はじめてのポタ電、EcoFlow Delta 2 Max @コストコ祭り

SNSの車中泊、キャンプ界隈で、コストコにてEcoFlowのポータブル電源が安い!という書き込みをみて、かねてより機会があれば導入したいと思っていたので特攻してみました。といっても今回は同居人がPCに無停電現装置(UPS)を入れたいといってた兼ね合いがあって、実際に購入したのは自分ではありません。

■Delta2が安いとの情報をキャッチ

自分はキャンプ勢でも車中泊勢でもないですが最近のFacebookの仕様で勝手にオススメして入ってもいないコミュニティの投稿が流れて来ます。そんな中で、「コストコにてEcoFlow Delta 2が49,800円で売ってるぞ!」的な投稿が目に留まりました。

Delta2は容量が1,024Whのモデルで、定価が143,000円、執筆時点で公式ストアやAmazonで7.8万円くらいなので、49,800円はかなりお値打ちです。どうやら数日中に後継モデルのDelta3Plusが出るから、その前の処分価格なんじゃないかと(後述しますが実際出ました)。

新型が出るとしても、かなりのコスパなので、UPSを考えていた同居人に「これ災害時にも使えてお得なんじゃないの?」と提案したところ興味を示したので即日コストコ座間倉庫に特攻しました。しかしあえなく撃沈。下位モデルのRiver2しか置いてありませんでした。

そして翌日は仕事だったのでそのまた次の日、今度は行ったことない金沢シーサイド倉庫にてリベンジ。Delta2はなかったですが、更に倍の2,048Whモデル、Delta2 Maxが111,800円がありそちらをお買い上げ。ちなみにラス2で1つは何故か箱が開封されていたので、完全未開封新品としては実質ラス1だった可能性が高いです。なお定価は254,100円で当時のAmazonや公式ストアで14~15万くらい。まぁEcoFlowはセール前提の値付けで定価はあってないようなものと言われてますが、いずれにせよ実売よりは少し安く買えたかなというところです。

■Delta2 Maxの特長

  1. 容量2,048Wh
  2. 定格2,000W出力、X-Boost使用で最大2,400W
  3. リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
  4. 切り替え30msのEPS(簡易UPS)
  5. Wi-Fi経由でアプリ制御対応
  6. USB-Cは100Wまで対応

もともと投げ売り祭でとびつこうとしていたDelta2の容量倍増モデルで、蓄電できる容量が倍になった上、同時に取り出し可能な電力も倍の2,000Wになっています。我が家の炊飯器や電子レンジ、ドライヤーなどは1,200W級のものが多いので1,000WまでのDelta2よりも安心感があります。X-Boostはいい感じに電圧を下げるだかして電流量を増やすようなことが書いてありますがまぁオマケ程度、臨時的なものかなと理解しています。

バッテリー種別が同じリチウムイオンながら先代Deltaの三元系からリン酸鉄にアップデートされたのも重要です。三元系はモバイルバッテリーなどに使われるタイプで、リン酸鉄リチウムイオンの方が体積辺りの容量ではやや劣るものの、容量80%を維持するサイクル充電回数が500回から3,000回と大幅に長持ち使用になっています。このサイクル充電回数は充放電を何回できるかの仕様で、あくまで災害用に保管しておくならあまりカウントが進むことはないんでしょうが、例えば毎日昼間ソーラー充電するとか夜間深夜料金でフル充電して、空っぽまで使って、という使い方を繰り返す場合はゴリゴリに進んでしまうのでそういう使い方を想定するなら重要な違いだと思われます。

今回の購入使途であるEPS(簡易UPS)としては、

  • 常時商用電源
  • 正弦波出力
  • 切り替え30ms以内

という感じ。普段はACコンセントの電力をパススルーしてバッテリーは使用せず。PCなどと相性のよい正弦波出力ですが、切り替えがガチUPS(5ms~10ms)と比べるとやや遅い、という仕様になります。それ故にUPSとは呼んでないみたいで、サーバーなどミッションクリティカルなものには使わないでくれ、と言っています。ちなみに、個人的に「買うならこれかなぁ」と思っていたDJI Powerだと20ms、ちょうど発表されたEcoFLow Delta3 Plusが10msとなっています。この辺りは利用する機器や目的によって充分かどうかは検証が必要ですが10msあると安心感高いなと思います。

