ASSA ABLOY製シリンダのドアにSesameを取り付けるキット Sesame 5 Pro編

当ブログの3Dプリント品頒布で一番人気なのがASSA ABLOY製のドアサムターンにスマートロックのSesameを取り付けるための諸々パーツです。

なんだかんだ月イチくらいでお問い合わせをいただきます。このドアというかサムターンはちょっと特殊で360°以上クルクル回転するので、360°までしか対応していないSesameシリーズを普通に設置すると手回しした時にSesameのサムターン角度検出とズレが発生して、次にモーターでサムターンを回した時に正しい位置に戻せなくなり、結果として施錠/解錠に失敗します。

そこで当ブログでは3Dプリンターを使って回転範囲を限定するリミッター(旧称ストッパー)を作成。同じ悩みをお持ちの方にもお分けさせていただいています。

またこの海外のマニアックなサムターンはたいてい木製と重厚なドアとセットになっており、両面テープやネジ止めするのが憚られるということで、サムターン固定ネジと共締めすることでドアに恒久的ダメージを与えずにSesameを設置するバックプレートやサムターンアダプタも人気です。サムターンアダプタはCandyHouse公式でも数百円でセミオーダーしてもらえますが、以前見せていただいた感じだと割と必要最低限のシンプルな形状で、当ブログ製作のものの方がガッチリ三次元形状に沿って固定できるのでご好評いただいています。詳細は上記ポストをご覧ください。

さて、このパーツシリーズは我が家で使用しているSesame 5用に製作しています。Sesame 4以前だと厚み(奥行き)が違うので使用できるかは未検証です(元々はSesame 3用だったので基本は同じのはずですが)。またかなり形状が違う北欧向けモデルも一度相談を受けてモデルまでは作ってあります。そして今回ついに上位モデルのSesame 5 Proをお使いの方からお問い合わせいただきました。「もしかしたらそのうち来るかもなー」と思っていたんですがついにという感じです。Sesame 5 Proはブラシレスモーターで耐久性が上がり、動作音も静かになっている上位モデルで、形状はSesame 5無印とかかなり違います。自分でもちょっと気になってはいたもののわざわざ買い換えるには至っていませんでした。

しかし要望があるならいっちょ本気だしてやったるか!ということで実機を購入。なんとか完成したのが以下になります。

■目次

■サムターンアダプター

Sesame5用と共通で流用可能でした。

■固定用バックプレート

ASSAアブロイのサムターンがついたドアは木製だと思うので、粘着テープでSesameを貼り付けたくない方も多いと思います。そこでサムターンのプレートの下に共締めする形でドアへの恒久的ダメージを残さずに設置するためのツールです。賃貸でも安心!

机上で設計した当初、こんな形をしていましたが、致命的な間違いを犯していました。

固定用バックプレート 取付方向別4パターン

スリムになったSesame 5 Proの幅にあわせて全体を縮小していたのですが、ASSAサムターンの円形プレートサイズは変わらないので、↓こうなるのが正しいですね。

「ASSA」ロゴ刻印ありパターンは、3つの穴位置と四角径部分が3.5mm下がる形になります。

バッテリー下と右、またサムターンのプレートに「ASSA」の刻印があるタイプは我が家では直接検証できていないので、一発で付かないかもですが「何度か試行錯誤にお付き合いしてでも欲しい」という方がいらっしゃればコメント欄にてお問い合わせいただければと思います。

バッテリー左と上パターンの設定写真がこちら。

バッテリー左設置
バッテリー下設置

■回転リミッター

デザインのお好みではなく、実際の施錠、解錠がカチっと動作する回転範囲と、本体取り付け向きの絡みで選択になります。更に針の角度や太さをカスタムする必要がある場合もありますので、お手元のドアでの動作状況をお伺いしてコンサル/カスタムさせていただく形になります。

こちらも机上設計時点よりも針を小さくするなどの微調整を行いました。

回転リミッター a. 側面取り付けタイプ
回転リミッター b.手前面取り付けタイプ
回転リミッター c. サムターン側取り付けタイプ

回転リミッター d. 180°以上回転タイプ[NEW]

a./b./c.タイプは三角形の針を差し込んでいる都合上、その太さの分だけ回転範囲が狭まります。例えば、解錠からキッチリ180°回さないと施錠されないようなケースでは角度が足りなくなってしまいます。これまでご相談いただいたケースでは、写真のようにデッドボルトがフック型をしているタイプだと通常より大きく回す必要があるようでした。

フック型デッドボルトの例

そういうケースのドアに対応したのがd.タイプです。

ツマミ部分にキャップとして被せて片側だけ本体外周から飛び出す形で伸ばすカバー部品Aと、サイド面にピンを生やしてその突出部分を止めるパーツBx2点で構成されています。

この「片側だけ飛び出す」のがポイントで、写真でいうと左側は干渉して回転を止められますが、飛び出していない右側は素通りできます。パーツBの貼り付け位置で微調整可能ですが、右のパーツBをもう少し下に下げれば、3時から9時の180°範囲だけ動く形にできるというわけです。

実際にはもっと違った範囲でピンを出す必要があって、こちらも手前面や上側に貼り付けるBパーツ亜種が必要になるかも知れませんが、現状ご相談いただいたケースではこれでバッチリだったそうです。

実機で精密に採寸できたおかげで、接着不要な位ピッタリ固定できる精度が実現しました。なおカバー部品Aは強度を保つために1mm厚にしているので、標準のツマミに比べてトータルで2mm太くなります。バリエーションとして、こういう奥側のみで手前側はオリジナル状態の開放型キャップもアリかなと思っています。ご希望があればお知らせください。

■動作確認は念入りに、物理鍵の所持も推奨

モノが家の鍵だけに、動作や固定の確認は慎重に行ってください。外出中に外れてしまって解錠できなくなったりする恐れもあるのでバックアップ手段として物理鍵を携行したりどこか宅外の安全な場所に保管しておくことを強く推奨します。

