Starlink Miniの車載実験など

Starlink Miniの最大性能を引き出してみたいということで、前回自宅で多少障害物警告が出る状態だったのを、より開けた場所に行って計測してみました。

またムーンルーフ(サンルーフ)マウントも作ってみたので、それの試験と、

  • 屋根置き
  • ムーンルーフ内側
  • フロントガラス内側

でどれくらい速度差が出るか検証してみました。自動車のガラスは熱線反射処理がされていることがあるので、電磁波もカットされる可能性があり、どれくらい影響が出るか気になります。

ちなみにムーンルーフはトヨタの呼称です。サンルーフと同義と思ってよいです(じゃぁそう書け)。

動画で見たい方はこちら。

Starlink Mini追加検証 車載やTracerouteも

Starlink Mini検証第二弾。 前回よりも障害物が少ない場所でテスト。 車のルーフ上、サンルーフ内、フロントガランス内で速度比較。 またパケットをtraceroute(トレースルート)コマンドで追跡し、どんな経路で通信しているのか調べてみました。 3Dプリンターで作ったアクセサリの紹介も。 自作アクセサリについてはブログでも紹介しています。 ・防水パッキン付きLANプラグカバー …

なお、Starlinkは日本で移動局としての認証を取得していないので、走行時の使用はNG(法律違反)です。車中泊など停車中の使用に限定されますのでご注意ください。

■電源ケーブルスプールを変更

15mもあるDCケーブルは、屋根に設置するのでもない限り持て余しがち。といいつつもキャンプとかもっていって現地で足りないと悲劇なのでやはり持ち歩くしかない。ということでコンパクトに巻いて持ち運べるスプールの3DモデルをMakerWorldで物色。

最初に作ったのがBonzo氏作成のこちら。Starlink Miniの元箱にフィットする形状。左に置いてある紙のホルダーに入って、凹みに収まってくるんですが、その凹みを再利用する形。

これ、元箱にそのまま仕舞っておくには良いのですが、実際に使ってみるとイマイチでした。巻き取るにも引き出すにはクルクル回転させられないのでとても効率が悪いのです。

で、同じBonzoさんが別モデルのStarlinkの箱にあわせた正円版も提供していたので、そちらで作り直しました。また最初のヤツで両側のプレートがペラペラでやや頼りなかったので、モデルをいじって少し厚みを増やしました。

他モデル用も15mなのか、ケーブルの長さ(容積)に対してピッタリ過不足ないサイズ感が良き。市販品ではなかなかこうは行きません。

しかも思わぬ副次効果として、純正DCアダプターがちょうど中心にスッポリ収まります。これの何が嬉しいかというとアダプター側のプラグを引き出す量を最小限にして写真のように使える点。あとはアンテナ側を必要量だけ引き出せばOK。

もとからついていたケーブルタイ(写真左上)は長さが足りなくなったので、市販品をカットして使います。

■ムーンルーフマウントを作る

お次はムーンルーフに貼り付けるマウントです。Amazonとかでもいくつか見付かります。

ただクラウン(クロスオーバー初期)のムーンルーフは前後方向に短いので、横向き設置想定で、短辺側に吸盤が来る必要がありそう。2番目のは良さそうですが結構高い。使用頻度が高いものではないのでちょっともったいないなということで、これもMakerWorldで提供されているモデルを物色。

これに着目。ただ想定している吸盤が日本のAmazonでは買えなさそうだったので、似たようなものを探して購入。アームの間隔があわなかったので少し修正させてもらって造形しました。アーム自体も少し長さや角度を調整しています。

また造形時間や材料を節約するため、フレームと吸盤をつけるアーム部分を別パーツに分割したんですが、PETGだと瞬間接着剤で上手くくっつかなくて不慣れなプラリペアで固定したらちょっと汚くなってしまいました…

これをStarlink Miniの上下にとりつけて、横向きにして吸盤で固定。ガラスが微妙に湾曲しているのか、位置決めが少しシビアです。上記の吸盤4つのタイプの方がその点でも冗長性という意味でも良いかも知れません。

ただなんということでしょう!

