またまた別の車イスを3Dプリンターでカスタマイズ 〜ふわりすKF22-40SB

先日足を骨折した同居人が車イスを調達した際、いくつか3Dプリンターで改善をした記事を書きました。

しかし結局全体的なサイズが小さすぎて不便が大きいということで返品。標準サイズのモデルを改めてゲットしました。それがこちら。

【車椅子】・自走用車いす ふわりす KF22-40SB

【車椅子】・自走用車いす ふわりす KF22-40SB

60,450円(11/17 18:40時点)
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タイヤサイズが22インチと大型化したにも関わらずフレームがアルムで重量が9.8kgと軽量です。おおぶりにはなりましたが畳んでクラウンのトランクに載せるのもさほど苦労はないです。介助用のハンドルはスワニーミニ同様折りたためるにも関わらず、高さがかなり上がっているので、後ろから押す自分も腰を屈めなくてよくなりかなり楽になりました。

■ドリンクホルダーと落下防止サイドガード

今回リクエストのあったモディファイは2つ。

  • スワニーミニに続きドリンクホルダー
  • 膝の上においたスマホや小物が横から滑り落ちるのを防ぐガード

です。スワニーミニは両サイドに小物ポケットがありいい感じでガードも兼ねていたんですが、ふわりすではやや低い位置にまでしかサイドボードがなく、腿の高さだとそれを乗り越えて落ちてしまうようでした。

早速カスタムしたのがこちら。

ドリンクホルダー

今回は前から差し込める形状ではなかったので、ネジ2本で固定されている樹脂の肘置きパーツを丸っと置き換える形で実装しました。ボードと同じ色で見分けがつきにくいですが、右手側にだけある部分が肘置き一体型のドリンクホルダーです。カップ部分はスワニーミニ用に作ったものをそのまま流用してくっつけました。元の肘置きが滑り止めなのかシボ加工(ザラザラ)してあったので、はじめて3Dプリンターのfuzzy skin機能を使ってみました。性質上、側面にしかつけられず上面(造形時底面)はツルツルです(^^;)。個人的には持ち上げる時に掴むので滑りにくくていいなと思いましたが使用者本人はツルツルの方が気持ち良いとのこと。また後述のボードをつけたことで持ち上げる時に掴めなくなってしまったので、今となってはいらなかったかもなと。まぁfuzzy skinの様子がわかったのでヨシ!

サイドガード

標準のサイドボードを上のフレームパイプまで延長するような形状です。うちのプリンターでは一度に出せないサイズなので前後2分割で真ん中に切れ目があります。下は標準ボードを挟むような形になっているので左右へのブレはほぼないです。標準のサイドボードがネジ4本でフレームに固定されているのを一旦外す必要があります(3本外せばOK)。上のパイプに両面テープ止めしていますが、ちょっとまだ外れやすいのでテープの種類を変更予定。

両方とも喜んでもらえて自分的にも大物だったので達成感高いです。引き合いがあれば頒布も検討したいレベル。ただ今回はPLAで出力したので、真夏の車内に放置したら変形する可能性はあり。本当はPETGなり耐熱温度の高い素材を使うべきなんですが、本人が在庫の中からピンクが良いといったので(^^;)。

その他、本人がネットで買ったカスタムとして、

  • 介助ハンドル部分にフック
  • 左側ボード外側に小物用ポケット

を追加しています。フックは真下に買い物袋などをぶら下げるとタイヤに当たってしまうので微妙。買い物カゴを左右フックにひっかけることはでき、スーパー店内で介助しつつ買うものを放り込んでいくのは便利です。ただ自走が重くなるので嫌がられますw

これだけつけても折りたたみは支障ないので、ドリンクホルダー側を上にすればクルマのトランクに寝かして収納するのは無問題。唯一肘掛け部分をがちっと掴むことができなくなって、少し持ち上げに難が生じています。左右でフィラメントを500gくらい使うのでわざわざ作り直すほどではないですが、もし再造形する機会があったらボードの中心上部あたりに穴をあけて指が通るようにしたいなと思います。

■希望者がいればご相談ください

せっかくモデリングしたので、同じようなことでお困りの方がいたら実費くらいで追加生産もしようかと思います。適当なプラスドライバーがあれば交換可能で、現状復帰も可能です。サイドボードにお好きな文字やロゴを入れることも(笑)。

Keychron K7の長すぎるスペースキーを3Dプリントで改造

先日購入して、スペースキー長すぎ(英数、かなキーを押すのに親指を深く曲げなければならない)問題を指摘しました。

(リンク先はUS配列です。キー配列、LED色、軸の違いにご注意ください)

