無線LANの速度計測

高速無線LAN情報局
 せっかく、M200の無線LANを802.11a/b/g化したのでその効果を計ってみる。上のサイトで紹介されているPCATTCPというツールは、テスト用パケットのやりとりをメモリ上で完結させるため、ディスク等が計測のボトルネックになりにくく、純粋なネットワーク速度を測れるらしい。
 使い方は上記サイトに詳しいので割愛。なお、メールで登録するとダウンロードURLが送られてくる、とあるが、現在は普通にダウンロード出来る模様。
 計測はもちろん11aで実施。LAN側マシンはAthlonXP/1800+(苺皿)のデスクトップ機。WEPは128bit。

結果(802.11a)

M200->デスクトップ 21.38Mbit/sec

デスクトップ->M200 11.20Mbit/sec

(M200から見て)下り方向が半分近いのは何故だろう?次に、せっかく対応のWN-APG/BBRを使っているのに、VAIOでイマイチ不安定でオフにしてあったSuperAを有効にしてみる。アッサリつながった。M200側は自動にしてあったので、アクセスポイント側を有効にしただけで、リンクが108Mbpsに(ここの解説によると実際に108Mbpsでリンクしてるワケではないらしい)。

結果(802.11a + SuperA)

M200->デスクトップ 39.32Mbit/sec

デスクトップ->M200 35.01Mbit/sec

 ムハー。倍近くあがって、上り下りの差も縮まったカンジ。SuperA/Gはリアルタイム圧縮を使って速度を上げているので、最初から圧縮されているようなファイルではさほど効果がないはず。PCATTCPがどういうテストパケットを使っているかわからないので、実効速度がどれくらい違うかわからないけど、とりあえず安定してつながってるみたいなので、しばらくオンにしておこう。
 最近では、Intelもa/b/gなminiPCIカード、2915ABGなんてのが\4,000くらいで出回ってるらしく、少し前にAtherosチップ搭載のEM-500AGを4倍くらいの値段で個人輸入したσ(^^)としては凹み気味だったけど、SuperA/GはAtherosだけの機能なので少し報われたよ。図らずもアクセスポイント側もAtherosでラッキー。

トイレPCを刷新

トイレにネット環境の図
 我が家のトイレ(洋式)には使わなくなったモバイルギアII(MC/R550)が無線LAN化して設置してある。お腹こわしてトイレに缶詰になった時の時間潰しにネットが見られるワケだ。しかし、さすがに640×320という画面は狭いし、Pocket IEではマトモに見られないサイトも多くなってきており、ストレスがたまる。

 先日、近所のPC DEPOTで中古のThinkPad 560Z(PenII/266MHz、SVGA、OS無し)が\12,800で売っていて、かなり惹かれてみたり。OSはLinuxの適当なディストリビューションを入れるとして、これくらいのスペックだとXはどうなんだろ?GNOMEやKDEはさすがにツラいかな。しかも普通のノートPCなので奥行きが結構あり、写真の台には置けなそうで断念。LOOXみたいに奥行きの狭いPCがあればな、、、
 って、あるじゃん。>LOOX T
 3台前のノートPCとして使ってて、妹に売ったヤツ。妹もデスクトップ買ったし、バッテリをへたってほとんど充電されなくなってるし、XPじゃ重いしで、使われずに放置されているはず。早速Messengerで呼び出して交渉。よしゲット。
 よ~し、これなら置けるぞ。画面も1280×600とそこそこ広い。トイレ常設だからバッテリが死んでても無問題。OSはどうしよっかなぁ。XPは重いといってもMeには戻りたくないし、2000を今から買うのもなぁ。やっぱLinuxかな。以前デュアルブートにしてたから、Xもサウンドも普通に使えるはず。新サーバーにX入れて、LOOXをXサーバーとして使う手もあるな。やった、当時お世話になったサイトも健在。XF86Configはここからもらえば良いっと。あー、最近のディトリだとXがX.Orgになってて互換性がなかったりするのかな?教えてエロい人。
 非力なのでいちいちコンパイルするGentooは厳しい気がする。Vine2.6r4か3.0、Lindows4.0、FedraCore2ってとこかな?会社でRedHat ESを使わないといけないので、FC2が良い練習台になるかな?X.Orgでは上記XF86Configが流用できないなら枯れたVine2.6にしとこうかな。LANでしか使わないし。OperaかFireFoxとGAIMぐらい入れば上等。
 802.11aな無線LANカードを買ってこなきゃ。

冬のモバイルデータ回線選び

 naokAタソとの定例会が事実上廃止になり、やってもネットが必要ならウチ来りゃ済むってことが多いので、モバイルでのデータ回線を見直そう。
 てか現在はかなり絞りこんでいて、auのcdma 1x(144kbps)をBluetoothでつなぐ方法しか残っていない。ただ、M200は今んとこBluetooth使えない。来週cdma WIN2.4Mbps)かつBluetoothなW21Tが出るけど、Bluetoothの規格上の限界が712Kbpsだから、WINだとボトルネックになる気がする。まぁ、WINの実行速度もそんなもんだろうけど。とりあえずケーブル接続には戻りたくない。
 さて、そんな要件を踏まえると、選択肢は、