閉じられちゃいましたw。これなら落下の心配はなさそう。ただ排熱はどうだろ?ケーブルの取り回しも考えないとですね。

まぁ当面は走行中は使用できないので、あんまり意味ないかな。停車中ならフロントダッシュボードで良いし。

■設置位置による速度差検証

さて、それでは実際の速度に影響はあるのか調べていきます。クラウンのムーンルーフは見るからに色がついてて熱線カットもしてくれそうです。

まず屋根置き。

Starlinkアプリでカメラを使った障害物診断もクリアです。全項目が「良好な経験」になったの始めて見た。

結果はこう。

下り151Mbps、上り17.9Mbps、レイテンシ27ms。ちなみに以前の記事で貼った、もっと障害物があって赤色が多かった自宅では、下り181Mbps、上り15Mbps、レイテンシ26msだったので落ちてる!携帯やWi-Fiの電波と同じで、電波強度と速度はそこまで相関しないのかも知れないですね。それよりは時間帯による混雑度合いの変動の方が大きそう。自宅でも速いということは嬉しい一方、もう少し驚く数字が出るかという期待は外れました。ただ、「高度なスピードテスト」モードでは「Starlinkからインターネット」区間で236Mbpsという速度を観測。なんとWi-Fi区間より速く、Wi-Fi5がボトルネックになってます。上りも20Mbps超えです。

しかしこの数字をどう組み合わせても先の151Mbpsにならないのはどういうことなんでしょうね。本当に1回1回の変動が大きいってことなんでしょうか。(今回すべての条件で1回ずつしか測定していません)。

この後も通常テストと高度なテストで結構なバラつきがあって解釈が難しいのですが、とりあえずそれぞれを掲載しておきます。ともあれ同様に、

  • ムーンルーフ直下マウント
  • フロントガラス直下、ダッシュボード置き

も計測した結果がこちら。高度なテストの結果画面にはレイテンシが出ないので記載がありません(高度なテストなのに!?)。

通常測定と高度なテストで順位バラバラです(;´Д`)

やはり何回かずつは測って平均とらないとダメでしたね。

単なるランダム変動でないと仮定したらの話ですが、やはり屋根置きが安定して速いかな?ムーンルーフは設置の手間や落下のリスクに見合うほどのメリットはなさそう。

晴天なら屋根置きとか地面など車外に出すのが無難かな、、と思いかけたけど、考えてみたらStarlinkは防水仕様だから別に雨でも外でいいじゃん、とw。積もるレベルの雪だとワイパーが使えるフロントガラス内側のメリットが出るかな?

ちなみにクラウン始めトヨタのハイブリッド車には車内のAC1500Wコンセントからの電気を車外に引き出すための「外部給電アタッチメント」が付属しています。

引用:トヨタ自動車

これを使えば雨や虫の侵入を防ぎつつ簡単にケーブルを車外に引き出せます。

あと屋根置きは風で多少カタカタいっていたので、強風時は注意が必要かも知れません。ボディに傷がついてもイヤなのでムーンルーフガラスの上に設定してましたが、なにかシリコンマットみたいなものを敷いてもいいかも。地面でもいいんですが場所によっては障害物を除けるのに高い場所の方がいいかもですよね。そういう時はポールマウントかな。ポールのかわりにつける三脚穴つきのマウントなんてのもあります。

これも3Dモデルはたくさんありますが、さすがに金属の方が安心かなとか。またアンテナは重さや風に煽られやすい形状なので、三脚の耐荷重以上に安定度には気を遣いそう。なにかしらのマウントアームに使うならまだしも、三脚はあまり高いものは恐いかも。