あくまで個人の趣味レベルの制作物なのでご利用は自己責任でお願いいたします

■頒布情報

もろもろご希望の方は問い合わせ&概算見積フォームからお問い合わせください。おわかりの範囲で記入していただいて送信いただければと思います。

照明スイッチコスモワイド21用SwitchBotマウンターの自作

余っていたSwitchBotで玄関(ポーチ)の照明を制御して、日没頃に点灯、夜明け頃(ないし就寝頃)に消灯ということをしようと思ったんですが、スイッチの形状的に上手く固定できませんでした。

ウチの玄関照明のスイッチはPanasonicのド定番商品コスモワイド21シリーズのラウンド型三連タイプです。フレーム(化粧パネル)が湾曲しておりSwitchBotを貼り付けられる平面がないのです。

当然ここに目を付けた方はいて、オリジナルのマウンターを販売している業者(個人?)がいます。

こういう壁とフレームの間に挟み込むタイプと、

外枠として取り付けるタイプが売られています。

ちなみにコスモワイド21は、というか世のコンセントプレートのほとんどは、こんな構成になっています。SmartBASEはおそらくプレート枠のネジを緩めて壁とプレート枠で挟み込んで固定するんじゃないかと思います。SwitchFrameは化粧プレートをしたままの状態で上から囲むようにとりつけるだけなので取付は簡単そう。

自分の記憶ではSmartBASEの方が早くからあったような気がします。

でまぁ素直にこれを買っても良かったんですが、せっかく3Dプリンターもあるしモデリングの練習も兼ねて自作してみようと。

最初はSmartBASEのようにプレートの裏側に挟み込むタイプを設計しました。その方がSwitchBotがボタンを押し込む反力で外れてしまうことが防ぎやすいかなと。しかしプレート枠の裏に固定プレートを差し込んで高さが上がってしまうせいか、SwitchBotがボタンを押しきれずに一定の確率で押し込みに失敗していました。ボタンの上に薄い板を張り付けて厚みを増してみたんですがダメ。

しばらく忙しくて放置していたんですが、家族からクレームが来たので、まぁ諦めて既製品を買うか~とAmazonで検索したところいつのまにかSwitchFrameを発見。こちらは上からはめ込むだけで工具不要で取付けできる点と、SwitchBotが貼り付けではなくボックスに仕込む形にして反力での浮き上がりを防止している点。なるほどこれは上手くいくかも知れない。

ただちょっとお値段が高いのと、今回必要なのは三連スイッチの一番上のみ。SwithFrameのようなボックス形状だと空き箱が2つ残ってしまい不恰好になってしまいます。ボックスが上と下だけのバリエーションもありますが、上だけ、というのが無い。

ほんならやっぱり自作するしかない~、ということでほぼイチから再設計。固定方法はSwitchFrame形式で外枠はめ込み方式にして高さを浮かせないよう配慮。SwitchBot固定はSmartBASE式というか、両面テープで貼り付けるだけ。いわばハイブリッド型にしてみました。そして三連のうち一番上のボタンに1つのSwitchBotをつけるだけのシンプル設計に。

出来上がったモデルはこんな感じ。

白で造形して実際に取り付けてみた状態。余っていたSwitchBotはブランド立ち上げのクラウドファンディングで入手した白黒セットの黒の方でちょっと合ってない…そういう意味ではSwitchFrameのような箱型だと色の違いを隠せて良かったかも。

ちなみに白はこちらで使っています。

上からみるとこんな感じで、コスモワイド21の湾曲した化粧パネルに沿う形状でモデリングしています。

結果として今回はバッチリ動作しました。外枠式は反力で浮いてきてしまうのではと懸念がありましたが、いい感じにぴったりキツキツにはめ込む形になっているので、現時点では外れる気配はありません。ネジも両面テープも使わないので賃貸フレンドリーです(SwitchBotの固定は両面テープです)。

SwitchBotで上手く押せないので、いっそSesame Bot 2に買い換えようかとも思っていましたが、なんとかモノにできて良かったです。

■運用体制

まずSwitchBot本体はこれ。クラウドファンディング当時「SwitchBot」といえばこれしかなかった。本当に急成長したものですね。いい加減、さらに小型化した新モデルとか出ないのかな。

これをWi-Fi経由で広域操作するにはハブと呼ばれるアダプタが必要です。いわゆるネットワーク機器のスイッチングハブとは別もの。

こちらはいくつかモデルがあって、今買うならこれがオススメかな。エアコンや照明などを赤外線リモコン信号を模倣して操作する機能もある。またこのハブ2は温度計機能もあるので、ペットや高齢者のいる家庭で室温モニタリングにも使えます。照度センサーもあるので、「部屋が暗くなったら」みたいな条件による自動制御もできます。

温度計、照度センサーのない廉価モデル(ハブミニ)をこれから買うならMatter対応版が良いでしょう。Matterは業界標準の新規格で、iPhone/iPadの「ホーム」アプリから直接操作ができたりします。見た目も値段も同じでMatter対応前のモデルもあるので間違えないように買いましょう。

いずれかの「ハブ」にSwithBotがBluetoothで接続し、ハブからWi-Fiでインターネットに接続することで、家の外からでもSwitchBotを制御できます。またタイマーや色々な条件による自動制御もできます。我が家ではこれで時刻指定でオン/オフしています。日の出/日の入りを選んで通年で自動化することもできますし、帰宅に合わせて点灯みたいなことも可能です。

また玄関の置き配ラックで荷さばき作業をする時に、いちいち家の中に入って壁スイッチを操作しなくていいように、「リモートボタン」も外に設置しています。

こんな感じでルミナスラックに取り付けてあるので、必要と思った時にその場から点灯/消灯できます。誰でも操作できちゃいますが、まぁ照明が点くだけですしw。むしろ宅配業者さんには必要なら使ってほしいです。

こちら3Dプリンターでルミナスラック専用ホルダーを作っています。

まぁ、今回のアップデートでスケジュールON/OFFが完璧に動作するようになれば、手動操作は一切しなくて良くなるかもですが。

■まとめ

以前どこかSNSだか5ちゃんねるだかで、玄関LED照明を点けっぱなしにするよりSwitchBot運用コストの方が割高、みたいな話も読みましたがソースが定かではありません。やはり不要な時間帯は消しておいた方が精神衛生上も良いですし、防犯的にも動きがあった方が在宅アピールになって良いでしょう。

