Starlink Miniを買うたった(まだ来てない)

宇宙と交信。浪漫ですよね。

パネルアンテナを設置するだけで(空が見渡せる開けた場所なら)国内どこでも衛星インターネット接続ができるStarlinkは日本サービス開始当初から気にはなってました。ただ自宅では10Gbpsの光回線あるし、山奥などでキャンプすることもないし、固定住所でなくても使えるROAMプランはちょっと高いし、災害用でもっとくだけだとちょっともったいないかなぁと思っていました。

また米国では2023年秋に第三世代(以下Gen3)アンテナキットの販売が始まっており、電動方角調整機能を省いて小型化し、ルーター部分の性能(Wi-Fi6対応、有線LANポート)が進化しているので、「もし買うなら第三世代が日本で発売された時かなー」と思っていました。

が、2024年になっても発売される気配がなくいつしか頭の中から離れていきました(実際には2024年夏に国内販売がスタートしたらしい)。

で、さきごろ今度はStarlink Miniが日本でも発売になったという情報をキャッチ。こちらは、

  • さらに小型化し、ルーターも一体型になった(A3より少し大きく1kg台)
  • USB PD給電(100W)にも対応
  • Wi-Fiは5
  • 有線LANポートも引き続き搭載

なんと米国で$599なのに国内価格は34,800円と為替ガン無視で戦略的な価格設定になっています。ブロードバンド普及率が高い日本ではモバイル用途やホームWi-Fiユースも視野に入れて売り込んでいく狙いなんでしょうか。

これは本体価格だけでなく料金プランにも伺えます。いままでは固定住所のレジデンシャル(Regidential)プランとどこでも使えるローム(Roam)プランだったのですが、Roamに低容量版が追加。月単位の契約でいつでも休止可能。2025年2月現在、こんな感じ。

プランどこでも使用最大データ容量月額料金
Regidential不可無制限6,600円
Roam 50GB50GB6,500円
Roam無制限無制限11,500円

Roam 50GBがかなりお手頃です。しかもGB単位で追加購入も可能。

もちろんLTE/5GのデータSIMと比べたら高いですが、

  • 実効スピードが速い
  • 地上基地局が停電や破損で使えない時でもネットできる
  • 浪漫

などもメリットもあります。常時契約しておくかはさておき、3.5万円で備えておくには良いでしょう。ポータブル電源を買っておくのに似た感覚です。

今回、公式サイト以外にヤマダ電機の楽天、Yahoo!ショッピング店舗で販売しているのを見つけ、各種ポイントバックや蓄積ポイントを活用して2万円台で注文できました。「お取り寄せ」で「通常10~20日」表示でしたがまぁそれくらいなら災害も待ってくれるかなと。ちなみにStarlink公式はアメリカ発送らしいですが数日で届いていると報告を見かけます。

■気になるアクセサリ

StarlinkMiniは米国では少し前から販売されているので、既にサードパーティアクセサリも色々と販売されています。なんとSTEP形式の3Dモデルが公式サイトで公開されているので社外アクセサリも開発しやすいのでしょう。いずれ自分でも何か作ってみたいものです。

公式配布データをFusionで読み込んでみた

ともあれ既存アクセサリで気になるのもをいくつか物色。

USB電源アダプター

StarlinkMiniの電源端子は丸型プラグですが別売りのUSB Type-C変換ケーブルを使えばPD 100Wの充電器やモバイルバッテリーで充電できます。純正ケーブルは国内近日発売予定ですが5mしかなさげ。モバイルバッテリーでコンパクトに設営するにはちょっと嵩張るかなということで、こちらの変換コネクタを注文。

StarlinkMiniは防水仕様ですが電源とEthernetケーブルのプラグが防水キャップ仕様になっている必要があり、こちらもしっかり二重のリブがついて対応となっています。USBポート部分は無防備ですが、必要に応じて防水テープで巻くとかしてもいいかなと。というか本当に雨天の中で使うとなれば純正ケーブルを使えばいいので、こちらはあくまでもコンパクト設営用のイメージ。

Ethernetケーブル

こちらも社外品になりますが、いちおう防水リブはついている模様。純正品と違って長さも選べるようです。

Starlink Miniの内蔵Wi-FiアクセスポイントはWi-Fi5なのでやや古い規格です。実際には100Mbps前後しか出ないのでインターネット通信をする分には申し分ないんでしょうが、例えばその配下のネットワークで端末間の高速通信が必要(例: PCとMeta Questで仮想デスクトップするとか)だったり、空いてる6GHz帯を使いたい時等はやはり別体アクセスポイントを使いたくなるかも。そんな時にはこういうのが必要になるでしょう。これも本当に雨天で使わない限り通常のLANケーブルでいいし、なんなら後付けの防水リブを3Dプリンターで作れないかなとも思っているので、まだ購入は保留。

