Google Homeのマルチユーザ機能を使いつつ、ショッピングリストは共有する

Google Homeでは「○○をショッピングリストに追加」と言うと、https://shoppinglist.google.com/というサービスの存在すら知らなかったリストに追加してくれます。おそらくGoogleサービスの中でも1,2を争うシンプルなサービスなんじゃないかとw。とはいえこういう買い物メモって料理中とか手が塞がってる時に気付くことが多くて、音声でメモできるのはなかなかに重宝します。

 

さて、一方Google Homeは複数のGoogleアカウントと紐付けて、それぞれ音楽のプレイリストを別個に利用するマルチユーザ機能があります。登録時に「OK, Google」と「ねぇ、Google」を2回ずつ言わされ、声を記憶されると、あとは特に名乗らなくても別人として認識され、それぞれのアカウントでサービスをしてくれます。

しかしこと我が家ではことショッピングリストについては共有できた方が便利。どうしたものかと悩みましたが、割とあっさり解決しました。ショッピングリスト自体に共有機能があり、Google Homeでもきちんとをそれを把握、反映してくれたのです。

やり方は簡単。写真右上に移っている「+」と人型のアイコンをタップし、共有したい人のgmailアドレスを入れ保存します。相手にメールが届き、リンクをタップして開くと共有したリストが見えます。さらに左上のハンバーガーアイコンを開き、「管理」をタップ。デフォルトの自分の「ショッピングリスト」と今共有されてきた「ショッピングリスト」が並び、おそらく前者に「メイン」とついています。共有されてきた方(たぶん下)の右端の三点アイコンをタップし、「メインのリストに設定」を選ぶ。これで文字通り、共有リストが「メイン」になるので、Google Homeからの書き込みもこちらに入っていくという寸法です。これで家族の誰が追加しても単一のショッピングリストに集約されるようになります。

Google Home日本上陸。衝動買いしてみた。IFTTTで家電制御も。

スマートスピーカーの大手御三家の日本一番乗りはGoogle Homeとなりましたね。トレッキーこじらせた音声認識マニアとしてあらゆる音声認識製品を何十年も買い続けてきましたが、なぜかいまいちスマートスピーカーは盛り上がらず(まぁ日本からは指をくわえてみてるだけだったせいもありますが)、国内発売の報せがきても即予約とかはしなかったんですが、発売日の今日、ビックカメラで2台2万円のアプリ通知が来ていて、友達と買えば実質1万円か!(定価は1.4万円)ということで急に買っても良いかという気になり、心当たりに打診したら一発同意。早速近所のビックxコジマで買ってきました。

「できること」はありこちの記事で書かれてますが、色々トラップもあったりなので、実際にできたこと、できなかったことをまとめてみます。

■できたこと

・基本操作

まぁ天気聞いたりは普通にできます。ただ月曜日が祝日なので何の日か聞こうとするも、「月曜日ななんの日」とかいうと「4」とか意味のわからない返事が返ってきたり、まぁちょっと複雑な質問はまだまだです。

感動したのはマイクの感度。リビングと寝室が隣り合った我が家で、リビングに設置して寝室ベッドに寝たまま問いかけてみたところ普通に認識しました。Future Home Controllerではマイクの感度がダメダメで実用性が大きく損ないましたが、これはバッチリです。「良かったら寝室にminiを追加」とか思ってましたが当面不要っぽいです。

また音楽が鳴っている最中でもちゃんと「OK, Google」というとミュートになってくれるのが立派。基本的な音声認識ハードとしては今まで試した中で最高の出来な気がします。

・Google Play Musicの曲を再生

これも問題なくできます。音質も期待よりは良いです。同居人はaccessのシンセの音が一部聞こえないと不満げでした。Blueairの空気清浄機(中身はけっこスカスカの鉄の箱)の上に置いたら低音が増しました(笑)。

