Kyashの共同口座が同居生活費の不便を色々解決してくれた

[プロモーションは含みません] (笑)

私と同居人は共同の口座に毎月一定額を振り込む形で共同家計を管理しています。便宜上私の名義で専用口座と専用クレジットカードを作ってあり、共同で購入するものや公共料金の引き落としはそちらから支払う形にしています。外食した時なども私名義のクレジットカードだったり、そこから引き落とされる各種電子マネーを活用。つまりお店での会計は基本的に私が担当する形になります。まぁそれはそれで面倒ですが許容範囲。困るのは同居人が単独で出かけて家計での買い物をする場合。籍をいれていないため家族カードは作れないので、一旦自分名義のカードか現金で立替払いをして後で精算という流れになります。まぁ即時精算や手数料、手段などにあまりこだわりがないので、Amazonギフト券だったりPayPayなどの個人送金を使ったりしてきました。まぁクレジットカード会社の中には家族カードの審査が緩くて証明書類なしで作れたりもするかもなのですが、建前でもアウトとされているものを詐称してまで使いたい気にはなれず、不便を感じつつも我慢していました。

そんな折り、度重なるサービス改悪で利用頻度が地に落ちていた(笑)Kyashが新サービスを開始。

家族や友人と仮想口座を作りクレジットカード決済できるというもの。ありそうでなかった。サークルなどのコミュニティでの会計管理にも使える、つまり家族かどうか関係なしで利用可能ということです。口座作成者が本人確認済みであればその場でサクっと作れます。ここに入れた残高はメンバーの各自のKyashカードで支払口座に指定するだけで使用可能になります。Kyashはバーチャルカードでもネット通販などで使えますし、900円かかりますが物理カードKyash Cardを発行すれば店頭でVisaクレカ決済(厳密にはVisaプリペイドカード払い)にも使えます。Apple PayやGoogle Pay(QUICPay+扱い)に登録してスマホ非接触決済にも使える。900円カードはVisaタッチにも対応。家計から一定額をKyash共同口座に入れておけば、二人とも好きな時にそこから買い物できるようになります。しかも双方のアプリに通知が届くので互いに緩い監視ができる(笑)。

ちなみに300円で発行できる旧カードKyash Card Lite(水色)もありますが、こちらはVisaタッチ非対応、ICチップ非対応、ポイント還元率や限度額も少ないので、今から新規に作るにはあまりオススメはしません。磁気ストライプはすぐにダメになるので、都度再発行していたら結局900円カードの方が割安になったりしがち。2020年3月に施工された法律で今は全ての決済端末がIC化されている(はず)ので、磁気ストライプが死んでいてもICチップが搭載されたクレカであれば問題なく使えるのです。

二人とも個人や仕事用のメインカードは別にあるのでKyashアプリで支払口座を共同口座にセットしておけばKyash Card=家計用に固定できます(もちろんアプリで都度個人口座を切り替えて使うこのも可能)。

■難点

惜しい点として、現状ではKyash共同口座への入金はKyash個人口座からのみとなります。つまり、一旦銀口座からKyash個人口座に入金し、そこから再度共同口座に残高移動が必要になります。アプリ上で即座にできることなのですが、地味に手間です。入金元は共同用の銀行口座なので、いっそオートチャージしてほしいくらいです。

また履歴に対してメモが残せない点も不満。両者いちいち事前に承諾はとらないものの、だからこそ「○○で支払った」ということがさっと記録しておけるといいなと思います。実は履歴をみると「メモ」欄があるのにどう足掻いても書き込み方がわからず。個人口座では「編集」ボタンが出現するので、おそらく現状共同口座の履歴にはメモが記入できないということなんでしょう。同期とかが必要になるので実装が追いついていないんでしょうか。一応問い合わせてみたので返信があったら追記します。

謎のメモ欄

 

■Kyash自体の弱点

これがあれば共同家計用のクレカが不要になるかというとそうもいきません。限度額は1回30万、月間100万なのでウチではそうそう問題になりませんが、プリペイドカードなので使えないお店や決済があります。例えばガソリンスタンドやホテルなどの最初に与信して後から決定した金額を引き落とすタイプの取引だったり、月間購読系はNG。ポイント的にも1%なのでこだわるなら他にもっと有利なカードはいくらでもあるでしょう。

