低温コンベクションオーブンTSF61Aを買ってみた。ただし調理目的にあらず…

自室に低温コンベクションオーブンを導入してみました。オーブンの中でもファン付きで熱風でこんがり焼けるのがコンベクションオーブンで、更に温度設定が100℃以下に設定ができて低温調理やフードドライヤーとしても使えちゃうのが”低温コンベクションオーブン”です。

TescomのTSF61Aというモデル。1台6役の多機能モデル。外箱に大きく謳われているキャッチコピーは「低温でうまれる、温かい食卓」です。

がだスマン、お前の設定場所は写真の通り、3Dプリンターの横なのだ。キッチンではないし調理に使われることもない…

■3Dプリンターと低温オーブン

3Dプリンターとオーブンがどう関係するのか?実はPLAなどの素材は3Dプリンターで造形しただけでは完全体ではなく、さらに追い加熱することで分子構造が変化してより強固に結合して強度が増したり変形が抑えられたりするらしいです。これを”焼きなまし”とかアニール処理とか呼びます。

例えばBambu Labの純正フィラメントの仕様表の一番下の行みてみると、PLAでは「50~60℃で6~12時間」となっています。PETGは不要ですが、PETG-CFなら「65~70℃で6~12時間」という具合。高めのレンジだとABSやASAが「80~90℃で6~12時間」、よりマニアックなフィラメントで130℃まで指定があります。こうした数十度~百数十度前後の温度帯を保って加熱ができる安価なデバイスとして低温コンベクションオーブンが使われるようです。もちろんメーカー想定外の使途で自己責任ですし、食品調理とも兼用しない方が良いと言われています。この記事を参考にされる方も自己責任でお願いします。

他にも

  • フィラメントの事前乾燥
  • 乾燥剤(シリカゲル)の再利用のための乾燥

などにも使えたりします。フィラメントドライヤーとしてはSanluのこれを購入済みですが、シリカゲル乾燥がキッチンまで行かなくてできるのはヨサゲ。

そういう用途として、この機種はこちらの動画で紹介されていたものです。

100℃未満の低温帯に対応(35℃スタート)で、フィラメントのスプールが入る奥行きってのがポイント。ビックカメラ店頭では「25cmピザOK」のマークがついており、普通のトースターより奥行きがあって網や鉄板が正方形に近い形をしています。

一応競合価格帯の他メーカー品も比べて私なりの選定理由も挙げておきます。店頭で競合として置いてあったのが例えばこれ。

温度設定が細かい

HMO-F300は低温帯と高温帯のダイヤルが共通で、40℃~250℃の9段階で20℃刻みです。一方、TSF61Aは低温と高温のツマミが別れており、低温帯だと35℃スタートの5℃刻みで加減ができます。どれくらいの温度を常用するか未知数ですが低温用として買うならばこのレンジで細かく調整できるに越したことはありません。

またモードが分離しているので、うっかり高すぎる温度を設定してしまうリスクも避けられます(上記動画では100℃で加熱してPLAだと変形しまくってました)。

タイマー設定時間がデジタル表示で見やすい

長時間設定がある

HMO-F300は最長5時間までタイマー設定が可能。しかし上記フィラメント加熱表で6~12時間となっているので足りません。TSF61Aだときっちり12時間まで設定できてしまいます。調理用として見てもフードドライヤーとして乾燥フルーツやビーフジャーキーをがっつり乾かそうという時に心強いスペックです。

デザインがシンプル

またHMO-F300みたいに前面に「トースト」「ピザ」「焼きいも」みたいな調理メニューボタンがないのも今回の用途では無駄がないし、「食品調理用を転用してます」って罪悪感も薄れるので良いですw。

緻密な温度制御(オーバーシュート防止)

公式ページのグラフをお借りします。

ファンも使うせいか温度管理が緻密で、より設定温度に対して忠実な振れ幅で加熱ができるようです。コンベクションオーブンとして普通なアピールポイントなのかも知れませんが、テスコムはドライヤーの技術を応用しているとアピールしています。一方日立のHMO-F300のページでは特にこれに触れている箇所はありませんでした。

ただ、上記のかける氏の動画での実測では最初に一瞬設定温度を超過してしまったぽいですが、さてどうなんでしょう。

そんなこんなで、調理用としても期待できる製品ですが、仕様的に3Dフィラメント品のアニール処理用としても充分かつ使いやすそうということで自分もチョイスしてみました。他にもジップロック公認で低温調理に使えるというのもユニークです。通常の低温調理器やホットクックを使う場合、タンクに水を張ってジップロックに入れた肉や魚を沈めて加熱します。結構これが面倒だしジップロックに水が浸入したりしがち。熱媒体として水を使わずに直接ジップロックを更において加熱できるって地味にスゴい。なんか見てると普通にキッチン用にも1台欲しくなってきます。