今回のアップデートで玄関ライトがしっかりSwitchBot制御できるようになってまたひとつIoT住宅化が進んで達成感あります。年内にタスクが1つ消化できて良かったです。

富士通ゼネラルエアコンのWi-Fiアダプタが突然無償交換です言われたけど、部屋に人を入れたくないのでDIYで交換しました

我が家には現在2台の富士通ゼネラルのエアコン、ノクリアが稼働しています。厳密には1台はほぼ使って無くてコンセントも抜かれた状態ですが、、

どちらにも別売りのWi-Fiアダプタ、APS-12Bをつけてスマホアプリ制御できるようにしていました。以前3台あった頃、これも3個買って自分で取り付けたんですよね。1台はエアコンを処分する時に一緒に回収に出してしまいました。

さて、それがある日、アプリを立ち上げるとこんなお知らせが。

アプリリニューアルにあわせてアダプタ自体も交換が必要になります。無償で工事に行くから希望日を教えてね、と。イヤイヤイヤ、、向こう都合だから無償なのはまぁ良いとして、引っ越し直後以外で他人を家に上げるのはハードル高杉。2台ともエアコンの真下にラックがあって精密機器が山積みです。1時間かそこらの工事のために片付けるとか面倒くさい。さりとてそのまま作業してもらうのも申し訳ないし危なっかしい。

APS-12BもDIY取り付けなので、交換も自分でできるはず、と思ったものの申込み時に相談してみようとするも、自由記入欄の類は一切なく、、仕方なく一旦申し込んで下請け工事の人との日程相談になった時に「工事やったことにしてモノだけ置いていってくれませんか?」と頼んでみるかーと。

(スマホアプリのお知らせから飛ぶ申込みフォームとは別にお問い合わせフォームもありました。)

で、最初に電話がかかって来た時に出られず、後でSMSで希望日を教えてねというメッセージが来ました。そこで「自分で取り付けできるので、配送または玄関に置いてっていただくことはできませんか?」と返信してみたのが10月上旬。そこからずーっと返信がなく、更にもう一度申込みフォームから申請してみるなどしてましたが、12月下旬になってようやく配達のみでOKという返信が来ました。想定外だったので社内調整してくれてたんでしょうか。最終的に下請け工事屋さんではなく富士通ゼネラルのサービス部門ぽい人の名刺いりて自宅まで直接紙袋に2台入れて届けに来てくれたようです。

こちらが届いた後継アダプタのOP-J03A(のパッケージ)です。間が空きすぎて2台あることが忘れられてないか不安でしたが、しっかり2台入ってました。

■早速取り付けていく!

我が家のモデルはAS-X22FとAS-C22Fです。それぞれに旧アダプタがついているので、そのコネクタを抜いて呼び線として紐かなにかをつけて反対側から引っ張って抜けば、元の経路に引き戻すのはゼロからより楽なんじゃないかな?という目論み。

ただ最後に取り付けたのは数年前なので手順はほとんど忘れており、改めて公式ドキュメントを参照しながら行っていきます。

下記のURLに型式を入力/選択し、出てきたドキュメントタイプ欄で「アダプタ取付説明書」を選べば、図解/写真入りの詳細な手順書PDFが閲覧できます。
https://www.fujitsu-general.com/jp/support/downloads/search/index.html

基本的にはそれを見ながらやるのが良いと思いますが、一応取れた範囲の写真を載せておきます。

あくまで自己責任で作業してください。

初級編 AS-C22F-W

必ずコンセントを抜いて作業をしてください。

フロントパネルとフィルターを外した後、底面のネジ隠しフタをマイナスドライバーなどでこじって外し、中のネジを3本外します。

次にガワをまるっと外します。赤丸のネジ4つを外します。一番右のを外すとグレーのカバーが外れるので先にとっておきます。次に矢印部分がツメではまっているのを下は左右、上は上に引っ張る感じで外すとまるごと外れます。

1つのガワパーツでまるっとここまで裸になるのはさすが廉価モデルという感じ。コスト節約のための工夫なんでしょう。

次に右側の金属カバーを外します。正面から見て赤丸の二箇所のネジを外し、パネルを手前に少し引くと奥のツメが外れて右にパカっと開きます。

これでメインボードが露出しました。赤丸がコネクタ、赤線がケーブルです。これを新アダプタに入れ替えていきます。経路は「アダプタ取付説明書」に細かく指定されているので従っておきます。そうしないと思わぬところでケーブルを噛んで断線とかしてしまう可能性があるのできっちり指定経路(このケーブルの裏を通すとかタイラップで留めるとか)通りに引き回します。

ケーブルを噛まないように注意して金属パネルを戻します。赤丸の二箇所にツメがあるのでそこをしっかりとはめ込んだ上で矢印の向きに押し込みます。奥のツメがしっかりはまってないとパネルが右にパカパカ開いてしまいます。奥までしっかり固定できてて開かないことを確認してください。

パネルやフィルターを戻して、最後にアダプタを固定。付属ネジは使わず両面テープで固定しました。

本体右側面にアダプタを付けた場合ケーブルがかなり余ります。自分は下側のルーバーの奥のスペース(最初に外したパネルの上)にタイラップでまとめて隠しました。

上級編 AS-X22F-W

こちらは自動フィルター掃除機能付きなので構造が複雑です。

今回もコンセントを抜き、フィルターを外します。フロントパネルは跳ね上げて置くだけでOK。

下部パネルのネジ隠しフタを取り、ネジを3つ外します。

赤丸の7本のネジを取り、内部パネルをとります。ここはむしろC22Fよりも素直に手前に引っ張って抜ける感じ。

パネルをとり、手前のプラパネルを手前にパカーンと開いて降ろすと、奥に金属カバーが出てきます。赤線でなぞっているのがアダプタのケーブルです。電源の赤白黒のVVFケーブルと一緒にコード留めで固定されています。