ちなみにEthernetケーブル使用時はStarLink Mini内のルーターはバイパスさせられるっぽいです。「わかってる」仕様ですね。

キャリングケース

ケーブルまで一式収納できて、Starlinkのロゴまで入っているこのケースが候補にはなっています。

ただ公式サイトで買えるバックパックも気になってるので、それの情報をみて検討かな(本体が届いてアカウント作らないとショップを閲覧すらできない)。

Starlink純正バックパック

あとは屋根や車にマウントする各種マウンターなども純正、社外ともにいくつか出ている模様。

クラウンクロスオーバーのムーンルームだとちょっとサイズオーバーかなとも思って保留。買わなくても3Dモデルも色々ありますし。

そもそも日本では走行中の使用は法令違反っぽいし、仮に将来規制緩和されても、トンネルや降下が多い日本だとどうなんですかね。実効速度が5Gルーターやテザリングよりも速ければ、飲食店ノマドの時に駐車中の車内外に設置してWi-Fi経由で店内から使うのも楽しそう。

ケーブルリール(3Dプリントデータ)

有志による公開データですが、10mものケーブルをまとめておくのにこれが良さそうです。正円のモデルもありますが、こちらだと純正箱にもそのまま収まるっぽい。

一体型バッテリーケース

電動工具用のバッテリーを使うアダプタや、18650バッテリーセルx6本で使うアダプタもDIY工作含めて楽しそう。

完全ケーブルレスで運用できるのは浪漫ですが、そこまで稼働時間があるわけではないので使いどころは微妙かも?それぞれの製作者のコメントによると、Dewaltのバッテリーだとサイズによって2~4時間、動画の18650×6本だと2~2.5時間だそうです。18650リチウムイオン電池自体はそこまで高くないので、スペアを大量に用意する手はあるかな(容量詐欺の粗悪品には注意が必要)。

■到着後レビュー予定地

長くなったので別記事にしました。

車内ルーターを改めて有線LAN化したら快適になった話

現在、クラウンの車内ネットは標準装備の車内Wi-Fi(最近値上げして月額1,650円)を使わず、自前のモバイルルーターを設置しています。機種は富士ソフトのFS050W。5GだしWi-Fiも5GHz(屋外でも使えるW56モード)に対応。

富士ソフト(Fujisoft) 5G対応Wi-Fiモバイルルーター +F FS050W

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スマホのdocomo回線を親回線とするデータシェアSIMなので30GBで月額1,100円です。

2.4GHzしか使えない車内Wi-Fiよりは概ね快適なのですが、W56を使うカーモードにしていてもDFS(航空無線が近くに飛んでいないか1分間電波監視してからでないと5GHzを飛ばせない法的ルールに基づいた制限)が走ってしまうので、走り始めてからWi-Fiが使えるようになるまで少し待たされます。またDFSは起動時だけなく定期的に実施しないといけないはずなので、走行中でもいきなり切れる可能性もあります。

そこでFS050は充電ポートであるUSB CポートにEthernetアダプタを使うことができるので、車内でも有線化していました。

ちなみに相手はFireTV Stick 4K Maxで、こちらも別売りのEthernetアダプタをつけてハブを介さず直結しています(どちらのアダプタにもUSBポートがあり給電しながら使用可能)。

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しかしこれがいつからかつながらなくなってしまい、面倒で5GHz Wi-Fiで画面して使っていました。最近愛用しているDMM TVがネットワーク不達でログインエラーになるとセッションキーを無効化してしまうらしく、再度ネットワークに接続後にあらためてログインからやり直しという極悪ユーザー体験で重い腰を上げてチェック。

チェックというほど面倒なことでもなかったんですがLANケーブルを交換したらあっさりつながりました。これわざわざ少し前に車内配線を綺麗にまとめるので買った新品ケーブルじゃなかったかなぁ…

購入履歴をみるとこれの模様。1mでスリムなものが良くて選んだはず。

家にあった適当なケーブルで試したら普通につながる。ほな断線かぁと思って別途1m+スリムのカテゴリ6Aケーブル(7以上は信用してないので)を探して注文。結局またELECOMで一抹の不安がありましたが今度は爪が折れにくいタイプのものにしました。