■一応調理もしてみる

とりあえず初期不良時に「3Dプリント品を熱したら上手くできませんでした」だと通用しないでしょうから、動作チェックも兼ねて上記のジップロックを使ったステーキ調理を試してみました。ステーキは家庭のフライパンで焼く際に、中まで火を通し過ぎず柔らかく焼く火加減は難しいですが、「低温調理器でレアに火を通して、最後にフライパンでさっと両面に焼き目を入れる」という手法はお手軽でとても有効なのは(低温調理器やホットクックで)実証済みです。これを比較のためにやってみます。

なお公認なのはジップロックのみで、他社製品だと保証はないのできちんと買って来ました。

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公式レシピはローストビーフしかなかったので、より薄くて火が通りやすいステーキ肉ということも加味して、過去の経験から65℃で2時間。ジップロック使用時はファンOFFで良いようです。

いい感じにピンクのレアみが出ました(外側の仕上げはフライパンで焼いてます)。1枚1,000円するかしないかの豪州産お手頃肉ですが柔らかく仕上がりました。できあがりとしては水に沈める低温調理器やホットクックと同等かなという印象。

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なおソースはこれがお気に入り(リンクは12個入りなので注意)。

もう一枚一緒に焼いた国産のお肉だとこんな感じ。

設置は下の写真の通り、直上にフィラメントラックがあって熱の影響が心配でしたが、加熱中の天板は触れなくはないくらいでとりあえず大丈夫かな?なんなら乾燥になっていいかも?

200℃とかまで上げればわからないですが、先に書いたフィラメント加熱の温度帯ならなんとかイケる?まぁしばらくは在室中に観察を続けていきます。

あと動作音としてはたまにカチっとリレー音がするのみで無音です(ファンがオフなので当然ですが)。

■3Dプリント品で使ってみる

さっそく3Dプリントしたものを処理してみました。使用したのはプロト用の激安フィラメントです。

ちょうど格子状で比較しやすい造形品があったので、これでテストします。かける氏の動画では100℃で加熱して縮みまくっていたので、今回はBambu Labのフィラメントガイドにある「50~60℃で6~12時間」というのを目安にして、50℃/6時間でやってみました。

結果、50℃でもめっちゃ縮みましたorz

写真の左がオリジナルサイズ。右が加熱後です。

(黄色いテープは識別用なので気にしないでください)
右下を揃えた時の左上の拡大

長辺方向が220mmくらいなんですが、6,7mmくらい小さくなっています。3%くらい縮んだ形。また折角に縮むだけならまだしも、歪みも出ていて、フラットな面に置いた時、一部が浮いていて指で押すとカタカタ動くレベルです。これだとちょっと正確なサイズが重要なCADモデルでは辛いですね。

今回試したのがBambu純正フィラメントではなく安物なので、後日BambuのPLA Basicでも比較してみようと思います。

仮にもっと低い温度、短い時間に留めて変形を防止できるとして、肝心のアニール処理の効果まで弱くなってたら意味がないですしね。うーむ。

Bambu純正のPLAフィラメント(PLA Basic)の場合

(追記予定)

シリカゲルの再乾燥をしてみる

坂本石灰工業所 なんでも除湿シリカゲル 1kg

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AMSの除湿に使っているシリカゲルを加熱皿にあけて再乾燥してみました。シリカゲルには吸湿度を示すカラーがついた粒が含まれており、かける氏の動画によると130℃程度でこのカラーマーカーが破損してしまうらしく、触れないほど熱くなってしまう電子レンジやフライパンよりも安全かもとのこと。氏の動画では120℃で加熱してましたが、本オーブンは高温モードだと最長1時間までしか加熱時間をセットできないので、低温Maxの90℃で3時間にセット。1.5時間くらいで未使用品くらいの色味になったので加熱を終了しました。

加熱前(マーカー粒が紫)
加熱後(マーカー粒が青)

小粒のシリカゲルは油断するとすぐに跳ねて散らばってしまうので、AMS内の乾燥ボックスからこの皿にあけたり、逆に回収して乾燥ボックスに戻すのがちょっと大変。加熱皿の底は縦溝た多く入ってるので、かき集めるのもやりづらかったり。なにか代わりの耐熱でフラットな皿を物色したいところです。

2024.8.24追記:

これでいいんじゃないかと思っています。23x23cmのケーキ型です。鉄にシリコンカバーがしてある模様。シリカゲルは入れ込む時に跳ねてとびちったりしがちなので、ある程度深さがあるのもヨサゲ。

2024.8.28追記:

シリカゲル再換装に使う金属皿は結局DAISOで「ケーキ焼型」を買ってみました。ラベルのデザインが違いますがJANコードも一致するのでこれですかね。税抜き200円なので上に貼ったものよりかなり安いし、万一ダメでも諦めつくかなって。

表記のサイズは23cm x 22cmで25cm角が置けるはずの本機の網にほぼピッタリ。厚みは実測で54mmほど。シリカゲルのような跳ねて飛び散りやすいものを扱うにも余裕があると思います。