アプリ制御

Wi-Fi&アプリ対応は、充放電ステータスを確認したり、充電制御などが細かく行えて便利。初期設定は間近でBluetoothを使いますが、Wi-Fi設定をしてしまえば離れた場所からでも使えて良いです。

トップ画面は「エネルギーフロー」と「標準」の2種類から選べます。

トップA. エネルギーフロー
トップB. 標準(入力タブ)
トップB. 標準(出力タブ)

「エネルギーフロー」は入出力をまとめて1画面で見渡せ、画面下部に出力系のON/OFFスイッチが並びます。「標準」は「入力」と「出力」が別タブに分かれていて、系統ごとの電力値が細かく確認できます。個人的には「標準」の方がポート毎の使用量が見られて楽しいかなと。「フロー」と「標準」の切り替えは設定画面のやや深いところにあり、あまり頻繁に切り替えて使うことは想定されていない感じでもあり、自分は「標準」で行こうと思いました。

ステータス確認以外の用途としては、ファームウェア更新やAC充電速度設定、充電タイミングの設定などがあります。

AC充電速度は例えばコンセントから最大速度で充電してしまうと1,500Wにもなってしまい、ブレーカーやタコ足(公式には禁止)が心配になってしまうので、消費電力を抑えて少しずつ充電させることができます。

おそらくバッテリーの劣化を防ぐ意味でも急速充電は必要な場面だけにしておいた方がよさそう。ちなみに本体背面にスライドスイッチがあり、カスタム充電(アプリで設定した速度)と急速充電(フルスピード)が切り替えできます。「あぁ、これからキャンプに出かけるのに充電してなかった!」って時だけ急速充電を使う、といった時にいちいちアプリを使わなくても済みます。

「エネルギー管理」の画面では、残量値で充電を開始/停止する制御ができます。リチウムイオン電池は満充電状態や完全放電状態では劣化が進むので、普段からAC電源にはつないでおいて、充電の上限と下限にマージンを持たせておくのが良いでしょう。

「エネルギー管理」画面

また我が家はソーラーパネル未導入なのでわかりませんが、画面の説明を読む限り、太陽光をメインで充電をしつつ、一定残量を切るをACも使って充電する、みたいなことができるらしく、「できる限り太陽光を活用しつつ、災害時のために一定の電気はACを使ってでも常時貯めておく」といった管理を自動でできるようです。

節電と非常時の活用という相反するニーズを任意のバランスで自動制御でき放置できるという点がモバイルバッテリーにはないインテリジェントなポータブル電源の長所なんだなと実感できました。

USB-C PD充電

今や多くの携帯デバイスがUSB Type-CのPower Deliverly規格で充電を行います。独自拡張規格でも十数ワット程度しか出せなかったUSB Aと違い、ノートPCなども充電できてしまいます。現在手持ちのノートPCではMacBook Pro 16インチが140Wのアダプタを使いますが、本製品は100Wまで。フルスペックとはいきませんが、外部モニターつけて動画エンコードしながら充電もする、とかでもない限り140W使うことはないので充分な出力性能です。14インチやMacBook Airクラスなら余裕をもって対応できます。しかも2台同時まで。

レシートは捨てるな!

EcoFlowの製品は機種にもよりますが標準保証に加え製品登録で延長保証がつきます。Delta2 Maxの場合、標準2年が登録で5年に延びます。早速登録しようとしたところ、購入日がわかる証明書を写真で撮って添付せよ、とありました。危なくしててしまうところだった…(車のゴミ箱から出てきた)。特に店頭で買った場合はご注意ください。

■まとめ

2,048Wh、2,000Wのポータブル電源が普段の1,024Wh/1,000W級のお値段で購入できました。おりしも南海トラフ大地震の注意が出たり、台風シーズンで停電リスクが高まる中、備えとしても安心です。我が家はトヨタのHV車があるのでガソリンがある限り1,500W給電をすることは可能といえば可能ですが、30mのドラムリールで家の中まで引き込むのも大変です。ちょっとした停電ならポータブル電源の方が圧倒的に便利ですし、長引く場合も車で発電->ポタ電に充電してから宅内に持込み、という使い方ができそうです。

もし自分用で追加するなら?