本記事はそれを改善すべく3Dプリンターでオリジナルキートップを作ってみた、というものです。

■普段使いのMX Mechanicalを観察

自宅の作業部屋でメインのWindows機とMacで使っているMX Mechanical(JIS配列)を眺めてみます。

英数(無変換)キーの右端はCキーの真ん中くらい、かな(変換)キーはMキーに少しかかるくらいです。特にこれまで違和感を抱いたことはなかったので、これくらいであれば問題ないと思われ、これを目標にしてみたいと思います。

あとスペースキーのテカりをみると、基本的に右手で右寄りを叩いているみたいですね(^^)。

■補助ステムが問題だった

いきなり完成体も見せてしまいますが、英数、スペース、かなキーを外したところがこちら。それぞれのキーの下の赤軸キースイッチと、スペースキーの両端部分には長いスペースキーをまっすぐに押し込めるよう補助的なダミーのステム(正式な名前がわからないので本記事では便宜上「補助ステム」と呼んでおきます)があります。

さきほど見た理想位置でいうと、黒い補助ステムまでカバーするような幅の英数&かなキーを作ればよさげということになりますが、これがうまくいきませんでした。まずこの黒ステム同士は裏側でつながっており、片方を押すと反対側もへっこむ構造になっていたのです。スペースバーが綺麗に傾かずに押せるようにするためのものなんでしょうが、今回は裏目に出ます。一応そういうスイッチを作って装着してみて、反対側の補助ステムまでへっこむものの、そちら側の赤軸スイッチまではぎりぎり押されないくらいの傾きで済みました。多少見た目や手触りに違和感はでますが、まぁ動作としてはギリギリ許容範囲。しかしさらにもうひとつ問題が。両端の支えを失ったスペースバーがまっすぐ押せないのです。さきほどみたように自分はスペースキーを右寄りで叩きます。そうすると徐々に左側が浮いてきて、十回も叩けば赤軸ステムに差し込んであるだけのキーがポロっと外れてしまうのです。代わりにベースプレート(あるいはキー裏)に張り付けられるようなダミーステムでもあればいいんですが、単なる高さ固定のブロックとかではダメそう。

ということで写真の「Mod」のように、スペースキーがギリギリ補助ステムにのっかる幅に縮め、それに接触しないギリギリまで英数、かなキーを伸長する、というところで妥協。キー同士の感覚も他よりもかなり狭くなっています。英数カナキーもステムに対して片側が伸び、そこばかりを押す形になりますが、一応外れてしまうことなく使えています。

MX Mechanicalと比べてみると、かなキー側はむしろ大きく内側に張り出していて十分な感じ。英数キーはまだまだ足りてないですが、デフォルト状態よりはいくぶんマシという感じです。英数モードに切り替えるつもりでスペースおして空白文字が入ってしまった、ということはほぼなくなりましたが、しばらくタイプしていると若干左手首に痛みを感じる、といったところです。

■見た目を綺麗にしたい

まずキー上の印字ですが、スライサー上でプレビューしてみた感じ、0.2mmノズルを使っても1mmを切るような細い線はきれいに造形されないぽいことがわかり、一旦断念しました。シールで貼るとかも考えましたが、かなと英数の2キーで特に間違えることもないので、自分で使う分にはまぁなしでいっかと。

面のきれいさについては、造形の向きなども試行錯誤しました。表面に傾斜をつけているので、表面が滑らかになるように水平をとろうとするとステムを斜めに造形することになり精度が落ちて刺さらなくなりがち。ステム部分だけ別造形して接着剤でくっつけることも試したんですが、なかなかうまくまっすぐにつかなかったり。やはりこのサイズの造形物だと綺麗さと精度を両立させるのは難しいですね。光造形方式の3Dプリンターならワンチャンあるかもですが。

最終的に、スペースキーは表面が水平になるように(ステムはやや斜める)、英数、かなキーは垂直に立てて造形しました。きれいにサポートがはがれるようにサポート専用フィラメントも活用(これめっちゃ便利なのでおいおい別記事にしたいと思います)。

とりあえずサンドペーパーとリューターで表面を滑らかにしたのが写真の状態。ちょっとしらっちゃけてしまっています。積層痕も多少残っているので、本当はプラサフを噴いて塗装までしたいところです。ただたまたま在庫していたグレーの安物フィラメントの色がいい感じにKeychronのもともとのキーキャップと違和感なくマッチしているので、わざわざまた似た色の塗料を探して買ってくるまでもないかなー、どうしようかなー、というところです。

