既存物理Windows PCの仮想化に挑戦

自宅のデスクトップ機を減らそうということで、まずは寝室のゲーム用PCのP2V(Physical To Virtual変換)にチャレンジ。物理マシンがCore2Duo/E6400なので、むしろCore i7のMacBook Pro 15r上のVMWare Fusionで動くようにすれば、パフォーマンスは上がるんじゃね?という狙いも。

■ハード選び

ゲーム用なのでレスポンスが落ちるのはイヤだなということで(3D周りはさすがに妥協するしかないとして)ストレージ周りにこだわってみることに。物理マシンはCドライブがSSD(m4/64GB)、DドライブがHDD(WD/1TB)という構成。ゲーム関係はほとんどDドライブで、レジストリにパスが入っているものが多いので、このドライブ構成を維持したいなと。そこで物色を重ねてチョイスしたのがmatheyの2.5inchx2ベイのThunderboltケース THUNDER DUOです。Thunderboltが2ポートあるのでディジーチェーンができるのもポイント。これに元マシンのCドライブSSDをそのままと、新しく2.5inchのHDDを搭載し、3.5inch HDDの中身をコピーすれば、少なくともストレージインターフェイスであるThunderboltがネックになることはないだろうと。2.5inch化でコンパクトになるのもポイント。Thunderbold HDDやUSB3.0ケースよりは割高ですが、将来的に中身を入れ替えたりしてそれなりに長く使えると期待して投資。Dドライブ用のHDDを8GBのSSDをキャッシュとして用いるSSHDにして3.5->2.5の速度低下を補えるんじゃないかとか。こちらはPS4換装用に注目を集めた東芝のMQ01ABD100Hにしてみました。ちなみにWindows8.1(にアップグレードする前のWindows7)はDSP版でこのSSDとセットで買っているので、そのまま使えばライセンス的にもOKのはず。

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背面のパネル(手回しネジ)を開くとこんな感じ。金属製の専用マウンタが2つ出てきます。見た感じ全部アルミかな?放熱性は高そう。小さいファンもついてます。下の写真がHDDをセットした状態。

残念ながらバスパワーでは駆動できず、ACアダプタ(付属)が必須です。まぁ持ち歩いて使うものでもないし、本体への負担が低い方がいいかなとか。ただ(たぶんHDDではなく)冷却ファンの音が結構聞こえます。小型でぶん回すタイプだから仕方ないのかな。片方SSDだし切ったらダメかなぁとか思案中。

比較的高価なThunderboltケーブルが1本(45cm)付属してるので、割高感が多少緩和されます。自宅ではminiDisplayPortでモニタにつないでいるので、その間にディジーチェーンではさみこむ形にしました。MBPを持って出たりする際も、ケーブルの抜き差し数はいままでと変わりません。Thunderbolt経由でON/OFFが制御されているらしく、Macにつなぐと同時に回転音がしだします。

もちろんSSD/HDDはあっさり認識。

(実際はストレージデバイスのみですが)一台のデスクトップPCがこのサイズに凝縮されると思えば良い成果と言えます。

■難航した仮想化

どのみち専用のストレージデバイスを早着するのだから、VMWareにはそのまま物理デバイスとして認識させて使う予定でいました。その方がパフォーマンス出そうだし。しかしこれが難しい。というかMac版であるVMWare Fusionではどうもできないらしい。Windows版Workstationを使って作成するなり、.vmdk定義ファイルを手書きすればどうにかなりそうな気配でしたが、クラスタとか細かいパラメーターを調べて書かないとならなそうだったり、今時は仮想ストレージでもあまりパフォーマンス落ちないという記事を見たりして、結局将来の拡張性をとって仮想ストレージ化する方針に変更。ところがそれすらもMac、というかVMWare単体ではできなそげ。vmware-vdiskmanagerのヘルプみてもできそうな気配がない。VMWare公式のP2V化手段としては、稼働中のWindows機に変換ツールをインストールしてネットワーク経由でMac上のFusionにデータを送って仮想PCを作成するか、そのWindows機自身で仮想イメージ作成までするvCenter Converter Standaloneというツールを使う方式。どちらもそのWindows機が稼働している前提です。今回は先走ってSSD/HDDを取り外してしまったのでもう一度組み付けるのは避けたいなぁと。実際にもPCのストレージ以外の部分が壊れて、ストレージ(データ)を使って仮想PC化したいってケース多いんじゃないでしょうかね。もう少しその辺りをサポートしてくれればいいのにと。

