気付けば骨伝導ヘッドセットAfterShokzが3モデル揃ってたので比較

■OPENCOMMを1年使っての感想

テレワーク最強ヘッドセットと名高いAdterShokzのOPENCOMMを購入して1年が経ちました。

私は仕事柄、リモート会議よりもリモートインタビューで、一日に90分を3,4件と集中して使うことが多いので、耳を塞がないで長時間使っても疲れない骨伝導ヘッドセットはとても重宝しています。カナル(耳栓)型のイヤホンもたくさん使っていますが、これらはノイズキャンセルなど音楽を聴くということには優秀ですが、長時間、しかも自分もしゃべる作業の時には違和感が大きく我慢なりません。その点、骨伝導は耳は完全にフリーなので違和感ないし、なんなら飲食してもモゴモゴしないとかサイコーです。オーバーヘッドヘッドフォンのように重さや締め付けが気になることもないし、完全独立ワイヤレスイヤホンのようにポロっと落ちないかドキドキする不安もありません。

そんな中でも特に評価が高いAdterShokz社のテレワーク(オンライン会議)特化モデルOPENCOMMはこの一年とても重宝しており買って良かったと思っています。強いて言えばさすがに丸一日つけていると耳の上辺りが痛くはなります。これは平気というレビューも多いので、自分がメガネを使っていることとも関係しているのかも知れません。ちなみに自室ユースなのでマスクは併用してないです。

OPENCOMMはテレワーク特化モデルなので、より口元近くで話し声を明瞭に拾うようアーム型のブームマイクが搭載しています。これも評判が高いようです。「ようです」って伝聞調なのは、自分では使っていないから(笑)。マイク自身や位置が上等でも所詮伝送経路がBluetoothな時点でビットレートが上げられないからなぁと、結局上記記事に書いたようにマイクは別にコンデンサマイクを使っているのです。オンライン会議専用であればどのみち圧縮かかるのでおそらく実効レベルで差はでないと思いますが、動画のアフレコ用などでセットアップしてあるマイクがあるので、結局そっちを使ってしまう、という感じ。本機のマイクが使い物にならないということはなく、むしろ一般的なヘッドセットよりも長いアームで口元に近いだけ優位だと思いますが、どうこう言うほど使ってないのでノーコメントで。ともあれ内蔵マイクは上に立てたままテスト程度にも使ってない。むしろ邪魔だなと思ってました…

■Amazon Black FridayセールでAEROPEXが一瞬安かったせいで…

先日終了したBFセールで、ブームマイクがないAEROPEXが結構安かったんですよね。おっと思ってカートに入れはしたものの、2,3時間後にみたら売り切れて定価に戻っていました。

でもその2,3時間の間にリサーチと検討をしたらかなり買う気になってしまったのです…

まずAEROPEXの骨伝導ユニットは第8世代で、OPENCOMMの第7世代よりも進化しているぽい。具体的には振動と音漏れが軽減されているそうな。Aftershokzは骨伝導と思えないくらいに音質が自然なんですが、音量をあげると物理振動がこめかみにビリビリくるという難点があります。オンライン会議で実用的な音量で聴く分にはほぼ気にならないんですが、たまに大声が来たりあるいは音楽や動画をみて音量があがると気になるといえば気になります。不愉快というほどでもないですがこそばゆい。また音漏れも結構あってOPENCOMM購入時に対面の同居人に聞いている曲をズバリ当てられて以来、ノマドなどで使うのは憚られるなと思い自室専用としていました。その辺りが改善してるのなら俄然興味がわきます。

またブームマイクがないせいか10gほど軽いので、もしかして終日つけていた時の耳の痛みも軽減されるかな?とか、そもそも邪魔に思っていたのでスッキリするな、とか。

一度BFセールで安い値段をみてしまうと定価で買うのが悔しくなってしばらく悩んでたんですが、結局次にはじまった楽天のセールで1,000円差くらいまで下がったので突撃しました。

購入後にまだ終日インタビューをする案件がなく、1時間程度の会議を何回かしただけですが、確かに振動は軽くなってる気がします。完全になくなりはしないですが、骨伝導ヘッドセットつけている感覚が希薄というか。重量差も聞いているのかも知れません。

その他の差は大きくはなく、強いて言えばマグネット充電コネクタの向きと形状が異なっており、AEROPEXは真下、OPENCOMMは真後ろからつける感じ。OPENCOMMの方が卓上において浮き上がらない作りですが、AEROPEXも垂直に生えるわけではないので実用上は大差ないかなと。コネクタ(充電ケーブル)自体は相互運用可能っぽいです(充電ランプは点きますが自己責任で)。

