寝ホンとしてLinkBuds Fitを買ってみた

TWSイヤホンの買い増しです。

最近、寝る時に入眠用BGMやASMR音声コンテンツを聞いています。入眠時の導入効果もさることながら、耳栓(に相当するカナルイヤホン)をすることでのノイズ遮断効果で中途覚醒が減らせる感覚があります。我が家は寝室に猫が出入りしたりフェレットのケージがあったり、空気清浄機が割とうるさかったり、自分がSAS(睡眠時無呼吸症候群)でCPAP治療器のポンプ音がしてたりとノイズが多く、それらを遮断することで深く眠れるのではというわけです。

古くはBOSEのSleepBudsを活用。

これは機能を絞ることで超小型化しており装着感は抜群ですが、やっぱり自前の音楽コンテンツを聞きたいなということで最近は休眠中。

次にAnkerのSoundcore Sleep A10を購入。これも装着感はまずまずでしたが音がスカスカでイマイチでした。後継モデルのA20が発売されていて音質も多少改善されているようですが、購入には至っていませんでした。

そして次に買ったのはagのCOTSUBU for ASMR/3D。これは音質的にはかなり満足で、サイズ的にもギリギリ寝ホンとして使える感じ。1万円以下で買えることを考えるととてもコスパの高いモデルです。

耳を枕に押しつけると少しだけイヤーピースが耳穴に押し込まれる感がありました。あと朝起きると外れてて探すのが大変だったり、ちょっとだけ耳汁が気になることも。それでも使っていたんですが出張に持っていってから行方不明。ホテルで出そうと思ったら見付からず、ホテルか自宅かどちらで紛失したのかわからないまま。そして執筆時点でメーカー品切れにつき再購入もできず。

■LinkBuds Fit登場

そんな折り、SONYのLinkBudsシリーズに新モデルFitが発表されました。LinkBudsシリーズは穴開きイヤホンで外音を自然に聞きながら音楽視聴ができることがウリでした。私も当然のごとく初代モデルは購入したんですが、どうにも耳にフィットせずポロポロと落ちてしまう。はじめて自転車移動に持ち出したところ、いきなり転がり落ちて歩道脇の植え込みの中に紛れてしまい探すのに苦労しました。音楽を最大音量で鳴らしながら地べたにはいつくばって耳を澄まして探す羽目に…

初代はそれがトラウマでほとんど使わないまま死蔵。先日オークションで処分しました。

LinkBuds系はその後いくつかの穴空きタイプの後継を出した後、今回Fitを発表。特長として、

  • 穴空きではなく傘型のイヤーピースに
  • 外音取り込みはマイクを通した電子タイプ
  • LDAC対応でハイレゾ相当音質
  • ノイズキャンセル搭載
  • ウイング型のシリコンカバーで落ちにくく

といった点を売りにしてきています。音質やNC面でフラッグシップの1000XMシリーズは3と4を使ってきましたが、5は少なくとも寝ホンにするには突出しが大きすぎるのでスルーしていましたが、少しNC世代は交代するものの音質面でも期待でき、角がとれた形状で寝ホンとしてもギリギリ使えるんじゃないかということでLinkBudsシリーズに再入信するか?と検討候補になりました。

ただ用途が用途だけに試着せずに購入するのはリスキーだったので予約は見送り発売日を座して待つことに。

発売日だ、店頭へGo!

発売日だったか翌日だったかに早速店頭に。ヤマダはケース展示だったので安定のヨドバシへ。装着状態で耳を手の平やハンカチで押さえてみる限りはなかなかヨサゲ。COTSUBUよりは明らかに大きいですが、突き出し部が形状的に丸みを帯びているのでそこまで気にならなそう。イヤーチップもXM系のような耳穴の奥までグイグイ入れるタイプではないのも効いてそう。音質も睡眠用とは違ってしっかり音楽が聴けるレベルに低音も出てます。NCも寝室レベルなら充分そう。

一方で期待外れというか、やっぱりなというのはマイク。その場(店頭)で自分のスマホにペアリングしてDiscordでパートナーに通話かけてみたところ「何言ってるかわからん」と言われる。よくスーパーやホームセンターで別々に巡回しながら通話するんですが、そういう用途にはやっぱりダメそう。これは過去にマイクに定評のあるAirPods ProとかXM4もバッサリ却下されていて、口元に伸びるマイクブームのついたShokzのOpenCommしか勝たんという状態。どんなにソフトウェア処理でノイズ除去しようが、口元への物理距離に勝るものはなしという感じですね。まぁ寝ホンとして買うなら別にいいやと。

比較的早い段階で購入を決めたものの、悩んだのはカラー。どれも捨てがたい、というよりは消去法でも決めてに欠けるという感じ。ようは欲しい色がない!