ちょうどこないだ再乾燥したばかりでまだテストできてませんが、とりあえずメモとして記録。結果はまた追記します。

加水分解でベタベタになったDELL XPSのキーボードパネルをクイックハック

父親から、貸していたDELL XPS 15 2-in-1(9575)のトラックパッドが浮いてきているという写真が送られてきました。

あ…これはアカンやつです。パームレスト下のリチウムイオンバッテリーが膨張してパームレストやトラックパッドを押し上げてますね。とても危険な状態なのですぐに使用を中止させ回収。バックパネルを外してバッテリーを取り外してみると形状は元通りになったので、破壊的な変形まではいかなかったし、動作も問題なさそう。バッテリーさえ交換すれば直せそうです。

このPCは2021年にいちど社外バッテリーの交換してました。

3年強ですね。貸し出してたので利用状況はわかりませんが、おそらく最近はほとんどAC電源つなぎっぱなしで使ってたはずで、なにか正常にシャットダウンせずに異常発熱してしまったか、社外品クオリティかってところですね。以前購入したショップは買えなくなっていたので、こちらから再注文。

(中華互換バッテリーのご利用は自己責任で。品質だけでなく廃バッテリーの回収をしてないと割と詰みます)

さくっと交換完了。

[本題] 加水分解が進行してベタベタになってた…

バッテリー問題は解決したんですが、久しぶりにみて驚いたのはパームレストなどキーボード面のパネルがベタベタになっていたこと。父は飲み食いしながら汚い手で使うタイプではないですが、一方でこまめにPCを掃除するタイプでもない。「もう…」と思いながら掃除しようとしてハタと気付く。これは汚れではなく加水分解によるネバ付きによるものだと。樹脂パネルはこれがダメですね。MacBookやSurfaceが金属パネルなのは高級感だけでなく地味にこういうところで耐久性に差が出ます。DELLのフラッグシップモデルであるXPSでこれはちょっとなぁ。

アルコールウェットシートで拭くくらいではどうにもならず。XPS9575は底面パネルはネジで簡単に外れますが逆にキーボード側のパネルはメインボードからなにから全て外さないとダメなので、分解洗浄はちょっと現実的ではありません。壊して追加修理代が発生したらたまらない。

AliExpressならカット済みのラップフィルムが2,500円くらいでありますが、配送に2週間くらいかかってしまう(国内ECにはナサゲ)。それだけPCがないと父も不便なので、一応注文だけしておいて次に帰省する時にでも施工しようかなと。ということで今回は間に合わせのクイックハックに挑戦。

3Dプリンターでトップカバーを作ってみる

ということで簡単に計測して図面を作り3Dプリンターで0.5mm厚の樹脂板を作ってみました。

写真は仮造形用の安いフィラメントで試作したもの。こっちの方が色がグレーで形状がわかりやすいので。こんな感じの板を左右2分割で造形し(プリンターのサイズ的な制約)、両面テープで固定。液晶パネルの開閉にも問題なさそう。電源ボタンやトラックパッドの外周の段差ははっきりわかるけど実用上問題はなさそうなのでデザイン重視でピッタリにしてみました。コンマ何mmの世界になるとDFM式の3Dプリンターだと斜めに設計しても階段状になってしまって綺麗には出ないんですよねー。

0.5mmはかなりペラペラです。もっと薄くもできますが、あんまり薄いと簡単に反ってしまう可能性があるので難しいところです。PC自体が発熱体なので。でもまぁ今回は最終的にはフィルムに貼り替える想定の一時凌ぎなのでまぁトライアルで。60℃くらいで変形してしまうPLAではなく70℃くらいまでは耐えられそうなPETG-CFがいいかなーと思ったんですが、やはり造形(面)の綺麗さでPLA Basicを採用。更に綺麗に出せるPLA-CFも在庫があったんですが耐熱性が通常のPLAより劣るっぽので今回は見送りました。本当はABSやASAなんかも使ってみたいんですけど匂いがキツいらしいのでなかなか手が出ません。またよりすべすべな底面(ビルドプレート面)を使うべく、反転して造形しています。上側はアイロン処理をしたとしてもやはり荒れが残ります。

仕上がりはこんな感じ。ちょっと左側がズレてるのはこの後で貼り直しました。

ところどころのシールは父のキー判別のライフハックなのでスルーしてくださいw

ビルドプレート面を使っても多少は造形線が残っちゃいますね。右上の電源ボタンの周囲の円とかははっきり見えます。手触りとしてはほぼわからない位スベスベしてますが将来的に細かい皮脂など汚れが溜まってくるかなどは要観察。

さて、次に帰省するまでに持つかな?