また先のメモの件も含めて履歴周りが弱いのもメインにできない理由です。Kyashアプリ上にどこでいくら使ったか履歴は残りますが、使途を追記したりできないし、履歴データ自体をエクスポートしたりも出来ません。一方引き落としに使ったクレカの明細には「Kyash」としか書かれず経費など管理が必要な決済手段としては致命的に不足です。ここがもう少しなんとかなると、1枚の物理カードで私用、共同家計用、業務用のカードを切り替えるプロクシのような使い方ができて、ポイント還元率が低かろうと使う価値が出てくるんですけどね。

ともあれこの新しい共同口座機能はオンリーワンだと思うので、当面はこの用途に絞って活用していきたいと思います。

WXR-5950AX12の再起動問題に耐えかねてネットワーク環境見直し

昨年引っ越した我が家のネットワーク環境はドコモ光+オープンサーキットのv6プラス環境です。

前居ではYAMAHAの業務用ルーターであるRTX1210をメインルーターにして各種アクセスポイントでWi-Fi接続していました。しかし今の引越当時、Wi-Fi6でWANおよびLANポートに10Gbpsイーサネットを搭載するBUFFALOのWXR-5950AX12を買ったので、せっかくの10Gbpsを活用できるか?と両方をルーターとして速度比較をしたところ、なんとRTX1210だと150Mbps程度しか出ず、WXR-5950AX12だと600Mbpsくらい出るという結果になりました。光回線(ONU)は1Gbpsなので理論上は10GbpsのWANポートを使っても速くなることはないと思ったんですが、ルーターのCPUが10Gbpsを想定してパワーアップしてるのかな?とか思ってWXR-5950AX12をメインルーターにすることを選択しました。確かまだエアコンが使えずカーテンもない8月の新居で上半身裸にもなれず汗だくで設定しており、あんまり深く検証しないで「まいっか」と決めてしまった気がします。

しかし、当初から定期的にWXR-5950AX12が再起動を起こす不具合を孕んでおり、気付いただけで2,3日に一度は唐突にリブートします。放っておいても自動で再接続するんですが、一度再起動すると3,4分は待たされるので地味にフラストレーションです。それでも4倍の速さは捨てがたいなと我慢していましたが、最近リモートインタビュー調査の最中に発生してしまいちょっと看過できない状況になってきました。毎朝30分程度の定例ミーティングでも発生。少なくとも毎朝定例がある今の案件のあいだや、実査がある期間中だけでも安定優先のRTX1210ルーター体制にしたほうがいいかなと。とりあえずRTX1210にしたら改善するかどうかの検証だけは必要だなと。

というわけで、引っ越して10ヵ月経とうとしているこのタイミングで、もう一度RTX1210をメインルーターとした体制にトライしてみることに。まずは移行前の状態チェック。計測PCはWXR-5950AX12と10Gbpsハブを介して10Gbpsでリンク。土曜日の昼頃です。

環境移行前(WXR-5950AX12がルーター)

そしてこちらがRTX1210に切り替え後。WXR-5950AX12はアクセスポイントモードに移行(計測は有線なので関係なし)。

移行後(RTX1210がルーター)

うーん、やっぱり記憶通りの差が出ています。なんだろう?逆にRTX1210ともあろう御方がなぜこんなに遅い??

そこでふと思い出したのがファストパスの存在。YAMAHAルーターの機能で特定条件のパケットをより高速に処理するモードです。デフォルトはONのはずですが、ログが省略されたりするのでなにかの検証をする時には明示的にOFFしたりします。調べてみるとIPv4でしっかりOFFにしてあった!!IPv6側は指定無いなので多分デフォルト適用でON。改めてIPv4、v6ともに明示的にONに。

