sambaでWindows機などをcifsマウントできなくなった時の覚え書き

ウチのLinuxサーバー機で、LinkStationとWindows7機の共有ボリュームをマウントできなくなりました。うーん、月初めにはできてたはずなんですが。環境は、CentOS 5.6にwingリポジトリさんで配布しているsamba36-3.6.1を入れて使っています。3.6.3が出てたので更新してみたがかわらず。

dmesgには、

CIFS VFS: cifs_mount failed w/return code = –6

と出ますが、ググってもこれといった情報がつかめず。

結局mountコマンドであれこれ試してちゃんとマウントできるパターンと、/etc/fstabの記述を見比べてわかったのは、

//machine/share/ /mnt/machinename/sharename cifs ro,user=hoge,password=fuga,noauto 0 0

の赤字の部分。このスラッシュを削ったら通常通りmount /mnt/machinename/sharenameだけでマウントしてくれるようになりました。うーん、今までこれで使えてたのになぁ。先週くらいの大量のyum updateかなぁ(普段除外されてるwingリポジトリのsamba36はそれでは更新されないはずだけど)。改めてfstabの書き方をググるとみんな最後のスラッシュつけてないので、いままでがたまたま動いてたとか、どこかでつけないルールになってたけど移行猶予で動いちゃってた、とかなんですかね。

ともあれ、上のエラーメッセージでググって誰かが幸せになれればと覚え書きを残しておきます。

ファイルサーバーのSambaをSMB2対応した3.6に更新

Linuxサーバー機のSambaを3.0から3.6にアップデートしてみました。3.6の目玉はなんといってもSMB2への対応です。SMB2はVista世代から対応した新しいファイル共有プロトコルでパフォーマンスアップが見込めます。Microsoft製品同士では随分前から使用されてましたが、高価なWindows Serverを使用している企業ともかく、SambaベースのLinuxサーバーや多くのNASは対応してなかった為、個人レベルではクライアントがVistaや7でも実力を発揮できずにいました。それがついに、ということで胸熱です。

ウチのLinuxサーバーはCentOS5.x系でそのままではyumでインストールはできず、こちらの記事を参考にwingリポジトリを使って導入。ウチではpriorityの設定はしなくて済みました。記事からのリンク先を参考にwingリポジトリを登録した後、—enablerepo=wingオプションをつけてインストール。3つ一度に指定すると依存のエラーが出たので、まずはsamba36本体のみを指定(これでcommonも入る)し、後にclientを入れたらOKでした。

yum –enablerepo=wing install samba36
yum –enablerepo=wing install samba36-client

その後、認証絡みでちょっと苦戦。smbpasswd認証はもはやナウくないらしいので、smb.confに

[global]
max protocol = SMB2
security = user
passdb backend = tdbsam
wide links = yes
follow symlinks = yes
unix extensions = no

とし、コマンドラインで

pdbedit -a -u furuta

などとしてパスワードを設定したらOKでした。

ちなみにオレンジの部分は文字通りsmb2プロトコルを有効化、赤が認証方式の指定、紫はUNIX上のシンボリックリンク先を実ファイルとしてアクセスできるようにする為の設定です(今まではなくても平気だった)。security = userは普通なら指定済みなことが多いはずですが、何故か入ってなかったので足しました。

■ベンチ

Samba30 Samba36
Samba 3.0 Samba 3.6

 

クライアントはWindows7、GbE接続です。

シーケンシャルリードと512Kランダムリードは向上してますが期待したほど劇的な差ではないですね。あとは4K ランダムライトがエラい速くなってます。あとはトントンか逆に落ちてるとこも。体感は、、、あんましかわんないかなw。

あとは低レイテンシー時のパフォーマンスが向上するらしいので、VPNを経由した時とかに期待ですかね。

AmazonでSynology製NASの取扱モデルが拡充されたっぽい

縁あってレビューさせていただいたSynology製NAS「DS1511+」の姉妹モデルの、Amazon.co.jpでの取扱が拡大したようです。レビューのまとめとして比較紹介してみます。

2011年秋現在、タイの洪水被害でHDDが高騰し、それを使用するNAS製品も軒並み値上げされています。今はNASを買う良い時期ではないのかも知れませんが、Synology製品は基本的にHDDが別売りで、しかも複数ベイのモデルなら後から柔軟にHDD構成を変更できるという特徴があるので、とりあえず直近で必要な容量のドライブを最低限確保して、値下がり時期を待って全ベイを埋めるなり高容量ドライブに換装するなりという戦略がとりやすいんじゃないですかね。