ただしアルバムだのプレイリストだの細かい注文をコマンドに入れ込むと若干誤認識が増えて思いがけない曲がかかったりします。「アクセス」が「あくせく」になったりw。お気に入りのアーティストやアルバム名は優先的に認識辞書に入れてほしいものですが、クラウド音声認識は共通辞書なので難しいのかも知れません。

・Chromecastへのキャスト

後述のBRAVIA(AndroidTV)へのキャストができなかったので引き出しの奥から第2世代のChromecastを引っ張り出して来て試しました。さすがにこちらはあっさり動きました。「テレビ」という名前にしたとして、「テレビでNetflixのスタートレックディスカバリーを再生」などと言えば最新話が流れます。ちょっと長いですね?しかしスマホのGoogle Homeアプリからショートカットを設定できます。テキストからテキストへのユーザ辞書みたいなもので、「スタートレックを見る」と言えば上記のコマンドと同じ結果が得られます。「テレビでYoutubeの猫の動画」とか言えば、たぶん「猫」で検索した一位の動画かなにかでしょうが、とりあえず猫の動画が映ります。

・SONY SRS-HG1へのキャスト

 

同じくChromacst対応のSONYのWi-Fiスピーカー、h.ear goシリーズのSRS-HG1があったのでそちらへ音楽をキャストを試しました。結果的には動きましたが以下の点に注意が必要なようです。

・注意点1:部屋名とデバイス名を同じにしない

例えば「オフィスで(曲名)を再生」としたくてスピーカー名を「オフィス」にしたんですがなかなか認識してくれません。色々検証した結果、部屋名(という名前をつけていくつかのデバイスをまとめることができる)とかぶってたのが原因のようでした。「(部屋名)の(デバイス名)で…」のような言い方もできるのかも知れませんが、日本語ヘルプをみてもいまいちそのへんのコマンド例がのってなく)。

・注意点2:「(デバイス名)で」ではなく「(デバイス名)に」?

この辺りも経験則です。「オフィスに(曲名)を再生」の方が成功率が高い気がします。英語ではデバイスがon 〜、サービスがfrom 〜とわかりやすいんですが(例:Play Startrek from Netflix on TV)、日本語ヘルプではその辺の項目がごっそり抜けています。実はまだ実装されてないのかも知れません。

公式ではないにしろ、以上2点と気をつければ一応、Google Home本体とSRS-HG1に出し分けはできている気がします。単に「(曲名)を再生」でGoogle Home本体、「オフィスで(曲名)を再生」でSRS-HG1という感じです。ただし、再生状態でOK, Googleした時に本体はミュートになりますがSRS-HG1はなってくれないぽいです。

またスピーカーは「グループ」という機能でまとめて操作できます。これも「家中」と名付けて「家中で(曲名)を再生」としてみたところ「“やじゅうで(曲名)”はみつかりません」的なエラー。日本語は単語間に区切りがないので音声認識は難しいといいますが、やはりこういうところが不利ですね。意識して空白をあけるとそこで言い終わったと思われてやっぱり認識エラーになります。第三のポイントとしては、

・注意点3:認識名をあまり短くしすぎない

というのもありそうです。グループ名を「両方の部屋」にしたところ成功率が上がった気がします。まぁ、SONYのSongpalにも昔からグルーピング機能あるけどあんまり使ったことないので、これも結局使わないかも知れません。

・IFTTTで家電操作

Google Homeから操作できる家電製品としてApple Homekitなどでもメジャーなスマート電球のHueがプッシュされていますが、電球ソケットより直管やリングの蛍光灯器具の多い日本ではいまいち使いどこが難しいですよね。しかも結構いい値段する。

我が家ではもともとクラウドファンディングで先行販売されたNature Remoが配備済みです。この製品は主にエアコンをスマートに制御することを売りにしたスマートデバイスですが、実はまだそこらへんの制御ソフトの出来は必要最低限のことしかできません。しかしエアコン以外の赤外線信号も学習してスマホアプリから制御できます。そしてこのNature RemoもGoogle HomeもIFTTT(イフト)というサービスに対応しており、これを介することで、Google Homeに向かってしゃべった内容に応じてNature Remoから赤外線信号をとばすことができます!一般発売は10月半ばとあとちょっとだけ先ですが、Hueより安く汎用性も高いのでオススメです。

