LEGION GOのコントローラーをプロコン風に合体させるアダプタを印刷→失敗

一昨日購入したLEGION GOの話。

本機はNintendo Switchのように左右のコントローラーモジュールを分離して使用することができます。そして当のSwitchには左右のJoy-Conを左右分離したままではなく、1つのゲームパッドとして合体させて使うパーツが存在します。

【任天堂純正品】Joy-Con充電グリップ

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LEGION GOでもできたらいいなーと思って探したところ、こちらの商品が見付かりました。

早速注文しようと思ったんですが、ふと思い立ってググってみたところ、案の定3Dプリンターで自作している海外ニキが既に複数人存在しました

Amazonで買えるものは付属キャリングケースの右コンドック収納スペースに収まるのがメリットですが、まずは使い心地を試してからにしようと、3Dプリンターで印刷してみたのがこちら。

なかなかいい感じに合体できました。

コントローラーのジョイント部分が入る溝の部分は結構入り組んでいて、Curaで標準サポートをつけたら除去がめっちゃ大変で廃棄。続けてブリッジサポートに変更したところ割と綺麗に除去できました。

アングルがついているのも手首は楽そうだけど方向に矛盾が出ないか不安でしたが、まぁ大丈夫そう。

しかし実際にゲームをプレイするには至りませんでした。この写真を撮ったあと、強度を確認しようと少し力をいれたら「メキッ」と異音が…

こちらの赤丸の部分がもげていましたorz。ちなみに素材はPLAです。

出力効率を考えて平置きでプリントしたんですが、そうなると積層方向的に剥がれやすくなってしまうのです。強度を出したければ写真のように縦向きに出来上がるようプリントしないとダメっぽいです。しかしそれはそれでサポート材の付き方も複雑になって除去が大変だったり除去面が綺麗にならなかったりといった問題も出そう。うーむ。

まぁもう1回だけやってみるべかと、こんな向きにして再挑戦。

そしたらこんどはこっち向きに割れましたorz

うーん、これは別の人のモデルを使っても同じことになりそう。素材とPETGとかカーボン入りにしたら多少はマシになるかなぁ。

まぁ、キャリングケースに入れて持ち運べることを考えると、素直にAmazonのを買った方がいいかもですね。あれも明らかに3Dプリント品で、材質は書いてないので強度は不明ですが…更に中国発送ぽいので日数かかりますが、やっぱニコイチグリップほしいなと思ったら注文してしまうかも知れません。

Bluetoothで測定値を送信できるシンワ デジタルノギス 19810

3Dプリントのモデリング作業をする時、精密なサイズを測るノギスは必需品です。なにかにピッタリはまるものを設計しようとすると、そのなにかの正確なサイズデータが必要だからです。定規などのミリ単位の計測だと精度も不足ですし、例えば円筒形状のものや穴などの正確な直径を測ったり、凹みの深さを測ったりといった用途には定規やメジャーでは不向きです。

写真は数年前に購入して使って来たノギスです。2016年になんと1,400円+送料で購入したもののようです。

数年前に購入したもの

お値段の元は充分に回収できるほど活用してきましたが、1つ不満点がありました。電池がメッチャ減る!というか、ふと使おうとすると電池が切れている、ということが起きまくりでした。電池はボタン電池のSR44なので、他であまり使わず予備が自宅にない!なんてことも多々。SR44と同形状のLR44ならワンチャンコンビニでも手に入るのですが、特性が違うためSR44想定の機器にLR44を使うとより電池入れしやすいということもあるようです。自分はそれを知ってSR44を買うようにしていましたが、それでもちょいちょい電池切れしてました。写真にもあるようにケースにわざわざ予備電池を入れておくスペースがあるくらいなので、メーカーとしてもスペア必須であることは織り込み済みなんでしょうか。なんなら「使わない時は電池外してここに入れとけ」くらいの意図かも知れません…

ともあれ使いたい時に使えないのもストレスですし、廃棄ボタン電池を量産するのも心苦しいと感じていました。

先日キレたというか、まぁこれだけよく使うものだしもうちょっといい製品があったら買い換えるのもアリか、と決意。まずはいまどきUSB充電のできるものはないかと思って探してみました。しかし見付からない。まぁ充電池内蔵だと寿命が来たら使い捨てになる可能性も高く、こうした業務機器には馴染まないのかも知れません。