なお、基本OSとしてはDisk Stationが組み込まれており、使用感は1511+に近いと思いますが、今までの記事で紹介してきた個々の機能についてはモデルによって搭載してない場合もあるかも知れません。また下記データに記載ミスがある可能性もあります。ご購入前に公式サイトなどで仕様をお確かめ下さい。

モデル 使用ドライブxベイ数 公称スピード 備考

DS110j
3.5” or 2.5”x 1 (記載なし) CPU: 800MHz
消費電力:9-19w

DS111の前モデル?こちらの方が数千円安いみたいです。


DS111
3.5” or 2.5” x 1 Read 105.59 MB/秒
Write 60.71 MB/秒
CPU: 1.6GHz
消費電力:7.7-18.7w

1ベイモデル。せっかくSynology製品を買うならRAID対応モデルの方が良いような気もします。


DS411 slim
2.5” x 4 (記載なし) CPU: 1.6GHz
消費電力:9-16w

2.5’ドライブ専用の小型、静音、省電力モデル。


DS411j
3.5” or 2.5” x 4 (記載なし) CPU: 1.2GHz
消費電力:11-30.8w

DS411より1万強安い分、CPUが1.6->1.2にダウン。デザインも大きく違うので好みで選びたくもなりますね。


DS411
3.5” or 2.5” x 4 Read 105.3 MB/秒
Write 47.8 MB/秒
CPU: 1.6GHz
消費電力:11-29.7w

これもDS411系列。スペックからするとこちらの方が後継?型番が似ているので注意。


DS211+
3.5” or 2.5” x 2 Read 108MB/秒
Write 55MB/秒
CPU: 1.6GHz
消費電力:13-24w
ホットスワップ

ホットスワップ対応の下位モデル。デザインはDS1511+とコレが好きかも。
本国では後継の212もリリースされてるみたいです。


DS712+
3.5” or 2.5” x 2 Read 180.91MB/秒
Write 105.59MB/秒
CPU: 1.8GHz
消費電力:17.6-27.5w
ホットスワップ
LANポートx2

DX150を追加して7ベイでRAIDが組めるマニアックなモデル。LANx2なのでLink Aggregationを使って高速化が狙えます。


DS1511+
3.5” or 2.5” x 5 Read 197.8 MB/秒
Write 165.91 MB/秒
CPU: DualCore 1.8GHz
消費電力:30-68w
ホットスワップ
LANポートx2

今回レビューしたモデル。業務用モデルでDX510を2台接続して15ベイ運用できます!
LANx2でLink Aggregation時の性能も最高だし、ルーターとしての使用も可能。


拡張ユニット DX510
3.5” or 2.5” x 5   DS712+やDS1511+の増設用5ベイeSATAケース。さすがに個人でここまで必要になるケースはあまりないかも知れません。

 

色々なラインナップがありますね。「j」がつくのは日本向けかと思ったんですが、ありとなしで全然別モデルだったりするので注意が必要です。型番の千と百の位がベイ数を
示しているみたいです(ただしDS1511+とDS712+はeSATAポート経由の外付けボックスを使った場合の最大ベイ数)。「+」がホットスワップ対応かな?eSATAポートがついててDX510が接続できるという意味かなとも思いましたが、DS211+が微妙(eSATAポートはついてるけどDX510対応は明記されていない)。

 

我が家のDS1511+は9月に本運用の3TBx5ドライブ体制に移行して二ヶ月が経過しましたが、不具合もなく速度も上々で非常に満足しています。ファイル共有以外ではiOS用のアプリ“DS Photo+”を使ってiPhoneで撮った写真を直接アップロードできるのが重宝しています。iOS5のフォトストリームを使えば特別な環境無しに似たようなこともできますが、あちらは撮った写真を無条件に全転送してしまう点や、Mac(iPhotoベース)とWindows(フォルダ格納)で同期方法が違う等が気になって使っていません。DS Photo+で送信してNAS上の任意のフォルダに貯まっていってくれた方が汎用性が高くて便利です。

先日この連載レビューを読んでくれた知人が業務用に上位モデルを買おうとし、取扱店が少なくて少し苦戦したと言ってましたが、こうしてAmazonでの取扱も徐々に拡充されてきてますし、聞くところによると近々販売ルート自体も増えそうだということです。製品自体はかなり競争力があると思うので、国内認知度があがるにつれシェアも広がっていくんじゃないでしょうか。国産メーカーも負けじと切磋琢磨していって欲しいものです。

