Akerun開発者に見せたい醜いハック

AkerunとQrioを買ってどっちも認識感度が悪く/遅くて使い物にならないという記事を書きましたが、その後です。

■Akerun

現在使っているのはこちら。ただし内側のタッチスイッチ(と書くとまるで静電容量スイッチみたいですが実際は単なるマイクロスイッチをフタの突起で押してるだけ)の感度が悪かったり、動作速度が遅かったり、見た目に鍵かかってるかどうかもわからないので、空いてるにわざわざロックしてしまい二度手間だったりとスマフォ操作での精度以前の部分で同居人に大不評だったので、写真のように改造しました。

  • フタを外した(ネジ止めなので非破壊で取り外せました)
  • それでもサムターン部分が回しにくいので、余ってたモールの切れ端を両面テープで貼り付けて掴みやすくした

akerun2という2点。これでもう劇的に使いやすくなりました。モールの代わりにもう少し硬いしっかりした部材を探そうとは思いますが、ともあれ視覚的に開閉がわかるし、つかんで回すのも一瞬です。感度の悪いタッチスイッチを何度かおして、そこからウィーン…ガシャ…ウィーンなんてのを待ってる必要もありません。

そしてなんと、こうしてフタを外したせいか急に感度があがり、ドア外からのスマフォ操作の反応までよくなりました。今まで一度として成功しなかったハンズフリー解錠も動作。まだ満足とは言えませんが、とりあえずスマフォをポケットにいれたまま数秒ドアの前に突っ立っていれば開くことが多くなりました。

Akerunの認識感度が低くてお嘆きの皆さん、騙されたと思ってフタを取り外してみて下さい!

このカバーは上に90度跳ね上げる方式なので、そのままではドアの開け閉めができなくなることも多かろうと。潔く外してしまうのが吉です。

akerun1ちなみに、こちらは取り外したカバー。

木片が貼り付けてあります。この下にロック/アンロックのマイクロスイッチがあるのです。少しでもスイートスポットを押せるよう目印としてつけていました。半円状なので、上から押さえる様にしてもスイッチを押し込む方向に力がかかるという具合です。

とにかくこのカバーこそ多少のデザインの為にAkerunの使い勝手を動作精度を損ねている存在だと言えます。

思うんですけどね、、この人達、こんなドア模型でしかテストしないで出荷してるんじゃないの?と、、、だから現実のドアにとりつけた時に感度が想定以上に落ちて使い物にならなくなってるんじゃないかと。是非外部アンテナを兼ねた新デザインのカバーを設計して無償配布してほしいものです。

あとApple Watch対応のiOSアプリはまだですかね。もう10月なんですが。といってもハンズフリーの方が便利なのでこのままAndroid使いそう。iOSの方にもハンズフリー解錠がつくなら電波2倍で速く認識した方で反応するかな?

 

■一方のQrioは、、、

Android版のみハンズフリー解錠に対応したぽいので、もういちど戻して試しましたが、こっちもダメ。ウチのドアの電波遮断性能高すぎ!?あろうことか、帰宅後、夜中に突然室内のスマフォとつながってハンズフリー解錠作動というそら恐ろしいマネをしてくれました。AkerunにもQrioにもこうしたことを防ぐ為に、一旦一定距離自宅から離れてからでないとハンズフリー動作をしないようになっていますが、結局のところそのフラグが立った後で最初にAkerunと通信が確立した時点でハンズフリー解錠動作が行われるわけなのでこういうケース(自宅に入ってから認識)は防ぎようはなさそうですね。Akerunの場合、ドア開閉センサが付属しているのでこれをきちんと取り付けていれば理論上は防げる気がします(実際一度も起きていません)。

QrioはiOSアプリも更新が途切れていて、例の左右に動く画面上にスライドスイッチというクソ使いにくい仕様のまま放置されていて、現状オススメ度としては(カバーを外した)Akerun以下という感ですね。

 

海外産のAugustとかスゴくよさそう(アメリカで見てきた人もめっちゃ動作機敏だといってた)なんですが、サムターンの上から取り付ける上記製品と違いサムターンを取り外して交換するタイプで、かつ日本の一般的なサムターンには形式的に非対応っぽいので3つ目のスマートロックとして特攻するのは諦めました。ちゃんと取り付けられるのであれば、原理的にはヨサゲなんですけどね。是非不甲斐ない国産メーカーのケツに火を付ける意味でAugustには日本上陸してほしいものです。(Amazonで並行輸入して売ってるとこがありますが、自宅のドアにつけられるかしっかり確認することをお勧めします)

スマートロックのQrioとAkerun両方買ってみた。

スマフォで自宅の鍵が解錠施錠できる。そんな未来ガジェットがSONY由来のベンチャーQrioからクラウドファンディング案件として公開され、速攻で投資という名の先行注文をしたんですが、長ーい待ち時間の間、競合品のAkerunが発表。発売もやや先行されるオチに。

ともあれ一般販売よりは10日ほどだけ速くQrioが届いたので早速設置。しかしあまりにもビミョーだったのと、ほぼ同じタイミングでAkerunのハンズフリー解錠とスマートウォッチ対応が発表されたので、もう半ばヤケクソでそっちも買ってしまいました。