■まとめ

モバイル(ジム)用に導入したKeychron K7キーボードの大きな不満点の1つである英数・かなキーが外側に寄りすぎてて親指がしんどい問題が一応ある程度納得のいく形にモディファイできました。あとはカーソルキーだけまだ不慣れですが、かなり快適にキー入力できるようになりました。この記事もそれでご機嫌にタイプしています。

これだけ快適だと、MacBook ProやSurface ProXでも使いたくなってきます。早速MBPでも尊師スタイルで使えるようにタイプスティックを注文しました。

これはHHKBアクセサリで有名なバード電子さんのキーボードブリッジの携帯版みたいなアイテムで、MBPのキーとキーの隙間に足を置いて、二枚板でキーボードを支えるものです。まぁMBPのキーボードは特に不満はないのですが、気持ちよさではKeychronという感じなのでしばらく使ってみようかなと。ただ赤軸とはいえMBPのキーボードよりはカチャカチャ鳴ってしまうので、人のいるところでは使えないかも知れません。

改札も通れるコンパクト車椅子スワニーミニのレビューとプチカスタム

同居人が階段で足を滑らせて骨折し、しばらく松葉杖と車椅子生活になりました。車椅子は車載しやすさを考えて畳んだ時のコンパクトさがアピールされているスワニーミニというモデルを調達。重量だけならもう少し軽いものもあったんですが、折りたたみ時のサイズが明記されておらず、迷いつつもスワニーミニにしました。

早速本日届いて利用開始。クラウンクロスオーバーの狭いトランクでもちょっと片付けたら楽に積載できました。

重量は12.5kg。足を骨折している本人には厳しいですが、介護者としてはさほど苦もなく積み下ろしできます。最近ではショッピングモールなど多くの施設で車椅子貸し出しをしていますが、場所によってはサービスカウンターに行って申請しないと借りられないところも多く、駐車場との往復が手間(イオンなどは入り口に置かれていて勝手に使えたりします)。それならが、さっとトランクから下ろして乗って行けた方がフッ軽で行動できます。ちなみに最短3ヶ月からのレンタルもあるので一時的なケガでもあると便利かなと思います。

■ホイールとハンドリムの間隔が狭い!

当人がイオンやヨーカドー、病院で借りた車椅子と比べ、スワニーミニはタイヤと手で掴んでまわすリング=ハンドリムの間隔が狭く、指が入らないので非常に扱いづらい、と使い始めてすぐに不満を漏らしました。

このモデルは改札やエレベーターを通過できるダウンサイジングをウリにしていて、あれこれ詰め詰めなデザインになっているんです。

(製品紹介ページより)

実際のハンドリムがこんな感じ。

ちょっとスケール感がわかりづらいですが、そもそもホール径も通常の22インチから20インチにサイズダウンしているので、実際に親指は入らない位。親指の付け根をタイヤに擦り付けるように扱わないとリムを回せません。

参考にイオンに貸し出し用で配備されていたモデルだとこんな感じ。

スワニーミニは、このギリギリを攻めた構造のお陰で改札を通れるという偉業を達成していますが、我が家では基本電車は乗らないし、エレベーターも大きめの商業モールにしかいかないので、正直デメリットの方が大きかったです。車イスにわかなのでクルマへの積み下ろしがしやすい軽量、コンパクトさにばかり目が行き、こういった部分は盲点でした。

■3DプリンターでカスタムMODにチャレンジ。

構造を調べてみると、タイヤのホイールとハンドリムは4箇所で樹脂スペーサーを挟んでM5ネジで固定されているだけでした。これならばスペーサーとネジを延長するだけでオフセットを開けられそうです。

まずホームセンサーへ行ってM5ねじを物色。初期ネジは35mmでしたので、それより長いものでいくと、10mm刻みで、40,50,60…100mmまでありました。さほど高いものではないのでとりあえず50mmと60mmを購入。1本ずつバラ売りよりも10本セットの方が若干安かったので、必要数は8本ですが予備ということでセットをセット。それでも1サイズ220円(税込)とかです。本人が隙間は広い方がいいというのでとりあえず60mmを使用して25mm張り出しで作製することに。

そのネジの延長分をまるまる反映させたスペーサーを3Dプリント。写真右がオリジナル、その横が長くなったネジをスペーサーです。強度や靭性を考えてPETGで造形しました。

座金などは流用して組み替えます。

完成したのがこちら(写真左)。イオン設置のものよりさらにオフセットが大きい感じになりました。

手で回す部品なのでそれほど極端な力がかかることは考えにくく、強いて言うなら畳んで寝かせて積載する時に下側に重さがかかりますが、それでも1.5kgが4分散する位なのでまぁ心配はいらないかなと。

■いや純正部品売ってんのかい!