自分の部屋のPC環境にも、特にHDDの破損が恐いNASを保護する意味で、追々なんらかUPSは入れたいと思っています(昔買ったのがあるにはあるけど、災害用バックアップという意味でポタ電にリプレースしたい)。その観点でいうと、今回2,000W級を同居人が買ってくれたので、自室は500~1,000W級でいいかなと。その意味ではDJI Power 500かなぁと思ってましたが、先述のUPSの切り替え速度では10msを誇るDelta3 Plusが気になっています。同じアプリで一括管理できればスッキリしますし。Delta3 Plusは現在先行予約すると15万->10万でお得に買うチャンスですが、来月はApple新製品ラッシュもあるし、もうちょっと様子見かなというところです。

まぁ来年のプライムデーあたりでDelta 3 Plusが再度この値段になったら、その時の競合も含めて検討かなー。

あと同居人はソーラーパネルにも興味津々みたいなので、そのうち真面目に検討して手を出すかも知れません。ただウチの場合相当長くケーブルを引き回さないと、Delta2 Max設置位置が窓と真反対のPC裏だしどうかなぁ。日当たりでいうと庭よりベランダの方がよさそうで2F->1Fに下ろしたりも大変そう。

MetaQuestにUVC/UAC入力がキタ!最適なキャプチャ選びは?

そうきたか!という感じですが、Meta Quest 2/3/ProにUSBキャプチャ経由でHDMI入力ができるアプリ「Meta Quest HDMI Link」が来ましたね。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2408/16/news115.html

外部ハードウェア(USBキャプチャデバイス)が必要になるものの、AirLinkやImmersed、VirtualDesktopなどの画面共有系ツールを使うよりも遅延が少なくできるので、ゲーム機をつないで仮想大画面でプレイする、といた使い方には良さそうです。著作権保護に対応したものは映せないので、AppleTVやFireTVのような映像コンテンツ受信デバイスはダメかもです。とりあえずFireTV Cubeはホーム画面すら映りませんでした。まぁQuest自身でもたいていのストリーミングアプリはあるのでわざわざ外付けデバイスを使う意味はあんまりないかなと。

構成としては、

HDMI出力機器-(HDMIケーブル)-> USBキャプチャデバイス-(USBケーブル)->Meta Quest

となり、USBキャプチャデバイスは一般的なUVC/UAC規格に対応したもので、USB 3.0接続のものが推奨となっています。Meta Quest HDMI Linkが1080/60pまでしか対応してないので最近の4K対応モデルである必要はなし。

ただ結構USBキャプチャデバイス選びでポイントになりそうなのはUSBポートの仕様(形状)でしょうか。絶対数が多いUSBドングル型だとUSB Type-Aプラグが生えていることが多く、仮にこれをQuestに刺さるようにUSB Type-Cに変換するアダプタをつけて直差しすると、Questのコネクタ部分に荷重がかかってよくなさそう。うっかり衝撃でも与えたら基板からコネクタが剥離して本体修理、ということにもなりかねません。短い変換ケーブル(Aメス-Cオス)が付属しているならば、キャプチャデバイス本体をQuestのバンド辺りに縛り付けるなどして固定するのはひとつの方法だと思いますが、やっぱりコネクタは垂直に飛び出すものがほとんどなので不安は残ります。プラグがL字のものがあればいいんですが、A側がメスになっていてかつ短く、USB3.0対応のものというと見つけるのが大変でしょう。後ろ方向にケーブルを伸ばすならコレとかですかね。

これでもキャプチャを直差しだと浮いて微妙そうなので、ショートケーブルは必要そうです。またUSBキャプチャデバイスをQuestに固定して重たいHDMIケーブルを引き回すとなると総重量や取り回しも微妙です。

ということで、もしこれからUSBキャプチャデバイスを新規に購入するのであれば、ドングル型よりも据置型というか、USBポートがUSB-Cジャック(メス)になっているものが良い気がします。手持ちで動作確認できたものだと、コレとか。

古い製品の割に高いのが難点ですが、

ちなみに以前OBS Studioで遅延検証した時は0.16秒と今となってはメチャメチャ低遅延という部類ではありませんでした。
https://do-gugan.com/blog/archives/2023/06/hdmi_capture_delay.html