金属カバーが左右の赤丸の辺りのツメで固定されています。左側のツメを軽く開くと外れます。

金属カバーを外すと基板が露出。赤丸がコネクタです。

コネクタのアップ。「NET」と書いてあります。

VVFケーブル(赤白黒が入った灰色の太いケーブル)と一緒にこの部品で固定されているので、赤丸のネジを外し、右側を引き抜いてケーブルをフリーにします。

公式手順ではVVFケーブルの1,2,3も外して一緒に背面へ抜くよう指示されていますが、エアコンが壁についている状態だとたぶんあまり意味がないので、そちらはつないだまま作業しました。

旧アダプタのケーブルを後ろに引き抜いた後、改めて新アダプタを引き戻す為、呼び線となるビニール紐もコネクタに結んでビニールテープでグルグル巻きしておきます。コネクタに負荷がかからない、かつ途中で紐だけスッポ抜けないよう結び方を気をつけてください。

コネクタが幅広で、VVFケーブルを残したまま引き抜くのは結構狭くて大変でした。気持ち左に寄せるようにして抜くと良かった気がします。

後ろ側に引っ張るところがこんな感じ。一度パネルの外に出ているケーブルを中に引き戻し、前後にある程度自由に動くようにしておきます。前後に動かしながらどちらに寄せると緩くなるか確認します。ウチの場合は正面からみて左寄りにするとよく動く感じでした。コネクタを引きちぎらない程度に力を入れて抜き出します。ここでどうしても抜けないようなら公式説明書通りVVFケーブルごと外さないとダメかも知れません。冒険はしない方が無難でしょう。

ちなみにウチの場合は写真のように右サイドパネルの穴から外に出ていましたが、新配線は中を通して、より綺麗に経路を変えました。

どうにかコネクタ部まで後ろ側に抜けた状態。ここでテープを外して紐を新ケーブルに結び直します。なお、アダプタ側の根元は抜けないので、事前に最終経路をしっかり確認し、外装パネルなどの穴を先に通してから紐に結ばないと、せっかく通ったあとでやり直すことになります。

新ケーブルを結び直したらまたフロント側から紐を引っ張ってケーブルを通していきます。

フロント側にケーブルが通ったら後は元通りに基板上のコネクタに差し込み、経路を指定通りにまとめ、各種パネル類を戻していきます。

■Wi-Fi設定とアプリ移行

エアコンの電源を入れ、Wi-Fiアダプタ上の3つのボタンのうち、一番上を3秒、続いて真ん中を3秒押すとWPS設定待ち受け状態になります(真ん中のランプが点滅)。ここでWi-Fiルーターのハードボタンまたは設定画面からWPS登録受け付け状態にすると自動的にWi-Fi設定が完了します。富士通ゼネラルのWi-FiアダプターはWPSでのみ設定で、自分でSSIDとパスワードを入力して設定することはできません。昔このエアコンを買った頃はWPSがないYAMAHAのアクセスポイントを使っていた詰んだのですが、BUFFALOで普通にWPSが使えるので楽でした。真ん中のランプが点灯になればWi-Fi接続完了です。

次に「どこでもエアコン」に代わる新アプリの「ノクリアアプリ」をスマホにインストールし追加手続きをします。まずノクリアアプリを起動するとログインを促されるのですが、どうも今まで「どこでもエアコン」で使っていたID/PWではダメで新規登録するしかありませんでした。「パスワードをお忘れの場合」からメールアドレスを入れても一向にメールが来ません。公式サイトをみてもアカウント作り直しについて触れてるところはナサゲだったんですが、ChatGPTさんはなぜか「別だから作り直せ」と教えてくれました。

しょうがないので同じID、PWで新しくアカウントを作成し続行。エアコンを追加するフローに入ると、改めて上ボタンを3秒押せ、真ん中を3秒押してWPS登録しろ、と言ってきますが、たぶんここは本当にやり直さなくても「次へ」「次へ」で進んでいけばOKです。エアコンもスマホも同じWi-Fiにぶら下がっていれば、アプリがエアコンを発見してくれます(少し待たされました)。なぜか初期ウィザード中は部屋名が選択式で一旦「その他」を選んで、後から設定画面で書き直す必要がありました。

新しい「ノクリアアプリ」はGoogleのマテリアルデザインっぽいモダンな外観になりましたが、できることはさほど変わらない様です。機種自体が古いからかも知れません。相変わらず逐一確認ダイアログが出て1手煩わしいのも同じ。

確認ダイアログ

手間がかかった割にユーザメリットは特にないかなーという感じです。

■まとめ

2台合計で2時間くらいかかった気がしますが、というか最初にお知らせをみて即申し込んでから2ヶ月もかかりましたが、ようやく新環境にすることができました。どういう事情があったのかわかりませんが、ハードごと変更なんて面倒くさいことをしてくれたものです。その割にアプリでできることは大してかわりなくちょっと残念。

最初は工事の人を部屋に入れるくらいならもうWi-Fi操作は諦めて、Nature Remoで赤外線経由の操作だけにしちゃおうかとも考えましたが、なんとか現状維持はできてホッとしています。

まぁ普通の人はそこまで人を部屋に上げることに忌避感はないでしょうし、普通に申し込んでサクっと終わらせてることでしょうけども。

ちなみに古いアダプタは特に回収の指示もないし処分していいのか一応SMSで聞いてみているんですが、今のところ返事がありません。しばらくは保管しておくかな…

余談: ネジ隠しフタを無くしたので3Dプリンターで作成しました。

C22Fの作業をしている時に、うっかり底面パネルのネジを隠すフタを落として紛失してしまいました。

仕方ないのでノギスで測って3Dプリンターで複製。微妙な左右の突起の加減を再現しきれずまだ調整中ですが、なんとかなるでしょう。

同じ様に紛失した方がいたらご相談ください。

ASSA ABLOY製シリンダのドアにSesame 5を取り付けるキット製作

選択肢が増えて色々ややこしくなってきたので、問い合わせ&概算見積フォームを作りました。おわかりの範囲で記入していただいて送信いただければと思います。

我が家の玄関ドアはASSA ABLOYという海外製メーカーのシリンダー/ロックケース/サムターンがついている木製ドアです。ここ製の全てのものがそうかは不明ですが、ウチについているのはサムターンが360度以上クルクル空転するタイプで、Sesameをはじめとするスマートロックと相性が悪いです。たぶんこれ。いままで3Dプリンターを使ったDIYでどうにか使ってきましたが、今回コメントで同じ系統のドアをお使いの方から頒布してほしいと要望をいただいたので、改めて微調整をし、新たにサムターンホルダーも設計してみました。