結局購入したのはこちら。

シンワ測定製の19810という型番の製品。使用電池はSR44の公称容量165mAhに対し220mAhのCR2032です。クルマのスマートキーなどに使うので入手性も高め。

ちなみに世の中にはCR2032Hという240mAhのものがあるらしいですが、コスパがどうかは不明。

国産だとマクセルが出してるぽい記事が散見されますがAmazonではこれくらいしか見付からず。メタデータがノーブランドになってたり、2032Hと明記されていないものの、写真をみると刻印にHとついてますね。海外品だと多少ありますが、もとが1割以下の差なので国産一流メーカーの220mAhの方がきちんとスペック通り出て実質長持ちなんてこともあったりするかも?

あとサイズというかどれだけのものを測れるかという違いで150mm、200mm、300mmと派生モデルがありましたが、数年使ってて150mm以上必要だったことはなかったので今回もコンパクトさと価格を優先して150mmモデルにしました。

あと液晶の数字表示が大きくなるのも老眼はいってきてる目にはやさしいかなというのも買い換え理由のひとつ。

■Bluetooth経由のデータ送信機能!

電池容量が大きくなったとは言え、倍も違わないのでSR44を使う既有品と実効的にどれくらい保ちが違うかは未知数ですが、本製品にはもうひとつ特長があります。Bluetoothキーボードとして動作し、PCやスマホ(専用アプリあり)に計測値を送信することができるのです。

似たような話では以前購入したレーザー測距計がありました。

精密測定をすると桁数も増えるので、誤記なくPCに転記できることは楽チンかつ安心です。

このノギスも同じようにスマホアプリやPCに測定値送信ができるのです。少し前に探した時は2万くらいする印象で手が出なかった記憶があるんですが、今回改めて1万円しないものを見つけたので、電池容量の件と合わせて買い換える価値ありと判断しました。

PCとペアリングして使ってみた

専用スマホアプリもあって、写真と組み合わせて測定値を記録できるようですが、当面の用途としては、Fusion 360でモデリング作業をする時の数値入力になります。PCとBluetoothペアリングをして使ってみました。

PCからみるとBluetoothキーボードとして認識されるわけですが、少し惜しい点も。テキストエディタにカーソルを置いて送信してみると、どうも「(半角スペース)計測値(改行)」が送られてくるぽいです。

下の写真はFusion 360のスケッチで矩形を作成する場面です。

縦と横のサイズを入力するフィールドがあり、TABキーでキャレットを行き来してEnterで生成実行です。つまり、どちらかの欄にキャレットを置いてノギスからデータ送信すると、もう片方を入れる前に確定してスケッチオブジェクトが作成されてしまうのです。もちろん後から編集はできるんですが、二度手間になる感じ。円とか押し出しとか値が1つしかない場面も多く、その時は改行コードで確定してくれてもいいっちゃいいんですが、場面によってそれを使い分けるのもちょっとなという気がします。個人的には数字だけ送信してくれればいいんじゃないかなというのが現時点の印象。使い込んでいくとまた意見もかわるかもですが。

バーコードリーダーとかだと設定で、値の前後にどんなキーコードを付与するか選べたりするんですが、通常PC側からBluetoothキーボードにデータを送り込む仕組みがないので、やるとすると別のデバイスクラスを実装したりとかなりコスト高になるんですかね。

せめてノギス側にEnterボタンとTABボタンが物理で備わってると嬉しかったかも。短押しだとTAB付加、長押しするとEnter付加、とかとか。

Fusion360側でキーボードによる確定動作をカスタマイズできないか設定画面を探ってみましたがこれも不発。

ちなみにExcelでは値入力後、Enterで下へ移動、TABで右へ移動なので、やっぱりノギス側で使い分けできるといいかなと思います。Excelは設定でEnter時に右へ動くようにもできますが、普段の操作に影響が大きすぎるので変えたくはないものです。