参考に実際の設定画面を貼っておきます。IFTTTはif this then thatの頭文字で、もしこうなったら(if this)と、あれしろ(that)のように条件と操作に色々なWebサービスを組み合わせて、自動的になにかを成すための条件として「Google Homeに特定の言葉で話しかけたら」を設定し、操作として「Nature Remoから指定の信号を発する」を設定するわけですね。写真はステップ毎の手順ではなく、設定完成後の画面を1枚で載せてます。

まずIFTTTの条件側アプレットにGoogle Assistantを選びます(初回にGoogleアカウントでログインして連動許可はしてあるものとします)。いくつかパターンがありますが「Say a simple phrase」を選びます。他に台詞中の数字やキーワードを操作側に渡せるパターンもあるみたいですが、たぶんNature Remoアプレット側が対応してないんじゃないかと思って試してません。「Say a simple phrase」は文字通り単純な固定フレーズを指定するだけのものです。ただし言い換えを2パターン含められます。つまり1つのやりたいことに対して3つの言い方を指定することができます。例えば「照明を消して」「電気を消して」「灯りを消して」など言い違いを登録しておけば、正確に登録した言葉を思い出せなくてもなんとかなるわけです。関係ないですが現在のiOS版のIFTTTアプリは日本語入力にひどいバグがあります。心が折れそうになりますが頑張って入力するか、メモかなにかで書いてコピペするといいでしょう。

「What do you want the Assistant to say in response?」欄は聞き取ったGoogle Homeになんと返事させたいかです。そしてLanguageでは当然Japaneseを選んでおきます。

次に操作側のアプレットにNature Remoを登録します。こちらも初期使用時にログインして許可を出すなど手続きが必要です。最初に「Turn off air conditioner」、「Turn on air conditioner」、「Control home appliances」という選択肢がでます。エアコンのオンオフ以外は3つ目を選ぶと、学習させた信号の一覧が出ますので、写真のように目的のものを選びます。

IFTTTは条件側、操作側たくさんのアプレットがありますので、Google Homeへの音声指示をトリガーにもっと色々なことができますし、逆に他の条件でNature Remoの操作もできます(ウチでは時刻やNetatomo Weather Stationで測っている室温に応じてエアコンの強弱を制御したりしています)。自分でAPIを叩くプログラムを書けるスキルがない人でも、ある程度応用範囲を広げられるので、オススメです。

■できなかったこと

・Android TVなBRAVIA(X9300c)にキャスト

これが最高に痛い。スタートレック・ディスカバリーも始まったし、前述のようなコマンドでぶりばり活用しようと思ったのに。これは明確に音声で「Android TVにはまだキャストできません」的なことを言われます。海外の掲示板で昨年末に対応したという記述もみるのですが日本版は別なんでしょうかね。ヘルプにも「Chromecast or built-in chromecast」みたいに書かれているのに。先行してる海外ではGoogle Cast ReceiverというAndroidTVアプリを1.2以上にあげろ、とありますが既にそれ以上のバージョンでした。またNetflixアプリが非対応なのかと思いきやYoutubeなどでも上手くいかないです。うーむ、時が解決するんでしょうか。

それまでのしのぎでChromecast Ultraを買うべきか悩みます。どのみち2014年BRAVIAはメモリも少なくAndroidTVとしての動作はもっさり&不安定なので、それがすべて改善するならと前々から気にはなってたんですが、ただUB90、BXT970、PS4Proと4K HDMIデバイスが多くもう飽和状態なんですよね。4ポートのあつ1つはAVアンプがつながってセレクタも兼ねてるし。これ以上セレクタかましたりしたら操作がややこしくなって同居人に怒られそうだし、、

 

