去年の夏に出た作品ですが、寡聞にして見逃していました。Akibaブログさんで続編である「すまいるCubic!」の記事を読んで絵が好みだったので調べてみたところ、こちらが1作目ということだったので速攻ゲト。「すまいる~」も予約。
詳細は公式サイトをご覧ください。ざっくり言うと部活で軽飛行機作ってコンテストに出るお話です。体裁はエロゲーですが、そういうシーンは各ルートED後に1回きりとオマケ程度。後々コンシューマー機に移植する気満々って雰囲気を感じます。
初回限定版が店頭でもAmazonでもまだ普通に買えるってことは、あんまり売れてないんでしょうか?まだ途中ですが個人的にはかなりヒットです。
■絵が良い
このゲーム、起動してみて驚いたのは、ワイドアスペクトだったこと。この手のゲームでは初めて遭遇しました。寝室ゲームマシンは720pプロジェクター表示なので、スクリーンいっぱいに広がるグラフィックは圧巻。特に本作は海や空などの描写が重要になってくるので、ワイド制作なのも頷けます。逆に4:3画面でプレイする人はやや切ないでしょうが、ハード的にはもうワイド化の流れは止められないので、そろそろこういう動きが加速していってもいいんじゃないかと思います。
キャラ絵も塗りがCGぽくない良い質感でどのカットもキャプチャーして壁紙にしても耐えるクオリティだと思います。
■声が良い
声優陣も強力です。この業界の慣例で、エロゲー出演時は別名を使ってますが、最近のアニメで良く耳にする人達が勢揃いです。慣例を尊重して表の芸名は伏せますがw、例えば主人公の友人キャラ実(みのる)君は、まさにそんなカンジの声です(笑)。ただし、キャラはどちらかというとクール系。
そして、飛行機作りやパイロット指導をしてくれるコーチ役(通称“教官”)はもちろんあのお方。コーチつったらあの人しかいません。ちなみにサングラスして杖ついてます。努力と根性という言葉を良く口にします。途中、某「科学講座」ばりのデフォルメキャラによる用語解説コーナーもあったり。
生徒会長キャラは名前もヒナちゃん(日向)なので、あの人かなと思ったんですが、よく聞くと別の人でした(こちらも有名どこ)。頭なでなでが好きな後輩キャラも某作品で生徒会長キャラをしてたあの人ですね。調べるまで気づけませんでしたが、この人も大好きだー!
■シナリオが良い
パッケージを開けてまず開いてみた付録冊子ですが、この物語の舞台となる町のガイドブックになっています。町の沿革や地形などが具体的に書かれてます。こういう舞台設定を丁寧に作り込んである作品は好感が持てます。
2ルート終わったところですが、特に大泣きをするようなドラマチックな展開はないものの、普通に学生自体の部活動風景が爽やかで懐かしい。「遥かに仰ぎ、麗しの」に近いノリでしょうか(あれも飛行機作るルートありましたね)。
各キャラも突飛な特徴は備えていませんが、定番的な萌えどころは押さえてあり、ニヤニヤしどころは多いです。特に、後輩キャラが頭撫でられ好きなところは、マルチ@ToHeartで属性開発済みの人にはたまりませんw。
■UIの作りも丁寧
一応ユーザビリティについても(世界広しといえど、ギャルゲ、エロゲのユーザビリティを真面目に評価してるブログは珍しいのかなぁw。あんまり他を見ないからわかりませんが…)
さて、本作ですが、基本はしっかりとしておりゲーム進行上の妨げやストレスになるようなことはありません。Ctrlキーでのメッセージ早送りは、設定で未読のみにしてても関係なく強制早送りになります。これが地味に便利。基本(スキップモード時は)未読部分では止まって欲しい一方、あえて早送りしたい時もあったりで、設定変更無しで使い分けられるのは良いです。
目新しいのは用語集が用意されており、文章中の単語からハイパーリンクで参照できる点でしょうか。軽飛行機製作というやや特殊な分野を扱ってるだけに親切と言えます。ただ、バックログの中ではリンクが機能しないのが惜しいです。何度か通り過ぎてしまって参照できなかったことがありました。
その他、バックログ画面のスクロールバーのノッチが飛行機の形をしているなど、全体に作り込みは丁寧です。「ラダー部分の動作チェック」のシーンで、画面端に尾翼部分の3Dモデリングっぽいイラストが出て、ラダーがアニメーションして動くとこなんてことまでしてくれます。「おー、動いた動いた!」って台詞に合わせて実際にフラップがパタパタ動いたりすると、こっちも「おー、動いた動いた!」って思っちゃいますよね。
全体にコンシューマー移植レディな作りなので、是非Xbox360版CLANNADのように、ハイビジョン&サラウンド版をリリースして欲しいと思います。海や格納庫(体育館)など音響的に凝り甲斐のあるシーンも多いでしょうし。