それぞれのマグネット充電ケーブルをつないだ状態のアップ写真をどうぞ↓。

AEROPEX
OPENCOMM

どちらかというと影響が大きいのは音量兼電源ボタンでしょうか。装着時、耳の後ろで手探り操作するワケですが、明らかにOPENCOMMの方が特定が容易です。「こことここにボタンが2つある!」っていうのがはっきり触感でわかります。AEROPEXはまだ慣れていないのもあるかも知れないですが、「ここら辺かな?」と不安げに押す感じ。

■気付いたらエントリーモデルのOPENMOVEも買っていたぜ…

細かい使い勝手や音質に差を感じつつも、Aftershokz全体としては確かな満足感があります。今後の想定としては、仕事部屋用のメインはブームマイクがなく聞く方の音質が良いAEROPEXにし、ブームマイクで音をしっかり拾ってくれそうなOPENCOMMを車載用にする予定。後者はそれほど頻度が高いわけではないのでやや勿体ないですが、最近家庭内Dicodeサーバーを建てて、1人で長距離運転中に音声で雑談したり待ち合わせの相談をしたりすることもあるので、そちらをよりクリアにしたいという動機付けがあります。耳を全く塞がないので通常の片耳イヤホン型ヘッドセットよりも安全なんじゃないかと。

そんなこんなで骨伝導にどっぷりハマっていると、他の場面でもそれ以外の方式は使いたくなくなってきます。階下のリビング、風呂、トイレなど(自分はお風呂はもちろん、お腹こわしやすいのでトイレに長時間こもる際にタブレットを持ち込みます)。2万円するAEROPEXやOPENCOMMはさすがにもったいないですが、エントリーモデルのOPENMOVEなら実質7,000円ほどで買えるのでアリかなと。

特長としては、骨伝導ユニットはOPENCOMMと同じ第7世代。防水も同じIP55(AEROPEXだけIP65)。お風呂でもシャワーを直接かけたりポチャンしなければ問題なさげ。値段が安いので最悪壊れても諦めがつきます。また他の上位モデルと大きく違うのは充電コネクタがUSB Type-Cであること。専用ケーブルが不要なのが良いです。我が家はトイレ内にタブレットやKindleの充電コーナーがあり、当然そこにType-Cケーブルも生えてるので、新たに専用マグネットケーブルを増やさなくても充電運用できます。端子にはキャップがあるのでそれを開いてUSBプラグを差す、という二手間にはなりますが、利用環境によっては専用ケーブル不要ということのメリットが上回ることもあるでしょう。

・メガネerにはOPENMOVEは辛いかも…

さて、なんやかんやで代表的3モデルが揃ってしまったわけですが並べるとこんな感じ。ちなみにカラーは常に黒系をチョイス。オンライン会議やインタビューで髪に紛れて目立たないからです(黒髪でない人はその限りではありませんが)。その観点でもAEROPEXは一番小さく、変に目立つ色をしたボタンもなく、そしてブームマイクがないので一番さりげないかなと思います。

OPENMOVEは耳の部分がチタン化されていない

上位のAEROPEXとOPENCOMMはフレームが「フルチタン」とされています。細い部分にチタン製の芯が入っていてグネグネとしなやかに曲がるので装着感が良いのです。比べてOPENMOVEはコスト削減なのか耳欠け部分がプラ製になっており固定形状となります。ここが地味に装着感に関わってくるようです。特に私のような眼鏡ユーザには影響が大きそう。例えば首を上下に動かした時にうなじ側で押されて耳周りにも圧がかかるのですが、その時に融通が利かないOPENMOVEはズレたり眼鏡と擦れてグググっと異音が鳴ったりします。気にならない人は全然平気かもしれないですが、個人的には眼鏡している方や装着感を気にする方には上位モデルをオススメしたい感じ。少なくとも店頭で装着感を比較してみると吉でしょう(最近ならヨドバシとかにはほぼ展示があります)。

■まとめ

ガチ音楽用ではWM-1000XM4などには及ばないですが、オンライン会議や一般的な動画視聴やポッドキャストくらいなら違和感ないくらいには自然な音質になってきている骨伝導。AfterShokzだけとびぬけてスゴいのか、他社類似品でも進歩してきているのかはわかりません。さまざまな賞ををとっているだけあってAfterShokzが鉄板な気もします。他にも水泳対応完全防水モデル、子供サイズモデル、TV用トランスミッターセットモデルなど、利用場面にあわせたラインナップが豊富なのも特長だと思います。

イヤホンやヘッドフォンの長時間使用でQoLが下がっている方、テレワークで常時待ち受けしながら家事とか他の作業をしたい方などには是非一度使ってみてほしいなと思います。