発売発表時点では「いまさらかー」と萎え気味だったGoogle Homeですが、たまたま利用していたGoogle Play Music、Nature Remo、IFTTTといったサービス/デバイスとの相性の良さを発見し、かなり評価が上がってきました。現在ビックカメラグループなどで2台2万円で買って複数台で使うもよし、友達と割り勘で得するも良し、ちょっと高いなぁという人は下旬に出るGoogle Home miniを待つも良し。ともあれこれから来るといわれるポストスマホ時代、No UI時代の先行体験として一度触ってみるのをオススメします。

AppleSIM搭載のiPad Proでau LTEデータプリペイドがE-U3130エラーでチャージできない時の対処法

仕事に持ち出すことを考えわざわざCellularモデルに買い換えたiPad Pro 12.7 2017モデル(SIMフリー版)ですが、初回にチャージした後しばらく家で使って追加チャージはせず、期限が切れて半月くらいしてから再チャージしようとしたら最後の段階で写真のようなエラーが出てチャージを完了できません。時間を置けというので一ヶ月くらいに渡ってちょいちょいやってみてもダメ。支払い方法や暗証番号など操作可能な要素を色々変えてみてもダメ。

システムエラーが発生しました。しばらくお待ちの上、再度アクセスをお願いします。[E-U3130]
こんなエラーが何度やっても出る…
有り難いことにE-U3130というエラー番号を出してくれているので、同じ現象の人を特定しやすいと思いググってもまったくヒットせず。

諦めてauのサポートに電話。通常の問い合わせ窓口ではだめでau iPhoneテクニカルサポートという専門部署で聞いてくれと言われました。そこからまた時間がとれなくて半月くらい放置したあと、やっぱり同じ現象が続くので当該部署に電話。即答はもらえず調べて今日か明日に電話しますとのこと。で翌日また別の人からかかってきて詳細を最初から説明させられ、しばらく待たされた後、わからないので調べてわかり次第お伝えします、とのこと。向こうでもこのエラー番号でさくっと事例が見付からない様子。

結局そこからまた1,2日でまた別の人から電話がかかってきて、「このエラーになった場合はSafariからチャージしてくれ」とのこと。なるほどその発想はなかった。しかしせっかくの専用フローが使えないのはめんどくさいな。「それをすることでエラーが解決して、次からは設定アプリからチャージできるようになるんですか?」と聞き返すもなんだかはっきりしない。とりあえずチャージ成功までの手順を説明して一緒に完遂まで付き合う風だったけど、その時手が離せなかったので「じゃぁあとでやってみます」といって電話を切る。

そして後からSafariでやったら一発で成功。うーむ。こっちだとau IDでログインとか色々手間が増えるんだよね。まさかスマホ主回線のau IDと紐付けちゃうとこのパターンになるとかじゃないよね?(だったらもっと話題になってそう)。

結果は一ヶ月後に期限が切れて、その後でチャージする気になった時点w。

0SIMで彩速ナビのデータ通信を無料化

iPhoneでApplePayを使い始めて、サブのおサイフケータイ用Xperia Z3 Compactをすっかり持ち歩かなくなった今日この頃でしたが、地味に困ってたのがカーナビ彩速Z701へのテザリングでした。同機種は交通情報のSmartLoopや検索などのデータ通信にWi-Fiテザリングを使います。しかしiPhoneのテザリングは10分だか使わないと(例え設定画面上はONになっていても)省電力の為にOFFになってしまうので、「車に乗ったら自動でネット接続」環境には使えません。そこでXperiaでTaskerを使ってカーナビのBluetooth電波を検出したらテザリングをONにするようにして使っていたわけです。

