裸眼VRは視力を向上させる? ~Oculus Quest用レンズアダプタ

先日、PSVRを裸眼でプレイし続けたら視力が回復した、という記事が話題になりました。それについてメガネ屋さんが仮説を解説した記事がこちら。

元の体験談が一日数時間とかって使用時間なのであまり参考になりませんし、PSVRでの事例ですがやはりド近眼として興味をそそられます。ちょうどBeat Saberで珍しくVR使用時間が増えているのでどうせならチャレンジしてみっぺかと。

しかし超近眼なので裸眼では全くゲームになりません。そこで快適に見える度数よりちょっとだけ弱い矯正でやってみようと。そしてメガネをそれ用に作るのではなく、気になっていた水中メガネ用度入りレンズ「リーフツアラー」をOculus Go/Questに装着するアダプタを使ってみようと。

こちらがそのアダプタ。質感からして3Dプリンタ出力したもののようです。原価的なことを考えると4,000円はちと微妙ですがオンリーワンなのでまぁいいかなと。

ちなみにリーフツアラー本来の水中メガネ用フレームはこちら。こちらもVRゴーグルでの使用例があるみたいです。σ(^^)はよりガッチリピッタリ取り付けたかったので↑の方をチョイス。

そいてこちらがレンズ。1枚入りで左右どちら向きにも取付可能なので、自分の視力に合わせたレンズを1~2枚選択して購入します。

σ(^^)の場合現在VR含めほぼ日常の全てで使うやや弱めのメガネの度数が-6.0と-5.0だったので、少し弱くする意味で-5.0と-4.0を注文してみました。がしかし1.0の差でかなり矯正度合いが落ち、各種文字がかなり読みづらくなってしまいました。左右の見えは近いので左右で1.0差をつけるのはいいとして、-6.0を1枚買い足して-6.0と-5.0で使うべきか、視力トレーニングの意味では少し見辛いくらいで頑張った方がいいか思案中です。

以下の写真が取り付けた様子。

  1. 最初にレンズの外縁についている黒いフレームパーツを外す
  2. かわりにレンズアダプターをはめ込む
  3. その上にリーフツアラーのレンズをはめ込む

という感じになります。元のパーツを外して保管しておかなければならないのがやや面倒。あとレンズアダプターの噛み合いも若干元パーツより浮き気味で不安な感じ。そして2段手間になるのでかなりレンズが目に近くなります。最初少しはまりきってなくて睫毛やまぶたがレンズに当たってレンズが汚れるくらいでした。場合によってはOculus Questに付属のメガネ用フレームを使った方がいいかも知れません。

■メガネを作るのとどっちがいいか?

今時JINSとか格安店に行けば数千円でメガネが作れるので総コストで言えば似たり寄ったりです。メガネない方が楽かと思いがちですが、実際には一瞬ゴーグルずらして周りを見ないといけないことってVRやってると以外とあるんですよね。そういう時に全くの裸眼になってしまうのも困りものです。

メガネの幅によってはゴーグルに干渉したりもしがちですが、VR専用に作る前提でいえば小さめのフレームを選べば実質問題にはならないでしょう。

唯一メガネで危ないのはレンズがOculus側のレンズに当たってしまい気付けてしまうことです。Oculus側のレンズが傷付いたら大ごとです。メガネ用フェイスパーツで距離を稼ぐことができますが実効視野が狭まるのが微妙。

てことで一長一短ですかね。手軽さでいえばメガネを作っちゃう方がいいかも。σ(^^)は今回、自分用という意味と、左右視力差がある同居人に固めだけ矯正いれてプレイしたらどうかという実験をさせるのに便利かなと思ってアダプタ+リーフツアラーという方を選んでみました。

握力がなくてもSplatoonがやりたい!アナログスティックハック

ウチの同居人ちゃんは最近のゲーム機のアナログスティックが苦手です。握力が弱いのか親指の可動範囲が狭いのか、理由はよくわからないのですかとにかく目一杯まで倒せないのです(ちなみにビニールチャックがちゃんと閉められなかったり、よくものを落としたりこぼしたりしますw)。少し前にPS3のRaibow Sixを一緒にやったんですが、やっぱり左レバーが倒しきれなくて移動がままならない感じでした(それでも楽しんではいましたが)。ちなみに従来のデジタル十字ボタンの操作には問題がなく、むしろ格ゲーとかはσ(^^)より上手いくらいで、単なる「ゲームが苦手なトロい人」という括りでは論じられないようです。