また頭に半角スペースが入るのも謎ですが、実害はなさそうです。Fusion360でもExcelでも無視してくれます。でもなんか気持ち悪い…

■その他のちょっと惜しいポイント

付属ケースが惜しい

既有品も本製品もハードケースが付属しています。精密機器なのでショックから保護する意図があるんでしょうか。写真の上が既有品、下が本製品のものです。

本製品はロックが二箇所になっているので、片手でサッと開けることができなくなってしまったのが残念ポイント。

電池交換に工具が必要なのが惜しい

本製品は電池スロットがSIMカードのようなトレイ型をしており、引き出すにはマイナスの精密ドライバーが必要です。付属はしているんですが、ひと手間に感じます。既有品のように、「気付くと電池がなくなってるので、普段は抜いてしまっておく」となった時にはかなりしんどいです。これはそもそもその問題が解消していることを期待するしかないですね(抜いておく必要がないならそれにこしたことはない)。

またドライバーをケースに格納しておくにもケース内でもカラカラいいそう。せめて既有品の電池スペースのように、ドライバーと予備電池を固定して格納できる空間があると良かったなと思います。

■まとめ

レビューとしては文句ばかりになりましたが、文字が大きく、Bluetooth送信もできるので基本性能としては満足しています。自分のように激安品からステップアップしようかという方にはお手頃な製品なのではと思います。

あとは「電池がいつのまにかなくなってる問題」が起きないといいなと思います。

ケースはそれこそ3Dプリンターで理想のものを自作するのもいいかも。いや百均とかでちょうどいいプラケースを見つけて、ウレタンスポンジを切り抜いて詰める方がいいかな?

ケガで手指が動かせなくなった父にXBOX Adaptiveコントローラーを準備した話

先日父がバイク事故で手足が動かせなくなりました。幸い、現在はそこそこ回復して左手に麻痺は残るものの、右手はかろうじてマウスやスマホを扱えるくらいにはなり、車椅子で自律移動も(足で)できるようになっています。以下の話はまだ四肢の麻痺がどれだけ残るか不明な時点で先んじてリサーチの意味も含めて準備した話になります。一日中ベッドでほぼ寝たきり状態だったので、せめてPCやスマホ、タブレットが使えればQOLがだいぶ改善するんではないかと取り組んでみました。

帰省して実際にお披露目した時点ではそこそこ指が動くようになっており「いつものマウスでいいわ」という話に落ち着き、実運用には至っていないのですが、誰かの役に立つかもということで記事にまとめておきます。

■ユニバーサルアクセスに取り組むゲームコンソール会社

ゲームコンソール各社は肢体不自由のある人にもゲームを楽しんでもらうべく、補助コントローラーをリリースしています/しようとしています。これはコントローラー上の各ボタンやスティックを別の入力デバイスに置き換えることをサポートする変換デバイスで、例えば指の一部が不自由で押せないボタンがある人が、かわりに足で押せるフットスイッチを使う、といった具合です。

・Microsoft Xboxシリーズ/PCの場合

たぶんこちらが先鞭をつけた気がしますが、XBox Adaptiveコントローラーというものを発売しています。発表時スゲー!と感動したんですが、確か最初は日本で発売未定となっておりしばらく忘れていました。

(プレ値/転売価格にご注意ください。Microsoftストア価格が1万円強くらいです)

左に十字キー(D-Pad)、右の大きな黒い丸がA/Bボタンです。タッチパッドのような大きさですがただのON/OFFボタンです。他にXBoxボタン、メニューボタンなどがあります。これだけでも指が細かく動かせない人がグーとかでA/Bボタン操作ができたりしますが、左右レバーやトリガもないし、十字キーも小さく落ちづらいので微妙に思えます。しかし本製品の真価はそこではないのです。なんと背面にコントローラーの全ボタン/レバーの入力端子がズラっと並んでいます。そこに好きなボタンやレバーを組み合わせることで、利用者の症状にあったゲーム環境を作り出せるのです。またコパイロット機能で通常のコントローラーを組み合わせて使うこともできます。基本は通常コントローラーを使いつつ、Lトリガーだけ足ペダルで代用、みたいなスタイルもできちゃうわけです。