で、Fusionの仮想マシン作成ウィザードがとにかく新規か既存の仮想ストレージファイル(.vmdk)しか食ってくれないならとにかく物理ドライブをvmdkにしてやりゃいいんだろ、ってことで検索。NHCというフリーウェアに同ページで配布している「実ハードディスクの変換」プラグインを入れてやれば可能だと判明。手元にあるWindows7の仮想マシンで実行することに。しかしThunderbolt接続のHDDを仮想マシンに直接認識させることはできなかったので、一旦バラしてSATA-USB2.0変換アダプタでマウント。またNHCは管理者権限で起動しないとドライブが見えませんでした。MQ01ABD100HだけTHUNDER DUOに入れてMacにマウント、それをVMWare-host共有経由で仮想Windows7から見えるようにして、そこをvmdk書き出し先に指定しました。

無事vmdkが作成できたので、VMware Fusion6からカスタムで新規仮想マシンを作りストレージとしてこれを指定したところあっさりWindows8.1が起動してくれました!パーティションではなくドライブごと変換できたのが良かったのかもしれません。余計なデバイスドライバ類をアンインストールし、ライセンス認証を電話で行って問題なし。一旦シャットダウンしてさらに1TBの新規仮想ストレージをアタッチして、Windows上でフォーマット。この際、そのままだとvmdkファイルが仮想マシンファイル内に生成されてしまい、別ドライブに置けなくなるので、「参照」から別の場所を指定するのがミソ。今度はSATA-USB2.0アダプタでWDのHDDをマウントしてドラッグコピー。だいたい20MB/sくらいで進行。まぁUSB2.0だからこんなもんですかね。

コピー終わったらSSDを初期化してTHUNDER DUOに戻し、Cドライブのvmdkファイル(を含む仮想マシン)を置き、DドライブのvmdkはMQ01ABD100Hのまま使用。

■パフォーマンスチェック

めっちゃ特殊なケースだと思いますが一応参考にベンチデータをば。

Windows8.1ではエクスペリエンスインデックスがなくなってますが、WIN SCORE SHAREを使って復活させ、以前に計測したこちらの記事のデータと比較します。

  仮想化前
(Core2Duo/E6400/2.13GHz)
仮想化後
(Core i7/2GHz/VMWare Fusion6)
プロセッサ 6.4 7.2
メモリ(RAM) 6.7 5.5
グラフィックス 6.7 2.9
ゲーム用グラフィックス 6.7 3.0
プライマリハードディスク 7.6 7.8

 

うーむ、やはりというか、CPUはクロックで落ちててもスコアはだいぶ向上してます。GPU周りが大幅にショボくなるのは覚悟してましたがやはりスコアでみると凹むなぁ。そしてメモリも落ちているのが想定外。物理PCはDDR2世代なのに。仮想化のオーバーヘッドが大きいってことですかね。2GBしかアサインしてないから?ストレージがかろうじて勝ったのはお金かけた甲斐があったようでなにより。全体に体感は充分サクサクしています。3D系のゲームをしなければ全く問題なさげ。

CristalDiskMarkはこのm4 SSDを入れてWindows7で測った時のものが上。仮想化状態が下(左がSSD、右がHDD)です。

VPC-SSD_DiskVPC-HDD_Disk

どう考えてもちゃんと測れてない??。1GB/s超とかありえないし、SSDとHDDで差がなさ過ぎる。計測が500MBでSSHDのキャッシュで賄えてしまってる可能性はありますが、それにしてもCドライブもこんなに速いんだろうか?