持ち歩かなくなったとはいえスマホを車に放置するのは憚られるので、W03L01を買って使わなくなったNECのモバイルルーターMR04LNを設置するところまでは思いついたんですが、やっぱりそれだけのためにMVNO回線を用意するのも数百円とはいえもったいないかなぁ、などと何ヶ月か悩んでました。そんな中、ふと思い出したのがnuro(旧So-net)の0SIMです。500MBまで無料で、その後は5GB/1600円まで従量課金というプラン。おそらくカーナビの渋滞情報をとるだけならそんなにデータ通信量かからないんじゃないかと踏んでググってみたところ、やはり同じことしてる人もいたようで安心して契約。

導入初月の7月はうっかり設定に使ったSSID設定がMacからiPhoneに自動同期されていて、知らず知らずのうちにiPhoneから利用されて一瞬で500MBオーバーorz。ようやく月が明けて数日経ちましたが、現在1.35MB。このペースなら毎日のように車を使っても500MBには届かず、無料で使って行けそうです。

MR04LNは写真のようにデータ使用量を表示したり、上限(写真では490MBに設定中)を決めて通信停止することもできるので安心便利。ただしカーナビからの電波で自動接続するようスリープする設定だと、車にのる間隔があくとバッテリーが切れてしまうことが発覚。仕方ないので無通信による省電力モードは休止状態に。車に乗った時に自分で電源ボタンを長押しして復帰が必要で、Xperia時代よりはひと手間増えたことに(Xperiaでも車内留置した場合は同じかもっと不便になると思いますが)。

オーブン電子レンジを買い換え ビストロ最上位機種の前年モデルがお買い得

2005年製の重量センサーオンリーの電子レンジに嫌気がさして買い換えを決意。重量センサーオンリー機のなにが問題かというと、食品の量を文字通り重さでしか検知しないのです。凍ってるのか常温なのかもわからないのはもちろん、難しいのはお皿の重さがどれくらいの比重を占めるのかわからないで温めようとする点。わからないので、計測重量の半分程度が食器の重さと仮定し、1/2程度の質量の食品がそこにある、と考えて温めてるようです。なので、タッパーのような計量な器に入ってたり、そもそもラップに包んだだけの冷凍肉とかでは全然見当違いの加熱をしてしまいます。

また長年の夢として「常温に温められる電子レンジ」というものを誰か作ってくれよ、と思っていました。例えばパックのお寿司とかをスーパーで買ってきたとします。さすがにそのままでは冷たいのですが冷蔵庫から出して常温に戻るのを待ってもいられません。仕方なく電子レンジに入れるんですがうっかりするとアツアツ寿司のできあがりです。なぜ常温くらいのいいとこで止める電子レンジがないのか!と憤ってたわけですが、これもやっぱり温度センサー未搭載だからという結論になるわけです。最近の温度センサー搭載機種にはちゃんと温度を指定して温めるモードがついていました!例えばカチカチのアイスをスプーンが刺さるくらいまで解凍するなんて設定も。

ということで、

  • マルチセンサでオート温めが賢い
  • 温度指定温めができる

といった要求仕様を定義して機種選定したのですが、ややはりセンサー類が充実してるのは高級なオーブンレンジ(過熱水蒸気モデルなど)ばかり。温度センサーをスイングして広範囲の温度分布をチェックするものや、64眼センサーを謳うものまで。もちろん、前述の食器のみの重さを検知できる仕組みは現在のセンサー技術でもないのですが、かわりに温度センサーや蒸気センサーなどで食品の状態を複合的に計測することで温めすぎ、不足を補う発想です。

個人的にはその64眼センサー(Panasonic)が刺さりました。同社でも上位2機種のみが採用しています。温めという一番安いレンジの機能もつきつめると結局多機能の最上位レンジになってしまうというのはいささか悩ましいことでもありましたが、どうせ買い換えるなら進化を感じたいということで同居人の反対を振り切りつつそのどちらかを候補に。

最上位機とその下の違いは、カラー液晶のGUI操作パネルとNFCによるスマホ連携、あとはドアのダンパーくらい。ので純粋なあたため性能としては2番目の機種でも良かったんですが、どのみち最新型は十数万円クラスで買えないので前年度モデルを狙っており、それだと差額もさほどではなかったので、UI研究家としてはGUI搭載電子レンジというのに触れておくのも良かろうということで最上位モデルに狙いを定めました。