■まとめ

現行の認証ではあくまで停車中に限定されますが、車中泊などで使う予行演習ができたかなと思います。クラウンで車中泊は無理ですが、クラウンから電源とって、その近くのテントやロッジ内でWi-Fiや有線LAN経由で使うのもアリかなとか。ファミレスとかでもワンチャン駐車場と店内の席が窓越しくらいの距離ならいけるかも?USB電源アダプタが届いたらモバイルバッテリーつないで車内放置して試してみたいなと思っています。

Starlink Miniの防水パッキン付き有線LANプラグを自作する

Starlink Miniの有線LANポートは防水仕様になっています。RJ45ジャックがかなり奥まったところにあり、ケーブルのプラグに二重のパッキンがついています。

公式ケーブルの写真がこんな感じ。右側が防水プラグです。

公式ストア価格で15mが7,000円とややお高いので、3Dプリンターでプラグカバーを自作して市販のLANケーブルを使えるようにしてみました。

まずベースとしてプラグ部分がなるべく小さいケーブルを物色。ELECOMのECLD-GPASSTBKシリーズを選定。色は黒のみで、1,2,3,5,7,10mのラインアップがあるようです。

いきなり完成イメージ。

ロックの爪をあえて押さえっぱなしにする構造です。固定自体は弾力性のあるパッキン部分が充分そうなので、抜き差ししやすさを優先して爪は使わない考え。

実際の造形では上下真っ二つにしてケーブルをサンドイッチする形にしました。

爪は常に押さえつけられた状態

固定は接着やテープで巻いてもいいんですが、一応着脱可能できるようにと、溝をつけてOリング(小さなゴムバンド)で留められるようにしてあります。下記セットから直径6mm、太さ2mmのリングが合いました。

造形にTPUというスマホケースなどに使う弾力性のある素材を使うことで、パッキンリング部分に弾力をもたせてみました。PLAなど固い材質で造形して、Oリングをパッキンとして使うことも考えたんですが、抜き差しする時に外れてしまうかなと思ったり。ただ結果的にOリングも最後のフタになるような位置取りになっています(ほぼ偶然)。どうしても上下パーツが開いてしまうのでくびれのところにもう一本Oリング巻いてもいいかも。

使用しているうちにTPUのリング部分が削れたり変形したりして緩くなる可能性もありますが、そうそう何百回も抜き差しするものでもないので、一旦これでいいかなと思っています。

今のところELECOMの特定ケーブル限定で10mしかないですが、純正ケーブル15mを7,000円で買うことを思えば1,800円はかなり安上がりかなと。

また中華互換ケーブルも3,000円くらいでありますが、長さごとに買い揃えると割高だし嵩張るなと。

もちろん長期的に固定で設営するならばプラグだけでなくケーブルも耐候性のあるものを使わないとですが、自分はアドホックな場面での使用がメインなので、状況に応じた長さのケーブルを使い捨てに近い感覚で好きに使えた方が便利だろうと。ECLD-GPASSTBKシリーズはスリムケーブルなので嵩張らないのもGood。

今度山奥のロッジ的なところに宿泊しに行って、アンテナは屋外に設置し、内蔵アクセスポイントはオフにし、有線LANケーブル(と電源)を室内に引き込み、別のWi-Fiルーターに接続して使ってみる予定です。

ちなみにルーターはこれがオススメ。USB-C給電で荷物が減らせるし、LAN側ポートも2ポートあるので、PC等を有線接続可能。

Wi-Fiと有線LAN性能がアップした新型も出てるんですが、LAN側ポートが1つに減ってるので買い換え躊躇しています。WAN側が2.5Gbpsでも宿泊施設とかでは活かせないので。むしろPCやFireTV Stickなど有線で複数台使いたい場面の方が多くて、別途ハブが必要になる方が困ったり。でもWi-Fi 5GHzgが1201 Mbpsから2402Mbpsに高速化してるので、FireTVくらいならWi-Fiでいいかってなったりも。

そうこうしてるうちに全部入りの新型が出ないかなと期待。

Starlink Miniを買うたった(届いた)