作ってから気付いたんですが、メーカー純正パーツで全く同じ主旨のものが販売されてましたw

まさに長いネジとスペーサーの8組セットみたいです。

やっぱりネガがあることはメーカーも認識はしてるんですな。ただ単品購入不可となってるので本体購入時に同時に注文しろってことでしょうか。レンタルの場合は選択できるのかは不明。ドライバー1本で交換できるので、後から気付いた人向けに売ってくれても良さそうなものですが…

DIYしなくても売ってるとわかって腰砕けになりかけましたが、コストは数百円で済んだし、アプローチとしても間違ってないとわかったのでいっか、と。純正スペーサーは「1.5cm→2.8cm」とあるので+13mmということになりますかね。+25mmはちょっとやりすぎたかも。50mmネジを使えば+15mmなので純正とほぼ同じ感じになりそうです。

ちなみに製作コストでいうとBambu Studioによるフィラメント使用量表示は約30g。1kg 3,999円のPETG-CFフィラメントを使ったので、単純計算で120円。失敗したやり直したのとネジ代を足しても実コストは700円てとこですかね。持ってて良かった3Dプリンター(^^)b。

まぁこの手の商品は数が出ないので割高になるのは仕方ないでしょう。後から購入はできてもいいとは思いますが。

2024.5.14追記:

結局スワニーミニは我が家のユースケースだと小さすぎるということで機種変更しました。用意したパーツは2日くらい使っただけ。純正スペーサーが別購入できずに困ってる方がいたらお譲りしようかと思いますのでコメントいただければと思います。

■ドリンクホルダーを実装

利用者本人からリクエストがあったのでドリンクホルダーも作ってみました。肘起き部分に手前から差し込むだけ。左右どちらにもつきますが、形状の都合で外側専用。特に固定とかはしてないですが、肘置きパーツにクッション性もあり、キツさがいい感じで落ちることはなさそう。

後述しますが車イス自体を機種変更する可能性があったので、ホルダー部分とカップ部分を別パーツにして差し込む方式にしました。

世の350~700mlペットは直径7cmとのことで少し余裕もたせたけど、もう一回り小さくても良かったかも
付けたまま畳めるので、こちらを上にしておけば車載も問題なし

■その他スワニーミニの使用感

その他まだ軽く使っただけですが、気になった点は介護用のハンドル位置も低くて171cmの自分が後ろから押す時、中腰めな姿勢になって腰が辛いというところ。また座面も低いので、スーパーなどで少し高い棚の商品に手が届かないという指摘も(イオン貸し出し機では届いていた場所)。更にホイールも小さいのでより必死に回さないと進まないので腕もしんどい、と。ここら辺もやはりコンパクトさ優先のあおりを食っているのかも知れません。

とはいえ折りたたみ時はフットレストや介護用ハンドルも途中で折れる機構になっていて、寝かせた時のフットプリントは確実に小さくなっていると思います。クラウンのトランクならもうちょい大きくても詰めはしたと思いますが、さらに小さいトランクの車種だったり後部座席に積まざるを得ない場合などには重宝するモデルなんじゃないでしょうか。

あとはドリンクホルダーが欲しいらしいので、また3Dプリントするか、自転車用などポールにネジ締めして固定するもの、もしくはストラップで吊るタイプのものをゲットしていこうと思っています。ポール(パイプ)固定式の場合、スワニーミニだと縦向きのパイプにつけるので、自転車のハンドル用で選ぶなら取り付け分が90度回転するものでないとダメそう。布タイプの吊り下げるようなペットボトルカバーの方が簡単かな?

■まとめ

あまりがっちり車椅子に触れたことがなかったので消費選びの観点が足らず、トランクの狭いクラウンクロスオーバーに積めることばかり意識して、ややコンパクトに振りすぎた選定をしてしまった感はあります。駅の自動改札(駅員さんがいる広いところではない列)や小型エレベーターに乗り降りする機会がある人、積載するクルマが軽自動車やコンパクトカーで余裕がない人にとってはこのスワニーミニは唯一無二の選択肢だと思います。

次に誰かの選定を手伝う機会があれば、ユースケースをしっかり聞いてアドバイスができればと思います。

LEITZ PHONE 3 半月レビュー

LEITZ PHONE 3を発売日購入して半月ほど経ちましたので、追加レビュー。

軽くおさらいすると、LEITZ PHONE 3はSoftbankから発売されたAQUOS R8 PROをベースにした機種です。1インチセンサーの単眼カメラを搭載した機種で、Leicaコラボのレンズとアプリが追加という感じ。