DS1511+を活用するためのiOS用モバイルアプリ群を試す

BUFFALO等の国産NASでもiPhone/iPad/iPod touch向けの連携アプリをリリースしていて、出先からのファイルアクセスをウリにしていますが、DS1511+を含むSynologyのDSMシリーズではファイル、写真閲覧、写真アップロード、音楽、管理と5つもの公式アプリを提供しています(全て無料!)。今回はそれらについて紹介してみます。
(注1:下記の機能をインターネット経由で外出先から使うには、ルーターのポート開放設定を正しく行うか、DiskStation自身をルーターとして利用する必要があります。)
(注2:他にもDS Camという管理カメラの映像をチェックするアプリもあるのですが対応カメラがないので今回は除外)

■DS file(ファイル閲覧)

DSfile1 DSfile2

BUFFALOでいうWebAccess iに相当するアプリです。写真のようにNAS上のファイル/フォルダにリスト画面でアクセスでき、iOSが表示に対応した形式のファイルを開いたり、端末にダウンロードしたりできます。また2枚目の写真にある「電子メール送信リンク」をタップすると、選択したファイルをダウンロードする為のURLが入ったメールが作成されます。例えば出先で「○○のファイルを送って〜」というメールを受け取ったとします。ファイルが小さいものなら一旦手元にダウンロードして転送すればいいんですが、何十MBもある場合は時間がかかって大変です。この機能を使えば一旦手元にダウンロードすることなく相手に直接NASからダウンロードするアドレスだけを送信できるので、iPhoneしかもってない場合でも軽々と対応できる訳です。DropBox等のクラウドサービスにはよくある機能ですがNASで搭載しているものは初めて見ました。

■DS audio

DSaudio1 DSaudio2

文字通り音楽再生の為のアプリです。DiskStation上のMusicフォルダに保存した音楽ファイルを一覧しストリーミングでiOS端末上で鳴らすことができます。ファイルの実際のフォルダ階層は無視され、アーティスト名やアルバム名といったメタデータを元に分類表示されます。管理画面DiskStationManager内で起動するAudio StationというWebアプリで作れるプレイリストにも対応しています。Audio StationではDiskStationに直接接続したUSBスピーカーで再生することもできるのですが、残念ながらDS audioからはそちらに出力することはできないようです。あくまで端末側にストリーミングして再生するアプリで、AppleのRemoteアプリ的な使い方はできません。これができるとDiskStationをPCレスでジュークボックス的に利用できて便利そうなんですけどね。ただしストリーミングで受けた音楽をAirPlayでAppleTVやAirMac Expressに転送して再生することはできます。

2011.10.08追記:Synologyさんからのご指摘で、アプリをリモートモードというのに切り替えると、DS1511+に接続したUSBスピーカーから再生することも可能とのことです。

iOS標準の「iPod」アプリ(iOS5では「ミュージック」)ではLAN内のストリーミングしかできませんが、DS audioはインターネット経由でも利用できます。ただしiPhoneの3G回線でストリーミングを試してみましたが残念ながら途中で何度も途切れてしまう状態でした。高速なWi-Fi接続が必要でしょう。

ちょっとイヤンなのは、DS audioをインターネットから使うために解放するルーターのポートは5000番で、これは管理画面であるDiskStation Managerと共通です。つまり管理画面へのアクセスをインターネット側に晒さなければ音楽も公開できないということです。パスワードを強固にすればいいんですが、ちょっと不安ですね。一応海外の掲示板語られてたワークアラウンドとしては、管理画面へのアクセスを強制的に5001番に回してSSLで接続する、という設定が可能なのでそれをしてかつ5001番ポートを開放しなければ、LAN内からしか管理画面にアクセスできなくなるはず、という指摘がありました。つまりDS audioは非SSLでということになるんでしょうか。ちょっとまだ検証しきれてない部分です。

■DS photo+

名前が似ていて紛らわしいですが、おそらくこちらが写真閲覧アプリです。「おそらく」というのは上手く使えなかったからです。
アルバム作成までは出来たんですが、写真のようにエラーになってしまって先へ進めませんでした。Synologyさんのサポートからフォローがあったら再検証します。