  • 黒:もうあらゆるガジェットで黒買いすぎて、イヤホンくらいは違う色が欲しい。またホテルでベッドの下の暗がりに転がりこんだら見つけづらそう
  • 白:ホテルのシーツの上で見つけづらそう
  • 緑:ちょっと薄すぎ。メイン機のBeats Fitともカブる。
  • 紫:濃すぎ。アーティストコラボモデル?Olivia Rodrigo?ごめん知らんワイが買っていいの?

という感じ。寝てる間に外れてどっかいく前提ですが、やはり白と黒は忙しい朝にイライラしそう。自分はド近眼なんですが、できるだけ身動きしないで首周りを探すのが良いと思っているので、目立つ色がいいかなと(そもそも外れないならここは除外できますが、購入時点ではわからず)。

あと白と緑はケースの上蓋がマーブルになってるのもちょっとオッサンが持つには抵抗アリ。わざわざシリコンカバーで隠すのも悔しい。

XMシリーズみたいなオッサンベージュがあれば迷わなかったんですが、LinkBudsはもう少し若い人、アクティブ層向けなんでしょうけど、どれも刺さらず。オプションのシリコンカバーのカラバリもベンチ座ってシミュレーターで延々試したけど「これならば」と言える組み合わせは見付からず。結局初日は決めきれずに撤退。

それでもCOTSUBUが発見できず、なんらかの寝TWSホンを早急に買いたい、となった時に他に候補が見当たらず、諦めて紫を購入しました。ちなみに公式参考価格29,800円がヨドバシで緊急値下げで26,400円。さらに10%ポイント還元。さらにさらにSONYの「冬の音ロトキャンペーン」なるもので3当2,000円キャッシュバックが当たりました。実質21,760円くらいでゲット。

■ファーストインプレ

ケースはこんな感じ。フタ側は艶々の光沢。下側はマットな感じでちょっとアンバランスな気がします。特にフタ側の光沢処理は指紋もキズも付きやすそうであまりいいことはないかなと。

パカっと開けるとこんな感じ。まぁ出し入れのしやすさは普通。ただ傘型のイヤーピースは耳からひっこに抜いた時に、裏返ることが多くて(台風の日の傘みたいな感じ)、それを直してからでないとセットできないのでひと手間かかります。

そして本体の奥行き感がこんな感じ。イヤーピースは最初に装着されていたもの。スペック表をみてもこの方向の厚みというか奥行きは記載がなくて、現物試着必須でした。

極薄ということはないですが、角がなく丸みを帯びた形状をしていることで、枕などとの接触を適度にいなしてくれている印象。枕とまったく干渉しない!とまではいかないですが、COTSUBUと比べてもひかっかりは少ない印象。

ただ布地と擦れた時にノイキャンや外音取り込み時の処理が誤爆して雑音がのりがち。特に外音取り込みモードはかなりしんどいと思います。あと電子処理関係なくシリコンパーツがつぶれて空気が抜けるような音もします。それでもまぁNCモードだったらほぼ気にならないレベルかなと。

音質はとても良好です。Soundcore Sleep A10とは比べものにならないくらい全域しっかり聞こえるし、COTSUBU for ASMR/3Dと比べてもASMRコンテンツの臨場感に遜色はないと感じます。DSEEのおかげか、Youtubeなどの比較的音質がよろしくないコーデックのコンテンツでもかなりいい感じに聞こえます。

気になったのはバッテリー保ち。カタログ値で「最大5.5時間 (NCオン) / 最大8時間 (NCオフ)」なので、NCつかって寝ると朝までは保たない感じ。毎日空っぽまで使ってフル充電して、と充電サイクルが増えると寿命が気になります。XM4みたいにバッテリー劣化が問題にならないことを祈るばかり。しかも電池が切れたり切れそうになったりすると音声でアナウンスが流れるのが余計。そのまま寝かせといてくれ、と…(メッセージ個別ではないですがアナウンス音量調整とON/OFFは設定できました)