ファストパスを有効化したRTX1210

おぉ、だいぶ戻りました。上りでちょい負けてますが、下りは誤差の範囲?これくらいなら安定性のための犠牲としては許容できそうです。

なんともうっかりしていて10ヵ月を無駄にした気もしますが、実際にこれで安定してくれるかどうかまずは様子見してみようと思います。

DELL XPS 9575(i7/8705G)でOBS Studioのエンコードハードウェア支援VCEを使う

現状手持ち最強のノートPCは2018年に買ったDELLのXPS15 2-in1(9575)です。これはIntel Core i7の8705GというRadeon Vega M GLを統合したかなり珍しいプロセッサを搭載しています。物理的には”統合”されていますが立派なdGPUです。ハードウェアエンコード支援などもそれなりに使えるはず!Radeonシリーズの場合VCEというH.264エンコードを含むライブラリがあり、これを使えばOBS Studioの録画や配信の負荷が減らせるではないかと着目。

しかし、普通にOBS Studioの設定メニューのエンコーダーの項目を開いたところ、「x264」と「QuickSync H.264」しか出てきません。Radeon Settingを開いてOBS StudioでRadeonが使われるように固定してみても駄目。うーん、あいかわらず8705Gの挙動はよくわからんなと(一度Radeonを全く認識しなくなって修理に出したこともあり「触れるとロクなことにならない」イメージでドライバー更新とかも保留)。

ググった結果、OBS StudioはAMDのハードウェア支援に対応しているもののやや古いものが同梱されており、こちらのGitHubリポジトリにあるAMD Advanced Media Frameworkライブラリ(以下AMF)に置き換える必要がありそげ。VCEとAMFの違いがよくわからないですが、VCEがRadeonに搭載された支援機能で、それを利用するのがAMFなのかな?

てことで、早速最新版の2.6.0をインストールしてみると変化なし(;´Д`)。こちらの対応GPU一覧をみると、VegaはVCE4.0に対応してることになってるよなぁ。ノート用のM系はダメなん?と諦めかけるも、ふと2.6.0のリリースをみると、”Removed support for older drivers”の文字が目に入る。最低でも19.7.1、19.9.2以上推奨とのこと。「あっ」っと思い手元の9575のドライバーをみたところ18系のまま。DELLの公式サポートページにある最新版を入れても18.10.01.08止まりなんですよね。前述の通り、以前AMDからダウンロードしたより新しいのをぶっこんでからなんとなく不調になったトラウマがあり、DELL側で公式リリースされたもの以外はいれたくない。ということで、obs-amd-encoderの方を1つ古い2.5.1にしてみたところ、

キマシタワー!「H264/AVC Encoder (AMD Advanced Media Framework)」と「H265/HEVC Encoder (AMD Advanced Media Framework)」が出現しています(録画タブのみ。配信タブはH264だけ)。しかもQuickSyncもそのまま選べるので、例えば録画はAMFのH265/HEVCエンコーダー、配信はQuickSyncを使う様にすれば、GPUとCPUに負荷が分散していいかも。

ざっと試した限り、フルHDくらいのカメラと画面キャプチャをした映像を録画するのは問題なさそう。個人的は使い方としては配信サービスへの送信よりは、TeamsやZoomへ送ることが多く、こいつらがハードウェア支援を使うのかどうかよくわからないので、厳密にそれらと逆張りを指定できてるかは不明なんですが、タスクマネージャー読みでは心持ちCPU負荷が軽くなってるかなという感じ(劇的ではないし、冷却ファンはブン回る)。画質も画面キャプチャ部分が目立ってブロックノイズまみれになるということはなさそう。ただ厳密にビットレートを揃えて測定はできておらず。一般にハードウェア支援を使ったエンコードはVBRだとサイズが膨らみがちだったりしますが、そこら辺は検証しきれておらず。

とりあえず目立った不具合がない一方、ガツンとCPU利用率が下がったりファンが回らなくなったりというほどの劇的な変化もないという感じ。まぁ特にファンについてはRadeon側が熱くなればトータルの排熱はそう変わらないかもですね。

ともあれ最近なんとなくNvidia推しな感じ(というかNvidiaに推されてるといった方がいいか)のOBS Studioですが、無事手持ちのRadeon搭載機でもハードエンコができるようになりました。実のところ別の理由でRTX搭載ノートが欲しくなってはいるんですが、9575もまだまだ使えそうです。

 

BOSE SleepBuds → SleepBuds IIに無償交換でゲットだぜ!