■Android端末として普通に優秀

スマホとしてはSnapDragon 8 Gen2なのでなにをするにも不満のないレスポンス。考えてみればAQUOSフォンを自分で買うのは初めてな気がしますが、そつなくまとまってるし、これといって不具合も感じません。ベースモデルでも17万くらいなのでコスパはなんともですが、まぁ貴重な1インチセンサー搭載機なところで仕方ないところはあるかなと思います。

画面内蔵型の指紋センサーは以前使ったGalaxy Note 10+よりもサクっと認証できて快適(Note10+は液晶保護フィルム貼ってたので条件がイーブンではないかも)。顔認証もあるはずですが正直どっちで認証されてるか不明。メガネやマスクの影響を受けてなさそうなので指紋が優先して働いてるのかも。指紋認証後にそのまま指を押し続けていると指定したアプリが起動させられる(たぶんAQUOS独自の)機能も決済系アプリをアサインしておくと便利。バーコード決済などが素早く行えます。

OLEDディスプレイは鮮やか。デフォルトのカラーモードだとPixivとかでイラストを見たときにちょっととんで違和感を感じたので「ナチュラル」固定にして使ってます。動画をあんまり視聴してないので、120Hzや動画フレーム補完、DOLBY VISIONやATMOSといった高画質・高音質機能はそこまで堪能できておらず。

Qi充電には対応してますがQi2(MagSafeリング)ではないので、最近あれもこれもMagSafeでペチっと磁力で貼り付ける充電器や場所を増やしまくったところにはくっついてくれないのが惜しい。さりとてこの上質な背面質感を犠牲にしてMafSafe対応カバーをつけるか?というとそれも悩む。

とりあえずベッドサイドの充電器として使っているBelkinの3in1充電器で、真ん中をLEITZ PHONE3充電場所として使っています。iPhone、LEITZ PHONE、Apple Watchという並び。

充電といえば90%で充電を止めるいたわり充電系の設定があるので、サブ機として長く使うのにバッテリーの劣化を抑えられてヨサゲ。また使用中は充電を控えたりする設定も。この辺りはたぶんAQUOSとしての独自機能だと思ってて、AQUOSの評価を上げる一因になりました。充電中かどうかにかかわらず、これまで一度も熱さを感じたことがないのも設計がきちんとしてるのかなと。まぁゲームとかしないでほぼ静止画撮影しかしてないのもあるでしょうけど。

あと地味に嬉しかったのがテザリングで6GHz(Wi-Fi 6E)が使えたこと。iPhoneはいつまでたっても2.4GHzオンリーでスピードが出ません。しかもWindows 11とUSBテザリングがなぜかできず。ChocoZAPのWi-Fiがクソほど遅いので、自前でテザリングしてるんですが、本機は5GHzはもちろん6GHzでもWi-Fiテザリングができ、LEGION GOと6GHzでつながっています。もちろん普通にUSBでもテザリングができるので、あくまでサブ機としてあまりギガ数が多くないSIMで運用しようと思ってたんですが、解約予定だった楽天SIMを入れて使ってみることに。

■カメラ周り

初回レビューでも触れましたが、Leicaっぽい映りをシミュレートするLEITZ LOOKSはあくまでソフトウェアによる疑似ぼかしなので誤爆も多いので、SNS向けのパッと見にハッとするエモ写真は撮れるものの、じっくりみると違和感もあったりしがち。なおかつJPEGなので後編集素材としては微妙。でもまぁちょうど最近Google無料アカウントで容量がカツカツになってきたのでGoogle Oneを契約し、容量拡張と同時にHDR処理などの写真加工機能も解放されたので、諸々組み合わせると割といい写真が撮れることがわかってきました。

これはLEITZ LOOKSで撮り、標準「フォト」アプリでHDR化して輝度を上げ、その他もろもろ加工したものです。厳密にはそれをSendAnywhereでiPhoneに送りナンバープレートをアプリで塗りつぶしています。正直工程が多くてどの段階でどういう影響が出ているのか切り分けられてないですが、やはり大きくしてみると圧縮ノイズが気になるかなと。

やはりLEITZ LOOKSは総じて暗めに撮れてしまうため、場合によっては後処理したくなりがち。撮影時にも露出補正はできるんですが、LEITZ LOOKS使用時はややレスポンスが悪かったり、プレビューと実際に撮れる写真で明るさが全然違ってたりで、その場ではサッと撮るだけ撮って後で編集する方が自分のスタイルには合ってる気がしています。

次の作例はLEITZ LOOKS撮って出しです。

ちょっと暗めの店内にしてはガーリックトーストの質感が出てるかな?疑似ボケの境界もそんなに壊れてない。個人的にはやっぱりもうちょっと露出高めたいところですが、まぁSNS用くらいなら撮って出しでも使えるかなと。