またCOTSUBU for ASMR/3Dのよかったのは枕に押しつけて使う際にタッチUIが誤動作しないよう、5回タッチでASMRモード(タッチ無効化)に切り替えられた点。本機はスマホアプリからでないとその手の設定が変更できません。ただ今のところワイドエリアタップ(イヤホンではなく周辺の肌をタップできる機能)も含めて、枕による誤タッチは起きてないかなと思います。その分、音量が4回以上連続タップとかやや煩雑ではありますが。誤動作を気にしなくていいならワイドエリアタップはなかなか便利です。

その他、少し気になったのは音量レベルの1ノッチの変化量がやや大まかすぎる点。ちょっと聞こえづらいなと思って1段階あげると「でかっ!」ってなる。その真ん中くらいがいいのよ!がいいのに…と思うことがしばしば。

■まとめ

寝ホンといえばとにかく小型化優先で、NCとかLDACとかは諦めるしかなかったんですが、ギリギリ使えそうな本機が登場してくれたことは喜ばしいです。シリコンのウイングの効果か、朝耳から外れて行方不明ということも今んところなく、だったら白でも良かったかなとか。

最悪ダメだったらこういう枕でも買おうかとも思ってましたが、今のところ保留でよさそうかな。

SONY INZONE BudsがWindows11で音が出ない時の暫定策

ジムでデスク付きバイクで漕ぎながらゲームをするのに良いイヤホンが欲しくなってSONYのINZONE Budsを購入しました。

細かい経緯や感想は後半にダラダラ書くとして、とりあえずWindows11で音が出ない現象でハマったのでメモを残しておきます。きっと経緯や感想よりも役に立つはずw

現象としては、Windows 11(23H2)にて、

  • INZONE Buds – Game(ヘッドホン)
  • INZONE Buds – Chat(ヘッドセット、イヤホン)
  • INZONE Buds – Mic(マイク)

という3つのデバイスは認識され、マイクで音声は録れるものの、両スピーカーから音が出ない、というトラブル。特定のアプリがというレベルではなく、Windowsのシステム音量スライダーを動かすたびに「ポーン」って鳴るアレすら聞こえません。もちろん出力デバイスを「既定」からGame、Chatを個別に選択してもダメ。音もならないし、その状態でブラウザでYoutube動画を再生するとグルグルになります(音声デバイスとして応答してない?)

結論を先に書くと、現時点で設定ソフトINZONE Hubをインストールすると自動的に導入されるドライバーを消したら鳴るようになりました

スタートを右クリック→デバイスマネージャーを開き、「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」セクションを開いて、「INZONE Buds – Chat」と「INZONE Buds Game」それぞれのプロパティを開いて(ダブルクリック)、「ドライバー」タブにいって「ドライバーを元に戻す(R)」をクリックします。元に戻す理由を問う質問に適当に回答して実行します。Windowsを再起動するよう言われるかも知れません。

写真は元に戻したあとのもので、ドライバーのプロバイダーがMicrosoftになっています。設定ソフトであるINZONE Hubを入れて再起動した状態では、ここがSONYになっていると思います。どうもこのドライバーが問題っぽいです。バージョンはそれぞれ1.0.24.61、日付が2023/07/06です。

なお別PCでは「ドライバーを元に戻す」がグレーアウトして押せない状態でした。この場合は「ドライバーの更新」の方を選び手動で切り替えることでもいけました。「→コンピューターを参照してドライバーを検索(R)」を選び、「→コンピューター上の利用可能なドライバーの一覧から選択します(L)」と進み、「USBオーディオデバイス」を選択して「次へ」でもいけました。

検証の為他のPCで試したところ、最初は音が出ていたのにINZONE Hubを入れた途端に再現したのでもしやとドライバーだけロールバックしてみたらビンゴでした。ちなみにドライバーがMicrosoft製の状態でもINZONE Hubからの各種設定は使えているっぽいです。もし同じ現象が出ていたら試してみてはいかがでしょう?