 

とりあえずこれで一台デスクトップを減らすことができました。仮想化万歳!ちょっと恐いのはMacからすると外付けデバイスなのでうっかりVMWareの終了とドライブのアンマウントを行わないまま物理ケーブルを抜いて持ち出してしまわないか、ってことです。気をつけねば、、、

あとは仕事&エンコマシン(少しでも速いCPUが必要)と録画マシン(PCI / PCIexカードスロットが必要)ですが、うーんこれはさすがに仮想化するわけにもいかないんだよなぁせめてニコイチにとも思うけど、前者はパワー優先、後者は24時間稼働の省エネ優先という相反するスペックを追求しないとだからなぁ…

QH55/Mのお風呂使用時の百裂拳、フィルムで改善

ARROWS Tab QH55/Mをお風呂で使っていると異常にタッチ反応が悪くなることがあります。どうやら水分が悪さをして指が触れていないところにもタッチ反応が生じてしまい、本来の位置のタッチやジェスチャーが認識されない、つまりNexus7などでいうところのゴーストタッチ/百裂拳状態になっているっぽい。タッチ箇所に丸い表示が出る状態で、いくつも浮かび上がってくるのが確認できます。こうなってしまうと画面をタオルなどで拭いてもダメで、再起動するまで治らなくなり、フラストレーションでした。

そこで本体購入当初から気になっていたこの超撥水を謳う保護フィルムを貼ってみたところ、(まだ1回だけですが)改善したようです。水滴のできかたにはあまり差がないように見えますがでもタオルで拭いたときの残り具合をみるとやはり弾いてるかなという感じ。貼りやすさは並。大きいので位置決めが大変でした。指すべりやペンの感触は遜色なしか若干向上した気がします。摩擦が減る感じ。指紋の付きやすさは普通かな。いまのところネガティブな点は感じません。付属品はクリーニングクロスで、ヘラ的なものはついてません。

耐久性はわかりませんが、個人的には消耗品と割りきってでも貼る価値があるなと思います。iPad用の下手な高級シートより安いですし。

QH55/M レビュー デジタイザ周り編

QH55/Mのお仕事用途、ユーザテスト(ここではインタビュー的なものだとお考え下さい)で話しを聞きながら手書きで書き留める用途に関するレビューです。

信頼のWACOMデジタイザではありますが、やはり画面端でペン先とカーソルのズレは若干あります。キャリブレーションしても完璧にはやや遠い。特に縦と横で両立しない気がします。手書きしてる時はほぼ実害はないんですが、画面端のスクロールバーを操作しようと思うとちょっとズレが気になるかなって位(特にHiDPI非対応ソフトだとスクロールバーもちっさいので…)。

液晶が高解像度なので筆跡はとても綺麗です。それでいて特に遅延とかは気にならないレベル。かなり書き味は良いです。

ただ前のレビューにも書いた通り、標準スタイラスは本体収納できたり防滴だったりする関係で、短い、角張ってて持ちづらい、ボタンが硬くて押しづらいと長時間ゴリゴリ書くには厳しいレベルです。そこで(この機種も採用している)WACOMのfeelデジタイザユニット向けの専用スタイラスを購入しました。Wacom Bamboo Stylus feelというシリーズで普及モデルのCS300UKと上位モデルの同 carbon (CS400UK)があります。carbonの方はその名の通りカーボンファイバー調のデザインなのと、若干太くて重いという違いがあるようです。前者が2,000円台半ば、後者が5,000円強ってとこでした。また前者は白黒二色がラインナップされています。個人的にカーボン調はあまり好きではないんですが店頭で保ち比べてみた感じcarbonの太さ&重さの方がしっくり来たので思い切って投資しました(まぁ本体買ったポイントで買えたんですが)。ただしキャップは無駄に重いので外して使う感じです。またお尻側に消しゴムはついてませんが、サイドボタンをアサインしておけばいい感じです。

他にもCintiqなどのお絵かき用高級タブレットのペンの方がグリップ部分がシリコン的な柔らかいパーツになっていて疲れなさそうだったんですが、これも店頭で試した感じでは反応しなかったので諦めました。

ちなみに2760p付属のペンはサイドボタン、消しゴム含め普通に使えました。富士通からも少し前の機種用にLB-PN4という消しゴム付きのペンが出ていて2chに動作報告が挙がってたんですが、どこも品切れで取り寄せに日数がかかりそうだったので断念しました。