が、到着を待つあいだにLANケーブルテスターが見付かったのでダメだった最初のケーブルをテストしたところ(少なくとも結線レベルでは)問題なし。ショートも断線も見付かりません。んご、もしかしてケーブルの問題ではない!?と不安になりましたが、結果的には新しく届いたケーブルなら問題なし。なんだったんだろう。まぁ安いテスターは電気的な通電をチェックしてるだけなので、品質的に劣化があったのかも知れません。

ともあれ有線接続が復活したことで車両の起動(給電開始)とともにルーターの起動時間だけでFireTVのインターネット接続が確立するようになったので非常に快適になりました。またDMM TVは視聴中に映像が止まる(音は流れつづけるが絵が静止画状態になる)ことがNetfixやPrimeビデオに比べて多かったんですが、今のところ止まる気配がなくなった気がしています。DMM TVはホーム画面ですぐに前みていた動画が並んでてすぐに視聴再開できる、いらん広告やゲームを出さない、OP/EDスキップを手動で無効化できる(選択できる)などアプリの使い勝手としては頭1つ抜けていただけに、またNetflixやPrimeビデオに戻りたくないなぁと思っていたので、非常に有り難い。このまま快調に使えるといいなと。

■せっかくなので速度比較

FireTVのSilkブラウザからfast.comにアクセスして比較してみました。

まず5GHz Wi-Fiで接続した状態。下り30Mbps、レイテンシが45msです。一般的な動画視聴には問題ないはずですが、実際問題DMM TVで映像が止まる(切れはしない)問題が頻出していました。

Wi-Fi接続

続いて有線LAN。下り43Mbpsと1.5倍近く高速化しました。pingとアップロードはほぼ同等。

有線LAN接続

参考に自宅Wi-Fi(上位回線は10Gbps光)が届くところでそちらを使って計測すると、全然速いので、FireTV StickのWi-Fiがボトルネックということではないはず。

■まとめ

FireTVとFS050Wが有線LANでつながらない問題は単にケーブル不良だったようです。面倒くさがらずにもっと早く対応しておけば良かった…

とりあえずまた知らない間にWi-FiにフォールバックしないようFireTV StickのWi-Fiはオフにしておきました。

ちなみにクラウンのT-Connect 22ナビとFireTVの接続はCarMate TVを使用しています。個人的にはTVキャンセラーやPICASOU2/P3といったAIBoxよりもオススメです。よろしければ参考記事をどうぞ。

UPSにもなるEcoFlow River 3 Plus着弾!

予約商品にも関わらずBlackFrydayセールで割引き販売されていた新商品のポータブル電源、EcoFlow River 3 Plusが到着しました。

なお執筆時点で今度は2025年1月5日まで年末年始セールをしているようで、税込み¥39,800が¥29,850で買えるようです。バナー貼っておきますのでこの記事を参考に買ってみようかなと思われたら是非こちらからお買い求めください(筆者にアフェリエイト収入が入ります)。

商品の特長などはこちら。

本記事では早速開封&設置をしていこうと思います。

付属品は比較的シンプルでAC電源ケーブル、車載用シガーソケットケーブル、UPS用USBケーブルの3本が付属するのみ。

各入出力ポートの配置はこんな感じ。

フロント

フロント面はディスプレイ、AC出力、DC出力、USBポートx3に加え、主電源ボタン、AC/DCの各ON/OFFスイッチ、ライトON/OFFスイッチとなっています。理路整然とした配置なのでマニュアルを見なくても操作方法は明確です。

ただ後でも述べますが、UPSとして常用しようと思うと、AC ON/OFFボタンは不用心すぎます。NASやサーバーをつないでいても短押しでパツンと電気が遮断されます(サーバーが落ちます)。せめて3秒長押しとかにできるといいのですが設定を見た限りできなさそう。

続いてリア。

リア(入力系ポートのフタ閉)

2つのAC出力ポートがあります。UPS用途として常用するにはこれらが背面にあるのは前面がスッキリしてGood。

入力ポート類とUPS用USBポートはフタの中に隠れています。アウトドアで使う時なんかは余計な水や砂塵の侵入を防ぐには良さそう。

フタを下にスライドして開いたところがこちら。

リア(入力系ポートのフタ開)

■設置してみた

USBポートは手元にあるとさっと使えて便利かなと思い、デスク脇のメタルラックの、デスク天面に近い高さの段に置いてみようということで、Mac miniの下に入れてみました。サイズピッタリ。Mac miniのオシャレアクリル台の形状までは合わず触るとちょっとガタつきますが、どちらも振動に弱い部品はないと思うし、一旦これで。