BOSEのイヤホンもどきというか快眠デバイス、SleepBudsをめぐる顛末。

SleepBudsは2018年に登場したイヤホン型の快眠デバイスです。完全ワイヤレスイヤホンのような形状ですが好きな音楽を鳴らすことはできず、ノイキャンもない。単に寝室周りのノイズ(いびきとか)をかき消しやすい環境音(雨音、風音、飛行機のキャビンの騒音、たき火のパチパチ音、etc.)や専用音楽を流すだけのデバイスです。なんですが、機能を削ったおかげか普通のTWSイヤホンよりも一回り小型で、寝ホンとしてのつけ心地が最高というかノーストレス。横向けに頭を枕に押しつけるようにしても全くといっていいほど干渉しない。どちらかというと自身がイビキ音源な私ですが(CPAP療法中)、エアコンや時計の針の音、動物達の活動音でも寝付けなくなる達なのでメッチャ重宝していました。つけて寝ると途中覚醒が格段に減る感じ。

しかし設計上の欠陥がありバッテリー充電不良問題が勃発。多くの人が交換してもらうも根本的な解決に至らず、ついに2019年には発売中止、希望者には全額返金という措置がとられました(2019年末まで受け付け)。

しかし私は本製品を気に入っており他に代わりになる製品もなく、BOSEからも後継モデルが出るかどうかも定かではなかった為、返金よりも手元に残すことを選びました。

翌2020年、BOSEは欠陥を修復した後継モデルSleepBuds IIを発売。

個人的にはギャフン!という感じでした。充電問題が(たぶん)修正されている上、ケースの充電ポートがType-Cになってたり、レビューをみるとBLE接続も速くなったとの評価で初代を返品しておかなかったことを後悔しました。まぁ、性格的に資金をプールしておいたとも思えないけどw。

とはいえもう3万ぶっこむのもキツいので、騙し騙し使いつつ、やっぱり右側が使いたい時に充電できてなかったりスマホで認識できなかったりで徐々に使わなくなっていきました。

そして先日から毎朝オンライン会議があるプロジェクトに参加することになり、少しでも睡眠状況を改善しようと久しぶりに使おうとしたところ、、ついにどう足掻いても右側が認識しない。ケースの充電ランプからみても全く充電できてない気配。右ユニットを左ユニット用の充電スロットに無理矢理セットすると充電してそうな点滅パターンになるので一縷の望みを託して様子見したりしたけど結局どうやっても復活はならず。

もう改善できまへんとばかりに返金まで受け付けてたくらいなので修理サポートしてもらえるかすらわかりませんでしたが、自分でバラして電池交換した猛者の記事とかも見付からないし、ダメもとでサポート依頼してみることに。ネットに書かれているケースファームウェアの更新やリセット操作などやれることはやり尽くしたので、サポートにそれをしてみてと言われる手間を避ける為に、やったことを列挙しようとするも、なぜかサポートフォームの故障状況説明欄がTwitter並に文字数制限が厳しく、メッチャ苦労しました。そしたらなんということでしょう、人力を介さず、その場で「その製品はSleepBuds 2への無償交換対象だから着払いで送ってくれたら新型送るで」的な画面に!

画面の文面を規定文字数に縮めた苦労ェ…先に言えよ!っていうか2に交換決まった時点で既存ユーザに通知送れよ!!と思ったり思わなかったりしたものの、棚ボタ的に新型が手に入ることに。まぁ欠陥があったので当たり前といえば当たり前かも知れませんが、いちど返金措置をつっぱねて自己責任で使い続けたユーザに改めて交換提案してくれるという意味では太っ腹のイケメン対応と言えるんじゃないでしょうか。