今後のアップデートで直ると良いんですが。また進展あったら追記します。

ちなみに現象が出たPCはRyzen 9 + X570チップセットと、Ryzen Z1 ExtremeでどちらもAMD製CPUでした。偶然かも知れませんが。

■購入経緯

では、誰も得しない経緯のメモとレビュー。

最近、ChocoZAP(ジム)でデスク付エアロバイクを漕いでいます。デスクの上でタブレットやPCを置いて作業や読書、ゲームができるんですが、そこで先日買ったLEGION GOを使ってゲームをしたいなと。そしてその際にDiscordで通話もできると良いなと考えました(24時間営業で夜中に行くので大抵貸切状態)。持っていくのが大変なのでヘッドフォンは除外。ジム通いバッグのポケットにコンパクトに入れていけるものがいい。

最初今もっとも活用しているBeat Fit Proで参戦したんですがほとんど聞こえないと言われ、その他の手持ちイヤホン(ヘッドセット)を現地に持ち込んで聞こえ方を比べてもらいました。結果としてAirPods Pro第三世代と、ブームマイクがついたOpenCommが聞こえやすいよと。なるほど、TWSでありながら複数マイクを搭載してソフトウェア処理で音声をクリアにしているのでしょう。そしてそこまでの仕込みはなくてもやはりマイクが口元近くにある機種は強い!ただその日はAirPods Proは途中からつながらなくなってしまったり、OpenCommは骨伝導タイプなのでゲーム音質としては残念な感じだったりして、結局コレ!というソリューションには至りませんでした。

そもそもゲーム用としてやはりBluetoothは遅延が懸念されまる。高音質なコーデックに対応したヘッドセットを使ったとしても、大抵はマイクを使おうとした途端にHFPプロファイルに切り替わってしまい、スピーカー側のコーデックもSBCとかビットレートの低いものになってしまいます。

当初、どのみちコントローラーとしてDualSense Edgeはもってくので(LEGION GOの脱着型コントローラーはちょっと無理だったw)、そのイヤホンマイク端子にブームマイクのついた適当なイヤホンマイクを挿して使おうかなとも考えました。

【純正品】DualSense Edge ワイヤレスコントローラー(CFI-ZCP1J)

【純正品】DualSense Edge ワイヤレスコントローラー(CFI-ZCP1J)

31,200円(11/21 23:40時点)
Amazonの情報を掲載しています

ここらへん。

ただDualSense EdgeをUSBでWindowsにつないだ場合、イヤホンマイクもUSB経由のUSBオーディオ扱いになるのかよくわからなかったし、品質も未知数だったので躊躇。PC->コントローラー->イヤホンと有線で多段接続するのも煩わしいな、とか。

そうした経緯で選定したのがINZONE Budsです。INZONEはSONYが少し前に立ち上げたゲーミングブランドで、PlayStationに限らずPCも視野にいれた製品群が特徴。先行してヘッドフォンのHシリーズがリリースされています。USB-Aの専用ドングルが付属しており、GameとChatの2つの音声出力仮想デバイスがPCに認識されます。ゲームの音とDiscordなどのチャットの音を別々に流してやることで、ヘッドフォン上のダイヤルでバランス調整をすることができます。またドングルとヘッドフォンの通信は2.4GHzではあるもののBluetoothではない独自プロトコルなのでBluetoothにつきまとう遅延や低音質プロファイルからは逃れられます(PC用ドングルとは別にBluetoothも使えて、例えばチャットはスマホでする、みたいな使い方もできます)。自分はH9を自宅ゲーム用に使って来ました。

デザインとマイクの評判はイマイチというかまぁあくまで通話用というレベルなのが難点ですが、アィティブノイズキャンセルもSONYの音楽用ヘッドフォンの流れを汲んで優秀で気に入ってます。

そしてヘッドフォンタイプのHシリーズから遅れて登場したのがTWS(完全ワイヤレスイヤホン)対応タイプのINZONE Budsです(ちなみに色はブラックとホワイト(ツートン)があり、後者をチョイス)。

付属のドングルがUSBフラッシュメモリぽい形状でUSB-Aだったものから薄く平べったい形状になり端子もUSB-Cに変更されました。組み合わせて使用するLEGION GOにはC端子しかないのでうってつけです。