ただまぁ据置型よりはコンパクトなので、Questとゲーム機を外に持ち出して使いたいという時はアリかも知れません。

フットプリント大きくてもいい、自宅で据置で使うだけ、ということであればデスクトップ型でも色々選択肢はあると思います。

おさらいすると、

  • USB側がメスで好きなケーブルが使えるのが理想
  • 1080p/60p対応
  • UVC(Universal Video Class)対応
    • 同時に音声もUAC対応(仕様に明記されてないことも多い)
  • USB3.x推奨
  • 持ち運びたい場合はサイズが小さいこと

などがチェックポイントでしょうか。UVC/UACは業界標準なので今時の製品ならまず間違いないとは思いますが、UACはきちんと書いてないことも多いので不安ではありますね。

以下、実際にQuestで試してないので品質まで含めての保証はできかねますが、スペック的に使えそうなものをいくつか。

↓これとか。でもこれも1万超えますね…

↓これなんかはHDMIパススルーがついているので、同時にテレビなどにも映して、Questでプレイしている様子を仲閒はテレビで見る、みたいなこともできそう。

これは安いけど、どうかなぁ。仕様は満たしてますが、あんま激安だと遅延や安定さに不安もあります。

ゲーミングブランド各社の据置型ならたくさんあるので、高くてもいい、PCでゲーム配信/収録にも使いたいなどのニーズがあるならそういったものも選ぶのも良いでしょう。

■まとめ

ざっと探してみましたがUSB側がメスで好きなUSBケーブルを使えるものって意外と少ないみたいです。というか一気に値段が高くなりますね。

そのうちMeta純正も含めてどこかがUSB-Aメス→USB-C(L字)で色々な長さのケーブルを販売してくれたら、安価なドングル型キャプチャも使えていいんですが、、

TPUフィラメントを乾燥させてみたらスゴかった

3Dプリンターの素材であるフィラメントは様々ですが、ものによっては吸湿性が高く、開封後しばらく放置すると湿気を吸って造形品質が悪くなる場合があります。もっともメジャーなPLAはそこまででもないですが、PETGやABS、TPUといったものは気を使います。

通常真空密閉されて送られてくる新品を開封した後は、乾燥剤を入れた密閉容器に保管するなどする必要があり、ものによっては改めて使用直前に加熱乾燥することが推奨されているものも。

とはいえ自分は売り物を作ってるわけでもないので、「使えればいいや」くらいで最低限の除湿剤保管くらいしかしてきませんでした。先ごろ購入したX1-Carbonはヒートベッドの加熱機構を流用して乾漆乾燥するモードが備わってますが、実際やるとなると8時間とか12時間とか占有されてしまいプリントができなくなるので躊躇していいました。

そんな折、久しぶりにTPUフィラメントを使う機会があったので、実際どれくらい違いがあるもんかと試しに加熱乾燥をして比較してみました。

1月(4か月前)に購入して除湿剤(シリカゲル)を入れて密閉バッグに入れていたフィラメントです。X1cのプリセットでは12時間となっていましたが、途中で切り上げたので10時間くらいだったと思いいます。X1cの加熱チャンバー容積はフィラメントスプールに対してかなり大きいので、フィラメント購入時に入ってる段ボール箱をかぶせるか、配布されているカバーのモデルを自分でプリントして使うことが推奨されています。ただ後者は加熱に耐えるPCなどの素材が指定されており今回は段ボール箱で実施。

なにもしないで造形したのが写真右、乾燥後に再度造形したのが左です。

結構違いが出ましたね。ブルーの半透明フィラメントですが、未乾燥の方はところどころ白くなっている上、糸引きがちぎれたようなプツプツが無数にできて全体にザラザラしていますが、乾燥してからやった方はそれが完璧とはいわないまでもかなり改善されています。

やっぱり効果あるんだなぁと実感。

TPUの使用頻度はそこまで高くないですが、柔らかいものを作りたい時などは第一選択しになる素材です。PLAの次に使うPETGなどでもそこそこ効果があるみたいなので、やはり面倒でも仕上げにこだわるときは乾燥した方がよさそうですね。

ということで専用ドライヤーを購入

ということで、長時間X1cで乾燥させるのは不便だし、熱量的にも効率が悪いと思うので、専用のフィラメントドライヤーを購入することに。ものによっては一度に複数のフィラメントを乾燥できるものもありますが、設置場所の問題もあるのでとりあえず1スプール用から。

要件として考えたのは、

  • 静音性が高いこと
  • 温度x時間指定しなくてもフィラメント種別指定で済むタイプ

あたり。

候補として挙がったのがSANLUとCREALITY。

価格差は誤差程度。ちなみにアリエクでもそんなに値段がかわりませんでした。

操作系もほぼ同じ、というか同一パネル?