で、年始に訳あってWiiUとSplatoonが一時的に我が家に来て試したんですが、やっぱりWiiUのアナログスティックもダメで目一杯まで倒せず、最遅スピードでしか歩けない(まったくゲームにならない)状態でした。しかしWiiUを返した後もσ(^^)がやり足りない。でも自分しかできないのにゲーム機ごと買うのもな、、、と一ヶ月ほど悩んみ、挙げ句に(保険でアナログスティックが必須ではないマリオカート8も買いつつ)「そんな人でも遊べるアナログスティックに改造すればイイジャナイ!」と自分を納得させて購入に至りました。3Dプリンティングがマイブームだし。

■クラシックコントローラーPROでプロトタイピング

Splatoonはメインゲームにはタッチパネルの搭載されたWii GamePadが必須。オフライン対戦の風船割りゲームのみ、2Pコントローラーとして、後付けのコントローラーが利用できます(いずれにせよアナログスティックが左右とも必須)。いきなりWiiU GamePadをハックするのは勇気がいるので、まずはクラシックコントローラーPROを使って研究。コイツは1,700円ほどで買えるので不可逆な加工や破損のリスクも負いやすいです(実際の利用には別途Wiiリモコンが必要)。

考えたアプローチは2つ。スティックを伸ばすか縮めるかです。実は巷には既にアナログスティック用の後付けオプションが出回っていて、例えばこんなのがあります。主にFPSでエイム(狙い)操作を精緻化する為のもので、スティックを伸ばすことで先端の移動量に対する実際の入力値を減らす(鈍くする)ことで精密なエイムをする狙いの商品です(ダジャレ)。他にもスティックの下にスポンジリングを挟んで抵抗を強くするアプローチのものもあります。いずれにせよ基本的にアナログスティックのレスポンスを悪くする方向のもので、今回のニーズとは真逆になります。

なので最初はむしろスティックを縮める方向で、スティック根元の球体部分に直接十字ボタンパーツを載せて、押し込みからのズラいくらいで入力できるようなものをイメージしました。クラコンProはY字ドライバーがあれば簡単に分解できるので、クローンパーツを3Dプリンタで作るのも楽しかろうと。

ただ、その前にものは試しと、厚紙巻いただけの筒を作ってスティックにスポっとはめてみたところ、ついに走れた!親指をスティック先端に載せて操作するのではなく、人差し指も使ってつまんで操作する感じです。前方に倒すだけなら人差し指で押すこともできる模様。右上のLボタン、ZLボタンを同時に扱うのが難しくはなりますがまずは一歩前進(左レバーだけに)です。

IMG_7739てことで、レバーを伸ばすアプローチで改良したクラコンProプロトタイプがこちら。

ホームセンターで買ってきた木の棒に玉を固定(棒と同じ太さのドリルで玉に穴をあけて刺しただけ)。これを着脱できるよう、スティック中心に穴をあけて、棚板を固定するダボを使って両者を結合しています。スティックは可塑性が高めの樹脂でできているので、ダボを抜くと穴はいい感じに塞がり、σ(^^)が使うのにもあまり違和感はないです。

やはりこれも先端まで使うわけではないので、「アーケードスティックっぽい見た目」以外に玉の意味はないかも知れませんが、なんとなく重心が高くなることで、アナログスティックを倒す力がより弱くて済んでるような気がしなくもないです。

これでバトルドージョー(オフライン対戦の風船割りゲーム)は一応遊べるようになりました。実際には右スティックも扱いづらいので、例のWiiリモコンのジャイロを使う裏技でエイムはジャイロを活用するようにしています。


 

■いよいよGamePad側をハック

さて、ここまできたら本戦であるオンライン対戦もやらせたい。ってことで、1PコントローラーであるWiiU GapePadの改良です。さすがにこちらのスティックにドリルで穴を開ける勇気はないので、ポン付けできてかつ、σ(^^)も遊べるよう簡単に脱着できることを目指します。

基本的には上記プロトタイプと同一形状を意識してFusion 360で設計。DMMでナイロン素材で指定したものがこちら。半分に割ったスティックパーツをアナログスティックを挟み込む形で合わせ、先端に固定用のボールをとりつける形にしてみました。これで2000円強くらい。基本的に3Dプリンタは使う材料の量に比例して価格があがるので、中身スカスカ(肉抜き)にしてあります。格ゲーとかやる訳じゃないので強度的には問題ないとは思いますが、もう少し補強を入れてもよかったかも知れません
。上に書いた玉による重心上げ効果もあまりないかな(^^;)。玉だけ木材にしてもいいかも。