サーバー用のMac miniの下に設置

左下にチラっと写り込んでるのがサブデスクなんですが、ちょうど脇にUSBポートが来るので便利に使えそう。ライトも手元を照らせて便利かなと思ったんですが、色がオレンジな上に割と拡散するというか、単に眩しいだけでしたw。

■スマホアプリで設定

我が家では以前に別機種(Delta2 Max)をセッティング済みなのでアカウント登録などは済んだ状態。River 3 Plusの電源を入れアプリを開くと、なにもしなくてもアプリが認識して登録ポップアップが出ます。この段階ではBluetoothで通信しています。AirPodsなどが近くにあるとポップアップするのと同じ感じで直観的です。そこからWi-Fi情報を教えてやると本体が自力でインターネットに接続できるようになります。ここら辺はこの手の製品にありがちなフローなので慣れてれば特に迷うことはなさそう。

アプリ周りは是非こちらの記事もご覧ください。

設定が終わるとこんな感じで登録デバイスが並びます。

グラフィックも綺麗でカッコ良き。名前は自由につけられます。複数台持ちの場合、集中管理できて便利なので今後も理由がなければEcoFlowにベンダーロックインされておくのがヨサゲ。

デバイスを選択した状態がこんな。

バッテリー寿命を最大限にするのは最大充電量を80%、最低を20%にしておくのが推奨となっていたのでそうしています。そもそも太陽光パネルでオフグリッド充電とかするのでなければ最低の方はあまり考える必要はないんでしょうけど。

HDDを5機搭載したSynologyのNASをつないだ状態で、57W前後使用してるようです。そして入力側も同じ57Wになっているということはパススルー状態ということなのかな?

NAS自体は50Hzでも60Hzでも動くと思いますが、商用電源パススルー時と周波数がかわってもよくないと思い、デフォルトの60Hzから関東圏の50Hzに変えておきました。あとX-BoostはUPS的には相性悪そうなのでオフに。

UPS機能をプッシュするなら「UPS使用オススメ設定」みたいなガイドが欲しいところです。

■UPSとして不用意に電源が切れるのが不安

UPSとしての機能もアピールしている本機ですが、UI的にはちょっと簡単にAC出力が遮断できてしまい不安です。前述の本体前面のボタンもそうですし、上記アプリ画面の「100V AC」のところの電源ボタンも1タップで確認なしに電源が切れるようです。ハードボタンは長押し、アプリは確認ダイアログくらいは出してほしいものです。また設定変更やファームウェア更新による再起動なんかのタイミングでもACが落ちるんじゃないかとヒヤヒヤします。全てのパターンをテストできたわけではないですが、とりあえず出力周波数(50/60W)の変更はACを遮断してからでないと変更できないよ的な警告は出ました。その他の場面で警告なくACが切れることがないと良いのですが。(まさかファームウェアを自動更新して再起動して切れる、とかないよなぁ…)

3Dプリンターでうっかり防止ガードを作った

ということでうっかり触れたり猫が押したりwしないように、開閉式のフタをさくっと作って貼りました。コックピットのミサイル発射ボタン的なアレです。とりあえずこれで物理でうっかり押してしまう心配は排除できそう。

フタ閉
フタ開

可能ならファームウェア更新で長押しが選択できるようになり、アプリ上ではAC電源を遮断するあらゆる操作に確認ダイアログを入れてほしいものです。

2025.5.25追記:

ボタンカバーをアップデートしました。

■UPSとしてどんなサーバーに連動できる?

一般的なUPSは単に停電時にバッテリー供給に切り替えるだけでなく、PC/サーバーにシャットダウン信号を送る連携機能があります。人が近くにいれば手動でシャットダウンできますが、そうでない場合、いずれバッテリーが尽きたらブツっと切れてしまいます。そのため、USBケーブルなどでPC側にシグナルを送って専用常駐ソフトが安全にシャットダウンを実行する仕組みが不可欠です。

さてこのRiver 3 Plus、それ用のUSBケーブルが同梱されているものの、予約時点では対応OSなど詳細が不明でした。ようやく発売されてマニュアルを見ることができるようになったわけですが、こんな記載があります。詳細は専用URLか、ふむふむ…

高度な設定
本ポータブル電源は、コンピューターや NAS(ネットワーク接続ストレージ)機器との
通信が可能であり、その結果ユーザーはポータブル電源の稼働状況を監視し、さらに
UPS の設定を構築できます。
通信を確立する方法は?