2011.10.08追記:何故か日を改めたら動きました。閲覧、アップロード共にでき、基本的に下記のDS photoは必要なくなりそうです。

IMG_20111008_021550 IMG_20111008_021605

LAN内で使った限り、動きもサクサクです。写真1枚目の右上のボタンをタップして表示されるのが写真2枚目。DS File同様、簡単に公開用URLが取得できるので、出先からある写真を人に送りたい、といった時に一旦端末にダウンロードすることなく相手に通知することができます。

またアップロードは複数枚を一括で行えますが、位置情報使用を許可にしておく必要があるようです。

■DS photo

DSphoto こちらが写真のアップローダーになります。カメラ撮影したものやライブラリにある写真を選択し、タイトルと説明を追加して、保存したアルバムを選択してアップロードできます。アルバムは実ファイルとしてはフォルダに対応付いて保存される他、やはりWebアプリのPhoto Stationで閲覧することができます。Photo Station上でアルバム毎のアクセス権(閲覧のみ/アップ可)を設定できるので、Webアルバムサービスを自宅でホストできる感覚ですね。

個人的にはiPhone上の写真を直接サーバー上のフォルダに保存できる点が便利に感じました。メールで添付したりMobileMe等のWebサービスアップして、またPCでダウンロードするといった手間がない訳なので。残念なのは一度に一つのファイルしかアップロードできない点でしょうか。複数選択して一括アップロードできるようバージョンアップを期待したいと思います。

ちなみにPhoto Stationのポートは5000ではなく80番みたいなので管理画面とは独立に安心して外部に開放することができます。

 

 

■DS finder

DSfinder1 DSfinder2 DSfinder3

こちらは通好みというか管理者向けのアプリです。写真のように各ドライブのステータスをチェックしたり、再起動やシャットダウンなどの遠隔操作ができます。「サーバー検出」というのは本体からピーピー音が出る機能です。企業のサーバールーム等で同型機がたくさんあってどれだっけ?って時に重宝します。「DSM mobile」は管理画面DiskStation Managerのモバイル版がSafariで開くリンクです。

DSMmobile1 DSMmobile2 DSMmobile3

このDSM mobileってのがまたしっかり作り込んであって、写真のように各種サービスの起動/停止はもちろんユーザ管理、はてはリソースモニタまであるとか(グラフはリアルタイムに更新されていきます)、スマートフォンからできる必要あるの?ってくらい何から何まで管理できちゃいます。

とまぁ付随アプリを概観してみて、またまたその実装力に驚かされました。個々の要素技術は目新しいものではないかも知れませんが、1つのNAS製品にこれだけの機能サービスを詰め込んであり、しかもほぼ例外なく日本語化もきちんとされてて、とにかくSynologyというメーカーの開発リソースのリッチさは、国産競合製品に対するそれとは比べものにならないという印象を受けました。

DS1511+のHDD換装と実戦投入

SynologyのNAS製品には動的にRAIDアレイを編成してデータを保持したまま容量追加ができるSHR (Synology Hybrid RAID)という機能があることは以前の記事で紹介しました。

本運用向けの3TB HDD 5台も手元に揃ったので実際にSHRを使った容量増設にチャレンジしてみました。

手順は簡単。DS1511+はホットプラグ対応なので電源も落とさずおもむろにどれか1台のHDDを抜きます。数秒でブラウザで開いた管理画面(DiskStation Manager)内のストレージマネージャに警告が表示され、本体から警告音が鳴り始めます。管理画面で警告を止め、新しいHDDをセット。また数秒経つと「管理」ボタンが押せるようになるので、クリック。ボリューム修復のウィザードが開くので、基本的に「次へ」「次へ」と進めれば完了です。実際にはバックグラウンドで分散したバックアップデータが新しいHDDに書き戻されるので、しばらく(丸一日以上)は若干パフォーマンスが落ちます。この間に他のHDDが壊れたらアウトです(RAID5の場合)。当然ながらこの修復処理が終わらないと次のHDDを交換することはできないので、5台全部のHDDを交換するのに4日かかりました。

以下の写真はストレージマネージャの換装前です。500GBx5の状態では総量1.77TB(5台で2.5TB。RAID5なので1台分はバックアップに割かれて2TB、あとは単位表記上の誤差ですね)。データは9GBちょっと保存されています。

State0a

↓こちらが5台全て換装が完了した状態。総量は10.73TBに増えていますが、同じ「ボリューム1」が1つ見えるだけで、使用中のデータもそのままです(微妙に使用量が増えてますが)。