届きました。注文が2/3早朝、出荷のお知らせが来たのが2/7午後、名古屋から佐川で送られて到着が2/9の昼過ぎ頃でした。納期表示が「通常14日~20日」だったことを思えば早く届いたかなと思います。ちなみにこれを書いてる時点では「1~2週間」に短縮されたようです。

早速セッティング、アクティベート、ベンチマークをしていきます。なお現時点でStarlink Miniの日本語の動画はレアだったので、一応自分でも撮影してみました。動画でみたい方はこちらをどうぞ。

パッケージ内容はこんな感じで、本体の下に電源ケーブルが収まっています。かなりシンプル。IKEAみ。

付属のACアダプタはこれ。USB Type-Cではなくいわゆる5521(外径φ5.5mm 内径φ2.1m)プラグのジャックに防水機構をもたせたもの。プラグ側にゴムパッキンが一体化しています。デカくて角張っていて、電源プラグも折りたためないアメリカンな雰囲気。

出力は「30V x 2.0A = 60A」のようです。USB PDの時は100Wが必要ぽいですが、こっちは60Wでいいんだ?という感じ。

実使用は20~40W程度のようですが、15mとか長尺ケーブルを使うせいか減衰も考慮して高めの電圧で送り出す必要はあるみたい。

いずれにせよあんまりイケてるACアダプタではないので、もしポータブルで使うならUSB PD環境を揃えて使いたいところ。先の記事にも書きましたが、こちらの変換アダプタを注文済み。同梱品だけではUSB PD給電はできず、純正オプションも社外品も翌日配送では入手できないので注意が必要です。

ハード周りで気になったのはその防水プラグ。電源ポートと有線LANポートそれぞれパッキンのついた防水プラグ仕様なんですが、その抜き差しが結構固い。これがStarlinkプラグという大層な名称の有線LANポート用のキャップです。

確実な防水のためには仕方ないんでしょうが、かなりキツキツで、その上つかんで引っ張れる持ち手が小さいので結構グリグリ力を入れて引っ張る必要があります。これがケーブルになると、ケーブル自体を引っ張るわけにもいかず、更につかみ所がないのです。

またこれも防水のためかもですが、実際のポートhじゃ結構奥深いところにあります。

市販のRJ45ケーブルをさすごこんな感じで爪までスッポリ入ってしまって、マイナスドライバーかピンセットでも使わないと外せなくなります(^^;)。ブーツがついててそっちから爪を押さえられるケーブルもありますが、それはそれでブーツの幅で奥に刺さらなそう。

基本はこういう専用設計のプラグである必要がありそうですね(写真のグレーの方)。

一応、3Dプリントで一般ケーブルを使うカバーが作れないか思案中。

設置&アクティベーション

とりあえず庭で初期設定。植木の影にならないよう脚立の上に設置。

専用アプリによる位置決めや初期設定の様子は是非動画でご覧ください。

アプリは概ねしっかりしてわかりやすい出来なんですが、Webページに遷移して登録するフローがイマイチでした。Apple Payを使って名前や住所、電話番号情報の転記ができるようになっているものの謎のエラーが出て何度やっても通らず、結局全て手入力でクレジットカード決済しました。またその際、自分が悪いのですがメールアドレスを打ち間違い。確認欄もなく確認メールでURLを踏むといった手順もなく、間違えに気付かないまま登録が完了できてしまいました。後からマイページにログインしようとして「メールアドレスが存在しない」的なエラーになって詰み…。ログイン画面ではIDにメールアドレスしか使えないのですが、パスワードリセットでは電話番号を使うことができたのでなんとかサポートのお世話にならずに自己解決できました。なお電話番号も国際形式(81始まり)で入力する必要がありハマる人いそう。電話番号とパスワードで認証した後で、更に二段階認証で登録アドレスにメールが行き「ダメやんけ!」と思ったんですが、再送時にはSMSが選択でき事なきを得ました。間違えたメアドの主には何度も謎メールが届いてしまい申し訳ない。なんかこの辺のフェールセーフのなさがテスラに通じるものがあるなぁと思ったり(偏見)。そもそもメールアドレスを打ち間違えたとわかったのはたまたま動画撮影をしていたからで、それがなかったら「登録まで日数かかるのかなぁ」とか思ってたかも知れません。