過去記事はこちら。

■目次

Sesame 5 Proについてはこちらの記事をご覧ください。

■ドアの仕様

まずサムターン部分はこんな感じの菱形をしています。

ASSA製のサムターン

しかもこのまま奥まで寸胴ではなく、すぼまったような形をしています。正面写真だけ送ってメーカーのサムターンアダプタ設計サービスを受けるといまいち掴みが弱い(一番太い頂点部分でのみ保持)ものになってしまう可能性があります(メーカー公式サービスを受けたことがないので、上下左右の写真も送ってしっかりしたものを作ってくれるかもは知れませんが)。

また国産のサムターンではあまり見ない、ロックトゥロックが360度を超えて回転するタイプで、「施錠位置から解錠位置まで何度どちらに回転」という制御をするスマートロックがそのままでは使用できないことがあります。例えば「右に90度で施錠」、「左に90度で解錠」という設定があったとしても、このサムターンは手で操作するとさらに左右に回ってしまうので、そこから90度回しても施錠/解錠ができない、という事態になります。

更にこの会社の製品は北欧の木製ドアに使われることも多いらしく、できればSesame本体を両面テープを使って貼り付けたくない問題があります。

まとめると、ASSA ABLOYの一部ドア製品は、スマートロックを取り付けるにあたって、

  • サムターン形状が特殊
  • サムターンが360度以上回転するので人力が介在すると正常にロック/アンロックできない
  • (ドアが木製だと)Sesame本体を両面テープで貼り付けたくない

という三重苦を抱えていることになります。

今回のキットは3Dプリンターでそれらを解決するためのキットになります。

いい加減パターンが増えてややこしいので、近日中注文フォームというか問診アンケート的なものを作ろうと思いますw。

サムターンのバリエーション

色々な方のお手伝いをしている中で、ASSAのサムターンにもバリエーションがあることがわかってきました。

左が我が家、右が他の方の家のサムターンです。

ベースプレートの直径は52mmと同一なのですが、サムターンと2本のネジ位置が少しだけ下がっていて、「ASSA」のロゴ(?)が刻印されています。以下「刻印有り」「刻印無し」という呼び方をしますが、この「刻印有り」版の場合は後述の固定プレートの穴位置もズラしてやらないと回転軸の中心がズレるので回りが渋くなるようです。手元に検証環境がないので送った先で試したいただいたフィードバック頼みではありますが、こういうバリエーションもできるだけサポートしていきたいと思います。

2025.2.23追記: Sesame 5 Proでも使用したいとお問い合わせいただき準備を進めております。以下のポストをご参照ください。

■サムターンアダプター

上の写真にあるようにASSAのサムターンはかなり特殊な菱形形状をしており、Sesameのアームでは左右の頂点を挟む形になり安定しません。CandyHouse(Sesame開発元)で特殊アダプターのオーダーメードサービスがあるので、こちらに写真を送ると600円でこのようなアダプターが3Dプリンターで製作されて送られてきます(写真はこちらの記事を読まれた方からご提供いただきました)。

公式のオーダーサービスにより製作されたサムターンアダプタ

サムターンを真正面から見た菱形形状をベースに作られていて、正面からスポっと差し込む形状だそうです。公式サービスが作る品なので動作に支障はないのでしょうが、結局これも頂点で支えており、奥の細まった側はガタつきが出るんじゃないかと不安になります。

そこでASSAサムターンの立体形状にできる限り沿わせてモデリングしたのがこのサムターンアダプターです。手前から差し込む形状だと奥のすぼまりに対応できないので、左右からサンドイッチする2パーツ構成にしました。

道具眼オリジナルサムターンアダプター

サンドイッチした後でセロハンテープで巻いて固定しています。一見手抜きのようですが、色々実験した結果、Sesame本体のアームとあまりガッチリにせずある程度上下に滑って動いた方が動作がスムーズっぽい、ということがわかり、摩擦が低くなるセロテープ式を採用しました。あんまり目に入らないしいいかなと。もし真っ黒なのが売ってればマスキングテープとかでも良いかも知れません。なにかしら表面がツルツルしたものが良いと思います。

ちなみにSesame側のアーム幅よりも少しだけ細くなっているのも仕様です。これは純正アダプタの説明でも、

サムターンアダプターは回転効率を上げるため隙間を持たせて設計しております。

お取り付け後も固定はされない状態で問題はございませんので、テープや詰め物などで固定されませんようお願いいたします。

と記載されており、アームがゆるゆると動くマージンを残しておくのが重要のようです。

私自身は公式オーダーメードアダプターと動作比較はしていないのですが、我が家ではオリジナルアダプターで問題なく使えています。

使用時は、Sesameのアームをデフォルトの内側から外側に変更します。片側毎にネジ2本で留まっているので外して位置を変更して締め直してください。

次にアームの高さを一番短い状態から中段または一番長いセッテイングにします。プレートやマグネットの有無に拠ってきますが、サムターンアダプタの中心を掴めるのが良いと思います。

■回転リミッター(旧ストッパー)

サムターンが360度以上無駄に回転しないようにするのがこちらの回転リミッターです。

何人かの方にパーツをご提供したところ、ドアの設置状況やSesameの取り付け向きなどによって、回転を制限する範囲も異なることがわかってきました。

これまでご提供してきたご家庭のマッチング状況はこんな感じです。

Sesami設置向き
(サムターンから見て電池ボックスの向き)
リミッターの突起位置使用リミッタータイプ
我が家a.
A様宅b.
B様宅c.
C様宅(確認中)(確認中)