公式のガイド動画チャンネルも(英語だけど)充実しておりMicrosoftのこの分野への取り組み姿勢がかなり真剣だということが伝わります。

またXboxコントローラーはデファクトスタンダード的であり、PCはもちろんiOSやiPadOSでも使えます、iOS/iPadOSのアクセシビリティ機能をマッピングすれば、iPhone/iPadの操作にも活用できてしまうのです。

・Nintendo Switchの場合

任天堂自身はこのような身体障害者向けデバイスを販売していませんが、HORIが類似製品のFlex Controllerを販売しています。Xbox Adaptiveコントローラーが2020年1月発売に対し、こちらが同年11月なので、二番手となります。任天堂の意志がどこまで関与しているのかわかりませんが、一応Switchゲームをしたい人に選択肢はあることになります。また本製品もWindows対応が謳われています。

お値段がXboxの2倍以上する上、執筆時点で購入できる大手ECが見当たらず入手性がよろしくない点が難です。なんなら任天堂公式ストアできちんと扱ってほしいくらいです。

・SONY PlayStation 5の場合

SONYは出遅れ感が否めませんが2023年末についにPS5向け周辺機器を発売開始します。特長としては他2社にないアナログスティックを搭載している点。もちろん3.5mmジャックで外部スイッチも利用可能ですが、単純ON/OFFスイッチと違ってアナログスティックは調達が難しい/高価だったりしがちなので、最初から大きなスティックがついているのは評価できます。現代のゲームにおいてアナログスティック抜きでは考えられないですし。価格は12,980円とまぁまぁお手頃ですが、左右スティックをこれに頼ると2つ買い揃える必要があるので注意が必要です。

DualSenseもiOS/iPadOSやmacOSで使えるはずなので、もしかするとこれも使えちゃったりするのかも知れませんが、公式には今のところ特に記載はないようです。

■マウスやキーボードとして使うには?

さて、これらはあくまでゲームコントローラーです。ABXYLRボタン、トリガ、左右レバーなどがありますが、PCでブラウザやメールソフトで直接役に立つものではありません。そこで今回はコントローラーボタンのリマップツールであるReWASDを使って、特定のマウスやキーボード操作にアサインすることを考えました。これは以前にAYANEO AIRのような左右にゲームコントローラーがついたポータブルWindowsマシンで、FPS的なゲームだけでなく紙芝居ゲーも快適にプレイしたいと思い導入していたツールです。執筆時点で$7の有償オンラインソフトで、さらに複数のキーコンビネーションや連続したキーマクロをアサインするには別の追加ライセンスがこれまた$7必要になります。

両手でコントローラーが持てて各ボタンやレバーが扱えるのであれば、上述の特殊コントローラーを使わずに、一般的なゲームコントローラーを使ってマウス/キーボード操作に割り当てるだけでも便利かも知れません。

■今回はXbox Adaptiveコントローラーを購入

ということで公式サイトですぐに購入でき価格ももっとも安いXbox アダプティブコントローラーを購入しました。また入手性が良いだけでなく、世界的なユーザ数が多いこともあり、3Dプリンターなども絡めた非公式のカスタム例なども豊富にある点も重要な優位性だと言えます。こちらの3Dプリントデータ共有サイトでもたくさんの方の工夫が見られます。

マウス操作の代替としてはアナログスティックが使いやすいかと思いましたが、外付けになると扱いづらいし、自作するにも単に信号線をショートさせるだけのデジタルスイッチと違って電子工作面で苦労しそうだったので、とりあえず内蔵の十字ボタンを活用することを考えました(外付けのアナログスティックについては後述します)。

今回テストしたのはこちらのアイテム。一度本体を分解して、標準の十字ボタン(カバー)のかわりに、中心に差し込み穴の空いたXAC_HandiAdapter_Baseパーツを組み込みます。次にそのねじ込み穴にXAC_HandiAdapter_Multitoolというパーツを回転させながらねじ込みます。さらにその上に各種XAC_HandiAdapter_JoyStick_*と書いてあるパーツを使いたい人の症状にあわせてチョイスできるというもの。各形状毎にTightTolとついたファイルはMultitoolに差し込む星形の穴がキツめのサイズになってる本番用ということのようですが、ウチではあまり違いは感じませんでした。スポっと抜き差しできてしまうので必要に応じて粘着テープや接着剤で固定する必要も出てくると思います。