それがNE-BS1300です。カラバリは黒+赤ラインと白。同社炊飯器と同じラインナップですね。炊飯器は白ですがこちらは黒にしてみました。

白黒液晶+ツマミUIの下位モデルはNE-BS903。

ちなみに2017年モデルだと数字の3が4に置き換わり、BS1400とBS904となります。詳細な機能比較はこちら

見た目は同じ。搭載メニュー数が違う程度のようです。なお、さらに前の1200になると天井のヒーターが剥き出しになるなどハード的な違いもかなりあるようです。

家電はきっちり1年でモデルチェンジしますが、違いはほとんどないことも多いので、うまく新型登場時期を狙って旧モデルの上位機を買うのが最近のお気に入りです。エアコン洗濯機炊飯器などはそれで最上位機をおとくにゲットしています。4Kテレビも新型登場直前くらいを突きましたし、スマホなどは発売日買いが基本なσ(^^)ですが、家電はコスパとレビューをじっくり見定めて買うことが多くなってます。

で、BS1300にほぼ心を決めたものの、ちょっと出遅れていてヨドバシやヤマダなど量販店では完全に品切れ。通販で買っても良かったんですが、ちょっと日程の関係でどうしても当日中に買ってすげ替える必要ができて、あちこち回ったりして結局近所のビックで近隣店舗の展示品(箱なし、付属品あり、デモモードでの通電はあるが加熱は無し)を探してくれて、7万円台、5年保証付きだったので、川崎から世田谷井草まで往復2時間かけて車で買いに行きました。

■温度指定あたためができる

目的のひとつである温度指定のあたため。5度単位で指定できます。ただし今までそういう尺度で考えてなかったので、まだ感覚がつかめてないです。例えば40度ってお風呂くらいだよなぁ、とか想像しながら試行錯誤中。ただ完璧に均一に温まるわけではやっぱりないですね。特に厚み(深さ)のあるものや、水分量にばらつきのあるもの。それでも冒頭に書いた持ち帰り寿司とかをうっかり熱々にしてしまわないよう上限が設定できるのは有り難いなと感じます。

またスチームあたための場合は温度指定ができず仕上がり調整が何段階か選べるのみ。まぁこれは原理的にある程度スチームを行き渡らせることと温度を上げることは切り離せないということなんでしょうかね。二日ほど冷蔵してパサパサになってしまったスーパーのおにぎりをスチーム温めしたら、熱々にはなっちゃいましたが、食感はとても二日前とは思えないほど自然な仕上がりでした。

動作音はとても静かで良いです。あとカラー液晶で白地に黒で残時間カウントが出ているのが、ダイニングなどから遠めで確認するのに視認性が高くて地味に便利です。また加熱終了後に電気代を表示できる(デフォルトでそうなってる)んですが、以外と電気代かからないんだなぁという感触。温めだと1円以下なことがほとんどなんですね。ちょっと面白いです。

加熱中の残時間表示
加熱終了後の電気代表示

■グリル皿の万能感(焼き、茹で)

オーブンレンジで焼き物とかトーストとかって無闇に時間がかかるイメージがあります。考えてみればガスレンジのグリルやポップアップトースターに比べるとヒーター(天井)との距離が遠いんだから当たり前です。ただ本機の場合、クッキーなどを焼くオーブン皿2枚とは別に、グリル皿というものが付属しています。これをヒーターのついた天井寄りの上段にセットすることで、高速に両面焼きを行えます。グリル皿自体がレンジの電磁波で発熱するようです。トーストが3分台で焼けるのは同クラスの他社オーブンレンジと比べてもかなり速いです。まぁそれでもポップアップトースターには適わないですが、ピザトーストなど具材を載せるトーストに必要なオーブントースターの代わりにできるならアリかなと思います。