右が従来のUSB-A型ドングル(INZONE H9用)、左がUSB-C化したドングル

USBドングルを使用した場合のできることは基本H9と同じ。アクティブノイズキャンセルもありますし、GameとChatのデュアル音声出力デバイスとなっています。

Bluetoothも一応搭載していますが、BLEというレアな規格のみの対応になってしまったため、現状ではXpreriaの最新モデルなどごく一部の端末しかペアリングできないようです。iPhone 15シリーズでも無理。iPhone 15シリーズで使いたい場合はUSB-Cでドングル経由になり、たぶんGame/Chatの使い分けはできず単一のUSBスピーカーとマイクとしての認識になると思います。「PS5にUSB経由でゲーム音声、スマホにBluetoothで通話」という使い方をするにはやや厳しい後退です(後々BLE対応のスマホが増えてくれば進歩ではあるんですが…)。

自分の使い方(PCでゲーム音もチャット音も)にはBluetoothは不要で、むしろ音質や遅延に難があるBluetoothを一切使わないというのが刺さりました。都度ドングルを挿す手間やUSBポートが塞がれることはデメリットですが、まぁ音質には代えがたい。マイクもAppleと競うSONYなので期待(これは今後の相手側からの評価待ち)。

ちなみにDiscordで試した限りでは少し声が途切れがちでしたが、「エコー除去」をオフにしてやったら改善しました。

それでもファーストインプレとしてはAirPods Proほどは明瞭に声を拾えてない気がします。やっぱあれは別格。Beats Fit Proでも頑張って欲しかったw

■まとめ

ワイヤレスイヤホンはありとあらゆるブランドから出ていますが、ゲーミング用を謳う中でも2.4GHz帯の独自ドングル、専用プロトコルで通信することでBluetoothのクビキから放たれることができる製品は数えるほどしかないんじゃないかと思います。さらに優秀なANCがついてると本当にレア(ASUSが発表はしてますね)。

とりあえずWindows 11で音が出ないという最悪のトラブルはドライバーの削除で暫定的に回避できました。SONYのアップデート対応に期待。

快適なモバイルゲーム環境を構築して、ジム通いのモチベーション維持に役立てていきたいです。

メインPCのオーディオ環境を刷新 SoundBlaster X5 + MDR-MV1でバランスデビュー

先日調子の悪かったデスクトップPC用のスピーカーAudioengine A2+を買い換えました。

その絡みで、ずっと電源を入れてなかったミキサー兼オーディオI/FのAvermedia Nexus AX310を久しぶりに立ち上げて再設定。

これはXLRマイク入力、ヘッドホン出力があり、LINE出力でA2+にも音が出せるので、手元でマイクやスピーカー、ヘッドフォンを集中管理して音量調節をツマミでサッとできるようにしたいなと思い。

が、しかしなんとこいつ、ヘッドホン出力とLINE出力を別個で調整できなかった。厳密には付属アプリからは独立の音量調整できるんですが、せっかくのツマミは入力系のみで、出力には使えない。ヘッドフォンに音量ツマミはなく、スピーカーも背面にツマミがあって普段から使う想定ではないので、オーディオI/F側で調整したかったんですが。

同様に、手元にあるZOOMの6chレコーダー兼オーディオI/FのF6もヘッドフォン音量ダイヤルはあるものLINE出力はメニューの深いところに入らないと無理。

ZOOM (ズーム) 6chフィールドレコーダー F6

ZOOM (ズーム) 6chフィールドレコーダー F6

92,891円(11/21 16:16時点)
Amazonの情報を掲載しています

まぁLINE出力が可変出力な方が珍しいので仕方ないかもですが、自分の理想とする操作系にできず急激にモヤりだしました。理想は、

  • MacとWindowsのどちらかも使え、サクっと切り替えできる(これ自体はUSBスイッチで実現)
  • ヘッドフォンとスピーカーをサクっと切り替えできる
  • これらの音量も同じツマミで調整できたらいいな
  • 更に普段の打ち合わせではBluetoothでShokz を使って、これも同列で扱えると素敵

みたいな感じ。

■多才なオーディオI/F SoundBlaster X5

公式サイト専売なのでAmazonのリンクを貼れないのですが、こちらの動画が公式にも貼られるほどわかりやすく特徴をまとめておられるので写真代わりにリンク。

Sound Blasterというブランドは自分が学生の頃からPCのサウンドカードで定番中の定番だった老舗。令和の世に買うとは思わなんだw。とはいえオッサンには内蔵用のPCIカードのイメージ。こちらのX5は外付けのUSB DACです。特徴としては、

