縁あってレビューさせていただいたSynology製NAS「DS1511+」の姉妹モデルの、Amazon.co.jpでの取扱が拡大したようです。レビューのまとめとして比較紹介してみます。
2011年秋現在、タイの洪水被害でHDDが高騰し、それを使用するNAS製品も軒並み値上げされています。今はNASを買う良い時期ではないのかも知れませんが、Synology製品は基本的にHDDが別売りで、しかも複数ベイのモデルなら後から柔軟にHDD構成を変更できるという特徴があるので、とりあえず直近で必要な容量のドライブを最低限確保して、値下がり時期を待って全ベイを埋めるなり高容量ドライブに換装するなりという戦略がとりやすいんじゃないですかね。
なお、基本OSとしてはDisk Stationが組み込まれており、使用感は1511+に近いと思いますが、今までの記事で紹介してきた個々の機能についてはモデルによって搭載してない場合もあるかも知れません。また下記データに記載ミスがある可能性もあります。ご購入前に公式サイトなどで仕様をお確かめ下さい。
モデル | 使用ドライブxベイ数 | 公称スピード | 備考 |
DS110j |
3.5” or 2.5”x 1 | (記載なし) | CPU: 800MHz 消費電力:9-19w DS111の前モデル?こちらの方が数千円安いみたいです。 |
DS111 |
3.5” or 2.5” x 1 | Read 105.59 MB/秒 Write 60.71 MB/秒 |
CPU: 1.6GHz 消費電力:7.7-18.7w 1ベイモデル。せっかくSynology製品を買うならRAID対応モデルの方が良いような気もします。 |
DS411 slim |
2.5” x 4 | (記載なし) | CPU: 1.6GHz 消費電力:9-16w 2.5’ドライブ専用の小型、静音、省電力モデル。 |
DS411j |
3.5” or 2.5” x 4 | (記載なし) | CPU: 1.2GHz 消費電力:11-30.8w DS411より1万強安い分、CPUが1.6->1.2にダウン。デザインも大きく違うので好みで選びたくもなりますね。 |
DS411 |
3.5” or 2.5” x 4 | Read 105.3 MB/秒 Write 47.8 MB/秒 |
CPU: 1.6GHz 消費電力:11-29.7w これもDS411系列。スペックからするとこちらの方が後継?型番が似ているので注意。 |
DS211+ |
3.5” or 2.5” x 2 | Read 108MB/秒 Write 55MB/秒 |
CPU: 1.6GHz 消費電力:13-24w ホットスワップ ホットスワップ対応の下位モデル。デザインはDS1511+とコレが好きかも。 |
DS712+ |
3.5” or 2.5” x 2 | Read 180.91MB/秒 Write 105.59MB/秒 |
CPU: 1.8GHz 消費電力:17.6-27.5w ホットスワップ LANポートx2 DX150を追加して7ベイでRAIDが組めるマニアックなモデル。LANx2なのでLink Aggregationを使って高速化が狙えます。 |
DS1511+ |
3.5” or 2.5” x 5 | Read 197.8 MB/秒 Write 165.91 MB/秒 |
CPU: DualCore 1.8GHz 消費電力:30-68w ホットスワップ LANポートx2 今回レビューしたモデル。業務用モデルでDX510を2台接続して15ベイ運用できます! |
拡張ユニット DX510 |
3.5” or 2.5” x 5 | DS712+やDS1511+の増設用5ベイeSATAケース。さすがに個人でここまで必要になるケースはあまりないかも知れません。 |
色々なラインナップがありますね。「j」がつくのは日本向けかと思ったんですが、ありとなしで全然別モデルだったりするので注意が必要です。型番の千と百の位がベイ数を
示しているみたいです(ただしDS1511+とDS712+はeSATAポート経由の外付けボックスを使った場合の最大ベイ数)。「+」がホットスワップ対応かな?eSATAポートがついててDX510が接続できるという意味かなとも思いましたが、DS211+が微妙(eSATAポートはついてるけどDX510対応は明記されていない)。
我が家のDS1511+は9月に本運用の3TBx5ドライブ体制に移行して二ヶ月が経過しましたが、不具合もなく速度も上々で非常に満足しています。ファイル共有以外ではiOS用のアプリ“DS Photo+”を使ってiPhoneで撮った写真を直接アップロードできるのが重宝しています。iOS5のフォトストリームを使えば特別な環境無しに似たようなこともできますが、あちらは撮った写真を無条件に全転送してしまう点や、Mac(iPhotoベース)とWindows(フォルダ格納)で同期方法が違う等が気になって使っていません。DS Photo+で送信してNAS上の任意のフォルダに貯まっていってくれた方が汎用性が高くて便利です。
先日この連載レビューを読んでくれた知人が業務用に上位モデルを買おうとし、取扱店が少なくて少し苦戦したと言ってましたが、こうしてAmazonでの取扱も徐々に拡充されてきてますし、聞くところによると近々販売ルート自体も増えそうだということです。製品自体はかなり競争力があると思うので、国内認知度があがるにつれシェアも広がっていくんじゃないでしょうか。国産メーカーも負けじと切磋琢磨していって欲しいものです。