ウチではSphereタイプのstlファイル一式をいただいてとりつけてみた様子がこちら。

強度を期待してカーボン入りのPLAフィラメントを使ってみました、ブラックなのでいい感じにまとまりのある見た目になりました。写真をよく見ると球型パーツの直下が少しだけ太くなっています。実はこれ本来は除去するサポート材で空転する状態なんですがかなり苦労しました。Curaなどでスライスして出力する際、サポート材は「ツリー」にするのをオススメします。

この下はマウスボタンにも使う小さなマイクロスイッチなので、あまり長いレバーはてこの原理で大きな力がかかってスイッチを破損させる恐れがあるので、あくまで自己責任の改造になります。力の入れ方を上手く調整できない人がつかう場合は、TwistedThinTwistedLargeのようなグネグネ曲がりそうなスティックで力を逃がせると良いかもしれません。ただウチの3Dプリンターではサポート材がうまくつかずに出力できませんでした。Curaの設定次第だとは思うんですが。作者と同一機種、推奨フィラメントをお使いなら.gcodeファイルを直接使わせてもらうと上手く出せるのかも知れません。どうしても必要ならDMM.makeなどの出力サービスにお願いしちゃうのもいいかも。

あと、Multitoolパーツはいちど強く締めすぎて下側がポッキリ折れてしまいました。3Dプリント時はインフィル(充填)率を高めるなど強度に留意したパラメーターを心がけるのが良いと思います。可能ならモデリングツール側で一体化してしまうとか補強構造を追加するのが理想かもです。

ともあれ、多少ナナメ入れがしづらいものの、ReWASDと組み合わせてレバーでマウスカーソルを上下左右に動かせるようになりました。ReWASDは各ボタンの短押しに加え、長押しや連打にも固有の動作をアサインできます。今回は手指が自由に動かないので二度押しなどは前提とせず、短押しと長押しのみを利用する想定で、下記のようなアサインを考案してみました。

ボタン短押し長押し
Aボタン左クリック右クリック
Bボタン戻る
XboxボタンWin(スタート)キー
ビューボタンオンスクリーンキーボード開閉トグル(Ctrl+Win+o)
メニューボタン
通常時

ボタン短押し長押し
Aボタン左クリックSpace(変換)
BボタンバックスペースEnter(確定)
Xboxボタン
ビューボタンオンスクリーンキーボード開閉トグル(Ctrl+Win+o)
メニューボタン
文字入力時(osk.exeがフロントにある時)

前述のように実運用まではもっていけていないので、実際は利用者でユーザテストをして、たとえばシニアにとって覚えやすさでいけば、A/Bボタンが左クリック、右クリックの方が直観的だろうとか最適化が必要かと思います。上の設定例はどちらかというと利用頻度を考えて自分ならこうするかなという効率重視なセッティングです。例えば文字入力で確定のためのEnterより打ち間違えて連続してBSしたい時の方が多いだろうということでこのような割り当てになっています。

Windows 11のオンスクリーンキーボードは2つあって、ひとつはタスクバーにボタンを出しておきそこから呼びだせるもの、もうひとつはCtrl+Win+oで開くものとなっていてややこしいです。少なくとも後者はosk.exeという実行ファイルで動いてるようで、ReWASDでアサイン切り替えができました。タスクバーから呼び出す方は今のところ成功していません。どちらかといえばこっちの方が使いやすい気がするので、これを.exeで見分けたり、ショートカットキーで呼びだせると理想なんですが。情報お持ちの方がいらしたら教えてください。

また本機はXbox Eliteコントローラー2のように3つの設定メモリを持っており、ハード単体でアサイン状態を切り替えることができますが、今回は利用者がシニアということでそこまでの使いこなしは難しくかえって混乱を招いてしまいます。このボタンは無効化やリマップができないので、しかたなく全メモリスロットの同じ設定を書き込んでおくことで対応しました。