ASSA ABLOY製シリンダのドアにSesame 5を取り付けるキット製作

我が家の玄関ドアはASSA ABLOYという海外製メーカーのシリンダー/ロックケース/サムターンがついている木製ドアです。ここ製の全てのものがそうかは不明ですが、ウチについているのはサムターンが360度以上クルクル空転するタイプで、Sesameをはじめとするスマートロックと相性が悪いです。たぶんこれ。いままで3Dプリンターを使ったDIYでどうにか使ってきましたが、今回コメントで同じ系統のドアをお使いの方から頒布してほしいと要望をいただいたので、改めて微調整をし、新たにサムターンホルダーも設計してみました。

過去記事はこちら。

■ドアの仕様

まずサムターン部分はこんな感じの菱形をしています。

ASSA製のサムターン

しかもこのまま奥まで寸胴ではなく、すぼまったような形をしています。正面写真だけ送ってメーカーのサムターンアダプタ設計サービスを受けるといまいち掴みが弱い(一番太い頂点部分でのみ保持)ものになってしまう可能性があります(メーカー公式サービスを受けたことがないので、上下左右の写真も送ってしっかりしたものを作ってくれるかもは知れませんが)。

また国産のサムターンではあまり見ない、ロックトゥロックが360度を超えて回転するタイプで、「施錠位置から解錠位置まで何度どちらに回転」という制御をするスマートロックがそのままでは使用できないことがあります。例えば「右に90度で施錠」、「左に90度で解錠」という設定があったとしても、このサムターンは手で操作するとさらに左右に回ってしまうので、そこから90度回しても施錠/解錠ができない、という事態になります。

更にこの会社の製品は北欧の木製ドアに使われることも多いらしく、できればSesame本体を両面テープを使って貼り付けたくない問題があります。

まとめると、ASSA ABLOYの一部ドア製品は、スマートロックを取り付けるにあたって、

  • サムターン形状が特殊
  • サムターンが360度以上回転するので人力が介在すると正常にロック/アンロックできない
  • (ドアが木製だと)Sesame本体を両面テープで貼り付けたくない

という三重苦を抱えていることになります。

今回のキットは3Dプリンターでそれらを解決するためのキットになります。

■サムターンアダプター

上の写真にあるようにASSAのサムターンはかなり特殊な菱形形状をしており、Sesameのアームでは左右の頂点を挟む形になり安定しません。CandyHouse(Sesame開発元)で特殊アダプターのオーダーメードサービスがあるので、こちらに写真を送ると600円でこのようなアダプターが3Dプリンターで製作されて送られてきます(写真はこちらの記事を読まれた方からご提供いただきました)。

公式のオーダーサービスにより製作されたサムターンアダプタ

サムターンを真正面から見た菱形形状をベースに作られていて、正面からスポっと差し込む形状だそうです。公式サービスが作る品なので動作に支障はないのでしょうが、結局これも頂点で支えており、奥の細まった側はガタつきが出るんじゃないかと不安になります。

そこでASSAサムターンの立体形状にできる限り沿わせてモデリングしたのがこのサムターンアダプターです。手前から差し込む形状だと奥のすぼまりに対応できないので、左右からサンドイッチする2パーツ構成にしました。

道具眼オリジナルサムターンアダプター

サンドイッチした後でセロハンテープで巻いて固定しています。一見手抜きのようですが、色々実験した結果、Sesame本体のアームとあまりガッチリにせずある程度上下に滑って動いた方が動作がスムーズっぽい、ということがわかり、摩擦が低くなるセロテープ式を採用しました。あんまり目に入らないしいいかなと。もし真っ黒なのが売ってればマスキングテープとかでも良いかも知れません。なにかしら表面がツルツルしたものが良いと思います。

ちなみにSesame側のアーム幅よりも少しだけ細くなっているのも仕様です。これは純正アダプタの説明でも、

サムターンアダプターは回転効率を上げるため隙間を持たせて設計しております。

お取り付け後も固定はされない状態で問題はございませんので、テープや詰め物などで固定されませんようお願いいたします。

と記載されており、アームがゆるゆると動くマージンを残しておくのが重要のようです。

私自身は公式オーダーメードアダプターと動作比較はしていないのですが、我が家ではオリジナルアダプターで問題なく使えています。

■回転ストッパー

サムターンが360度以上無駄に回転しないようにするのがこちらの回転ストッパーです。

何人かの方にパーツをご提供したところ、ドアの設置状況やSesameの取り付け向きなどによって、回転を制限する範囲も異なることがわかってきました。

これまでご提供してきたご家庭のマッチング状況はこんな感じです。

Sesami設置向き
(サムターンから見て電池ボックスの向き)
ストッパーの突起位置使用ストッパータイプ
我が家a.
A様宅b.
B様宅c.
C様宅(確認中)(確認中)

あくまで観測範囲の話で、もしかすると上下左右以外にナナメで止める必要があるケースもあるかも知れません。現状ではこの3タイプがあり、提供時にはケースバイケースで対応させていただいています。

a. 側面取り付けタイプ(旧称:ボトム取り付けタイプ)

Sesame3使用時に一番最初に開発したのがオリジナル版。最新版は右の更にスリムにしたものになります。

成人視点で見下ろした時に突起以外がほぼ隠れて見えなくなるように手前面に傾斜を入れました。また一体感が出るように右側の〇形状に沿わせてあります。

下から見上げたところ。

結果としてノブの回転範囲はこんな感じになります(写真はオリジナル版)。本来ASSAのサムターンは2周以上回ってしまいますが、この突起でストップをかけることで赤い矢印範囲に留め、360°までしか管理できないSesameと実際のサムターン位置にズレを発生させないようにします

b.手前面取り付けタイプ(旧称:サイド取り付けタイプ)