あくまで観測範囲の話で、もしかすると上下左右以外にナナメで止める必要があるケースもあるかも知れません。現状ではこの3タイプがあり、提供時にはケースバイケースで対応させていただいています。

a. 側面取り付けタイプ

Sesame3使用時に一番最初に開発したのがオリジナル版。最新版は右の更にスリムにしたものになります。

成人視点で見下ろした時に突起以外がほぼ隠れて見えなくなるように手前面に傾斜を入れました。また一体感が出るように右側の〇形状に沿わせてあります。

下から見上げたところ。

結果としてノブの回転範囲はこんな感じになります(写真はオリジナル版)。本来ASSAのサムターンは2周以上回ってしまいますが、この突起でストップをかけることで赤い矢印範囲に留め、360°までしか管理できないSesameと実際のサムターン位置にズレを発生させないようにします

左右逆に取り付ける人向きには左右反転デザインのものも造形できます。

b.手前面取り付けタイプ(旧称:サイド取り付けタイプ)

同じサムターン形状でも実際にロックボルトが動く開錠~施錠の動作位置が異なるパターンのご報告をいただき、リミッターの突起を下からではなく横から生やすタイプも開発しました。Sesameの電池ボックス側のフラットな表面に貼り付けるバージョンです。

動作確認の青色LED部分には透明パーツをレンズ代わりに挿入してあり、LEDの視認性もバッチリです。その上はリセットボタンを押すためにゼムクリップなどを差し込む穴が空けてあります。また左側の電池ブタも干渉せず手前に引き抜くことができます。

2025.3.15追記: 透明プラ棒を差し込む方式は手間も出来映えもイマイチなので、透明UVレジンを流し込んで硬化させる手法に切り替えました。光り方にムラがなくなって消灯時の表面もフラットでいい感じです。

c. サムターン側取り付けタイプ

サムターンのある丸い側に取り付けるリミッターです。

下の写真は本体を垂直につけて真下から突起を生やすセッテイングになります。

d. 180°以上回転タイプ [NEW!]

先日また別対応が必要になりました。写真の緑丸部分のようにロックボルトが水平に突き出るのではなく、フック形状になっているタイプです。

そのせいなのか解錠↔施錠の回転角度が大きく、180°をわずかに超えて回す必要があるようでした。従来のリミッターはa,b,cともに針で回転をブロックする方式なので、針の中心から左右それぞれの太さ分だけ回転を邪魔するので、サムターンの回転範囲は180°以下になることが避けられません。

そこで考案したのがこちらのdタイプです。実際に取り付けた方から写真をいただきましたので使わせいただきます。

Sesameの回転部分の棒状のツマミのところにカバーとしてかぶせて、片側だけSesameの外周からはみ出すように延長しているところがポイントです。飛び出してる側はピンに当たって止まりますが、飛び出してない側はスルーできるので、1つの針でブロックする従来方式と違って180°を超えて回すことができます。

以下は我が家でのテスト版の写真なので左右逆なのとまだ造形が荒いですがアップで。ツマミにカバーとしてかぶせるパーツAと、ベース部分のサイド面に貼るピンを生やすパーツB(両側にそれぞれ)で構成されています。

カバーをかぶせた状態がこちら。

Bパーツの貼り付け位置でピンの位置も調整できるので、そこは現地合わせでおまかせ。今回のケースでは施錠↔解錠の範囲がちょうど真上から真下に向ける180°くらいだったので、Bパーツは上下ほぼ同じ位置でいけたようです。

180°以上の回転範囲が必要なパターンでしたらこのタイプDになります。またピンの位置によってはこれも側面は手前面に取り付けるタイプが必要になってくる可能性もありますね…

それ以外にも細々と調整が必要なケース有り。個別対応します。

などなど、本体をどの向きにするかも考慮しつつ、どの範囲に制限したらいいかで最適なリミッターがかわってくると思います。外径寸法に影響が少ないb.タイプがもっともスマートな感じはしますね。

もしかしたら回転範囲の設定次第でもなんとかなるのかも知れませんが、とりあえず過去に頒布させていただいた方の情報を元に各方向から突起を出せるようバリエーションを分けています。お問い合わせいただいた時に改めてどれが良さそうか診断させていただくか、一旦仮造形品を3パターンお送りさせていただいて実地でお試しいただくなどご相談させていただいています。

2025.3.15追記: 実際に斜めだったりもっと広い幅で回転抑止させる必要があるパターンも出てきました。こちらはbタイプを針を太くして60°範囲で止めるようにしたものです。

針の角度と位置を若干斜めにする必要のあるお宅もありました。

Sesame5 Pro向けはこちら

というわけで、なんだかんだでセミオーダー対応していく必要もありそうです。ただノギスや角度計をお持ちでない方もいらっしゃるので、簡易計測後として色々準備をしています。最初にこういうツールをお送りしてお手元の環境でマッチングしていただき、それにあわせてカスタムする、という流れです。

回転角度測定プレート

Sesameのサムターン部分にあてがって、何度から何度に動かす(動かさない)必要があるか調べるための簡易分度器です。

仮針プレート

また直接針を出して動作検証をするプレートも作りました。一時的に両面テープで貼り付けて回転を止める位置をテストできるかなと思います。なぜ2枚あるかというと、、

こんな感じでズラして重ねることで、より広い範囲のリミッターも検証できるという狙いです(ドヤッツ

最適なリミット範囲がわからない方にはまずこれらをお送りしてテストしていただこうかと思っています。

■固定用バックプレート

両面テープを使わず、ドアにダメージを残さない形でSesame5を取り付けるのがバックプレートです。サムターン両脇の2つのネジを一旦取り外し、サムターンのベースの下に挟み込む形で共締めします(手順後述)。

こちらもSesameをどの向きで設置するかによってネジ穴位置が異なるバリエーションがあります。現状まだ下設置版はありませんが、要望があれば製作できると思います。本当は1枚で全方向に対応できる気もしますが、穴だらけになると強度的な不安もあるので一旦個別で作っています。左右のみ、上下のみだったら平気かもですね。

素材は熱で反りにくいよう、PLA素材よりも耐熱性が高いPETGで造形しています。おそらく一般的な家庭の環境であれば問題ないかなと思っています。ちなみに表面の綺麗さではPLAなので、目に付きやすい回転ストッパーはPLAで作っています。