ZOOM F6を使ってPC音をループバックでオンライン会議に流す設定メモ

ZOOM F6で出来るとは思ってたけどあんまり真面目に設定を確認していなかったループバック設定について確認。

ループバック(録音)とは、PCの音をミキサーに入れ、マイクの音とミックスしてPCに戻すということ。どんな時に使うかというと、ゲーム実況などでゲームの音と実況者のマイク音声とを重ねて配信側に流したい場合などです。通常、配信ソフトや録画ソフトは入力デバイス(マイク、ライン入力等)からの音声を選択できますが、出力デバイス(スピーカー、ヘッドフォン等)は選べません。役割(方向)が違います。そこで一旦PCの外の機器に出力して、その機器がそれをそっくりそのまま出力したのをPCが入力する、という手順を踏みます。また配信/録画ソフトが単一の入力デバイスしか選べない場合(ZoomとかTeamsなどのウェブ会議ツールなど)、その機器にPCからの音とマイクからの音を両方入れて、音量バランス調整した上でミックスしてPCに戻すということも必要になります。これをしてくれるのがオーディオインターフェイス(以下オーディオI/F)機器(のミキサー機能、ループバック機能)というわけです。ちなみにこれらを外部機器なしに行えるソフトウェアも存在はします。それでもより高品質、安定性、また物理ツマミやフェーダーでの直観的な音量調節操作などを好んで、外部オーディオI/Fが好まれる傾向がある感じです。

さて、昨年導入したZOOM F6というフィールドレコーダー、32bit float録音で音割れしないというのが売りでそれを目的でのチョイスでしたが、オーディオI/Fとして機能し、ループバック機能もついています。

普段はこのオーディオI/FモードでXLRのガンマイクの音をPCに入れてウェブ会議のマイクソースとして使っています。先日そこで動画ファイルを再生する必要があり、その時の音声(つまりWindowsのシステム音声)が相手に聞こえない問題が発生したので、改めてループバック機能をきちんと理解して使えるようにしておこうと思った次第です。ちなみにTeamsは画面共有時にはシステム音声を流す設定があり、その時はわざわざ会議の場をTeamsに切り替えてもらい凌ぎました。

(国産のレコーダーメーカーZOOMと海外のウェブ会議システムZoomは全く無関係な別モノです、本記事では前者を大文字ZOOM、後者をスネークケースZoomで書き分けます)

■ZOOM F6によるループバック機能の使い方

ループバックというまんまの機能/設定項目があるので、それをONにするだけなんですが、色々と付帯条件があったり音量調節の仕方などをまとめておきます。

まずループバックはUSBオーディオI/Fのいくつかあるモードのうち、「ステレオミックスモード」のみで利用できます。これは文字通り全トラックをステレオ1トラック(2ch)にミックスした音を入出力する(2IN/2OUT)モードです。6IN/4OUTのマルチトラックモードやオーディオI/Fと本体録音を同時に使用する「AIF with REC」は使えないので注意が必要です。

ステレオミックスモードの起動方法

  • システム->USB->オーディオI/F->ステレオミックス(PC/Mac)

ループバックの有効化

ステレオミックスモードが起動しPC/Macとつながっている状態で、メニューを開くと「ループバック」というまんまの項目があるので、これをオンにすればOK。最後のON/OFF状態を記憶しているようなので注意が必要です。意図せずONになっていると、他の話者の音声がミックスされてしまったり、内職でみていたYoutubeの音声が流れたりします(笑)。必要な時だけONにし、終わったらOFFを心がけるのが良いと思います。

PCの音をZOOM F6に送る

OSが認識している出力デバイスのうち、「ZOOM H & F Series Audio」を選べばOK。アプリ毎に選択できることもありますし、なければOS側のデフォルト出力デバイスで選択します。これをすると動画/ゲームの音はZOOM F6に送られPCのスピーカーやヘッドフォンからは出なくなります。F6にヘッドフォンなどをつないでモニターします。F6からPCにループバック(リターン)する音は動画/ゲーム音とマイク音がミックスされたものになりますが、ヘッドフォンにマイク音(自分の声)を入れるかどうかは設定で変えられます。