■A案:W21Tに機種変更して、WIN+Bluetooth

 M200のBluetoothユニットが入手できるとして、だけど。どのみちPC通信分は定額にならないので、パケット割WINミドルだろうな。\4,000で16万パケット。1パケット128byteだから、約20MB。ヘッダなんかがあるから、実際には十数MBってとこか?こう書くと高いよなぁ。普通にケータイ単体でやりとりするパケットも含まれるので、無料通信分なんてPC使えばあっという間か。速度が実効700Kbpsと速いだけにあっという間。これにプラスしてプロバイダの料金がかかる。メインのIIJmioはWIN対応のプランがないので、au.NETを使うと+\945。トータル約\5,000+超過分は従量課金ってカンジ。
 ただ出張でもない限り最近は外で仕事をすることは減ってるし、これでも余る月だってある気はする。自宅サーバーに圧縮&広告除去プロクシRabbIT2も立ててるし。

■B案:AirH’復活。新規AH-H407P内蔵

 AH-H407Pがソソる。アンテナがスロットからハミでない。今んとこCFタイプじゃないと困るようなPDAはないので、ハード的にはコレが一番魅力的。SDスロットのあるM200は基本的にPCカードスロットの出番がなさそうなので、コレ差しっぱなしにしてしまえば、往年のH’-inなLOOXを彷彿とさせるモバイル仕様になるな。速度は128Kbps+圧縮プロクシ。そういや、早けりゃ年内と言ってた256Kbpsは年度内になったのか。プランはネット25だな。使い放題が必要なほどは使わないから128Kが使える方が良い。年間契約とA/B割で\3,969。IIJmioのモバイルプランをつけて+\315。どう考えても月25時間を超えることはないので、\4,284で実質定額だろう。
 PHSにした場合のメリットは通信中でも電話が受けられること。デメリットは新幹線で使えないこと(新幹線はネット使いたいでしょ?)。
 うーむ、新幹線は2,3ヶ月に一度なのでそん時はauを使うとして、あとは普段自宅で光に慣れた身体が、128Kbps+圧縮に耐えられるかどうか、ってカンジかぁ。耐えられるなら料金的にも事実上内蔵できるスッキリ感もポイント高いよな。最近の圧縮プロキシはどうなんだろ?使ってる人いたら感触聞かせて下さい。

UnizonでPC間同期

 M200はHDD容量に余裕あるし、デスクトップに匹敵する作業環境が構築するので、自宅の仕事用マシンとのデータ同期をもう少しまじめに考えてみることに。
 そこではたと困ったのは、世の中にバックアップ・同期ソフトは数あれど、双方向のシンクロに対応したものは驚くほど少ない。たいていはどちらかをメインにして、メイン側の更新をサブ側に反映させることしかできない。サブ側での変更がメインに適用されないのだ。かのrsyncですら難しいようだ。単なる片方向の同期では、例えばサブ側でいらなくなったファイルを消去した場合、次の同期時にメイン側から消したファイルが補填されてしまう。これを防止するには、静的にファイルの状態を比較するのではなく、常にファイルの更新内容のログをとっておき、ファイル削除のタイミングが前回の同期よりも後であれば、他方でも同じファイルを削除する、という処理をしなければならない訳だ。
 で、まず見つけたのはAccuSync。機能的にはヨサゲだけど、もともとrsyncでなんとかしようと思っていただけに、\7,000超の出費はちょっと。ヨドバシ店頭で悩んだ挙げ句、買わずに帰宅。
 もう少しネットを漁ってみると、UnizonというGPLなツールがあるでないの。ここにも紹介されている通り、
・双方向同期ができる
・Linux(UNIX)とWindows版がある。
・SSH経由で使える
などの特徴がある。イイヨイイヨ!
 早速セッティング。双方でunizonを起動すれば直接ソケット通信でやりとりもできるらしい。LAN内なのでそれでもいいかと思ったが、やはり片方の操作だけで簡潔したいので、デスクトップ側にsshdを上げて、unizonはそこから自動起動するようにしよう。これが結構苦戦。色々試行錯誤をして数時間かかったんだけど、結果としてやったことだけ。
・デスクトップ側にCygwinを入れてsshdをサービス登録。
・ノート側にはPuTTYに付属のsshクライアントPlinkを入れる。
・もちろん双方にunizonのCUI版をインストール
・上の解説サイトで紹介されているバッチを導入
 Cygwinのsshdをサービスとして動かすのがやたら大変だった。だいぶ昔に入れたのをアップデートして使ったのがマズかったらしく、クリーンインストールしたらOKでした。
 unizonは基本的に1ペアの同期設定しかできないので、上記バッチをペア数だけ増やすのは効率悪い。そこでバッチが最終的にはき出すコマンドラインをパチって、自分でバッチを書く(DOSのバッチなんて何年ぶりだろう…)。サブフォルダを無視するとか特定のファイルのみ対象にする、というオプションがないらしく、逆に全部除外して、そこから特定のファイルを逆除外する、みたいなオプションを書かなければならなくて、正規表現でハマるも、なんとかテンプレートが完成。基本的にはこのバッチにコマンドラインを書き加えていけば、順次同期が実行されます。もちろんDOSバッチなので、普通にエクスプローラやランチャーから1発起動可能な点も、Cygwin上でrsyncなりを使うよりも快適。
 これでHDDのあちこちに分散している色々なアプリケーションの設定をサクっと同期できる環境が整いました。Operaや地図ソフトのブックマーク然り、やよいの青色申告然り。確定申告作業がモバイルでできるのはウレシイかも。
 Cygwinの解説本を買ってしまったので完全無料ではなかったけれど、Accusyncよりは安く、しかも自由度が高い環境が構築できたので良し。