同じサムターン形状でも実際にロックボルトが動く開錠~施錠の動作位置が異なるパターンのご報告をいただき、ストッパーの突起を下からではなく横から生やすタイプも開発しました。レンダリングCGですがこんな形状で、Sesameの電池ボックス側のフラットな表面に貼り付けるバージョンです。

造形して貼り付けたのがこちら。

動作確認の青色LED部分には透明パーツをレンズ代わりに挿入してあり、LEDの視認性もバッチリです。その上はリセットボタンを押すためにゼムクリップなどを差し込む穴が空けてあります。また左側の電池ブタも干渉せず手前に引き抜くことができます。

c. サムターン側取り付けタイプ

サムターンのある丸い側に取り付けるストッパーです。

下の写真は本体を垂直につけて真下から突起を生やすセッテイングになります。

本体をどの向きにするかも考慮しつつ、どの範囲に制限したらいいかで最適なストッパーがかわってくると思います。外径寸法に影響が少ないb.タイプがもっともスマートな感じはしますね。

もしかしたら回転範囲の設定次第でもなんとかなるのかも知れませんが、とりあえず過去に頒布させていただいた方の情報を元に各方向から突起を出せるようバリエーションを分けています。お問い合わせいただいた時に改めてどれが良さそうか診断させていただくか、一旦仮造形品を3パターンお送りさせていただいて実地でお試しいただくなどご相談させていただいています。

■固定用バックプレート

両面テープを使わず、ドアにダメージを残さない形でSesame5を取り付けるのがバックプレートです。サムターン両脇の2つのネジを一旦取り外し、サムターンのベースの下に挟み込む形で共締めします(手順後述)。

こちらもSesameをどの向きで設置するかによってネジ穴位置が異なるバリエーションがあります。現状まだ下設置版はありませんが、要望があれば製作できると思います。本当は1枚で全方向に対応できる気もしますが、穴だらけになると強度的な不安もあるので一旦個別で作っています。左右のみ、上下のみだったら平気かもですね。

素材は熱で反りにくいよう、PLA素材よりも耐熱性が高いPETGで造形しています。おそらく一般的な家庭の環境であれば問題ないかなと思っています。ちなみに表面の綺麗さではPLAなので、目に付きやすい回転ストッパーはPLAで作っています。

まずドアのサムターンをクルクル回転して、カシャっとロックボルトが動く位置を見定めます。おそらく解錠に動く位置と施錠に動く位置が全く同角度ではないと思います。それでも「ここからここまでの回転に絞れば、解錠も施錠もできる」という角度範囲を探ってください。その範囲と、Sesame+回転ストッパーの動作範囲が重なるように気をつけて位置を仮決めし、Sesame側のサムターンを回して解錠/施錠ができることを確かめます。ドア側のサムターンとSesameのサムターンの中心が揃うのが理想ですが、Sesameのサムターン裏のアームはスライドする仕組みになっているので、多少はズレても対応できると思います。それでもできるだけ少ない力で回せた方が電池の減りも少ないと思うので、音などを聴きながらスムーズに回転できる位置を探ってみてください。

位置決めができたらSesame付属の両面テープなどでこのプレートに本体を貼り付けます。個人的には付属のテープより、この手↓の剥がす時に破れにくく、耐熱性能も高い両面テープがお勧めです。かなり強いので、Sesame側の接着面の全面に貼らずに一部だけ充分保持できると思います。逆に全面で接着してしまうと後日剥がしたくなった時に大変になると思うので、面積少なめからお試しいただくと良いと思います。

縦Ver制作依頼にSesame5付属の金属製の土台ごとネジ止めできる穴も追加。こちらのボルト/ネットをカットして使います。見た目は多少ガチャガチャしますが、ガチガチに固定したい方向け。

充分に固定ができたら、Sesameアプリの「角度の設定」画面で施錠位置と解錠位置を設定してやれば良いはずです。

プレート取り付け(サムターン分解)

サムターンをバラして取り付けるのが不安というお声があったので、簡単に手順をまとめてみます。

1. 鍵穴プレートを固定

ネジを抜くと屋外側の鍵穴のついたプレートがポロっと外れて落ちるので、マスキングテープなどで固定しておきます。こうしておけば後は基本的に屋内作業で完結します。

2. 屋内側で2本のネジを外す

サムターン両脇のプラスねじをドライバーで外します。ドアを貫通して反対側の鍵穴プレートまで届いているので結構長いねじです。その2本のネジに固定用バックプレートの2つの穴を通し、元通りとりつければ完了です。

ちなみに外した状態で覗き込むとこんな感じ。反対側が固定してあれば、2本のネジを再び差し込むのと、真ん中の平べったい金属棒をサムターンの中心軸に向きをあわせて差し込むという感じです。