  1. Web サイト(https://www.ecoflow.com/support/download/)に進み、お使いの
    コンピューターや NAS オペレーティングシステムに適する Power Manager インス
    トールパッケージをダウンロードします。
  2. お使いのコンピューターや NAS にソフトウェアをインストールします。
  3. 基本的設定のセクションで説明されている、UPS 基本設定を完了後、同梱されている
    USB-B to USB-A UPS 通信ケーブルを使い、本ポータブル電源の USB-B 通信ポー
    トをお使いのコンピューターや NAS の USB-A ポートに接続します。
  4. ソフトウェアを起動して、手順を続行します

早速リンクを開いてみると…いやComing soonなんかーいっ!

というわけでまだまだお預けのようです。わざわざNASと書いてあるので、Windows/macOSだけでなく、SynologyのDSMにも対応するといいなぁ…

ガチでUPSにもなる(?)ポタ電、EcoFlow River 3 Plusポチった

夏に同居人がEcoFlowのポタ電、Delta 2 Maxを買ったんですが、

その直後に後継のDelta 3 Plusが出たと同時に、気になるモデルが予告されていました。Deltaシリーズよりも小容量なRiverシリーズの最新モデルRiver 3のネット専売モデルRiver 3 Plusです。

アウトドアや太陽光発電でもしない限り、ポタ電は災害対策グッズであり普段活躍の場はさほどありません。しかし一部のモデルは簡易UPS(無停電電源装置)機能を謳っており、PCやサーバー、NASなどが突然の停電でデータロスやHDDクラッシュを防ぐ保険にもなるという売り方をしていました。PCやサーバーと壁コンセントの間にポタ電を介在させておくと、壁コンセントが停電したりブレーカーが落ちた瞬間にバッテリー給電に切り替わり、機器を守るというわけです。しかし、”簡易”とつくだけあって、ガチもんのAPCやOmronなどの鉛バッテリーのUPSと比べると、切換時間がやや長い傾向にありました。一般的なUPSが5ms~10msで切り替えるところ、Delta 2シリーズで「30ms以内」、当時気になっていたDJI Powerが20msでした。EcoFlowもサーバーとか業務機器には使わないでねと言っていたくらい。その後で発売になったDelta 3 Plusがなんと10msとガチUPSに匹敵する切換時間を実現してきたものの、さすがに処分価格だったDelta 2 Maxと同額程度で容量は半分とコスパで劣ってた感じ。しかし同時期に発表された下位ラインナップRiverの中の上位バリエーション(ややこしい)、River 3 Plusがなんと同じ10msだったのです。UPSとして見るならば容量はそれほど大きくなくてよく、River 3が実売3万円程度だったので、あわよくば4,5万で10ms UPS機能がついたポタ電が買えるのでは?と発売を心待ちにしていました。

■登場したRiver 3 Plusとはこんなモデル

定格600W、X-Boostで最大900Wの電力に対応、容量285Wh

ウチで使ってる高出力の炊飯器やドライヤー、電子レンジ、ゲーミングデスクトップPCなど1,000W超えるようなものは厳しいです。小型の電気ストーブやドライヤーはOK。NASや家庭用サーバーは元々省電力なので余裕でしょう。

容量的にも平和裏にシャットダウンするくらいは全然持つと思います。公式スペックでは40WのNASが5.2時間、600WのPCで20分となっています。

なお容量は増設用バッテリーが2モデルラインナップされています。本体は公式ストア専売のようですが、増設バッテリーはAmazonでも買えるっぽいです。

<10ms UPS機能搭載

これまでの<30msなEPS機能と呼んでいたシリーズの「データサーバーやワークステーションのような完全なUPS機能を必要とするデバイスには使用しないでください。」という注意書きがとれて、「無停電電源装置としても機能し、停電時は10ms以内に電力を切替え、精密機器をしっかりと保護します。」になりました。PC類の無停電電源装置としての用途を考えるなら3系一択でしょう。その中でRiver 3 Plusは最安になると思います。ちなみにRiver 3無印は<20msです。

ただ製品にはUPS通信ケーブルが付属してるとか、「PCやNASに対応したデータインターフェースとEcoFlowソフトウェアで、バッテリー残量が低下すると通知され、自動的にデータが保存されます。」みたいな記載もあるのですが、具体的な対応機種などはどこにも見当たらず、ウチのSynology製NASの自動シャットダウンなどができるかは未知数です。