■ファーストインプレ

初代を送ってしまったので比較写真が撮れないですが、充電ケースとの接触端子が2ピンから3ピンに変更されています。より安定して充電を行うための措置でしょうか?雑に放り込むだけでマグネットで定位置にスチャっと収まる仕組みも同じですが、マグネットの位置なども変更されています。USB充電端子がmicroBからType-Cになったのは地味ながら嬉しい。出張とかにも持っていくので、microUSBケーブルが必要な製品が1つでも減るのは有り難い。カラーもシルバーからシャンパンゴールド的な色になって高級感が増した感じ。LEDも真っ白なものから少し暖色寄りのカラーになっていて、就寝前に暗くした部屋で使っても目に刺さらない感じがナイス。

本体のつけ心地は今のところそんなに違いは感じず。

サウンドライブラリも随分数が増えており、転送速度も上がったみたい。初代は何十分もかかるので、寝る前にオンラインのライブラリから選んでもその場ですぐに本体に転送して使うのは無理でしたが、新型では2,3分くらいあれば転送できます。ただしバッチ転送はできないので、1曲(?)ごとに操作が必要。本体のメモリはさほど余裕がないので、あれもこれも試すには毎度削除して空き容量を作ったりと面倒ですが、お気に入りが見付かって固定されるまでは我慢かな。ちなみにこちらからサンプルを聞く事が出来ます。

■まとめ

BOSEが失敗にめげずにこんなマイナージャンルの製品でも後継改良モデルを出してくれたことも、旧モデルユーザーに交換サービスしてくれたことも感謝感激です。これで毎朝早起きワークスタイルも頑張れそうです。

もしまだ初代を頑張って使っている方がいらしたら、是非一度修理依頼フォームにシリアルNo.入れて進んでみるといいと思います。

ノイキャンもないどころか好きな音楽すら聴けないデバイスに3.3万円というとかなり覚悟のいる製品ですが、BOSE公式サイトで購入すれば90日間返品返金保証があるので興味がある方はそちらをご利用になってみるのも手かも知れません。

あと、これはこれで素晴らしいガジェットですが、そろそもこれくらいの完全枕対応の寝ホンが登場しないですかね。電池2時間くらいでいいので…

 

ロボット掃除機買い換え ECOVACS DEEBOT OZMO T8+

2015年に発売日買いしたDyson 360EYE、前居では使いどころがなく死蔵されてましたが、新居で再度活用できるかなと再起動。電池がヘタってたので、活入れしたり新品交換したりもしたものの、ケーブルやカーペット、衣類などをタイヤ(キャタピラ)に噛みこんでしまい走行不能になることが非常に多く、せっかくロボット掃除機におまかせとばかりに外出したり寝たりしたのに、リビングに戻ったら途中で擱座して止まっていた、なんてことばかり。

ハイテク好きとして、ランダム走行タイプは買いたくないので、買い換えるなら同じDyson 360の後継機Heuristか、ルンバのS9+やi7クラスかなと。しかしどれも発売から時期が経っており、いまにも新型機が出るんじゃないかと思うと(主に同居人の)食指が動きませんでした)。また新型にして吸引力やマッピング性能が向上しても、現在懸念となっている噛み込みによる擱座問題が改善されなければ意味がありません。ルンバの短期サブスクやDyson公式サイトの返品可能サービスを駆使して実地検証するしかないかなぁなどと日々思っていました。

■ECOVACSとの出会い

Dysonのコードレス掃除機V12/15が出たのでレーザー照射がどんなものか試してみようとヨドバシの掃除機コーナーに立ち寄った際、販売員さんと雑談したり、手持ちタオルを360Heuristやルンバのコース上に置いて「やっぱ噛みこんで止まっちゃうねー」とか話をしていた折り、そういう布やコードを巻き込まないことを売りにしたメーカーがあるんですよ、とそこのメーカーから来ていた販売員さんにつないでくれました。

それがECOVACSというメーカーのDEEBOT OZMO T8 AIVIというモデルでした。

家電ウォッチのレビュー記事が詳しいので見てみていただきたいのですが、簡単にいうとD-ToFのレーザー測距(いわゆるLiDAR)に加えフロントカメラの映像をAI解析してコードや靴下みたいな障害物を判別して避ける、というシロモノです。しかもリモートでそのカメラ映像をみられ、動くネットワークカメラとしても使えるということでかなり興味をひかれました。しかし、実際にタオルを目の前に置いてやったらあっさり擱座(笑)。まぁずっと待ってたら異常検知して自力脱出した可能性はありましたが、とりあえず噛むことは噛むぞと。