  • 32bit/384kHz ハイレゾ対応DAC(USBオーディオデバイス)
  • マルチソース間のミキサー
  • 各種EQやエフェクトが使えるDSP
  • バスパワー駆動
  • LINE入出力
  • 4.4mmバランスヘッドフォン出力(普通のアンバランス3.5mmもある)
  • Bluetooth対応(設定アプリの通信用とA2DP/ハンズフリープロファイル)
  • USBホスト機能
  • PCの他にPS4/5/SwitchといったUSBオーディオ出力対応のコンシューマーゲーム機にも対応(公式に謳ってるのはPS4/5のみ)

という感じの、ミキサーなどの入ったゲーミングオーディオデバイスながらハイレゾ、バランス出力などオーディオ機器としてのスペックもなかなか高い、でも39,800円となかなかお手頃な価格の製品です。

特にユニークだなと思うのがBluetoothとUSBホスト周り。USBクライアントとしてPCやゲーム機にぶらさがりつつ、同時にスマホとつないで専用アプリからの操作を受け付けたり、ハンズフリー通話デバイスとして振る舞ったりできます。PS5などのゲーム機にぶらさがった場合、PC/Mac用の設定アプリが使えないわけですが、そのかわりにスマホから制御してあげれば音質設定できてしまうというわけです。またPS5は最近Discordクライアントに対応してしまいましたが、SwitchやPS4でプレイしながらスマホのDiscordの音声もミックスしたり、マイク音をそちらに送ったりができるわけです(まぁ自分はしないと思うけど)。逆にこいつからShokzのようなBluetoothクライアントをマイクやスピーカーにはできないですが、実はそれもUSBホスト機能でたぶんなんとかなります。

ということで、背面にあるUSB Aポートがホスト端子です。ホストとは通常PCなど本体機器のことを指します。こいつはホストに対してクライアントとしてオーディオデバイスとしてぶら下がる一方で、更に別のオーディオデバイスをぶら下げることができます。例えば、手持ちでいえばSONYのINZONE H9みたいなUSBドングルを使うヘッドセットがあります。

このUSBドングルを背面のUSBポートにさすと、X5がホストとなりH9を外付けスピーカーとして認識するという具合です(マイクは無理そう)。別にワイヤレスドングルでなくても有線のUSBヘッドセットでもいいし、BluetoothアダプタでもOK。ようはPCからみてUAC(音声入出力、最大5V/100mA)なデバイスに見えるものなら認識できるということっぽいです。多分ですがWebカメラとかのマイク部分だけは使えたりするんじゃなかろうかと。実際にINZONE H9で試したところちゃんと音が出ました。音量はメインボリュームに連動っぽくて操作する要素は一切なさそう。スピーカー/ヘッドフォンと同じ音が同時に出ます。標準のヘッドフォン端子とUSB経由でペアで2つのヘッドフォンでゲームする、とか動画みるとかカップル向けですかね(違。

ともあれINZONEのような2.4GHz帯を使った専用無線ドングルを使ったオーディオデバイスはBluetoothよりも遅延が少ないので、ワイヤレスで使いたい場合は良い選択肢かも知れません。実際、Youtubeの音ズレチェック動画でみた限りでは遅延は気にならなそうです。音ゲーはわからないですが動画編集は普通に違和感なくできるんじゃないかと。INZONEのマイクは認識してなさそうでした。またNT1 5th Genも液晶に「USB DEVICE NOT SUPPORTED」みたいなエラーが出てダメっぽい。マイクの対応要件はちょっと厳しいかも。せっかくなのでNT1もこれ経由で使いたかったんですが。

外観レビュー

めちゃめちゃ高級感があるというほどでもないですが、値段相応程度の質感は保ってると思います。ボリュームノブもたぶん樹脂製ですが適度に重くて使いやすい。LINE、USB、光系の端子はすべて背面ですが、ヘッドフォンとマイクは前面。個人的には据置なのでヘッドフォン系も背面にして前面をスッキリさせたかったなという気も。いくつものヘッドフォンを使い分ける人には便利なんでしょうけど。デカイプラグが手前に突き出るのがイヤで後述のバランスケーブルはL字コネクタのSONY製のものにしたくらい。