ということで、メディア以外ではあまりいないと思われる比較レビューをば。

■ハード周り

本体サイズはこんな感じ。Akerun(左)の方が一回りコンパクト。電池がAkerunが単三X2本。Qrioは123AというLED懐中電灯などで使われるやや特殊な電池が最大4本入ります。最大というのは、一応動作は2本で行うのですが、予備としてもう2本セットしておくことができる仕組みです。ドアロックという電池切れるとエラいことになりがちなジャンルの製品としてはなかなかの心配りですね。で、まぁその分やや大きいと。

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また見た目にわかるようにQrioはシリンダーに直結したツマミがあり、手動でも開け閉めができます。Akerunは下部がタッチスイッチになっていて、押すとトグル動作で開閉できます。こう書くとAkerunの方が便利そうですがこれがそうでもありません。タッチスイッチといっても見た目からMacBookのトラックパッドみたいな静電容量スイッチを想像してはいけません。最後の写真がフタをあけたところですが、一番下のところに小さな円があります。その奥に物理スイッチがあり、フタ側についている突起で押し込む感じです。これが結構反応わるくて、この場所を意識してしっかり押し込まないと反応せず、急いでいる時にこそ2,3度押し直すハメになります。Qrioの倍の4万円もするんだから静電容量スイッチなどでもう少し操作感にこだわった設計にして欲しかったです。そしてその反応以上にイケてないのが「今の施錠状態が目でみて判断できない」という点です。操作時にはライン状のLEDが解錠動作中は青、施錠動作中は赤で光りはしますが、それ以外の時は見た目で判断する術はありません。空いてるのに施錠してしまったり、その逆をしてしまったりもしばしば。オシャレにこだわりすぎて実用性が損なわれるApple的な残念さが漂います。高いのに…

それでもいまんところAkerunを使用しています。ぶっちゃけどっちも動作がタルいです。ドアの内側からだとそれなりに瞬時に反応するんですが、ドアの外で金属のドアを隔てることで電波が弱まるのか、どちらもかなりドアに近づかないと認識しない上、スマフォアプリ上で操作してから実際にモーターが回転するまでのタイムラグがヒドい。特にQrioは「何をそんなに考えてるんだ?」ってくらい遅いです。Akerunはスマフォ上のボタンを押してからの反応は瞬時ですが、アプリ起動からそのボタンを出すまでに、いちいち対象Akerunを選択するフローがあって手間です。企業向けなど複数のAkerunを運用管理する前提の設計ですね。登録したAkerunが1つの場合はスキップできる仕組みにして欲しいものです。またQrioアプリもイケてないところは多々あって、例えば解錠施錠はスライダーで行うんですが、iOSアプリだと画面全体が左右に動いてしまい、スライダーだけを狙ってスワイプするのが苦行です。Andoroid版ではそんなことないですし、ストアのレビューでも散々言われてるので、次バージョンで治ってくると期待はしてますが。

いずれにせよ、現状どちらを使っていても「鍵出した方が速いわ」って印象は否めません。

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また鍵の共有の面でも色々と不便が多いです。まずどちらもオンラインアカウント登録が必要。一時的な鍵の貸し借りに便利!とアピールしてる割に、その手順が煩雑。Akerunに至ってはLINEのようにSMS認証が必須となっています。

またAkerunの方は複数端末の使い分けにも対応しておらず1台でログインすると別んも端末からはログアウトして使えなくなります。Felicaと違って電池切れてたら完全にアウトなので、二台持ちしている人は両方で使えるようにしておきたいというのが人情でしょうに。現状では、それぞれで別アカウントを作るしかなさそうですが、前述のようにSMS認証が必要で、片方をデータ通信のMVNOで運用してます、なんて人はもうどうしようもないです。

そもそも手持ちのSO-02Gではログインボタンを押すとアプリが落ちるという現状で利用すらできていません。

で、仕方ないのでAkerunで期待のハンズフリー解錠はNexus6でテストしてみたんですがこれも機能せず。家の中にいる間に誤反応しないようGPS的に100m離れた後でないと動作しないんですが、何度か試した感じ開く気配がなし。アプリの上で100m離れたことを認識したかどうか知る術もないので、問題の切り分けができません。これに期待してわざわざ買い増ししたのに意味ないですわ。

ともかく、どちらもBluetoothLEの特性かも知れませんがドア越しの認識が悪/遅すぎます。ドア外に出す外部アンテナとかほしいところです。アルミホイルとかじゃダメかなw。アプリ操作が煩雑なだけに、数メートル手前から操作をできればいいんですが、それもできない。

iPhone版アプリがハンズフリーとAppleWatchに対応するのは10月だそうで、本当に実力を発揮するのは(というか発揮する日がくるのかどうかは)まだしばらくわからないという状態で、どちらもソフトウェアアップデートによる進化を切に願うしかない段階です。どっちがどんな改良をしてくるか見えないので、片方を処分することもできず様子見するしかないのがもどかしいです。

 

2015.12.18 追記: それぞれ更新もあったので改めて最新バージョンでの比較記事を書きました。