まずドアのサムターンをクルクル回転して、カシャっとロックボルトが動く位置を見定めます。おそらく解錠に動く位置と施錠に動く位置が全く同角度ではないと思います。それでも「ここからここまでの回転に絞れば、解錠も施錠もできる」という角度範囲を探ってください。その範囲と、Sesame+回転ストッパーの動作範囲が重なるように気をつけて位置を仮決めし、Sesame側のサムターンを回して解錠/施錠ができることを確かめます。ドア側のサムターンとSesameのサムターンの中心が揃うのが理想ですが、Sesameのサムターン裏のアームはスライドする仕組みになっているので、多少はズレても対応できると思います。それでもできるだけ少ない力で回せた方が電池の減りも少ないと思うので、音などを聴きながらスムーズに回転できる位置を探ってみてください。

位置決めができたらSesame付属の両面テープなどでこのプレートに本体を貼り付けます。個人的には付属のテープより、この手↓の剥がす時に破れにくく、耐熱性能も高い両面テープがお勧めです。かなり強いので、Sesame側の接着面の全面に貼らずに一部だけ充分保持できると思います。逆に全面で接着してしまうと後日剥がしたくなった時に大変になると思うので、面積少なめからお試しいただくと良いと思います。

縦Ver.制作依頼にSesame5付属の金属製の土台ごとネジ止めできる穴も追加。こちらのボルト/ネットをカットして使います。見た目は多少ガチャガチャしますが、ガチガチに固定したい方向け。

今は公式が販売しているSESAMEマグネットで固定するよう受け用の鉄板を埋め込んだバージョンも選べるようになりました。詳細はこちらの記事もご覧ください。

充分に固定ができたら、Sesameアプリの「角度の設定」画面で施錠位置と解錠位置を設定してやれば良いはずです。

「ASSA刻印有り」サムターン対応版

前述の「ASSA」の刻印がついたサムターンの場合、サムターンとネジの穴位置が異なります。

より下に下がっているので、ベースプレート位置基準でSesameを設置した場合、Sesameの回転軸とサムターンの回転軸のズレが大きくなってしまいます。ある程度のズレはSesameの機構でカバーできるのですが、やはり回転が渋くなったり、物理鍵での解錠施錠操作時に負荷となってしまうようです。

そこで回転軸同士をできるだけ近づけるために、このようにSesame張り付け位置を下に3.5mmオフセットした固定プレートも作ってみました。上が通常版、下が下方オフセット版です。

こちらも自宅で検証できないのでお送りした先でのフィードバック頼りではありますが、今のところ好調そうなので、今後「刻印有り」サムターンの方にはこちらをお送りさせていただこうかと考えています。

プレート取り付け手順(サムターン分解)

サムターンをバラして取り付けるのが不安というお声があったので、簡単に手順をまとめてみます。

分解作業は自己責任でお願いします。この手順に従ってトラブルが起きても補償はできないので御了承ください。

1. 鍵穴プレートを固定

ネジを抜くと屋外側の鍵穴のついたプレートがポロっと外れて落ちるので、マスキングテープなどで固定しておきます。こうしておけば後は基本的に屋内作業で完結します。

2. 屋内側で2本のネジを外す

サムターン両脇のプラスねじをドライバーで外します。ドアを貫通して反対側の鍵穴プレートまで届いているので結構長いねじです。その2本のネジに固定用バックプレートの2つの穴を通し、元通りとりつければ完了です。

ちなみに外した状態で覗き込むとこんな感じ。反対側が固定してあれば、2本のネジを再び差し込むのと、真ん中の平べったい金属棒をサムターンの中心軸に向きをあわせて差し込むという感じです。

ネジを締めたら、あとは最初のマステを剥がせば終わりです。

ホームセンターの組立家具を組み上げられるくらいの日曜大工力があればさほど苦労はしないんじゃないかと思います。

■オマケ:Sesameリモート用バックプレート

先日発売された室内用リモコンのSesameリモートを、壁(石膏ボード)に大きな穴を開けずにとりつけるプレートも作りました。

こんな感じの小さな穴が四隅に開いた板です。ピンだけだと1000本入りとかになるので、こういう製品からピンだけ抜いて使うのが良いと思います。一応ある程度まとまった数のピンを仕入れてみました。今後リモート用プレートをご注文くださった方には4,5本おつけしようと思います。

こうしたピンだけなら抜いた後の穴も最小限なので賃貸などで退去時の補修も最低限で済むと思います。

(紹介の製品で現物確認をしていないのでもしかしたら穴の径が合わないかも知れません。場合によってはキリなどで穴を広げる必要があるのでご了承ください。また壁紙の裏が石膏ボードではなく柱材などだった場合はより太い釘などが必要になる可能性もあります。)

■動作確認は念入りに、物理鍵の所持も推奨

モノが家の鍵だけに、動作や固定の確認は慎重に行ってください。外出中に外れてしまって解錠できなくなったりする恐れもあるのでバックアップ手段として物理鍵を携行したりどこか宅外の安全な場所に保管しておくことを強く推奨します。

あくまで個人の趣味レベルの制作物なのでご利用は自己責任でお願いいたします

■頒布情報

ASSA ABLOY製シリンダのドアにSesame 5を取り付けたい、という方がどのくらいいらっしゃるかわかりませんが、もし本キットがお役に立ちそうであればパーツ1つにつき材料費1,000円+送料程度でお裾分けしますのでコメントにてお知らせください。Sesameリモート用プレートは他のを買ってくださった方にはオマケでつけています。単体なら300円+送料くらいでしょうか。

ものだけみたら「百均で売ってそう」だと思われるでしょうが、販売規模も造形方法も全く異なるものなのでご理解いただければと思います。あくまで同じASSA民としてSesameが使えなくてお困りの同志にご提供するもので、現物合わせで上手くつかなかった/動作しなかったという時にもカスタマイズして何度か送り直す、といったサポートも込みで考えています。