出力ポート構成

  • AC100V出力x2(うち2ポートは背面)
  • USB-C出力x1 (最大100W)
  • USB-A出力x2
  • DC12V出力x1

という感じ。USB系はモバイルバッテリー程度で、欲を言えばCポートはもう少し欲しかったところですが、まぁ小型なだけに仕方なし。ACが3つあるので充電器を挿せば…

UPS用途を見越してかACポートのうち2つが背面にあるのは良いですね。常時接続するのは背面側につないでおけば表面はスッキリします。River 3 無印だと2ポートとも前面なので、UPS用途を考えるならやはり3 Plusかなと思います。

3,000回充放電しても80%容量を維持し、10年ほど使用可能

まぁ保証は2年ですが、、(執筆時点でRiver 3 Plusの保証期間の記載がなくRiver 3 無印を参考に)

本当にこれだけ性能を維持できるなら夜間充電して昼間使うとか、太陽光オフグリッド的な用途で満タン<->空を行き来するような使い方でも割と躊躇なく使えそうですね。

またEcoFlowは送料だけ負担すれば無料回収をしてくれるので処理に困るリチウムイオンバッテリー製品としては安全です。UPSの鉛バッテリーだってメーカーによってはなかなか回収してくれる業者がいなくて困るところです。

10年後まで倒産や日本撤退とかしていないことを祈るばかりです。

■まとめ、買うなら今!?

ようやく価格発表と予約受付開始になったRiver 3 Plus。お値段は定価39,800円(税込)。それが発売記念価格なのか、ちょうど今やってるブラックフライデーセールなのか、今は29,850円です。River 3無印の定価以下で買えるチャンスということで、まだモノも届いていないのに記事にしてみました。まぁEcoFlow製品は定期的に大型セールには載ってくるメーカーだし、むしろ定価で買う方が情弱のそしりを受けるまであるので、実際の評判を見て買う派の人はまた次の機会を待つのも手でしょう。

ウチは同居人がDelta 2 Maxをユーザー登録した時のポイントが1,600pt貯まってて、さらに値引きされました。送料も無料。

5年で寿命が来て処分にも困る鉛バッテリーUPSに辟易して、今の家に引っ越してからはUPSなしでNASを稼働させていましたが、当面はこれで安心なサーバーライフを取り戻せそうです。

発送は12月下旬かららしいので、年末に届いたらまた改めてレビューしたいと思います。

サーバー移転。メモリ増強、ConoHaのKUSANAGI9イメージをAlmaLinux9に転換

■CentOS7のコミュニティサポート期限が切れる!

このブログをホストしているサーバーのOSはCentOS7でしたが、2024年6月30日でコミュニティサポート期限が終了することに6月に入って気付きました。基本新しいもの好きでPCやスマホのOSはリリース当日に即インストールすることが多いですが、サーバーOSやPHPなどのミドルウェアはなにかあった時の切り戻しが難しいしダウンタイムの発生は避けたいので保留しがち。しかしさすがにサポート切れのOSを使うワケにはいきません。以前ならCentOS7->8のアップグレードパスがあったようですが、CentOS8自体が終了してしまい多くのミラーサーバーからも消えてしまっている様子。実態として稼働しているのはWordPressのサイトが5つ程度といくつかのオリジナルPHPスクリプトによるサービスのみ。だったらひとつひとつ手作業で新サーバーに移設していく方が安全かなと思い、新規サーバーを建ててしまうことにしました。

■同じConoHaで1G->4Gプランに

今までメモリ1GBのVPSプランでしたがWordPress(KUSANAGI8)がモッサリで色々と高速化、最適化の工夫をしてみてもいまひとつでした。よくよく調べてみるとKUSANAGI for ConoHaは推奨メモリが4GBでした。契約当時からそうだっけ?というところではありますが、ともあれ「そりゃ遅いわけだ」と。下手をするとKUSANAGIの処理が上乗せされたことで、かえってバニラのWordPressより遅くなってた疑惑すら。一応いままで1GBで動いてはいたので、2GBにするか素直に推奨の4GBにするか悩みました。選定当時、梅雨トクキャンペーンというセールをやっていて、36ヶ月分一括払いした時の料金とスペックはこんな感じでした。

選定時点のセール価格(36ヶ月前払い時)

2GBと4GBで倍ほど違うのでさすがに迷います。ただまぁモッサリはイヤだなというのと、幸いサーバー利用者からカンパの申し出もあったので贅沢に(?)4GBプランとすることにしました。