■スピード比較

本体に電源が入りアプリとのリンクが確立すると契約前でもスピードテストができます。それがこちら。下り181Mbps/上り15Mbps/レイテンシ23msです。

100Mbpsは超えるっぽいと思ってましたがなかなかです。ただこれはWi-Fi区間を含むかどうか不明。たぶん含んでない気がします。

別途「高度なスピードテスト」というのが実行できて、そちらは「端末-アンテナ間(Wi-Fi速度)」と「アンテナ-衛星間(WAN速度)」が別個に測定できます。ただこれはこれでWAN区間(青)の方が妙に遅い数字になる。じゃぁ総合して181Mbpsってどこから来てんねん、ってことに。

まぁでも確かなのはWi-Fi5(802.11ac)でも足りるってことですかね。ただ後述しますがping値はWi-Fi経由すると結構遅くなる印象はあります。

ここはやはりStarlink外で計測した方がフェアでしょうということで、Ooklaのスピードテストアプリ(iPhone 16 Pro Max )で計測。せっかくなので内蔵セルラーでの速度や5Gモバイルルーター(FS050-W)、自宅回線(フレッツ光10Gbps)とも比べました。またMacBook Proで有線LAN接続も試してみました。動画用に作った画像ですみませんが、こんな感じ。

唯一LINEMO(Softbank低価格ブランドSIM)が180Mbpsを叩き出していますが、それ以外は数十Mbpsくらい。それと比べて160Mbps近く出ているのは立派。しかも5Gエリアとか関係なく空さえ開けていればどこでもこの速度が享受できるわけです。

当然光には遠く及ばないですが、光ファイバーを通すのが難しい集合住宅や賃貸住宅、郊外だったりには貴重です。住所固定プランなら使い放題でも6千円台なので北向きに空が見通せるならアリですね。個人的に光が使えない物件はまず選ばないですが、引っ越してすぐ光が開通できない工事待ちの1,2ヶ月だけ契約するみたいな使い方にも良さそう。

ちなみに10Gbpsの割に光が遅いですがこれは室内のWi-Fiアクセスポイントに庭からつないでいるせいもあるかもです。また2.4GHzと5GHzと6GHzが混在のメッシュWi-Fiなのでもしかすると2.4GHzでつながっていたかも?自宅内で有線LANなら4桁軽く出るのでこれはあくまでWi-Fiがボトルネックになってるとお考えください。

それにしてもSoftbankが”パない”ですね。LINEMOはPerplexityを安く使うために契約していて基本使ってないんですがもったいないな。メイン回線を十何年ぶりにSoftbankにしたい…けどフレッツの光割もあるので、なんか上手い組み合わせを検討しようかな。

閑話休題。あとは有線LANの計測。Starlink Miniの有線ポートにMacBook Proを直結(ハブを介さず)して計測したのがこちら。

speedtestとfast.comで下りが倍違いますが、200Mbps出ました(speedtest.net)。pingも36msなのでか上記の70msと比べるとかなり良くなっています。Starlinkアプリでも23msだったので、ここはWi-Fi区間が足枷になってそうですね。Wi-Fi5なせいなのかルーター自体の性能の問題なのか。レイテンシが気になる使い方(FPSゲームなど)なら有線で使うか有線経由でより新しい規格のアクセスポイント専用機を別に組み合わせた方が良いかも?