グリル皿を使ってピザトースト。天井ヒーター寄りの最上段にし、かつグリル皿も発熱させることで、裏表とも熱源に近い状態で加熱

生魚もこのグリル皿で両面しっかり焼き目を入れて焼けます。開きにしてない厚みの割とあるアジを焼いてみましたがバッチリ中まで火が通ってました。某社の油も水も不要なタイプの冷凍餃子用のメニューなんかもあり、フライパン調理の多くがこのグリル皿でできるっぽいです。レシピ本でもグリル皿を使うものがかなり多い印象です。またちゃんとテフロンコートされててお手入れも簡単だし、溝がついてて油分が落ちる分、フライパンよりも良いかも知れません。パーツ単体でも売られているようなので、傷んできたら気軽に買い換えられます。

レンジで焼き物すると油がはねて庫内の掃除が大変そうですが、本機にはメンテナンス機能のひとつとして天井クリーニングモードというのがあり、加熱で油分を焼いて拭き取りやすくすることができるようです。こちらの効果は追々検証です。その辺が上手く機能するなら、

  • 余計な油分が落とせる
  • 火加減を気にしなくてもいい

などの面でフライパン使うよりいいかなと期待もしています。

グリル皿はスチーム加熱時にも使うことがあります。電子レンジでゆで卵をいえば爆発するネタで有名ですが、オーブン機能のメニューでゆで卵や温泉卵があるのも万能感ありますね。茹でブロッコリーなんかもこのグリル皿を使ってスチーム加熱をする仕組みでした。電子レンジ用のゆで野菜容器いらずです。ただ容器だと水道水にさらして粗熱とったりもそのままできるので、利便性まで含めて考えるとどうですかね。少しでもキッチンガジェットを減らしたい場合は、そういう使い方もできるよ、という感じでしょうか。

またスチーム機能というと水タンクの衛生面が気になりますが、本機はクエン酸を入れて経路含めてクリーニングする機能がついているのも好感度、安心感高いです。

■ホットクックを駆逐するのか?(煮物)

春にSHARPのホットクックを購入して愛用しています。こちらも「材料と調味料を鍋にいれてスイッチおせば火加減気にせず完成」という面で大変時短になっています。カレーとかカボチャの煮物、白菜と豚肉のミルフィーユなどがヘビロテです。ただメニューブックをみるにこれらはどれも本機でも調理可能なようです。ただし汁もの、煮物は当然プレートでは調理できないので、別途ガラスの鍋やボウルが必要とされています。純正オプションとしては用意されておらず、サイズが指定されています。

カレーを作るには「2.5〜3.0Lで深さ10cm、直径22〜25cm、レンジとオーブン両用の容器(耐熱ガラスや陶磁器)」「吹きこぼれないよう深めで側面がまっすぐなもの」とあります。深さ10cmと深めは両立しづらいオーダーですねw。ガラスの方が調理具合が見えてよさげですが、重さや強度的に難しいのか2.5〜3Lクラスはあまり見つかりません。ルクルーゼなどのホーロー(金属)のものはダメでしょうし、難しいところです。どうせならメーカー純正品やオススメ品の指定をしてほしいところです。

カボチャ煮物などで指定されている「25cm形のガラスボウル」はこれ辺りが安くてよさげでしょうか。

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いずれにせよ、煮物関係はこうしたオプションの調理器具が必要だということを意識しておいた方が良さそうです。おいおいホットクックがいらなくなるとまたひとつキッチンがスッキリするなと思います。

■GUI

本機の大きな特徴であるタッチパネルGUIについて、ガジェットオタクとして言及せねば。

タッチのレスポンスとしてはサクサクとは言わないまでも上々です。必要充分なレスポンスと言えます。

レイアウトとしてもシンプルなタブUIでシニアな方でもそんなに難しくないんじゃないでしょうか。お気に入りメニューを登録して少ないステップで呼び出すこともできます。専用レシピ本やオンラインのレシピサイトからメニュー番号で選択した場合もカラー写真が出るので正しいかどうか一目でわかる点もナイス。