1インチ4,000万画素の進化はRAWで撮ってこそですが、LEITZ LOOKSで数枚とった後で「RAWでも撮っとくか」って切り替えると画角が違いすぎてびっくりします。LEITZ LOOKSでは28mm、35mm、50mmをクロップで疑似再現ですが、リアルでは19mm。「ひろっ!」ってなります。まずLEITZ LOOKS側で最適なアングルを見つけて撮るので、そこから更に歩いて被写体に近づくとかになって非効率感。個人的には物理焦点距離はもうちょい望遠よりだと良かったかもと思います。

他、カメラとして使い勝手まわりでいうと、やっぱりレンズキャップの脱着は面倒だし、どっかで紛失しそうで不安です。マグネットがもうちょっと強い、かつ向きが360°どの向きでもひっついてくれればなぁと。レンズ保護フィルムをつけてキャップ無しで運用してみようかとも思いますが、なんとなくせっかくレンズ自慢の機種なのに粘着面をもったフィルム越しで使うのもなんだかなぁという気がします。いっそフィルターネジを切ってくれてあればガチ目のガラスプロテクターとかもつけられるんですが。本体の厚みを抑えることを優先したんでそうけど、3Dプリンターで治具を作ろうにもフックできる段差に乏しくて後付けも難しそう。

電源ボタンの二度押しでカメラアプリが起動し撮影スタンバイになるまでの充分速い方かなと。そこから「あれ?真っ黒、、あキャップ外してないわ」までがお約束。またフローティングシャッターボタン(画面の好きな位置にシャッターボタンを置ける)のが地味に便利。どんな向きで構えても、シャッターボタンを押しやすい位置に置き直すことでレリーズの瞬間の手ぶれを抑えることができる気がします。音量ボタンをシャッター動作にアサインすることもできますが、ちょっと固めなので押す力が余ってブレてしまいがち。それよりはソフトボタンを自然に押せる位置に置ける方が良いです。

■まとめ

それほどカメラ周りでは初日の印象とかわってないですが、不便なりに運用方法が最適化できてきた気がします。

クルマを撮るにはAndroidで良いナンバー加工アプリがないのが難点で、いちいちLEITZ PHONEで撮ってiPhoneへ送ってナンバー加工してXに上げる、みたいなことをしています。いっそ自分でAndroid用アプリを作るか?ってFlutterの解説書を読み始めつつ、GWはちょっと他の自主課題でつぶれちゃったなというところ。

自宅で長毛猫を撮るには疑似ボケの境界線が気になりがち(もふもふではない猫種、ペットならそこまで気にならないかも)。

テーブルフォト(食べ物)が今んとこ一番向いてるかなーというところ。でも夜景とかもハッとする写真が撮れることもあるので、もうちょっと活用していきたいです。

あと普通にAndroid端末として見た時に、バーコード決済やテザリングなどで便利さを感じます。AndroidのGoogleウォレットはタッチ決済でカードの使い分けがiPhoneに比べると面倒なので、決済メイン機にはならないですが、普通にサブスマホとして使い勝手は良い部類だなと思っています。

スマートキーを3Dプリンターでよりスマートにしてみる

自動車のスマートキーって言うほどスマートじゃないですよね。キーチェーンにぶら下げて持ち歩くのには大きすぎる。もう10年20年のレベルで進歩がない。大きさもそうですし、リレーアタックのようなセキュリティの脆弱制も放置されたままだし、未だに1台に1つ持ち歩かないとならない。せめて同じメーカーの車両なら複数台を1つのスマートキーに登録できるようになってほしいものです。

我が家は35クラウンと30プリウスがあり、それぞれのスマートキーをキーチェーンにぶら下げています。クラウンはデジタルキー契約もしているのでスマホアプリで解錠や始動もできるんですが、やはり数タップの手間やつながるまでの時間がもどかしいのと、「津波などの災害時に車を路上などに置いて避難する際に鍵を置いていく」ということを考えると、普段からスマホ(デジタルキー)だけで運用するのは現実的ではないられるです。

「せめてもっと小さくならんもんかなぁ」というところでGWの自由研究課題として小型ケースの作成に勤しんでみました。なお、あくまで自身の3Dプリンティングの技能修練のための試行であり、ワンチャン電波法にひっかかる恐れがあるのでマネされる方は自己責任でお願いします。軽く調べると、トヨタのスマートキーでも中の基板の技適番号は同一で外装が違うものが存在するらしいので、技適は基板レベルで取得しており、ケースは替えても問題ないという可能性もありますが、とりあえず今回は