選択肢が増えて色々ややこしくなってきたので、問い合わせ&概算見積フォームを作りました。おわかりの範囲で記入していただいて送信いただければと思います。

Sesame Remote着弾。3Dプリントで壁紙に非破壊装着

Candy House(セサミ)の新製品、Remoteが発表になり配信イベント当日に予約してあったのが到着しましたので取り付け手みました。

CANDY HOUSE キャンディハウス Remote ホワイト

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2,180円(04/25 18:47時点)
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この製品は文字通りセサミスマートロックの施錠・解錠をワンプッシュで行うリモコンです。電池式の完全無線接続なので電波の到達範囲ならどこにでも取り付けが可能です。例によって980円(税・送料別)とお手頃価格。思わず実家用も含め2つゲットしてしまいました。なおキーホルダーサイズのRemote nanoも同時発表されています。Qrioの時はキーホルダー型リモコンを欲しがった同居人でしたが、Sesame Touchにしてから(指紋認識率は悪いとボヤきつつも)そこまで必要性を感じていないようなので見送りました。

本品のつかいどころですが、Sesame touchシリーズのような認証機能はなく、スマホも介さず直接解錠・施錠できてしまうので、当然屋内設置が想定されます。例えばドアホン端末の隣に設置してお客さんが来た時にサっとあけるとか便利そう。でもまぁウチは人を上げることもないので、Sesame本体の直近である玄関ドア脇に取り付けました。Sesameを直接ひねればえぇやんけ、というところですが、実際に比べて見るとやはりボタンひとつで開け閉めできる方が楽です。この手の商品にありがちなタイムラグも全くないので、「回した方が速い」感は皆無です。また我が家のドアは360度以上回転する特殊なサムターンなため、結構回す角度が大きかったり、いまだにどっちに回せば解錠だっけ?みたいなところがしっくりきておらず、ボタンで済む恩恵は一般的なサムターンより大きいってのもあると思います。

■電池ブタなど従来製品の反省が活かされている

昨年発売された指紋センサー付きのリモコン、Sesame Touchは初期ロットでは電池ブタを兼ねている裏面(ネジ止め)を直接壁に両面テープ止めする構造で、電池交換やフリーズの度に両面テープを剥がすという鬼畜仕様でした。

しかし先日追加購入したロットでは裏蓋はスライド式になり、電池交換も楽になりました(フリーズもファームウェア更新で収まったぽい)。ただ割とゆるゆるで指をタッチする勢いが余ってTouch本体が滑って持ち上がってしまう問題は残っています。

こちらのRemoteも同様に裏蓋スライド式に最初からなっています。またボタンが大きい、重量がある、ただ押すだけ、というのもあるんでしょうが、スライドが滑って持ち上がってしまうということも今のところありません。スライドの固さが更に最適化されている印象です。室内側なので外してもってかれるリスクもないので簡単に脱着できる方が合理的です(Touchは若干盗難リスクは上がった?)。

なお電池はCR2450というやや大きめのコイン電池で、面白いことに3つまで入ります。

パナソニック コイン型 リチウム電池 CR2450 3個セット

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1個で約1年もつということで、最初から3個入れておけば3年程度電池交換不要になります。予約時点ではなかったんですが現在は3個付属のものも選べるようです(ただし納期が長い)。

ここんとこ、

  • 360度式サムターンに対応といいつつも3から特に違いが感じられなかったSesame5
  • 裏蓋が直接接着式だった初期Touch(改善済み)
  • ドア開閉状態がみたいだけだったのにオートロック機能強制だったオープンセンサー(改善済み?)
  • Vブレーキ車につかずに苦労したサイクル2
  • ハンドル径にあわなかったTouchホルダー

となにかしらガッカリポイントがあった同社製品の中では、珍しく初手から不満のない製品だったなと思います。

■壁に両面テープ止めしたくなかったのでハック

賃貸の我が家では壁紙に両面テープ止めをしてしまうとマズので一工夫しました。

うっかり写真を撮り忘れたんですが、こういうプレートを3Dプリンターで作成。

サイズは本体の外形ピッタリに調整

このプレートを石膏ボードピンで壁に固定し、この上に付属両面テープで裏蓋を接着しました。これで除去後はピンの穴だけしか残らないので、どうにでも誤魔化しが効きます。こういうの公式オプションであれば嬉しい人は結構いるんじゃないでしょうかね。なんなら裏蓋にピン用の穴が空いてるだけでもいいような気がします。

■なんだかいつも3Dプリンターでカスタムしてる気がするけどそれもまた楽し

なんだかSesame製品は買う度に3Dプリンターで治具を作ってる気がしますw。楽しいからいいんですが、せっかくなので未掲載分も含めてまとめてみよう。

Sesame本体用回転リミッターと取り付けプレート

うちのドアは木製でちょっと特殊なサムターンがついています。

見た目は普通ですが360度以上回転します。実際にロックボルトが動く範囲はもっと狭いのですが無駄に空転する感じ。これがSesame3でも5でも正しく回転位置設定ができず、サムターン自体が回転する範囲を限定するためのストッパーを作りました。写真でわかりにくいですが本体の下についているのがそれです。

また賃貸の木製ドアに粘着テープで固定したくなかったので写真では木の板をサムターンに共締めしてますが、最近これもちゃんと3Dプリンターで専用プレートを作り、もうちょい見た目マシになりましたw。

いちどサムターンのベースプレートを外してドアとの間に挟む構造で、ドアに対してネジも両面テープも使わずに固定できます。

まぁこの2つは我が家のかなり特殊なドアにあわせたもので汎用性はほぼないでしょう。万一欲しい方がいたらご連絡ください。

Vブレーキのスポーツ電動自転車ハリヤ対応

製品名に「ママチャリ」とわざわざついている意味をよく考えずにサイクル2は自分の自転車にはつきませんでした。汎用品の鍵も普通につけられていたので、てっきり簡単に交換できると思ってたんですが。そこでこれまた3Dプリントした治具で解決したのがこちらの記事。

また自転車にも指紋センサーのTouchをつけようとハンドル用のホルダーを買って見るも径(太さ)があわず撃沈。結局上記の固定治具と一体化させてとりつけました。

Sesame製品は安いし電子部品的なところは比較的信頼性が高いので、新製品が出たらとりあえず買って、外形的な不満点、自前環境に沿えない点は自分でカスタムしていく、という付き合い方が楽しいなと思っています。