逆にこのGUIの操作だけでレシピを検索して説明を読んで作って行くのはちょっと画面が小さくてしんどいかなぁ。防水スマホやタブレットもってればそっちの方がよさげでしょうけど、防水非対応機種だったりキッチンが狭かったりする場合にはアリなのかも知れません。

 

■作例

とてもいい焼き目がついたアジを撮り忘れたのが悔やまれますが、その他の公式レシピからの作例をば。

ごま唐揚げ。普段は電子レンジ(電磁波加熱)で作る唐揚げ粉を使ってますが、こちらはグリル(ヒーター)調理。やはり皮がカリッとします(まぁあのレンチン粉の粉っぽい食感も好きなんですが)。

焼きそば。普通に東洋水産とかの3食+粉末ソースのアレです。これもグリル皿を使用。

本当にできるのか、レシピにないウインナーに火が通るか、心配でしたがバッチリです。粉ソースは加熱後にかけて菜箸で混ぜます。フライパンと違ってサイドの壁が低いし直接もって振りづらいので混ぜるのはやや大変ですが。キャベツの火の通りが良く、芯まで柔らかくなってたのは良かったです。麺も一部グリル皿の上に落ちてた分はパリパリになっててナイス。心配したウインナーも問題なしでした。

お皿に盛る時もミトンでもって傾けるのもちょっと力いりますね。オプションのハンドル買った方がいいのかなぁ。でもどれくらいガッチリ掴むんだろ?昔のはすべってかえって危なかったイメージですが。

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2017.08.02追記

いくつか焼き物を追加でチャレンジ。

市販の生ハンバーグ4つにオマケで冷凍ハッシュドポテトを2つ載せて、4人分+仕上がり強で焼いてみたら、焼けすぎて外側カチカチになってしまいました。冷凍ハッシュドポテトの分を仕上がり調整で補正したつもりだったのですが、あんまし余計なことしないで素直に標準設定でよかったのかも知れません。

またサンマも焼いてみたんですが、開きだったせいかこちらもやや焼きすぎ。

水も油もいらない某冷凍餃子も専用メニューがあるので期待したんですが、フライパンで焼いた時よりも皮が固めの仕上がり。見た目は完璧なんですが…

ということで、なぜかここんと焼きすぎの連発。最後の以外はレシピ通りではないので文句は言えないですが、なんでもオートで完璧におまかせ!ってほどではないみたいです。

■改善希望点

もっとも多用するであろうグリル皿ですが、レールとの摩擦が低くて、加熱具合をちょっと見ようとして軽く引き出すと、あとは惰性なのか傾きなのか勝手にスルスルっと手前に落ちてきます。「あっ!」と思っても素手で押さえるわけにも行かず、一度は開いたドアの上にガシャンと落ちてしまいました。幸いガラスが割れたりキズついたりはなかったようですが。テフロン加工の弊害かとも思ったんですが、レールに乗る部分は耐熱プラスチックのようでした。スムーズに出し入れできることも重要ですが、意図せぬ事故、火傷を防ぐのに、一番手前で一旦止まるような機構があるといいなと思いました。

■使いこなせば損はなさげ。旧モデルが狙い目!

標準価格は十万円台後半と、σ(^^)のような庶民はちょっとヒいてしまう価格帯の商品ですが、実際の性能や機能はそれだけのアドバンテージをもっている商品なので、こうして旧モデルになって半額以下になってくるとコスパはうなぎ登りだと思います。特に1200->1300の時の天井ヒーター内蔵のような劇的進化が1300->1400はないので、安心して旧モデルに特攻できます。

30Lクラスというとファミリー向けとされるサイズですが、これだけの料理が簡単にできてこの価格帯で買えるならば、二人暮らしや単身でもちょっと料理する層にはあまりオーバースペックという感じはしないです。むしろ時短調理で色々できるので共働き夫婦なんかにもお勧めできます。