一方上りが18Mbps近辺なのは衛星通信側の限界ですかね。特にMiniのアンテナサイズで500km上空の衛星まで送信するんだから仕方ないのでしょう。500kmといったら東京-大阪の距離ですもんね。このA3くらいの板でそんな距離電波を届かせられるというのがいまだによくわからない謎技術。

■車載もしてみた

現状、日本とブラジルでは移動中の利用は法令違反になるので禁止だそうです。ちょっと残念。いわゆる「5GHzは屋外禁止」なのとは別の規制ですかね。それ言い出したら必ず屋外で使うStarlink Miniに5GHz Wi-Fiが内蔵(有効化)されてたらアウトです。こちらの資料によると「移動局としての認可を取れてないから」ということなんですかね。いずれ使えるようになってくれると嬉しいです(何に使うとかはさておき)。

ということで、移動先で車を駐めた状態でテストしてみました。クラウンにはムーンルーフ(サンルーフ)があるので、そのガラスの内側に吸盤で固定するマウントを3Dプリントしていったのですが、上手くつかず後日改善して再挑戦予定。サイズ的には横向きならいけそうでした。そもそもここは熱線カットガラスだと思うので電波透過率も悪い可能性あり。

とりあえず今回はフロントダッシュボードに雑に置いてテスト。USB PDアダプタもまだないので、通常のACアダプタをAC 1500Wポートにつないで給電。

方角もまずは駐車場枠ありきでできるだけ北に向いたところに駐車。その範囲で雑に置いただけ。車内だとスマホアプリでグルグル全天を見回してのテストもできないので。そんな雑な向き、フロントガラス越しであっても下り数十Mbpsは出ました。ネトゲTPSシューティングのTHE DIVISION2を2人でプレイ。自分より遅延にうるさいパートナーでも不満なくプレイできたとのことです。ファミレスなどのフリーWi-Fiやテザリングだと全然ゲームにならないそうなので、それよりも優位ということになります。

そのためにROAMプランを継続契約することは今のノマド頻度からすると厳しいですが、理論的にはファミレスの窓際席に座って、車も窓近くに置ける位置取りならば、モバイルバッテリーで車内にStarlink Miniを稼働させておき、Wi-Fiで店内から利用するとかできそうですね。いずれ山奥のコテージとかいってエクストリームゲーミングもしてみたしなと。

■まとめ

とりあえず前評判通りに使うことができ、自宅外で100Mbps超のネットワークが使えるという手段が手に入ってワクワクします。場合によっては客先UT現場でモバイルルーターの代わりに持ち込んでもみたいですが、アンテナだけ屋外に設置するというのは多くのクライアントのビル建物では難しいかなぁ。たまにゲスト用Wi-FiがショボくてZoom/Teams配信が切れる時に今は上りが強い楽天モバイルをモバイルルーターで使ってたりするんですが、そういう用途にいいかな?でも上り有線なら楽天モバイルかな(エリアなら)。

とりあえず初回契約したので1ヶ月は色々使ってみたい。その後はたぶん休眠かな。

DIYの宿題としては、

  • キャリングケースを用意する
  • サンルーフマウントを完成させる
  • USB PD給電で使ってみる
  • Ethernetポート用の防水ブーツを自作してみる

辺り。特にキャリングケースは保管する上でもポイント。周辺機器やケーブルも含めて1つのバッグ/ケースにまとめて待機させておきたいです。16インチのノートPCに対応したリュック/バッグを中心に物色かな。ハードケースも気になりはしてます。

また追々記事や動画を追加していきますのでご関心あれば時々覗いてみてください。RSSリーダーをご利用の方は登録しておいていただければと思います。

2025.8.26追記: 0円休止が不可に?スタンバイモード開始

今月、SpaceXからスタンバイモードという料金プランが発表になりました。月額730円で低速通信(0.5Mbps?)が使い放題というもので、お得でしょ(ドヤ、ってアナウンスしてますが、実質的に「使ってないユーザからも徴収するぞ」的な意味合いが強いです。「災害時に(他に通信手段がなくても)スムーズにプラン復活できるよ」と謳っていますが、もともと契約手続は未契約状態でもできるんじゃなかったっけ?と。まぁみんながハードだけ買って災害発生まで封印してます、じゃ全然売上あがらないですしね。ハード料金が逆ザヤだったら赤字を垂れ流すばかりです。アメリカで先行して施行されたのが日本にも、、という流れです。