・アナログスティックを自作する

アナログスティックの方がより自然にマウスカーソルを操縦できそうなのですが、残念ながらXbox Adaptiveコントローラーには内蔵されておらず、外付けにする必要があります。製造コスト的にはそこらで売ってるゲームコントローラーに内包されているパーツなので、もっと安く作れるんじゃないかと思うわけですが、残念ながら市場がニッチすぎるのか、各種障害補助金で買う(メーカーは税金からお金もらう)前提なのか、ちょっとお高い。たとえばこれなど4.4万円とXbox Adaptiveコントローラーより高い。なんなら高級ゲームパッドのエリコン2やDual Sense Edgeより高いw。仕方ないと思いますし国内販売してくれているだけ有り難いのですが、今回の自腹研究ではちょっと手が届きませんでした。

そこでちょっと見てくれは悪くなるし、固定部分はDIYで工夫が必要ですが、とりあえず動くものを作ってみるということで模索。アプローチは2つあります。

1. USBコントローラーを経由してUSB端子に接続

Xbox AdaptiveコントローラーのUSB端子はいわゆるHID準拠のジョイスティックデバイスを受け付けます(マウスやキーボードとして認識されるデバイスは不可)。この動画の例では自作キーボードなどで使うPro Microを使ってるぽいです。

2. 可変抵抗を通してアナログ値を直接X1/X2端子に入れる

こちらは左右のアナログトリガなどに使う用のX1/X2端子に可変抵抗値を入れる方法。この動画ではPS2のスティック部品の出力を3.5mmコネクタに変換して接続している模様。

こちらの方が簡単そうなので必要なパーツを揃えるところまではしましたが、そこでタイムアップというか、父が「マウスでいいや」宣言を出してしまったので一旦保留。そのうちヒマを見つけて動作確認はしたいと思いますが、忙しさに埋もれてしまう可能性も大きいので、一旦知見として公開しておきます。

PS2スティック

別にSwitchやPS系、Xboxでも使われているレバー部品なら以前Switchコン修理したのが余ってたんですが、なんとなくこの動画に倣ってみたかったのと、ピンが一列に並んでいてコネクター接続がしやすそうだったので買ってみました。

いわゆるピンヘッダーとかで使うコネクターが使えそうだったので、こちらを購入。

アナログ値2つ(上下・左右)に加えスティック押し込みの信号もあるので5ピンです。Xbox Adaptiveコントローラーに入れる時は、X1/X2ジャックのどちらかに加え、(押し込みも活用したければ)L3/R3ジャックにもつないでやる形になりそう。このケーブルのUSBコネクタ側を切り落として5芯線として使う算段でした。

その芯線をこちらの変換端子にネジ止めしてやれば、ハンダ付け無しで3.5mmジャックにいれてやることができます。

押し込み動作用の2ピン仕様はこちら。

たぶんこれだけあれば自作アナログスティイクは作れるんじゃないかと思っています。もちろんハンダごてが使える人、よりスリムに組みたい人は、自分で4極と2極の3.5mmプラグを用意して配線する手もあるでしょう。

■まとめ

ちょっと今回の取り組みとしてはここまでになりそう。また時間ができたら動作検証などはしておきたいと思います。実際に組んでみた、使ってみたという方がいらっしゃいましたら情報交換させていただけると有り難いです。

あともしSONYのAccessコントローラーがWindowsでも使えそうなら、これから買うならそっちがいいかなーという気もします。実際にアナログスティックでマウス操作するとどれくらい快適なのかもテストしてからにはなると思いますが、もし仮に父の具合が再び悪化するようなことがあれば、(Windowsで動くならですが)買い直すことも視野に入るかも知れません。

余談ですが、Xbox Adaptiveコントローラーは手指が不自由な人向けの商品だけあって、箱も極力簡単に開封できるようデザインされていて興味深かったです。

Xbox Adaptiveコントローラーのパッケージ

SONY版が出た時はガジェット系Youtuberの開封レビューを探して、後発SONYのその辺りのこだわりっぷりにも注目してみたいと思います。もちろんそこら辺にも手を抜かないのがSONYだよなっ!?