出力設定->ヘッドフォン出力->ルーティングで当該マイクchをプリ(青)またはポスト(赤)でチェックするようにすればマイク音がヘッドフォンからPC音に混ざって聞こえます。PC音が大きくで自分の声が聞こえないような時にはマイク音もモニターできるようにした方がよさげな気がします。プリとポストの違いは各種エフェクトやフェーダーを通る前の音か通った後の音かってことで、ここでは聞きやすい方で良いでしょう。実際の配信される音に近い状態で聞きたければポストの方がいいかも知れません。ちなみにここで「Line」がOFFでもヘッドフォンには常にPC音が聞こえます。ちょっとこの辺の仕組みがよくわからないです。ONにすると少し音量がかわる気はします(重なって大きくなる?)が、OFFにはできませんでした。ループバック中のPC音は無条件で一定の音量でヘッドフォンには流れるようです。

同時に注意したいのは、ZoomやTeamsの出力デバイスをこれにしないことです。動画やゲームの音と一緒に他の参加者の声がミックスされ、それがまた会議に逆流してしまいます。Zoom/Teams上でデフォルトデバイスを選ばず、個別に他のスピーカーやヘッドフォンを選択しておきます。マルチトラックモードならこれらの音も独立トラックとして扱えそうなものですが、残念ながらWindowsではドライバが特殊なものになる為、そもそもZoomやTeams側で指定することからしてできなそうです。

音量調節

レベルメーター画面でみると右端の「LINE」の2chに音が入ってピコピコ動きます。しかし本体前面のツマミはマイク1~6の分しかないので直接操作をすることはできません。空いているチャンネルを入力設定->PFLでソースを割り当て直そうとしたり、LINEの音量をいじったりしてみましたがかわらず。PCのループバック音量は調整できないので、PC側の音量操作で調整するしかなさげ、というのが結論です。ちょいと不便だなと思います。単体のオーディオI/F&ミキサー専用機なら個別にフェーダーがあって調節できるのかなと。

ともあれ、PC音はOS上での音量設定のまま相手方にも聞こえると理解しておきます。それに対するマイク音のバランスをツマミで調節したり、それでも小さい時は

入力設定->PFL->(該当マイクインプット番号)->トリム

で調整するしかなさそう。またヘッドフォンに出る音量は本体右側のヘッドフォン音量ダイヤルで調整するという感じでしょうか。PC音に釣られて大きな声を出してしまいそうな場合は、当該マイクのリミッターもセットしておくと良いかも知れません。

RTX Broadcastなどノイズキャンセルツールとの併用に注意

入力された音声をRTX BroadcastやKrispのようなNCソフトに入れてその出力をZoom/Teamsにいれたりしている際は注意が必要です。これらのツールが音楽な効果音などをノイズとみなして消し去ってしまうからです。動画やゲーム音を流すときはNCはバイパスするようデバイス経路を変更するかNC効果を最弱にしたりOFFにするのをお忘れ無く!

■まとめ

一応ループバックできて目的は果たせましたが使い勝手としてはイマイチな気がします。そこはやはり専用のオーディオI/F & ミキサーには適わないというところでしょうか。私が完全に理解できてないだけで他のやり方もあるのかも知れませんが、F6はガチプロしか使っていないのか、こういう細かい具体的な使用方法はマニュアルにもあまり載っていないし、紹介しているブログも見つからないんですよね…

またAIF with RECモードではループバックが使えないので、このままF6側でバックアップ録音したりもできないのが残念。

いずれ使用する機会が増えそうなら専用機の導入も検討したいと思います。

 

 

ちゃんと4KキャプチャができるUSBキャプチャ Elgato Cam Link 4K

テレワーク需要を受け、高画質なデジタルカメラの映像をPCにリアルタイムでいれてWebカメラのかわりにオンライン会議の顔映像として使いたい、という需要も増し、USBタイプのHDMIキャプチャーがあちこちから安価に出まくっていますね。

私が最初に買ったのはAverMediaのBU110でした。

2018年当時、フルHDR対応していて1.5万円ほど。当時としては小さく、電源不要でHDMI映像をUVCドライバーでカメラ入力でき、様々な現場で活躍してきました。

今回これと同じことができるデバイスがもう1つ、2つ欲しいなということになり物色。BU110もまだ現役で売っていますが、より小型で安い商品が中華勢から続々と登場しています。なんと1,000円を切るようなものまで。一瞬そういうのでいいか、と思いかけましたが、ちょっと不安になって色々リサーチ。というか普通にレビューをみていても遅延が、、などとお値段なりの品質を思わせるコメントが続々。日常のウェブ会議でたまに不具合が出るくらいならいいですが、UT実査などの収録でトラブルは困ります。

新しさには欠けるけど実績のあるBU110を1.5万円ほど出して買おうか、同じくらいの値段で4KまでいけるElgatoのCam Link 4Kにしようかという流れに。