てことでペン自体の書き味は良好ですがもうひとつ困るのがパームリジェクションの問題です。本機はタッチでも反応するので、手の側面が当たった時に誤反応して線がひかれてしまったり、スクロールやズーム動作が起きたりしてフラストレーションが溜まります。タッチを無効化してペンだけに反応するようにするという設定はコントロールパネルからはできないようですが、デバイスマネージャーで「ヒューマンインターフェイスデバイス」->「HID標準タッチスクリーン」を無効にすればできました。ちと面倒くさいですが、ガチで仕事する時はそうするしかなさそうです。ただ、二本指スクロールとかは使いたい場面もあるんですよね。静電気を通さない素材の指ぬきグローブみたいなのが欲しいw。もしくは医療用のテーピングとかに使うアレとかはどうでしょうね。MetaMojiのNoteAnytimeなら仮想下敷きを手のひらの下に敷いて誤反応を抑制できますが、これはこれで操作がめんどくさいんですよね…

■手書きノートソフトあれこれ

ソフトの話が出たのでついでに書くと、手書きメモアプリの本命であるMicrosoft JournalはHiDPIに完全対応できてないらしく、UI周りが小さく表示されて若干使いにくいです。Word 2013も悪くないですが、筆圧の反応が良すぎて線幅がダイナミックに変化しすぎて文字記録としてはやや使いづらいです。あと記入済みの文字を投げ縄ツールで選択して移動、みたいなことの手軽さはやはりMS Journalが一枚上手です。NoteAnytimeは書き味などは悪くないですが、カスタマイズできる部分が弱くていまいちしっくり来ない。でもストアアプリの中では飛び抜けて完成度が高い印象。iOSやAndroidとも同期できるのは便利かも。OneNote 2013はペンとタッチを見分けてタッチでは線が出ないようにしてくれてるっぽいんですが、残念ながらスクロールやズームの誤反応は発生します。画面レイアウトなどの自由度は高く、もう少し色々いじって自分の用途に最適化できるか吟味してみようと思ってます。

σ(^^)の使い方だとWordとかで作ったインタビュー進行表が記録用紙も兼ねていて、そこに書き込んできたいわけですが、そのレベルではどれも対応しています。Wordはむしろそのままだし、JournalとOneNoteは専用の仮想プリンタ経由で出力可能。NoteAnytimeはじめ多くのストアアプリはPDFを下に置くことができます。

■格安のACアダプタ

ペン周りの話しから脱線。これも2ch情報ですが、同じ富士通製タブレット向けにドコモから出ているF07というACアダプタがそのまま使えたということです。2,000円を切るという半額以下の値段なので実家置き用に注文してみました。実家に直送手配したので試すのは年末年始になりますが、もし問題があればここに補足します。

全部入り感がスゴいARROW Tab QHの新型上位モデル QH55/M

今年の春に買った防水Windows8タブレットQH55/Jの後継というか上位モデルQH55/Mを衝動買いしました。

σ(^^)はユーザテスト系の仕事でタブレット端末で手書き記録をゴリゴリとります。それはもうiPadなどなかった時代、Windows XP Tablet Editionの頃から何台も渡り歩いてきました。こういう用途だとiPadなどの静電容量式のタッチパネルは全然ダメで、やはり電磁誘導デジタイザのついたものが必須です。QH55/Jは薄くて軽くいんですが静電容量式であり、あくまで長風呂でテレビ録画の消化のために割りきって買ったんですが、今度のQH55/Mは信頼のWACOM製電磁誘導デジタイザ搭載!しかも液晶が2560×1600!ってことで買い換えを決意。正直、白いデザインだけで完全にスルーしてたんですが(笑)、店頭で最近の電磁誘導式のVAIO Duo 11/13やdell、hpの機種をつらつらと眺めていて、「あれ?こいつこんなに出来るヤツやったんや!」と。見た目に囚われずちゃんとスペックをチェックしておけばよかった!まぁでも発売一ヶ月たって、初期ファームのクロックアップしない問題を修正されてたし買い時は今だったんや!と自分を納得させる。

■防水というオンリーワンに、更に全部盛りしてきた!