  • 特定の基板の寸法を測り、ピッタリのケースを製作する

という課題としての取り組みです。目標とした仕様としては、

  • ロック、アンロックボタンが押せる
  • 電池交換ができる
  • ネジや接着剤を使わずスナップフィット(パチ組み)で組み立てられる

あたりを満たしつつ、なるべく小さくすることを目指しました。

■設計編

クラウンのキーはボタンが3つあり対応が大変そうなので今回は30プリウスのキーを対象にします。

電池交換を自分でしたことがある方は見たことがあると思いますが、フタを開けるとこんな感じになっています。黄色の数字がついたものが元々のパーツです。

  • ①外装(上下サンド)
  • ②メイン基板と電池
  • ③ホコリ侵入シリコンカバー
  • ④今回自作したボトムケース
  • ⑤今回自作したトップケース
  • ⑥ロック/アンロックボタンパーツ

見ての通り②の基板に対してケースが一回り大きいのが不満なわけです。写真に撮り忘れましたが実際にはサイドに物理キーが収納されるスペースがあるので1辺は仕方ないにしろ、他の3辺のマージンは強度確保のためなんでしょうか?

今回はそれらをギリギリまでそぎ落として④⑤のパーツを自作しました。

ボトムパーツからは6本の細いピンが生えていて、それで基板を固定しているようですが、こういうのが3Dプリンターでは難しいんですよね。層の境目で簡単に折れてしまいます。長い辺を立てるような向きで造形すればいいんですが、そうすると垂直方向の形は精度が悪くなりがちだったり。まぁ位置決めの目安にして、基本は外周をピッタリにすることで固定はできるかなという印象。

シリコンカバーは水やホコリの侵入を防いでくれそうなのでそのまま流用することにしました。柔らかいのでノギスで正確なサイズを測るのが難しかった。

ロック/アンロックボタンは基板上に2つのマイクロスイッチがあり、それを外装のボタンパーツで押し込む仕組みです。ボタンパーツを使わない方が厚みが抑えられそうな気もしましたが、今回はこの形状をきっちり計測して穴空けをしてみるのを課題とし、ボタンパーツも流用することにしました。定規と一緒に真上から写真を撮り、それをFusion360に「キャンバス」として取り込み、形状をなぞるようにスプライン曲線を引いていく手順をとりました。

ケースの角をフィレットで丸くして握った時の手触りをよくし、体感的な小ささも出すようにし、最後にキーホルダーとしてぶら下げられるよう半円状のリングをつけました。

■造形編

3Dプリント道はFusion360のようなモデリングツールで3Dモデルを作って終わりではなく、むしろその後の出力(造形)で苦労することが多いです。モデリングツールに戻って設計変更したりも普通にあります。なにが難しいかというと、

  • きちんと精度を出す
  • 強度を確保する
  • 綺麗に出す
  • サポート材を極力減らす

といった観点で使うフィラメントの種類、造形する向きなどを変えたり、層数やインフィル率を調整します。3Dプリントの中身はプラスチック樹脂がみっちり詰まっているわけでありません。そうすることもできるけど素材の無駄なので、外壁を2層とか4層で作り、中は編み目構造のようなもので支えつつも基本はスカスカです。この密度(インフィル率)も思案どころなのです。

今回のモデルでいうと、上下に分割された箱なのでインフィルがどうのという箇所はほぼなくて、板と棒の組み合わせです。この場合、強度と綺麗さのせめぎ合いという感じ。当然ケースの外側、特に上下面を一番綺麗に出したいので、それを上か下にします。下にするとビルドプレートの質感がそのまま出ます。今回はスムーズPEIというツルツルめのプレートなので割と綺麗。また外装面が下だと上側に屋根ができないのでサポート材がほぼ不要になります。逆に外装面を上にすると最終工程で「アイロン処理」というのが使えます。フィラメントを吐き出す金属のノズルを加熱して(フィラメントを吐かずに)造型物に当てて擦ることで表面を平らに均す処理です。こちらの方が面の仕上がりは上ですが、屋根を作ることになるので、下側に大量のサポート材が必要になります。単純にフィラメントがもったいないというのもあるんですが、除去の手間も増えるし、さらにサポート材の上の面、今回でいうと天井側がどうしても汚くなります。下の写真は外装を上にして下にみっしりサポート材を構築し、それをむしり取ったあとの面です。(素材はPETG-CF)

かなりザラザラです。サポートはがしも苦労しました。しかもその作業の過程でスナップフィットの爪を4本中2本折ってしまった…

爪が片側ないので実際にはケースがはまってないんですが完成イメージがこちら。

CF(カーボンファイバー)を練り込んだPETGで、アイロン処理もしているのでなかなか綺麗な質感になりました。しかしPETGならそう爪も折れまいという期待は裏切られてしまいました。サポートフィラメントを使えば簡単に爪を破損せずに除去できるかもですが、PETG用のサポートフィラメントはBambu Lab公式ストアでも欠品中のまま。水に溶ける水溶性フィラメントも品切れ。公式ストア、品切れ多すぎ問題ェ…