ネジを締めたら、あとは最初のマステを剥がせば終わりです。

ホームセンターの組立家具を組み上げられるくらいの日曜大工力があればさほど苦労はしないんじゃないかと思います。

■オマケ:Sesameリモート用バックプレート

先日発売された室内用リモコンのSesameリモートを、壁(石膏ボード)に大きな穴を開けずにとりつけるプレートも作りました。

こんな感じの小さな穴が四隅に開いた板です。ピンだけだと1000本入りとかになるので、こういう製品からピンだけ抜いて使うのが良いと思います。

こうしたピンだけなら抜いた後の穴も最小限なので賃貸などで退去時の補修も最低限で済むと思います。

(紹介の製品で現物確認をしていないのでもしかしたら穴の径が合わないかも知れません。場合によってはキリなどで穴を広げる必要があるのでご了承ください。また壁紙の裏が石膏ボードではなく柱材などだった場合はより太い釘などが必要になる可能性もあります。)

■動作確認は念入りに、物理鍵の所持も推奨

モノが家の鍵だけに、動作や固定の確認は慎重に行ってください。外出中に外れてしまって解錠できなくなったりする恐れもあるのでバックアップ手段として物理鍵を携行したりどこか宅外の安全な場所に保管しておくことを強く推奨します。

あくまで個人の趣味レベルの制作物なのでご利用は自己責任でお願いいたします

■頒布情報

ASSA ABLOY製シリンダのドアにSesame 5を取り付けたい、という方がどのくらいいらっしゃるかわかりませんが、もし本キットがお役に立ちそうであれば1つにつき材料費1,000円+送料程度でお裾分けしますのでコメントにてお知らせください。Sesameリモート用プレートは他のを買ってくださった方にはオマケでつけています。単体なら300円+送料くらいでしょうか。

ものだけみたら「百均で売ってそう」だと思われるでしょうが、販売規模も造形方法も全く異なるものなのでご理解いただければと思います。あくまで同じASSA民としてSesameが使えなくてお困りの同志にご提供するもので、現物合わせで上手くつかなかった/動作しなかったという時にもカスタマイズして何度か送り直す、といったサポートも込みで考えています。

例のブロワーをプチ改造。起動ドングルをぶら下げるリングを増設

こちらの洗車用ブロワーですが、やはり起動用の安全キーというかドングル的なものを挿しっぱなしだと少なくともLEDが点灯してるだけの電力消費はあるらしく、別の洗車機会に使おうと思ったら完全に空になっていました。

この写真でUSB-Cポートの近くに差し込んであるのがそれです。正式名称不明。単に後ろにリング状になってる配線で2つの電極をショートさせるだけのものですが、これを差し込まないと通電しないようになっています。

お子さんやペットがいる家庭などで不意にトリガーを押し込んでしまいブレードが回転して事故につながるリスクを抑止しているんだと思いますが、外した状態で本体に格納したりぶら下げたりするところは皆無なので保管に困ります。

ということで3Dプリンターワーク。

ファンの下の顎の部分にストラップリングを取り付けました。ちょうどその部分がフラットになっていて両面テープを取り付け易かったので。ストラップは百均で買ってきたもの。

ちょっとわかりにくいかもですが、3Dモデルでみせるとこんな部品です。(ドラッグでグリグリ動かせます)。

ブラブラして邪魔な感じもしますがまぁ仕方ない。当初、カチっとはめこむようなホルダーも考えたんですが、外れて紛失するのは一番ダメだなということで、より確実に紐で結ぶ形にしました。まぁこれもリングが破損して外れるかもですが、そう重いものでも引っ張るものでもないので大丈夫かなと。

フィラメントには層間密着性(レイヤーの剥がれにくさ)がPLAより高いPETGを使い、リングの引っ張り方向に層ができないよう、造形の向きにも配慮しました。

とりあえずこれで「使いたい時にはぶら下がっているドングルを差し込む」という運用ができるようになりました。

サーバー移転。メモリ増強、ConoHaのKUSANAGI9イメージをAlmaLinux9に転換

■CentOS7のコミュニティサポート期限が切れる!

このブログをホストしているサーバーのOSはCentOS7でしたが、2024年6月30日でコミュニティサポート期限が終了することに6月に入って気付きました。基本新しいもの好きでPCやスマホのOSはリリース当日に即インストールすることが多いですが、サーバーOSやPHPなどのミドルウェアはなにかあった時の切り戻しが難しいしダウンタイムの発生は避けたいので保留しがち。しかしさすがにサポート切れのOSを使うワケにはいきません。以前ならCentOS7->8のアップグレードパスがあったようですが、CentOS8自体が終了してしまい多くのミラーサーバーからも消えてしまっている様子。実態として稼働しているのはWordPressのサイトが5つ程度といくつかのオリジナルPHPスクリプトによるサービスのみ。だったらひとつひとつ手作業で新サーバーに移設していく方が安全かなと思い、新規サーバーを建ててしまうことにしました。