大きく違うのが設置方向。SANKUは横向きにスプールが入って、フタも横に開くので左右方向にスペースが必要。逆にCrealityは前後方向にスペースを食う感じ。想定した設置場所の都合でSANLUにしてみました。デザイン的にはCREALITYの方がかっこいいんですけどね。

しばらく使用しての所感

動作音はほぼ無音で気になりません。最大消費電力も48Wなので電球くらいでしょうか。設置位置の都合上、X1cと同じコンセントから電源をとっていますがタコ足で心配する必要はたぶんなさそう。そうした基本的な使い勝手は概ね満足しています。いくつか不満点としては、

電源アダプタのコネクタ形状がイマイチ

本製品は付属のAC-DCアダプタで電源供給をするわけですが、プラグは一般的な丸型コネクタで、背面側から垂直に突き出る格好になります。なので本体を壁ピタで設定できなかったり向きをかえる時に引っかかったりしがち。どうせ足で浮いてるんだから底面とかからもう少し上手く生やしてほしかったなと思います。

フタ形状がイマイチ

スプールの出し入れにフタをほぼ180度バカっと開く必要があるので、実質のフットプリントはやや大きめ。出し入れのたびに本体の位置や向きをかえています。

またフタをロックする機構がなく、フタの穴にフィラメントを通して造形を行うと、たまに穴をスムーズにフィラメントが通過できなくてフタがパカっと開いてしまったり、スプール毎持ち上がったりしてフィラメント供給が止まってプリンター側でエラーになったりします。

70℃までしか設定できない

最近ASAを使ってみてるんですが、Bambu Lab製の公式の推奨乾燥要件は80℃で8時間です。しかしSanlu S2は70℃までしか対応していません。実際フィラメントプリセットにASAがありません。PLAやPETG系なら55℃とか60℃なので問題ありませんが、ABS/ASA/PCなどを利用する場合はちょっとスペックが足りないので要注意です。

自分はアニール処理やシリカゲル乾燥用途も兼ねてこちらの低温コンベクションオーブンを購入しました。

これはこれで専用機ではないので温度によってはスプールが溶けてしまうなどのリスクがあるし、そもそもフィラメント乾燥を目的として開発されている商品ではないのでご参考まで(ご利用は自己責任で)。

まとめ

多湿な日本の夏において、やはりフィラメントの乾燥は気を配った方がいいんだなということが実感され、ドライヤーを購入しました。一回に数時間とか半日かかるので、さほどきっちり毎回やるのは難しいですが、誰かに納品するような品質重視の時にはしっかり活用していきたいと思います。

またABS/ASA/PCのような造形温度が高いフィラメントは乾燥に必要な温度も高く、この機種では不足も感じます。それらを多用する場合は他の機種を検討した方がいいかも知れません。

MagSafeスマホホルダーをクラウンに最適化

クラウンではこちらのMagSafe式のスマホホルダーを使っていました。

ナビアプリなどを使うのに一番見やすい位置にスマホを保持できます。今のスマホ(iPhone 15 Pro Max)のバッテリーもちなら特に車内充電の必要を感じず、単にMagSafe規格のマグネットでペタっとくっつくだけのものです。

最近は純正ナビよりもNP1の方でナビをすることが多く、毎回スマホを操作してNP1アプリを起動した上でペタっとつける、というのも手間に感じるようになってきました。そこでシール型のNFCタグを購入して、iPhoneをかざすとNP1アプリが開くようにしたんですが、このシールを貼る良い場所がまたない。

一応目立たないよう黒いものにしたんですが、やはり質感が違うのでメータークラスターのパネル正面に貼りたくはない。さりとてシボの入った上面部分だとかざしづらい。マグネットリングの中央だと動作としてもスムーズかなと思って3Dプリンターで魔改造してみました(ちなみにリングの中央に当たるパネル正面にも貼ってみましたが奥行のせいで届かないのか磁界が邪魔するのかNFCを認識できませんでした。)

完成したのがこちら。

リングの中にちょうどハマるパーツを作成し、裏蓋の中にNFCシールを貼って隠せるようにしました。シール面から手前のNFCロゴの面までは1mm程度しかなく問題なくNFCチップは動作します。