3Dプリンターフィラメントの真空バッグ保管を電動ポンプで効率化

3Dプリンターの素材となるフィラメントは湿度に弱く、長時間空気中に晒すと湿気を吸ってしまいプリント品質に影響(汚くなったり脆くなったり)が出ます。

プロい機材としてはフィラメントのリールごと加熱して湿気を散らすヒーターがありますし、普段はシリカゲルと一緒に防湿庫などに入れておく等の対策もあります。ただそれらはどうしてもスペース的に非効率だったり高くついたりするので、我が家ではこちらの真空バッグを使っていました。

これなら裸でリールを保管するのに比べてほぼ体積は増えないですし、コストも1袋辺り200円前後なのでコスパも良いです。

ただ難点は付属の手動ポンプでシュコシュコするのが大変ということ。かなり厳密に位置決めをした上でポンピングしないと全然空気を吸い出してくれません。いつも100回くらい無駄にポンピングをしながら位置を探り、そこからようやく吸い出しが始まるという感じで数分から10分近くかかっていました。面倒くさいのでつい使い終わったフィラメントを保管するのが億劫になり、最後に使ったものはプリンターにセットしたまま、ということになりがち。

そんなある日、3COINSのこちらの真空ポンプ機の記事を読みました。

https://www.palcloset.jp/display/article/detail/?acd=2304053co_001&b=3coins

食品用のポンプですが専用バッグの空気抜きの穴を見る限り同じような仕組みで流用が効きそう。しかも1,100円!ということで記事を読んだ翌日に速攻で3COINS店舗に買いにいったんですが、なんと近隣店舗含め長期欠品中有で次回入荷は2ヶ月先orz。

待ちきれないのでAmazonで類似品を探してこちらをゲット。

残念ながら価格は倍くらいしますが翌日にゲットできました。

使った感じ、ばっちり吸引することができました。あんなに苦労してシュコシュコしてたのがウソみたい。吸い出し口の上に置いてスイッチを押すだけ。手で押さえてる必要すらありません(ただフィラメントの方が圧倒的に重いので、吸い出し口の方が吸い寄せられて動くので、たまにポンプが倒れそうにはなります)。あの苦労はなんだったんだと。もっと早く知りたかった。3Dプリンター関連アイテムのショップはもっとこれを扱うべき!

充電はUSB microB。Type-Cでないのが惜しい。

また先端のノズルを付け替えることで空気入れにも使えます。

■ちょっとした不満を3Dプリンターで改善

少し不満もあります。先端が交換式になっており、吸引用のアタッチメントがこんな感じで細い支柱があってグラつくのです。受け側は空気が漏れないようゴムになってるのでなおさら。勝手に抜けるようなものではないですが、その辺に転がしておくにも少し扱いづらい。これのおかげで多少雑な角度で当ててもピッタリ吸える、というメリットもあるんでしょうが、手放しで上に置いて吸わせるだけならあまり利はありません。

商品写真ではこういう形状であることを意図的に隠してるんじゃないかとすら感じます。この点は3COINS製品のように吸引専用で割りきっている製品の方が面倒くささがないなという印象。

ということで、3Dプリンターのためのアイテムは3Dプリンターで改善を図ろうということで、簡単なアダプターを作ってみました。これで雑に扱っても折れるとか曲がる心配はなさそう。

アダプターを取り付けたところ。右が作成したアダプターの失敗作。

ちなみに、ちょうど買ったばかりのブラックのカーボン入りPETGを初試用。確かに普通のPETGやPLAより硬質な感じ。力のかかるパーツに使えそう。

これから買う人は(吸い出し専用が欲しいなら)3COINS製のように先端まで一体形状になってるものを選ぶとよいかも知れません。本製品の長所としては空気入れにも使えたり、汁物を真空にできるカップアタッチメントがついてくるところだと思います。

クラウンのスペアホールにDタイプスイッチがはまらかなかった話(3Dプリンターで解決)

自動車のスイッチユニットはメーカー毎にサイズが規格化されていて、オプションの有無によって空きスロット(スペアホール)があり、そこに新たなスイッチや最近だとUSB充電器などを取り付けられるようになっています。トヨタ車だとA~Dの4タイプがあるようです。