それでもまぁ説明員さんによるプレゼンテーションに感化されたり、スマホでレビューが非常に高評価なのをチェックしたりしてこのDEEBOT OZMOというシリーズはかなり良いものだということになり、同じT8系統で自動ゴミ収集スタンドの付属したT8+をゲットしました。

その時のヨドバシ店頭価格が99,800円でしたがAmazon最安値が7.5万円くらい。詳しく説明してくれた販売員さんの実績になるならできるだけその場で買おうとしましたが、価格相談したところ「自分はメーカーから来てる人間なのでどちらで売れても全然構わない」と言ってくれたので、お言葉に甘えてAmazon(マケプレでイーベスト電器)でゲット。価格.comでの最安値も99,800円だったので、イーベストの値段だけ突出して安く、後で間違えましたって取り消されたり、違う機種が届いたりしないかドキドキでしたが、無事二日後にT8+が到着しました。

なお、自動ゴミ収集スタンドが付属しないT8無印だと5万円台。

後述する性能の高さ、多機能、完成度さを考えると非常にコスパの良いシリーズだと言えます。不覚にも知らないメーカーでしたが、家電批評ベストバイを取っていたりコスパも含めDysonやiRobot(ルンバ)と勝負できるメーカーだと思います。

■Deebot OZMO T8+の特徴

  • D-ToD(iPad Proとかについてる測距システム)によるマッピング
  • 立体検出でケーブルやカーテンの裾などを噛みこむトラブルを従来比20~40%減
  • 自動ゴミ収集スタンドで30回分のゴミを自動吸引し蓄積(紙パック)(+のみ)
  • 同時水拭き機能
  • スマートスピーカー対応(Google Home/Alexa)
  • 家電批評2021年4月号ベストバイ(水拭き付きロボット掃除機として)
  • 別売りストロング電動モップ装着で、毎分480振動で圧力をかけながらモップがけ

とのこと。もちろん今時のスマホアプリで、

  • リモート操作
  • マップ確認(リアルタイム)
  • 禁止エリア指定
  • 指定エリア清掃

などは可能。

後継モデルとしてT9/T9+が発表されていますが、ホワイトカラーになったのとニオイ玉入れてニオイ巻き散らかしながら掃除ができるようになったくらいが違いで、価格がリセットされることを思うと、(その違いに魅力がなければ)安くなったT8/+がお買い得だと感じます。私が買った7万代はたまたま運が良かったようですが、それでなくとも10万切るというのはコスパ高いでしょう。

もちろん、きちんと動いてくれれば、、ですがはてさて。

■ファーストインプレ

トップカバーを開いたとこと

トップカバーを開くとゴミタンクやメイン電源スイッチがあります。T8+なら勝手にスタンドにゴミが吸引されていくので、基本的にここはあまり触る必要がないでしょう。手前のグレーのプレートはなんと掃除ツールです。

髪の毛などが絡んだ時に使うカッター搭載

タイヤの軸などに絡んだ髪の毛などを除去するのに使います。安全優先で刃が奥まったところにあるのでやや使いづらい気もしますが、慣れれば使いこなせるかな?

本体底面

上側が進行方向。両端の回転ブラシは消耗品ですが2セット付属しています。手前側が水拭き用の水タンク。安っぽさ、壊れそうなどの感じはなく質感は充分です。

メインブラシ部分

黄色いメインのブラシはシリコンのスイーパーとブラシのハイブリッド。カバーを外せば簡単に脱着、清掃できます。

タイヤ部分

タイヤはDyson360Eyeのような無限軌道(キャタピラ)式ではないですがグリップの良さそうな大きめのもので、沈む量も360Eye並で走破性は高そう。

おそらく段差落下防止の距離センサー
ステーションは紙パック式

開封して始めて気付きましたがステーション側は紙パック式です。ここに消耗品があるのカーって感じですが、まぁせっかく掃除毎にゴミを触らずに済むようになっているので、最後にまとめて捨てる時もゴミは見たり触りたくないよねっことでしょうか。紙パック式の掃除機を使うのは10年以上ぶりなのでちょっと逆戻り感。ちなみに2つ付属。