■同じConoHaで1G->4Gプランに

今までメモリ1GBのVPSプランでしたがWordPress(KUSANAGI8)がモッサリで色々と高速化、最適化の工夫をしてみてもいまひとつでした。よくよく調べてみるとKUSANAGI for ConoHaは推奨メモリが4GBでした。契約当時からそうだっけ?というところではありますが、ともあれ「そりゃ遅いわけだ」と。下手をするとKUSANAGIの処理が上乗せされたことで、かえってバニラのWordPressより遅くなってた疑惑すら。一応いままで1GBで動いてはいたので、2GBにするか素直に推奨の4GBにするか悩みました。選定当時、梅雨トクキャンペーンというセールをやっていて、36ヶ月分一括払いした時の料金とスペックはこんな感じでした。

選定時点のセール価格(36ヶ月前払い時)

2GBと4GBで倍ほど違うのでさすがに迷います。ただまぁモッサリはイヤだなというのと、幸いサーバー利用者からカンパの申し出もあったので贅沢に(?)4GBプランとすることにしました。

ちなみにこの価格は新規サーバー構築時のみです。実は3年分払ってやっぱうまく移行できなかったわってなったら大変なので最初1ヶ月契約して後ほど延長しようと思ったんですが(以前のきっぷシステムならできたはず)、今の「まとめトク」システムのせいかこのキャンペーンがなのか不明ですがNGと後になって発覚。仕方ないのでセッティングが全て終わった一ヶ月契約サーバーのイメージ保存を行い、別途新規に3年契約サーバーをつくってイメージから復元する、という手順をとることに。IPアドレスが二回かわることになってしまいやや手間でした。まぁ実際になんかあったらもっと大変だったので、これで済むとわかってれば次回もそうするかも?やはりいきなり3年契約は勇気いりますよね。この辺、システム的になんとかしてほしいものです。

■AlmaLinux9 + KUSANAGI9で行こうとするもConoHaにイメージがない!?

CentOSはStreamへ移行

で、OSの選定です。RedHat Enterprise Linux(RHEL)の無料版クローンであるCentOSは終了というか、CentOS Streamというラインに移行されました。今までのCetOSはRHELと同じ構成、パッチリリースで安価で安定した業務グレードのディストリビューションでしたが、Streamは逆にRHELに取り込む前のカナリアリリース的な位置づけに変更。FedoraとRHELの中間みたいな感じっぽいです。まぁWordPress動かすくらいなら実害はないんじゃないかとも思いましたが、最新のCentOS Stream 9のサポート期限が2027年5月まで。あと3年です。心持ち短いなという印象。

CentOS代替OSとしてAlmaLinux

そこで模索したのがCentOS互換を謳うディストリビューション。こういうとこはオープンソースのありがたみ。いくつか候補があります。その中でもAlmaLinuxの最新9系がなんと2032年!たっぷり8年もあります。開発母体の継続性についても現時点で多くの企業スポンサーがついているようで今ある候補の中では安心感もあります。むしろ8年とかいったらこのブログが続いているか、WordPressで構築するという時代なのかといった辺りの方が懸念されるレベル。

更にWordPressの高速化ミドルウェアでもあるKUSANAGIも9でAlmaLinux9をベースOSとして採用しています。現行サーバーでもKUSANAGIを使用していて、そこまで恩恵を感じず、むしろ設定ファイルなどの構成が通常のCentOSと違って苦労の方が多かったイメージですが、推奨メモリ環境を満たせていなかったことも判明したので、今一度KUSANAGIを信じてみようと思っていたので、こりゃもうAlmaLinux9 + KUSANAGI9の99コンボでいいんじゃないかと。

だがConoHaにイメージがない!?

しかし着手時点でなんとConoHaのKUSANAGI9イメージはCentOS Stream9ベースのものしかないと判明。他のレンタルVPSサービスにはあるので、脱ConoHaするかCentOS Stream9で妥協するか逡巡しました。しかしAlmaLinuxがCentOSからAlmaLinux移行スクリプトを提供しているのを発見。

ざっくり言うと

  • dnf update(旧CentOSでいうyum updateにあたる)で最新パッケージ更新
  • curlで移行スクリプトをダウンロード
  • スクリプトを実行
  • ひたすら待つ
  • 再起動

だけ。OSとバージョンを調べるために

しても、きちんとCentOS Stream9からAlmaLinux9になっています。スゲー。なんかあったらクリーンインストールすりゃいいやってことでVPS構築直後に実行しましたが、今のところ特に問題はなさそうです。
正式な「AlmaLinux9 + KUSANAGI9」イメージから構築したのと同等の扱いではなく、あくまで「CentOS Stream9 + KUSANAGI9のOS部分を勝手にAlmaLinux9書き換えたもの」なのでサポートなどは受けられなくなる可能性はあるので自己責任で。まぁVPSのサポート範囲なんてそもそもハードウェア部分だと思っているので個人的にはいっかと思って敢行しました。

■その他設定メモ

KUSAANGI 7/8から9になって勝手がかわったのがドキュメントルートや設定ファイルのパスです。

WordPressをデプロイした時の実体ファイルは相変わらず/home/kusanagi/[プロファイル名]ですが、設定は/etc/httpd/ではなく、/etc/opt/kusanagi/httpdになりますし、Webサーバーのドキュメントルートは/var/opt/kusanagi/www/html/、ログは/var/opt/kusanagi/log/httpd/です。まぁ慣れた場所にシンボリックリンク張ればいいんですが。