ちなみに安物はきっぱり止めようと思えた動画がこちら。

後半で、LogcoolのWebカメラ、一般的な$20のキャプチャアダプタ、Cam Link 4Kで遅延を比較してくれています。安物はひと目で「これはないな」と思えますw。逆にCam Link 4Kは大丈夫そうだなとも。Logicoolの上級モデルのカメラもさすがですね。今回は光学望遠が使える外部カメラをつなぎたかったので除外ですが(というか同社のBrioは毎日問題なく使えています)。

さて、今回どうして4Kキャプチャーがいると思ったかというと、別に高画質ゲーム配信とかではなく、とあるUT現場で、ある製品の複数箇所、アングルを映す必要があったからです。当初3カメラで個別に映す予定でしたが、4KでキャプチャしてOBS側で必要な部分をズームして使えばカメラ台数を減らせるんじゃないかと。例えば引きの全体像と、表示部分のアップ、みたいなのを1台のカメラで撮れれば、機材も減らせるしキャプチャーの負荷も抑えられるかなと。もちろん4Kは単純にいってフルHDの4倍の解像度なので、1台でフルHD 4ストリーム分の帯域を食う可能性もありますが、どちらかというとUSB周りでデバイスが増えた時の不安定さの方を問題視しました。4Kでキャプチャできていればズームした部分もそれなりの解像度を維持できるのでいいかなと。

ちなみにAmazonでゴロゴロ出てくる中華製4K対応USBキャプチャ(2~3千円程度)のものも「4K」と書いてはありますね。ただこれはトラップです。4Kの信号を受けることはできるものの、キャプチャされるのはフルHDまでだったりします。4Kでゲームしている映像をフルHDに落として配信したい、とかならまぁいいんですが、4Kでキャプチャできるものはこの価格帯では現状ないと思います。

ということで最終候補として残ったのは、ElgatoのCam Link 4Kか、単独で録画もできHDRなどにも対応している4K60S+です。ノートPCで使うのでPCIexタイプは除外。他にはAverMediaなどでもいくつか仕様を満たすものはあります。

後者は単体録画ができたりパススルー端子があり、HDR対応しているので、PS5を4K&HDRで遅延なくプレイしながら録画したり配信したりができるのでかなり魅力でしたが、業務用としてはオーバースペックで、今回Razer Blade 14というCPU/GPUの強いPCを買ったので、懐が寂しかったのと、そちらのソフトエンコードパワーを生かしてやろうということでCam Link 4Kにしました。

■使用感

基本OBS Studioへの入力用なので専用録画アプリは入れただけでほとんど使っていません。

安定性はそこそこ。たまにOBS落としたりPCがスリープになったりすると映像がブラックアウトして、Cam Link 4KをUSBポートから抜き差ししたり、OBS上でデバイスを無効->有効にしたり、カメラをOFF/ONしたりしないと復活しなくなります。が、まぁこれはBU110も含めて似たり寄ったりじゃないかなという認証。今回話してる人を撮っているわけではないので厳密なリップシンクまでは検証できていませんが、見ていて明らかな遅延はありません。また一度映った状態、録画し続けている状態において途中で切れたとか熱暴走でフリーズとかはないです。

ちなみにUSBは直差しではなくハブ経由ですが電流不足にならないようバスパワーのこちらを使っています。

貴重なUSB 3.2 Gen2対応のハブで、Razer Blade 14のようにUSB Type-CでGen2なポートがあるノートにはぴったり。ちなみにCam Link 4K自体は要求仕様に「USB 3.x port」と書いてあるのでGen1(5Gbps)であれば問題ないですが、他のデバイスも同時につなぐならハブ-PC間はGen2(10Gbps)で帯域に余裕があるといいのかなと思っています(USBがそういう帯域の取り合いの仕方なのかわかっていませんが)。電源がとれてGen2なハブでしたらこれはオススメです(ただしダウンストリーム側にType Cはないのでご注意ください。A x4口です)。

USBポートに対して本体が幅広なので、短いUSB延長ケーブルが付属しています。これもUSB3.0で動作保証されているという意味では貴重ですが、絶対なくしそうなのでとりあえず元箱にしまって現場にはもっていきませんでした。がこれはやっぱり必要だったなと反省。上記ハブでも隣がデバイスだと干渉します。細いケーブルとかならいいんですが。今後はケーブルを本体につけて機材ボックスに保管しておこうと思います。

■まとめ

結果的に今回の現場では思惑の「4Kで撮って必要なところをアップで切り出す」という使い方はボツになりました。撮りたいアングルが乖離してしまったせいです。ただし4Kキャプチャはしていてその品質は満足しています。似たような仕様の中華製品が安くある中で1万円台を出すのは勇気がいりますが、価格なりの品質が伴った商品だと思います。