ちなみにこの価格は新規サーバー構築時のみです。実は3年分払ってやっぱうまく移行できなかったわってなったら大変なので最初1ヶ月契約して後ほど延長しようと思ったんですが(以前のきっぷシステムならできたはず)、今の「まとめトク」システムのせいかこのキャンペーンがなのか不明ですがNGと後になって発覚。仕方ないのでセッティングが全て終わった一ヶ月契約サーバーのイメージ保存を行い、別途新規に3年契約サーバーをつくってイメージから復元する、という手順をとることに。IPアドレスが二回かわることになってしまいやや手間でした。まぁ実際になんかあったらもっと大変だったので、これで済むとわかってれば次回もそうするかも?やはりいきなり3年契約は勇気いりますよね。この辺、システム的になんとかしてほしいものです。

■AlmaLinux9 + KUSANAGI9で行こうとするもConoHaにイメージがない!?

CentOSはStreamへ移行

で、OSの選定です。RedHat Enterprise Linux(RHEL)の無料版クローンであるCentOSは終了というか、CentOS Streamというラインに移行されました。今までのCetOSはRHELと同じ構成、パッチリリースで安価で安定した業務グレードのディストリビューションでしたが、Streamは逆にRHELに取り込む前のカナリアリリース的な位置づけに変更。FedoraとRHELの中間みたいな感じっぽいです。まぁWordPress動かすくらいなら実害はないんじゃないかとも思いましたが、最新のCentOS Stream 9のサポート期限が2027年5月まで。あと3年です。心持ち短いなという印象。

CentOS代替OSとしてAlmaLinux

そこで模索したのがCentOS互換を謳うディストリビューション。こういうとこはオープンソースのありがたみ。いくつか候補があります。その中でもAlmaLinuxの最新9系がなんと2032年!たっぷり8年もあります。開発母体の継続性についても現時点で多くの企業スポンサーがついているようで今ある候補の中では安心感もあります。むしろ8年とかいったらこのブログが続いているか、WordPressで構築するという時代なのかといった辺りの方が懸念されるレベル。

更にWordPressの高速化ミドルウェアでもあるKUSANAGIも9でAlmaLinux9をベースOSとして採用しています。現行サーバーでもKUSANAGIを使用していて、そこまで恩恵を感じず、むしろ設定ファイルなどの構成が通常のCentOSと違って苦労の方が多かったイメージですが、推奨メモリ環境を満たせていなかったことも判明したので、今一度KUSANAGIを信じてみようと思っていたので、こりゃもうAlmaLinux9 + KUSANAGI9の99コンボでいいんじゃないかと。

だがConoHaにイメージがない!?

しかし着手時点でなんとConoHaのKUSANAGI9イメージはCentOS Stream9ベースのものしかないと判明。他のレンタルVPSサービスにはあるので、脱ConoHaするかCentOS Stream9で妥協するか逡巡しました。しかしAlmaLinuxがCentOSからAlmaLinux移行スクリプトを提供しているのを発見。

ざっくり言うと

  • dnf update(旧CentOSでいうyum updateにあたる)で最新パッケージ更新
  • curlで移行スクリプトをダウンロード
  • スクリプトを実行
  • ひたすら待つ
  • 再起動

だけ。OSとバージョンを調べるために

しても、きちんとCentOS Stream9からAlmaLinux9になっています。スゲー。なんかあったらクリーンインストールすりゃいいやってことでVPS構築直後に実行しましたが、今のところ特に問題はなさそうです。
正式な「AlmaLinux9 + KUSANAGI9」イメージから構築したのと同等の扱いではなく、あくまで「CentOS Stream9 + KUSANAGI9のOS部分を勝手にAlmaLinux9書き換えたもの」なのでサポートなどは受けられなくなる可能性はあるので自己責任で。まぁVPSのサポート範囲なんてそもそもハードウェア部分だと思っているので個人的にはいっかと思って敢行しました。

■その他設定メモ

KUSAANGI 7/8から9になって勝手がかわったのがドキュメントルートや設定ファイルのパスです。

WordPressをデプロイした時の実体ファイルは相変わらず/home/kusanagi/[プロファイル名]ですが、設定は/etc/httpd/ではなく、/etc/opt/kusanagi/httpdになりますし、Webサーバーのドキュメントルートは/var/opt/kusanagi/www/html/、ログは/var/opt/kusanagi/log/httpd/です。まぁ慣れた場所にシンボリックリンク張ればいいんですが。

あとハマったのは複数のWordPressサイトを所謂マルチサイト扱いにせず、かつサブドメインをわけないディレクトリ別の独立インストールするところでしょうか。KUSANAGI9では基本的にサブドメインを使ったサイト構成が行われます。