例えばこういうものがDタイプです。

今回クラウンのスペアホールにデータシステムのTV-KITの切り替えスイッチを取り付けようとしたところ、元からついてたキャップと同社の付属スイッチTSW016がサイズが全く違って取り付けられませんでした。

右が取り外したキャップ。左がTSW016。
ボタンの大きさは23×23で同じ。紛れもなくDタイプ。

ボタン自体は同じっぽいのですが、後方のスイッチのケース部分が大きく違っています。取り外したキャップの方が大きいので、TSW016がスカスカで固定できません。なにかサイズ変換アダプタのようなものが売ってないか探してみたんですが見つからず。テープなどでグルグル巻きで太くしたり、厚めの両面テープで止めるなども考えましたが、差し込み方向できちっと固定するのは至難の業。

2023.4.28追記:

データシステムさんから返信がありました。やはり仕様として4つあるスイッチパネルのうちの左端には取り付け不可とのことで、その隣につける想定のようです。ただウチの仕様だと左から2番目のパネルは元からウインドウシールドデアイサーのスイッチが入っています。ウインドウシールドデアイサーは寒冷地仕様に含まれるので、寒冷地仕様をオプションでつけた人や(それが標準となる)北海道の人はそもそもこのビルトインスイッチは取り付けできない、ということになります。それは是非適合表にも注釈を載せておいてほしいとお願いしておきました。

アダプタを自作

仕方ないので3Dプリンターで自作してみました。

当該スイッチをセットしたところ

フィラメント(プリント材料)は少しでも熱に強い方がいいかなと思いPETGにしたら色が半透明というかほぼ白なので色を塗らないとかもと思ったんですが、取り付けてみると全然見えないので平気でした。少し奥行きが短いのは単純に時短です。上下の三角の突起で固定されるので、それより後ろはなくても同じのはず。スイッチと作成したケースの固定は、スイッチを前から押し込む形で特にロック機構はなし。普通に使っている分には手前に引き出す方向の力はかからないのでいっかと。

予定外の作業が発生してすっかり夜になってしまいましたがバッチリ取り付けできました(そのうち昼間に撮り直します)。

もしかしたら見落としているだけで既製品があるのかも知れませんが、とりあえず即日で対処できたので良かったです。クラウンのこのパネルはかなり他のパーツと絡んでいて、ここを取り付けなければ他のパーツも組み戻せず、車両を使えない時間が増えるところでした(翌日乗る用事が控えており焦りました)。

単純なプラスチック部品で済む話なので、データシステムさん含めどこかが商品化してくれるといいんですけどね。もしこんな間に合わせの設計データでも欲しいという方がいらっしゃいましたらDMM.make辺りにSTLデータを公開しようかと思います。

2025.3.13追記

久しぶりに頒布希望のコメントをいただいたので、現在もてる材料、装備を駆使して改めて造形してみました。

材料は自分の時のPETG(耐熱性能70℃程度)からASA(耐熱性能100℃)に変更。ノズルも通常の0.4mmから0.2mmに変更し、レイヤー厚0.1mmで造形。小さな突起までかなり綺麗に造形できた気がします。ASAは材料の単価としては少しお高いし、車内使用といっても直射日光が当たる場所ではないのでPETGでもよっぽど並記かとは思いますが、万一変形したりすると面倒くさい位置に使うので、安心代としてはアリかなと。

印刷レシピは固まったのでバンバン作れます。ご要望の方はお気軽にお問い合わせください。

左右は少しやり方を変えて比較したもの。右の方が綺麗なので出荷版は基本こちらに。

以下個人的造形パラメーターメモ

ASAはPLAやPETGよりも表面が荒れやすいイメージでしたが、今回は(写真左の向きで造形して)トップに面が広くないのであまり粗が出なかったかも。壁面生成ロジックを通常の「クラシック」(右)と「Arachne」(左)で出し比べてみましたが、こういうカチっとした形状だとクラシックで良かったかなという印象。Arachneの方は側面に少しアーティファクト(余計な凹凸)が出来てしまいました。Arachneは動的に壁厚を変化させて局面をなだらかにでき精度も上がるとの話ですが、直線的な形状ではあまりメリットはないかなと(今回たまたま出た差かもですが)。