豆知識:MD5ってナニ?

 このブログの(σ(^^)が把握している)読者層のリテラシーは、「MD5チェックサムは常識でしょ」って人達と、下手すると聞いたことすらない人達と両極端っぽいので、いつも書き方に苦労します。
 今回は、最近よくダウンロード用リンクと一緒についてるMD5の意味を解説してみます。むしろ「MD5ってナニ?」って人には読み飛ばされそうな悪寒w。まぁ、聞かれたら「これ読め」って言おう。
 MD5は暗号化なんかに使われる乱数発生アルゴリズムの1つです。ある元データを与えると、固定長(32文字)の乱数(ハッシュ値)を返してくれます。また、
・元データが同じなら常に結果も同じ
・元データがちょっとでも違うと結果が全然違ったものになる
・確率統計的に別データが偶然同じ結果になる可能性は激しく低い
・ハッシュ値から元データを逆算出するのは途方もない計算量が必要
という特徴をもっています。
 例えばパスワードをあるシステム上に保存しておく場合、MD5化してから保存しておくと、もしその保存ファイルが漏洩しても、そこから元パスワードを解析することは事実上不可能だが、ユーザが入力したパスワードの判定はそれもMD5化して比較すればOK、という訳です(MD5ハッシュ化後の値を持っていてもパスワード欄に入れられない)。
 ではどうしてダウンロードのリンクにこれがくっついているかというと、ファイルの改竄検知のためです。送信者と受信者がそれぞれMD5ハッシュ値を計算して比較すれば、途中経路でウィルス感染したり壊れたりしなかったことが保証できるわけです。もちろん、MD5値も改竄されてしまっては元も子もないので、これらは別経路で伝達することが望ましいです。当ブログでもダウンロード用ファイルはブログとは別区画に置き、権限設定を分けてあります。万一このブログがクラックされても、ダウンロードファイルは改変できない訳です。逆に、メールの添付ファイルのMD5値を本文に書いても、改竄防止という観点ではあまり意味がないですね。添付ファイルを改竄できるんなら本文だって改変できたはずですから。まぁ、ファイル破損チェックにはなるので全く無意味だとは言わないですが。
 レジストリファイルはもし壊れたり改竄されていたりすると、システムに深刻なダメージを与えかねないので、こうした予防措置を講じている訳です。ダウンロードしてご利用になる方は、是非落としたファイルのハッシュ比較をしてみて下さい(これくらいのファイルなら一瞬で計算できます)。
 実際にWindowsで手元のファイルのMD5ハッシュ値を計算するには、ElleFileInfo[窓の杜]あたりが良いでしょう。ファイルをドロップするだけです。MD5は元ファイルがちょっとでも違えば結果が大きくかわる性質があるので、32文字全部比較しなくとも、先頭や末尾の数桁だけ比較すれば実用上は充分でしょう。

■余談

 いやぁ、しかし乱数発生アルゴリズムが暗号に使えると気づいた人は偉いよ。目から鱗。今や数学者もIT絡みで大儲けできる時代ですもんね。もうちょっと英語と数学が得意だったら暗号の学会CRYPTO2004とか聴講にいったらエキサイティングだったろうな。ちょっと古いですが、AES/CRYPTO98のの訪問記なんて読んでるとワクワクする。学会発表の質疑応答の場で手が挙がって「解読方法を思いついた」って破られちゃうってどういうことよ?破ったおまえはそれをその場で暗算で解いたんかと問いつめたいw。
 CRYPTO2004の記事も『Sofrware Design』11月号に載ってたが、スゴく楽しそう。「今晩の臨時セッションでなにやらスゴいアルゴリズムが発表されるらしい」みたいな噂が飛び交ったり、スタンディングオベーションが起きたり。そこいらの学術学会にはない興奮とスピード感に溢れてそうな世界ですね。