ついでにフレキシブルなアームのせいでややグラつきがあって扱いづらかったので、基台部分を取り外してがっちり固定できる台を独自に制作。ダッシュボードの微妙な傾きに沿うようにして両面テープで固定しました。これでスマホをやや雑に引っ張ってもいい感じに脱着できるようになりました。

当初、耐熱性が60℃程度のPLAより高いPETG(70℃程度)で造形してみたんですが、なかなか表面が綺麗にならず、結局ASAという100℃くらいまで耐えられて紫外線耐性も高いフィラメントを購入して作り直しました。表面の滑らかさではPLAに劣る気もしますがまずますの仕上がりになりました。仕上がりの綺麗さと強度でいったらカーボンファイバー配合のPLA-CFもいいかなと思ったんですが、調べてみると通常のPLAよりもさらに耐熱性は落ちるみたいで断念。

ASAはABSについて匂いが出ると聞いて躊躇していたんですが、心配していたよりは気にならない匂いと強さでした。確かに造形中独特の匂いはしますが、刺激臭というレベルではなかったです。ABSよりは高いですが、Bambu純正の価格でいえばPLA-CFなどよりはずっと安いので、こうした車内、屋外用途では積極的に使っていこうかなと思います。

[3Dプリント] TPUスマホケースにストラップホールをあける補助具を作成

使いたいスマホケースにストラップ穴が空いてなかったり場所が気に入らない時はどうしていますか?特に衝撃吸収性が優れたTPU素材の場合、グニャるのでドリルやピンバイスで穴を空けるのも一苦労だったりします。実際同居人が毎度左サイドのにストラップをつけたいのに右にしか穴がなくて自分で空けるのに苦労していたので、今回3Dプリンターで治具を作成してみました。

出来上がったのがこちら。

パッと見どう使うかわかりませんねw。一番左の大小の穴が4つ空いているのがAパーツとします。残りの突起がついたピンクと半透明のをBパーツ1&2と呼びましょう。Bパーツの1&2の違いは穴の径です。今回は25mm用(ピンク)と28mm用(半透明)としています。

実際に使う時はこんな感じ。

穴を空けたいスマホケースの内側にAパーツをセットして、スマホケースをはさむようにしてAパーツを取り付けます。この時、Aパーツの大きな穴とBパーツの円錐突起をはめ合わせる様にすると、小さい穴つまりドリルを通す穴がピッタリ合うようになっています。またAパーツの横端をスマホケースの底面(写真では上側)にピッタリあわせるようにすると、反対側の元々の穴と同じ位置にドリル穴がくるように計算してあります。両パーツの大きな凹みは指でつまんで持ちやすいようにつけてみました。

この状態でしっかりスマホケースをはさんでA/Bパーツを固定しながら2.5mmまたは2.8mmのピンバイスでグリグリ穴を空けていきます。ドリル刃は真っ直ぐケースに垂直にブレずに当たるので正確な位置に綺麗に穴が空けられます。両側からサンドしているのでグニャって逃げることもできないので力もさほどいらなかったようです。またBパーツを交換することでドリル穴径も変えられるので、下穴として最初に小さな穴をあけ、そこから太いドリル刃にかえて穴を拡張していく際にも正確に同じ位置に差し込めます。今回は作りませんでしたが下穴用なら2mm以下のより細いものを用意してもいいかも知れません。

TPU素材のケースの場合、一発で綺麗な穴にならずちぎれかけた素材がへばりつく場合もあり、適宜ニッパーやカッターで整える必要が出てくる場合もあります。本当はドリル刃をライター等で炙ってやると綺麗な穴になりますが、3Dプリント造型物は数十℃~100℃程度で溶けてしまうので使い捨て覚悟でやることになりそうです。もしくは下穴をこれで空けてから、最後に切り口を揃える為に炙ったドリル刃を再度通す、とかですかね。

今回はGalaxy S24 Ultra用のケースを想定して作成しました。スマホの厚みや底面からの距離、穴と穴の間隔などは簡単に調整できるようにモデルを組んだので、別機種にも対応できそうな気がしています。というか自分で位置決めしてしっかり挟んでおけば汎用的に使えそうな気も。

ともあれ、「すでに手で穴を空けてしまったケースも買い直してこれを使いたい」と言ってもらえる程度には成功したかなと思います。ご興味あればコメントでお知らせください。