あとハマったのは複数のWordPressサイトを所謂マルチサイト扱いにせず、かつサブドメインをわけないディレクトリ別の独立インストールするところでしょうか。KUSANAGI9では基本的にサブドメインを使ったサイト構成が行われます。

  • aaa.hoge.com
  • bbb.hoge.com
  • ccc.hoge.com

という感じ。しかし自分は従来の構成を踏襲するため、

  • hoge.com/aaa/
  • hoge.com/bbb/
  • hoge.com/ccc/

という形にしたかった。これは前回のKUSANAGI設定時にもハマったポイントで、基本的に

  • プロビジョン時にサブドメインによるLet’s Encrypt証明書発行をしない(–noemailオプション)
  • /etc/opt/kusanagi/httpd/conf.d/aaa.confなどを無効化する
  • /home/kusanagi/aaa/DocumentRoot/から/var/opt/kusanagi/www/html/aaaにシンボリックリンク

という形でできます。

プロビジョン(WordPressサイトの作成)の段階ではサブドメインを指定するしかなさそうなので、

のようにしました。これにより、Apache用のバーチャルドメイン設定がaaa.confに作成されてしまうので、それを取り消すために設定ファイル自体を無効化します。削除でもいいですが、.confというファイル名が読み込まれる要件なので、自分はその場でaaa.conf.disabledのようにリネームして置いてあります。

この無効化したファイル内には.htaccessの許可設定なども含まれるため、そこだけ自分で設定ファイルを書きます。これはWordPressのパーマリンク形式をカスタムにする時以外は不要かも知れません。今時は80番ポート(http://)は運用せず443番(https://〜)だけでいいかと思ったので、ssl.confに書くことにしました。真っ先に読み込んでデフォルトホストにしたかったので名前を_ssl.confに変更し、

のようにします。後半のRewrite関連部分はWordPressがDocumentRoot/.htaccessに書き出してくれますが、.htaccessによる設定上書きをするとセキュリティ的にもパフォーマンス的にもよろしくないので、あえて「AllowOverride」をNoneにして.htaccessの読み込みを無効にした上で、WordPressが書き出す.htaccessの内容を<ifModule mod_rewrite.c>ディレクティブに転記して使っています。気にしない人は「AllowOverride FileInfo」にしてWordPressが書く.htaccessまかせにしてもいいかも知れません。でないと将来的にWordPress側でパーマリンク形式を変更した時に手動で書き換えが発生する場合があります。

同様にこのブログのように、ユーザ名を使ったパス~furuta/にWordPressを設定する場合は、同じcon.d/下にあるuserdir.confを書き換えます。デフォルトでコメントアウトされていた

の部分を有効化し、Directoryディレクティブのパスは

とします。これでまたドキュメントルートフォルダからホームディレクトリのpublic_htmlにシンボリックを張ります。

まぁ今時ユーザディレクトリ(~hoge)にWordPress置く人もいないでしょうけどw。いないだけにどこにも情報がないと思うので、今後少ない誰かや自分の参考になればと書いておきます。

certbotによるLet’s Encrypt SSL証明書取得

通常KUSANAGIはサブドメイン毎にLet’s EncryptからSSL証明書を取得/設置してくれます。しかし今回のようなサブディレクトリ型インストールの場合、ホスト名は共通になるので、個別に取得しにいく意味がありません。またKUSANAGIが認知しているサブドメインは実在しないのでたぶん失敗します。ので、KUSANAGIの処理は無効化(先の–noemailオプション)しつつ、自分でcertbotコマンドによる取得を行い、_ssl.confにパスを書き、cronで定期更新処理を設定しました。

実際の手順はワイルドカード証明書を取得するかどうかやお使いのDNSプロバイダにもよると思います。今回はClaudFlareのDNSサービスでワイルドカード証明書を作成する想定で、超簡単にまとめると以下の感じでした。

最後のcron設定はcrontab -eするとviエディタが開いて編集状態になります。viの操作方法は別途調べてください。0 4 0 0 0は毎朝4時に実行するという意味です。Let’s Encryptは90日毎の失効し30日前から更新可能なので、二ヶ月おきとかでも良さそうですが、更新が必要かどうかはcertbot自身が判断してくれるので毎日実行しておけば万一更新サーバーが落ちていたりした時でもリトライしてくれるので安心とのことです(不要なタイミングならなにもせずに終了するだけ)。

■まとめ

空き時間を使って数日でなんとか新VPS/OSに移行することができました。1G/2コアから4G/4コアにアップグレードしたことで全体的なレスポンスも上がって快適になった気がします。

願わくはAlmaLinuxが無事2032年まで運営を継続してくれればと思います。それまでに自分が廃業したり、WordPressや個人ドメインでブログをホストするという時代ではなくなるかもですが、、