9月までに「スタンバイモード」プランへの変更承認操作をしろ、でなければ回線契約はキャンセルされる、というお触れですが、これキャンセルした後の再契約になにかバリアがあるのかどうか気になるところです。あと低速モードで速度はどれくらいでるのかも。アメリカで始まった時に0.5Mbpsとアナウンスされたようですが日本のリリースではなにも書かれていませんでした。0.5Mbps出るならYoutubeなどの低解像度動画くらいはギリギリ再生可能?国内のLTEの低速モードよりは実用性がありそうですが、今のところ我が家では使い道がない。移動中の車内で使えるようになればあるいは、、くらい。アメリカなんかだと休眠してる別荘などの遠隔メンテナンス(監視カメラなど)にもってこいだとか言われてますが、日本だと僻地の倉庫や畑の監視とかIoT用くらいでしょうか。家庭で使うには微妙な速度です。とはいえ使い放題ではあるので、自宅に固定回線やポケットWi-Fi的なものを数千円/月払って契約するほどではないけど、たまにOSアップデートなどがあると辛い、みたいな人(かつStarlinkを設置できる環境にある人)にはうってつけ?いやでもたまの需要ならpovo2.0やmineoのトッピングの方がいいか?ハード代いるし。画質にはこだわらないけど、スマホ回線とは別に自宅でAppleTVやFireTVで動画を延々見たいって人が一番フィットするかな?まぁなんかそれくらい無理矢理ひねりださないとおすすめはし辛いというところです。

個人的には9月期日ギリギリまで待って再契約になにかバリアがあるのか情報を集めてからスタンバイモードにして730円払うか、一旦解約するかを決めようと思っています。

[3Dプリント] 金属検知器TY-20MJの扱いづらいスイッチを改良する

家族の仕事関係で粉体に脱酸素剤を入れる工程があるのですが、入れ忘れのチェック用にこちらの金属検知器を使っています。

ハンディ 検針器 TY-20MJ 金属混入探知

ハンディ 検針器 TY-20MJ 金属混入探知

3,099円(11/06 02:15時点)
Amazonの情報を掲載しています

脱酸素剤の主成分は酸化鉄なので、袋の上からこれを当てればピーピー鳴ってくれます。鳴らなければ入れ忘れているということがわかるわけです。その他、服飾関係の作業でまち針の抜き忘れとか、異物混入のチェックに使えます。

2年ほど使っていますが最大の不満は電源スイッチが操作しづらい点でした。スライドスイッチなのですが、写真のようにほぼ出っぱりがないので、爪を立てるようにしなければ入切できず、片手ではほぼ扱えないのがストレス。

ふと「これ3Dプリンターで交換部品を作ってやれば簡単に付け替えられるのでは?」と思ってバラしてみたら案の定、シンプルは樹脂部品がはまっているだけでした。

さっそくリバースエンジニアリング(=採寸)して3Dモデルを起こし、親指で操作しやすい形状にした互換部品を作りました。写真の左下がオリジナルの部品で、右下が1号。真ん中に親指の腹を当てて前後に動かす想定でしたが、やってみると前後それぞれの端っこを抑える方がやりやすかったので丸みをつけて端でも真ん中でも扱えるようにしました。また滑り止めの溝も入れています。

これでばっちり片手で入切できるようになり、左手で小袋を持ち上げて「あれこれ脱酸素剤入ってるかな?」と心配になったらそのまま右手で本機を手に取ってオンして使うことができます。地味ですが非常に効率的に作業ができるようになりました。めでたしめでたし。

Starlink Miniと組み合わせるモバイルバッテリー検討

Starlink MiniはUSB PD 100W出力で動作できるので、モバイルバッテリーを組み合わせればケーブルレス動作もできそう。この動画によると20V出力ができれば65Wでも駆動できてるっぽい。