QH55/Jはトップクラスの薄さ&軽さに、防水というWindows8タブレットではオンリーワン(当ブログ調べ)の仕様を盛り込んだ尖ったモデルでしたが、電磁誘導ではない点がペンタブマニアとしては惜しかったし、ポート類がショボかったりメモリが2GBだったりという妥協/我慢の部分もありました。液晶も1366×768とまぁ可も無く不可も無くな解像度。

対してQH55/Mでは、

  • WACOM製電磁誘導デジタイザ搭載。専用ペンは内蔵可能。
  • メモリが4GBに倍増(ただし32bit OS)
  • CPUはAtom Z3770 (22nmプロセスルール、4コア、Intel HD Graphics内蔵のBay Trail-T)
  • USB3.0
  • 指紋センサ
  • 防水/防塵/耐薬品コーティングでアルコールとかで拭いてもOK
  • 650gとちょっと重くなった(QH55/Jは574g)

というのが主な違い。QH55/Jの時のAtom Z2760もAtomなのにデュアルコアでもっさり解消!って注目されてましたが、さらにクアッドコアでしかもGPUが大幅強化。高解像度化できたのもこれによるところが大きいようです。

USBポートが3.0になったことよりも、通常サイズのコネクタが直接刺さるようになったのが嬉しいです。QH55/JはmicroUSBポートに専用の変換ケーブルをかまさないとUSB機器はつながらなかったので。ちょっと現場でUSBメモリでデータ移したい、なんてのが気軽にできます。

Office 2013 Home & Businessは(Office 365契約しているので)別にいらなかったんですが、WEB MartでOffice無しにしたのと数千円違いだしあっちは納期未定だったのでまぁいいやと。ちなみにビックでヨドバシ.com価格に対抗してもらって、94,800円-10%で更にオマケでWindowsストアギフトカード5,000円分がつきました。正直Windowsストアギフトカードはあんま使い道ないけど(笑)、まぁ感覚としては8万円台前半。電磁誘導付き競合がVAIO Duo 11がi5でキーボードついて10万超え、DELLのVenue 11 Proがi3で8万という中で、液晶がフルHD->2560×1600になった上で防水という付加価値がついてくると思えばコスパは良いと思います。もちろんこっちはその分、Atomということにはなりますが、σ(^^)の用途ではDLNAで動画再生できて、手書きノートがスラスラ取れれば充分なので、液晶解像度方向にコストを振ってくれたQH55/Mはピッタリじゃないかと思ったわけです。

■ファーストインプレ

フットプリントはQH55/Jとほぼ同じなんですが、デザインと色の問題で一回り大きく感じます。QH55/Jはガラス面の外側にプラ製の外枠があり、更に湾曲しているので、ガラス部分が少し狭く見えるのに対し、QH55/Mは端っこまでガラスが伸びているんですよね。もちろん重さもリアルで重くなってるし。

前面がフラットで背面がカーブしているところと、このサイズ/重量感は初代iPadを彷彿とさせます。iPad Airを手にした後だとややズッシリという感じ。それでも今まで仕事でノート取りに使ってたコンバーチブル型の2760pが1.8kgあったことを思えば羽根みたいなもんですw。

不便なのは充電クレードルが別売りになった点。やはり端子の防水キャップはあまり頻繁に開け閉めして劣化されたら嫌なので数千円出して注文することにしました。ただ、出先で使う時にクレードルがなくても直差しで充電できるのは改良だと思います(QH55/Jはクレードル必須だった…)。

液晶はMacやiPhone/iPadでRetinaディスプレイに見慣れた目でみても充分綺麗です。ただフォントが微妙だったり、一部ソフトでボタンが異様に小さかったり。この点は後述します。とりあえず色温度や視野角とかは問題ないと思います。

指滑りも問題ないですが、この超撥水を謳う保護フィルムが気になっています。お風呂で使うと水滴が画面に残って、都度タオルで拭き取ったりしてますが、それがコロコロ落ちてくレベルだといいなぁ。どうなんでしょ?