  • aaa.hoge.com
  • bbb.hoge.com
  • ccc.hoge.com

という感じ。しかし自分は従来の構成を踏襲するため、

  • hoge.com/aaa/
  • hoge.com/bbb/
  • hoge.com/ccc/

という形にしたかった。これは前回のKUSANAGI設定時にもハマったポイントで、基本的に

  • プロビジョン時にサブドメインによるLet’s Encrypt証明書発行をしない(–noemailオプション)
  • /etc/opt/kusanagi/httpd/conf.d/aaa.confなどを無効化する
  • /home/kusanagi/aaa/DocumentRoot/から/var/opt/kusanagi/www/html/aaaにシンボリックリンク

という形でできます。

プロビジョン(WordPressサイトの作成)の段階ではサブドメインを指定するしかなさそうなので、

のようにしました。これにより、Apache用のバーチャルドメイン設定がaaa.confに作成されてしまうので、それを取り消すために設定ファイル自体を無効化します。削除でもいいですが、.confというファイル名が読み込まれる要件なので、自分はその場でaaa.conf.disabledのようにリネームして置いてあります。

この無効化したファイル内には.htaccessの許可設定なども含まれるため、そこだけ自分で設定ファイルを書きます。これはWordPressのパーマリンク形式をカスタムにする時以外は不要かも知れません。今時は80番ポート(http://)は運用せず443番(https://〜)だけでいいかと思ったので、ssl.confに書くことにしました。真っ先に読み込んでデフォルトホストにしたかったので名前を_ssl.confに変更し、

のようにします。後半のRewrite関連部分はWordPressがDocumentRoot/.htaccessに書き出してくれますが、.htaccessによる設定上書きをするとセキュリティ的にもパフォーマンス的にもよろしくないので、あえて「AllowOverride」をNoneにして.htaccessの読み込みを無効にした上で、WordPressが書き出す.htaccessの内容を<ifModule mod_rewrite.c>ディレクティブに転記して使っています。気にしない人は「AllowOverride FileInfo」にしてWordPressが書く.htaccessまかせにしてもいいかも知れません。でないと将来的にWordPress側でパーマリンク形式を変更した時に手動で書き換えが発生する場合があります。

同様にこのブログのように、ユーザ名を使ったパス~furuta/にWordPressを設定する場合は、同じcon.d/下にあるuserdir.confを書き換えます。デフォルトでコメントアウトされていた

の部分を有効化し、Directoryディレクティブのパスは

とします。これでまたドキュメントルートフォルダからホームディレクトリのpublic_htmlにシンボリックを張ります。

まぁ今時ユーザディレクトリ(~hoge)にWordPress置く人もいないでしょうけどw。いないだけにどこにも情報がないと思うので、今後少ない誰かや自分の参考になればと書いておきます。

certbotによるLet’s Encrypt SSL証明書取得

通常KUSANAGIはサブドメイン毎にLet’s EncryptからSSL証明書を取得/設置してくれます。しかし今回のようなサブディレクトリ型インストールの場合、ホスト名は共通になるので、個別に取得しにいく意味がありません。またKUSANAGIが認知しているサブドメインは実在しないのでたぶん失敗します。ので、KUSANAGIの処理は無効化(先の–noemailオプション)しつつ、自分でcertbotコマンドによる取得を行い、_ssl.confにパスを書き、cronで定期更新処理を設定しました。

実際の手順はワイルドカード証明書を取得するかどうかやお使いのDNSプロバイダにもよると思います。今回はClaudFlareのDNSサービスでワイルドカード証明書を作成する想定で、超簡単にまとめると以下の感じでした。

最後のcron設定はcrontab -eするとviエディタが開いて編集状態になります。viの操作方法は別途調べてください。0 4 0 0 0は毎朝4時に実行するという意味です。Let’s Encryptは90日毎の失効し30日前から更新可能なので、二ヶ月おきとかでも良さそうですが、更新が必要かどうかはcertbot自身が判断してくれるので毎日実行しておけば万一更新サーバーが落ちていたりした時でもリトライしてくれるので安心とのことです(不要なタイミングならなにもせずに終了するだけ)。

■まとめ

空き時間を使って数日でなんとか新VPS/OSに移行することができました。1G/2コアから4G/4コアにアップグレードしたことで全体的なレスポンスも上がって快適になった気がします。

願わくはAlmaLinuxが無事2032年まで運営を継続してくれればと思います。それまでに自分が廃業したり、WordPressや個人ドメインでブログをホストするという時代ではなくなるかもですが、、