Starlink Mini – Power Options – 12 Volts, USB C and more RV Motorhome Campervan Car Camping

In this video we check out our experience of the Starlink Mini, looking at all the ways we power it. You can find our other videos on the Mini Here: -Starlink First Impressions https://youtu.be/-WuyZ1DGQVM -Starlink Mounting Options https://youtu.be/NZhCBUcfZXw -Starlink In Depth Review https://youtu.be/VNASFNlBqjU -Starlink Video Playlist https://www.youtube.com/playlist?list=PLHOEQx7dQbeU5JSoUNNTqmsSnzCHSTtKw Product Links – As an Associate, we earn from qualifying purchases.

前記事で紹介したこの動画のように3Dプリンターでケースを作れば一体感も出てヨサゲ。

DIY StarSled Go – Cheapest Smallest Starlink Battery Pack

The Cheapest, Smallest and Lightest DIY Battery Pack for the Starlink Mini Use this link to get 30 days free Starlink service: https://www.starlink.com/residential?referral=RC-DF-6132404-92473-43 This 3D Printed enclosure can be printed for about $2.00 worth of PETG and $3.50 in Electronic Parts. Add another $8.00 in batteries and you’ve got a compact solution to power your Starlink while On-the-Go!

18650リチウムイオン電池は3500~5800mAhのものが多いですが、容量詐欺も多いので、まぁ3500mAh前後出たとして20,000mAh程度でしょうか。パーツ代や予備電池を含めてもそれほどしないのでこれは選択肢として考えています。Ethernetポートが使えなくなるのは惜しい。

それはそれとして、せっかくStarlink Miniの3Dモデルデータが公開されているので、自分でも市販のPD 100Wモバイルバッテリーを固定するホルダーを3Dプリンターで自作すれば良くね?ということで検討。手持ちのバッテリーはかなり大きいのしかないので、改めて物色。PD 100W仕様でそれなりにコンパクトなものを諸元を元にモデルにして貼り付けてみました。

1. Baseus BladeHD (20,000mAh)

薄型で背面に突出しない形にできそう。モバイルバッテリーはあやしいものを買いたくないので、VGPを受賞しているのは安心材料かも。またバッテリー残量が数値で確認できるディスプレイがあるのも良き。

レンダリングイメージはこんな感じ。

下側ははみ出てしまうものの動画のStarSLed Goに近いフォルムを実現できそう。USBポート同士がかなり近いのでコネクター同士を干渉せずに配置できるかは要検討でしょう。バッテリーのType-Cポートは2つあり、右側を使えばN字配置でどうにか収まる?

2. INIU Power Bank P63-E1(25,000mAh)

次の候補はINIU P63-E1というモデル。

これも聞いたことがないブランドですが、1つ目に貼った動画の中で同じブランドの65Wタイプを使用しているので海外でも販売してるっぽい。こちらも残量表示付きで5色のカラバリがあるのも楽しげ。カタログ容量も少し大きい。

レンダリングはこちら。

厚みはあるので飛び出ますが、もともとStarlink Miniは傾斜スタンドが標準でついてくる位なので、斜めに設置する前提なので、むしろ良いかもとか。フットプリントが小さいので配置に自由度もあります。コネクタが干渉するようなら横配置でもいいかも(ディスプレイも横向いちゃいますが…)。LANケーブルも脇から取り出せそう。

どちらも捨てがたい。18650電池のSled Goは一見安そうですが、電池や充電器まで揃えると結局7千円くらいかかりそう。だったら信頼性も高く、手持ち充電器が使えて、普通に単体でモバイルバッテリーとして普段使いできた方がいいかなとか。まぁ今の生活でモバイルバッテリー自体ほぼ使う機会ないんだけども。

あと単純に一体化させるよりも、キャリングハンドル兼スタンドみたいなものをつけるのも便利かもなとか。夢は広がる。とりあえずブツが到着して傾斜スタンド(3Dモデルに含まれていない)の様子をみてまた検討かな。