このサイズのタブレットでは珍しくストラップホールがついてました
。σ(^^)はとりあえず使わないですが面白い試みですね。

目下の一番の不満はペンです。本体に収容することを考えると致し方ないんですが、四角く角張ってて全長も短い上に、ボタンがやたら硬くて押しづらいです。他機種のペンは使えなかったという書き込みも見ましたが、2760pのペンはボタンも含め問題なく使えるようです(実際WACOMのコントロールパネルがまんま入ってる)。いずれ2760pは売却してしまうとして、なにか良いペンを調達しようと思います。


■WindowsのHiDPI対応

今回初めてWindowsでHiDPI(Retina)液晶の機種を買ったわけですが、OSXと違いきっちりとした統一的な扱いがあるわけではないのか、やや挙動がカオスな印象です。「画面の解像度」コンパネをみると普通に2560×1600になっていま(「(推奨)」とついてる)。普通に10.1インチのこの解像度を出したら全てが豆粒みたいな見た目になってしまうはずですが、Explorerのアイコンやメニューなんかは普通の大きさで見えています(字が超綺麗)。これは同画面から「テキストやその他の項目の大きさの変更」に進んだところにあるスライダーが目一杯「大きくする」側になっていて固定されているせいだと思います(他のWindows8.1機だと逆の「小さくする」になっていて「推奨」と出ている)。「すべてのディスプレイで同じ拡大率を使用する」チェックボックスをONにすると、

  • 小 – 100%
  • 中 – 125%
  • 大 – 150%
  • 特大 – 200%

が選べるようになり、特大が選ばれています。これを「小 – 100%」にすると、2560×1600という27インチモニタ以上の表示を10.1インチにギュっと詰め込んだ感じの「ちっさ!」って感じの表示になるわけです。まぁここまでは単純な話なわけです。

ただこの拡大率変更にアプリ側にもなにかしらの対応が必要なようで、例えばブラウザではIE11、FireFoxは問題なかったものの、Chromeなどはフォントがガタガタになっていました(画像はクリックで拡大できます)。

ie chrome
IE11 Chrome (標準状態)

ググるとChromeのHiDPI対応はまだ実験的なようで、chrome://flagsを開いてHiDPIサポートを有効にする必要がありました。しかも、それでもまだ対応が不十分で、ラジオボタンやチェックボックスといったUI部品が豆粒のままですw。当面はIEかFireFoxを使っておくのがよさそうですね。

chrome_hi

他にも、画像パーツだけ小さいままなソフトが(MS Journalみたいな標準ソフトですら!)散見されます。各拡大率ごとにビットマップリソースを用意するとか対応コンパイラでビルドするとかいった対応が必要なんでしょうね。ストアアプリなら最初からそうした仕組みを強く意識して作られているんでしょうが、デスクトップ向けで数年以上前のソフトなんかは危なそうです。

 

長くなったのでとりあえずここまで。別途、デジタイザペンの書き心地と、動画再生周りについてレビューしたいと思います。

USB端子の電流/電圧計でケーブル、充電器の品質チェック

先日ネットで見かけた1,000円前後で買えるUSBポートの電流/電圧チェッカーを買って見ました。

USBポートは規格上5Vの電圧を出力することになっており、多くの携帯デバイスはが充電に使っており、USB互換端子のついた充電器も数多く販売されていることはご承知の通りです。

しかし、見た目同じUSBポートでも充電器の性能によって一度に流せる電気の量が異なっていて、デバイスの充電時間に差が出てきます。仕様上の最大出力は充電器のどこかに「1A(1アンペア)」とか「1,000mA(ミリアンペア)」などという形で書いてあります。スマートフォンで一般的なものは1A前後で、例えばiPhoneの純正充電器も1Aですし、これより低い0.5~0.7A程度のものだと完全に空の状態からは充電自体できなかったりします。古いもの、安いもの、小さいものはそうしたものもあるので買う時には気にしてみたり、どうも使っているのは充電が遅いとか一晩刺しておいたのに充電できてなかった!なんてことがある人は一度確認してみて下さい。

