むようになるだけなんじゃないんですかね(笑)。多くの人はアクセル開度ではなく体感スピードを基準に速度調節をしていると思われるので…まぁせっかくだから次の給油サイクルでECOにして走ってみようかな。