State5a

時間はかかりますが非常に簡単にHDDを増やすことができます。換装後のベンチはこちら(SMB)。シーケンシャルリードが若干落ちてますが、HDDの回転数が落ちたせいでしょうか?他はほぼ同じか高速になっています。キャッシュが16MB->64MBに増えたせいでしょう。

State5_bench

■UNIX的に見ると何が起きているのか?

sshでログインして覗いてみます。/proc/mdstatの結果です。

Personalities : [linear] [raid0] [raid1] [raid10] [raid6] [raid5] [raid4]
md3 : active raid5 sdc6[2] sda6[1] sdb6[0]
      4883741568 blocks super 1.2 level 5, 64k chunk, algorithm 2 [3/3] [UUU]
     
md2 : active raid5 sdc5[7] sdb5[6] sda5[5] sde5[4] sdd5[3]
      1934606592 blocks super 1.2 level 5, 64k chunk, algorithm 2 [5/5] [UUUUU]
     
md1 : active raid1 sde2[3] sdd2[4] sdc2[2] sdb2[1] sda2[0]
      2097088 blocks [5/5] [UUUUU]
     
md0 : active raid1 sdc1[3] sdb1[1] sda1[0] sdd1[4] sde1[2]
      2490176 blocks [5/5] [UUUUU]
     
unused devices: <none>

md0とmd1はシステム領域(とリカバリ領域?)でRAID1ボリュームとなっています。これは元のまま。代わったのはmd3が増えたこと。どうやらmd2とmd3がLVMのPV領域になっていて、それが合わさって/volume1というLVとしてマウントされてるようです。つまり、元々1.77TあったRAID5領域はPVとしてはノータッチで、増えた分が同じRAID5で新しいPVとして追加されたってことですね。このようにSHRは既存のオープンな技術を、ユーザを煩わせることなく裏でやってくれるというアプローチなワケです。これは技術に明るくない人にとっても使いやすいですし、下手にプロプライエタリな技術を使ってトラブル時にどうしようもなくなるというデメリットも回避できる良い考え方ではないでしょうか。万一ハードウェアが故障しても、UNIXマシンにHDDをつなぎ替えてSoftware RAIDの知識を駆使すればデータがサルベージできる可能性があるワケです。裏でどう動いてるかわかる、というのはエンジニア肌な人にとっては安心感につながる重要な価値の1つだと思います。

まぁ、今回はせっかく新規で運用を始めるので4日かけて移行したボリュームを一旦消して、まっさらの単一PVを作り直しましたけどw。ちなみにベンチで差は出ませんでした。データを入れてしまって、次にHDDを交換する必要に迫られた時は素直にSHRに頼って交換していくと思います。

■iSCSIボリュームも作成

同時進行中のサーバー移行の一環で、我が家のバックアップサーバーをML115上にXenによる仮想化で動いているWindows Home Server v1からMac mini Server上にVMWareで動かすWindows Home Server 2011にしました。せっかくコンパクトなMac mini Serverなので外付けHDDをぶらさげたくはありません。そこでDS1511+のiSCSIターゲット機能を使用してみることに。

DS1511+(DSM)のiSCSIボリュームは既存ボリューム上にイメージファイルとして作成されます(別パーティションにネイティブに作成も可能)。例えば今回は2TBのイメージを作成しましたが、実際にすぐ2TBの領域が消費されるワケではなく、実際の中身の増加に伴って増えていく仕組みです。我が家ではWHS2011はクライアントのバックアップとしてしか使わないので、RAID5上で冗長性が確保されるのはやや無駄なんですが、逆に今すぐ固定で2TB占有されるワケではないという点がむしろお得な気がしてこの方式を採用しました。

DS1511+はVMWare対応ロゴがついてるだけあって、VMWare上の仮想Windowsサーバーからでもあっさりマウントでき、バックアップ対象ドライブに指定したところちゃんと機能しているようです。

 

ちょうどサーバー群を刷新をしようとしてたこのタイミングで本機が入手できたのは本当にラッキーでした。なんか最近はLinuxサーバーで全て自分でインストール&セットアップするほど元気と時間がないんだよなぁ、と思う一方、市販のNAS製品だとできることが限られていてイマイチなんだよ、、、というσ(^^)みたいなのにはホント絶妙の位置づけの製品だと思います。