さて、こうした仕様は充電器やその箱に書いてあるのですが、粗悪な製品だと実際にはその数値まで出なかったり、またケーブルの善し悪しによっても左右されるといいます。そこでこうした実際の電流値が手軽に測れるチェッカーの出番というわけです。

charger_1
charger_2

本製品はUSBポート専用のチェッカーなので充電器とケーブルの間にはさむだけで一切の操作は入りません。通電すると自動的に計測が始まり、1秒サイクル位で値が更新されていきます。また電流と電圧が数秒サイクルで切り替わります。電卓でよくある7セグ表示なのでちと読みづらいですが、写真は最後が「A」つまり電流値を示していて、0.67Aが流れていることがわかります。

Appleの純正充電器&ケーブルの割にはやや低い値ですが、どうもこれはiPod touch 5th側の仕様っぽいです。iPhone5sだと0.9以上の数値が出ます。電池残量によっても違うのかも知れません。電圧は5.07V位。

他にも手近にあった充電器やケーブル、デバイスをとっかえひっかえ試してみました。きちんとしたデータをまとめる気力はなかったですが、全体的な傾向としていえそうなのは、

・長いケーブルは如実に落ちる

やはり電気抵抗が大きくなるせいか、1m程度のケーブルでも0.7A前後のものが多いです。逆に10cm、15cmといった短いものだと1.0Aきっちり出ます。

特に左の写真の数年前Kindle DXに付属してきて、もはや被膜が硬化して触るはじからボロボロはがれてくるレベルのものはダメダメでした。実は一番使用頻度が高かった位なんですが、この機会に処分して30cmのものを代わりに注文。

・モバイルバッテリーは不安定

別に実害がある話ではないですが、モバイルバッテリーを充電する時は電流値は結構変動します。ウチにあるバッテリーがたまたまなのかも知れませんが、0.6台から1A超えまで表示が切り替わる度に数値が変動するので、この数値、と言い切るのが難しいです。逆にiPhoneやNexus7だと比較的一定で落ち着くようです。

・純正品はやはり良い

長いのはダメだと書きましたが、iPhoneやNexus7に付属しているものは1m以上あってもあまり電流値は落ちないようです。また電圧もサードパーティ品が5V切って4.8~9程度なのに対し、これらは5.1V近く出ています。お高いなりの品質ってことですかね。

・Nexus7は充電器、ケーブルを選ぶ

難しいのはNexus7です。今回のリサーチの動機として「どうもNexus7 (2013)は充電が遅い気がする」というものがありました。ちゃんと2.0AポートがあるBUFFALOの4口充電器の2Aというポートに挿しているにも関わらずです。測ってみるとなんと0.5A弱しか出ていません!試しに1A出力のKindleDX付属充電器につなぎかえてみるとこっちは1A位でます。たまにあるんですが、充電器ときちんとネゴシエートできないと1Aを受け取らない(要求しない)タイプの充電制御をしているのでしょう。

仕方ないので枕元の充電器を未開封だったNexus7付属の純正充電器(出力1.3A)に交換。ところがこれでも0.5Aのまま!更にケーブルも付属のものに交換するとついに1Aで充電し始めました。枕元で使っていたmicro USBケーブル(1m)がNexus7とのネゴシエートを阻害していたようです。てことは充電器はBUFFALOのものに戻して平気なのかも知れませんが、別の2Planexの2.0A出力充電器+大丈夫なケーブルで試した時も0.5Aだったので、もう純正の組み合わせが無難そう、ってことで試してません(ベッドのマットレス直しちゃったので試すのめんどくさい…)。

 

今回の調査で、よりによって一番ガジェットの充電をしている、リビングの充電コーナーと枕元の両方のケーブルがイケてないことが発覚しました。単純計算で4割ほど充電効率が違ってくることになります。基本は寝る時につないで放置なので体感でどの程度差を感じられるかわかりませんが、気持ち的には満足感高い結果となりました。

ケーブルの基本ではありますがやはり「無駄に長いものは使わない」ってことですね。また、どうせすぐヤフオクに出すからとなるべく純正付属品を温存しようとしたり、規格さえあってりゃ10円でも安いのを買う、といった習慣を改めるべきだと思いました。オーディオマニアの人がケーブルにこだわる理由もちょっと裏付けられた気がします(もともとσ(^^)は聞き分けられなくてもちょっと御高めのケーブル買っちゃうスペック厨ですけどw)。