本体からタンクに吸い上げる経路

関心したのはステーションの底面。掃除機本体の底面からここを経由して負圧で吸い上げるのですが、経路が多重化されており万一片方が詰まってもバックアップ経路があるということになります。しかも外して洗えるっぽい。公式サイトによると収集スタンドを付属したのはEcovacs社が世界初なんだとか。iRobotのスタンドをあまりマジマジと見たことはないですが、こちらも充分に作り込まれている印象です。

動作音はオートならかなり静か。吸引力番長のDyson360Eyeがことさらうるさかったのもありますが、店頭で動いているルンバと比べても充分静かなんじゃないかと思います。じゃぁゴミが吸えてないかというとそういうこともなく、ほこりからペレット状の猫砂までしっかりととれてる気がします。ただし基本的に毎回ゴミタンクを目にすることがないので、Dysonのように「昨日の今日でまたこんだけとれてるカー!」みたいな達成感はないです。部屋に目立ったゴミが落ちてないからいっか、みたいな。まぁ本来それでいいんですけどね。まだ水拭きは試してません。別途同居人お気に入りのブラーバジェットが継続稼働中なので、そちらの拭き取りもあって床の綺麗さに不満はなし。

そしてDysonで最大の不満だった落ちているタオルとかケーブルとかに絡まって動けなくなるみたいなエラーはほぼなし。初日に7cm位のSカンを丸ゴとブラシに巻き込んで警告出たり異音を鳴らしてたりはしていたけど掃除自体は続行してました。感動したのは、そこで一時停止してひっくり返した異物を除去した後。今まで使って来たロボット達はなるべく現在地を見失わないように元の位置、元の向きに置き直すことを意識していましたが、こいつは再開時にすぐに動き出さずに数秒測位を行って現在位置を確認します。なので、同居人のように雑に持ち上げて「いいからこっちやってて」みたいな置き直しをしてもきちんと継続できるんじゃないかと思います(一時停止を伴った時だけか、持ち上げただけで再計測するのかは未検証)。

マッピングが優秀なのか比較的短時間で掃除を終えてベースに戻っていきます。「あれ?もう終わった?」という感じ。でもマップをみるとだいたい部屋全体をまわってるという。ただ地続きな洗面所とか廊下の奥までは(マップ上では見えてるのに)何故か行きたがらない。どういう基準なのか行かないエリアは手動指定しても行かないことがあります。メインであるリビングの掃除っぷりは不満なし。

アプリのデザイン、ユーザビリティも上々です。機能も操作フローもこなれており、仮に実家の家族に贈っても通常利用にはそれほど困らないんじゃないかという印象。

アプリのトップ画面

唯一このトップ画面(複数ロボットを選択できる)でローカライズが残念なところが2点。「オンライン」が文字幅足りなくて欠けてしまっているところと、一番大事な選択したロボットの詳細マップ画面に遷移するためのボタン。「ロボットを入力する」ってなんやねん!たぶん「Enter robot」を直訳したんでしょうけども(笑)。「ロボットを選択」とか「詳細画面」とかに意訳してほしいところです(公式サポートアドレスに意見メールしておきましたが特に返信なし)。

スマートスピーカー対応の掃除機も初ですがなかなか便利。Google Homeは掃除機クラスがあるので「掃除して」でOK。Alexaはスキル経由になるので「ディーボットを使って掃除して」みたいな言い方が必要。ただし定型アクションで好きな言い方を登録してリダイレクトしてやれば問題なし。

■まとめ

家電好きを自称するくせにEcovacsを知らなかったとは不覚もいいところですが、運良く上位モデルをお手頃な値段で買えました。今のところ大きな不満もなくいつか余裕ができたら実家にもプレゼントしたいな、と思うくらいには気に入っています。

ロボット掃除機といえばルンバ一択だと思っている方は一度店頭に見に行ってみるのもいいかも知れません。