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初めての複数ピースからなるデザインなので、かみ合わせとかが心配でしたが一応つきました。単一パーツと違って、固定のための嵌合部分が難しい。一応小さな突起と穴をつけてみたんですが、イメージより全然小さくてほぼ役に立たす。現状はアナログスティックとのハマリが硬いのでどうにかハマってる感じ。プレイしていると段々根元側が離れてくるので、追加で固定リングを注文するところです。この辺のノウハウが皆無なので全てが手探りです。ボールの穴にしてもスティックの外周直径とピッタリ同じでいいのか、少しキツめにしないと抜けちゃうか?、いやいやゆるめくらいでないと刺さらないかも?とか。結論としてはとりあえずピッタリで出してみて一応固定できてます。ただ摩耗するかも知れないし、素材によっても違うんでしょう。単なるCADツールの使い方の開設本ではなく、こうした3Dプリンティングによるパーツ設計のノウハウ本ってないもんですかね。自分で試行錯誤するには時間もコストもまだまだかかります。

さて、とりあえずこれで同居人ちゃんはSplatoonをプレイできるようになりました。ちょっと目を離した隙にさっくりランク抜かれたorz(だって自宅用WiiU買い直してからはバトルドージョーとマリオカート8ばっかだったしー)。自分でAVアンプ操作してプレイ状態にしたりなんてことは今までなかったし、Amiboなんかも話題に出したりとそれなりにモチベーションが高まってるらしく、やった甲斐があったかなと。まだエイムにはGamePadを振り回してる感があるので、固定リングとセットで右スティック用にもう1つ発注予定。リングが上手く機能したらDMMにデータを公開しようかと思います。

■ゲームハードメーカーさん、是非アナログ入力値のカスタマイズ機能を!

そもそもゲームハードのOSレベル(ないしタイトル側)でアナログスティック入力量の補正機能がユニバーサル対応の一環として搭載されていればこうしたアドホックな対応は必要なかった気がします。オンゲーの場合は公平性がどうのとか色々事情はあるかも知れませんが、まずは誰にでもプレイする権利をという意味でご一考いただければと思います。σ(^^)も今回の体験があるまで、アナログスティックを使えない人がいるなんて想像もしていなかったので、どれくらいのニーズがあるかわかりませんが、、、(同居人曰く、ググると自分以外にもいる!とのこと)

Akerun用に3Dプリンターでサムターンを自作

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「Akerun開発者に見せたい醜いハック」でトップカバーを外し、サムターン代わりに配線モールの端材を貼り付けて使用していましたが、いまひとつ使い勝手が良くないので、前々から3Dプリントをやってみたかったのもあり題材としてチャレンジしてみました。

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以前購入した右の書籍を参考に、123D Designを使ってデータを作成。DMM.makeに出力してもらいました。費用は2,500円程度。日数は5日ほどで送られてきました。

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素材は色々悩みつつも値段がもっとも安いナイロンで。ナイロンの欠点は手触りが多少ざらつくことと、色が(直接は)塗れないことですが、実際に手に取ってみると手触りは許容範囲で実用上は全く問題ない感じ。色はプライマーを吹いてから上塗りしようかと思って白にしましたが、とりあえずこのままでもいいかなとも。ただ塗った場合の手触りなんかも気になるのでいずれ気が向いたらチャレンジするかも知れません。

サイズはノギスとかなかったので普通の定規による目測でしたが、円径部分の直径がやや足りず、中心の凹みがやや狭かったです。凹みのキツさで固定できるという結果オーライな感じになってますが、アクリルとかだったら硬くてはまらなかったかも。この辺の微調整に日数やコストがかかる点が3Dプリンティングの悩ましいところですね。実際にはある程度のところで妥協したり手で補正加工したりして使うことになるでしょう。

ともあれ今回はそんな追加作業なしにスポっとはまるものが作れたので成功と見なしたいと思います。

DMMのクリエイターズマーケットにも出しておきましたので、もし使ってみたいというマニアックな方がいらっしゃいましたらご自由にご利用ください。端数くらい切り上げて儲けとさせていただいていますが、ほぼ実費です。またデータも無料公開しているので加工してのご利用もご自由に。

#うん、まぁ一人でもいたら驚きだな…

いやー、3Dプリンティング楽しいなー。3Dプリンターが欲しくなってくるけど、コスト的にも置き場所的にもまだまだ躊躇しますね。