ということで、今回は手持ち材料でどうにかするべく、外装は下向きにしてX1c購入時にオマケでついてきたPLA用サポートフィラメントも開封してPLA-CFで再造形してみました。

外装面を下にしたことでそもそもサポート材が貼り付く部位が劇的に減った上、素材自体が異なるので剥がすのは劇的に楽でした。一方で外装面は平らは平らなんですがフィラメントの軌跡が割と残ってしまってますね。下向きにしたことの弱点と言えます。ペーパーがけとかしたいところです。

サポートフィラメントは材料として使うフィラメントの倍以上の単価なので、「捨てる部分が本体より高いなんて…」と躊躇しがちですが、確かに下面を綺麗に仕上げるには有効だなと実感。オマケではちょびっとしか付属してこないのでストアに再入荷したら補充しようかな?ただPLA用とPETGは別だったりするので、最終的には更に高いけど水溶性フィラメントの方が使いやすいし更にベッタリサポートさせて綺麗に出せるのかも?社外フィラメントも含めて今後の検討です。

また今回はとにかく寸法あわせの試行錯誤で何度も造形することになりそうだということで、プロトタイピング専用にとにかく安いフィラメントを買っておくことにしました。今回買ったのはこちら。

約1,400円。公式ストアのPLA Basicが4,000円くらい。社外の名の知れたメーカーのPLAフィラメントが3,000円弱くらいなので、かなり安いと思います。スプールは紙でいつものようにAMS用にビニールテープを巻いてやろうと思ったんですが、最近噂のコーティングがされてるようでした。こうした激安ブランドまでBambuのAMSを意識してくれてるんですかね。ただそれと関係するか不明ですが、AMSで何度かフィラメントが詰まるというか引き出せなくてエラーになりました。手でひっぱっても動く気配がなく、背面のチューブを抜いてそこから引っ張ってやる必要がありました。これはTINMORRYのPLA-CF(上の写真の青いヤツ)でも起きます。スプールの素材とは関係なさそう。固めのフィラメントで起きる?またX1cにしてからは珍しい1層目のはがれもありました。うーん、やはり安いなりの品質?一応プロファイルはメーカー指定の温度範囲をセットしたんですが。

■まとめ

技適(電波法)的に常用していいかどうかはともかく、3Dモデリングによるケース製作という自主練課題的にはどうにか形にすることができました。メカニカルキーがいらない(別で持ち歩いたり、隠す場所がある)人には結構ニーズがあるんじゃないかと思うのでなんらかの方法で頒布してみたい気もしますが、同種のものを誰も売っていないところをみるとなんらかダメな理由が有るのかも知れません。

各自動車メーカーはこの名ばかりの”スマート”キーをもっとスマートにする(サイズだけでなく機能、セキュリティ面でも)取り組みを頑張ってもらいたいと切に願います。

2024.05.14追記

ボタンの誤動作が気になったのでアッパーケースを再設計してみました。

純正のボタンを流用するのをやめて、ケース自体のたわみを利用して押し込んで中のマイクロスイッチを押す構造にしました。ボタン位置はX1-CarbonのAMDで別色のフィラメントでアイコンを描いています。シールとかではないので剥がれたり剥げたりする心配はありません。

トップ面がたわむように薄くなってるので、副作用として、実は基板上にある動作確認用(?)の赤LEDランプが透けて見えます。ちょっとわかりにくいですが左上の丸の部分の下にLEDがあります。

このグレーのフィラメントはサイズ検証用にキロ単価の安いものを使っただけですが、いい感じにツートンになりこれはこれでアリなんじゃないかと。ペーパーがけも塗装もしてないので素材感丸出しですが。先日0.2mmノズルを入手したので(標準添付は0.4mm)、それを使えばより細かい造形もできそう。

2024.11.07追記

落としたら爪が割れたので再度造形。上記のでもまだポケット内などでちょっと力が加わるとアンロックボタンが押されてしまうことがあったので、微妙に形状を調整。ケース真ん中あたりをかなり強く押し込んでも反応しなくなりました。一方で、開閉ボタン自体の反応も若干固くなったかも。

AMSのマルチカラー造形で、側面2本ずつの爪を下側ケースと同色にしたらいい感じになりました。一方、フタ側を白で造形してみたら、ボタン部分の薄くなっている部分が透けてしまった。次に作るなら濃い目の色がよさそう。