もしXLRなどのついた上位モデルを出すのであればディスプレイもフルドットにしてほしいなくらい。あと各ボタンの表示ラベルも自発光だと見やすくていいなとか。

機能レビュー

WindowsのCreative Appがデバイスを認識してくれず、最新版から1つ前の1.16.15.0にしたら上手くいきました。この状態でASIOドライバーなどがインストールされるので、もしかしたらここから最新版にアップグレードすればちゃんと動くかもですが、面倒なので一旦そのまま。

Bluetooth経由のスマホアプリとUSB経由のWindowsアプリは同時使用可能で、ちゃんと片方で音量をあげるともう片方のスライダーも連動して動いてくれます。むしろ本体のボリュームツマミは動かない…例えばノブのマークが天辺、つまり真ん中を指すようにした状態で、アプリのスライダーは50%になります。これを100%まであげると当然ノブは50%位置のまま。そこからノブで下げていくと、50%位置を100%(-0dB)として下がっていきます。まぁノブでの音量変化量が急激にかわると危ないので仕方ないんでしょうね。だったらAVアンプとかである0%や100%位置で止まらないで無限に回る系のノブにしてほしい気もしましたが、コスト高くつくんですかね?まぁ音量はノブでしか触らないようにすればいいかなとも思いますが、この音量ってPCの音量スライダーにも連動するんですよね。こっちはちょいちょいいじってしまいそう。あとスマホアプリからは触れない機能もあるっぽいので完全互換とは行かないです。

ヘッドフォンとスピーカーを本体前面のボタンで切り替えられるのも想定通り。ヘッドフォンとスピーカーの音量値は個別に記憶されているらしく、切り替えるとWindowsの音量設定も切り替わります。スピーカーにした途端に爆音、みたいな事故も防げてよさそう。EQやAcoustic Engine(サラウンドや会話強調、自動音量調節などのDSP機能)もヘッドフォンとスピーカー個別にかけられます。

ミキサーの設定はこんな感じ。

配信用ミキサーとして残念なのはUSBオーディオ出力デバイスとしては「Sound Blaster X5」という単一のもののみ。YAMAHAのZGシリーズはAverMedia NexusのようにSystemとChatみたいに別トラックとして出力してミキサーでバランス調整、みたいなことはできないようです。

左下の「モニタリング」の各スライダーは自分(スピーカーorヘッドフォン)のモニタ音量におけるBT/SPDIF/マイク/ラインの各入力のバランスを整えるもの(PCに送られる音量には影響なし)。

で「レコーディング」の側はPCからみて入力デバイスに返す際の音量ですが、こちらは単一トラック(仮想デバイス)ではなく、「SPDIFインターフェイス」「ライン」「マイク」「再生リダイレクト」とソース毎の個別仮想デバイスがあるという仕様。本体前面のミュートボタンやマイク音量ツマミはこっちの「マイク」に影響します(逆に自分用の「モニタリング」には影響しない)。またUSBホスト機能で接続したUSBマイクの音量もこの「マイク」スライダー(フェーダー)で調整されます。試せてないですがBluetoothでHFPでつないだ場合もそうかかな?

「再生リダイレクト」がようはスピーカー/ヘッドフォンに出力される音がそのままPCにリターンする仮想入力デバイスみたいです。「モニタリング」側のミックス設定やエフェクト類も反映されていると思われます。つまりPC側で取り出せるのは、

  • SPDIF入力の原音
  • ライン入力の原音
  • マイク入力(アナログ/USB/Bluetooth?)で、おそらくCrystalVoiceエフェクターを通った音
  • 再生リダイレクト=各ソースの音が「モニタリング」のミックス結果と各種エフェクターを通した音=スピーカー/ヘッドフォンで聴いてるのと同じ音

の4種類かな?エフェクターの影響範囲がちょっとまだわかってないですが。

「デバイス」タブでは光デジタル出力を光デジタル入力そのままのパススルーか、ステレオミックスかを選択できるようです。

ここでの選択がミキサーの「SPDIFインターフェイス」仮想デバイスにも反映されるかでいうと、どうもされてないように見えます。SPDIF機器が手元にないので試し切れてないですが、「ステレオミックス」にしてもなにも音が出てないようです。

まとめると、本機に物理接続した各音声は独立でPCに送れるので、OBSなどで改めてミックスすることは可能。X5でミックスした結果(スピーカー/ヘッドフォンで聞こえてるものと同じ)も「再生リダイレクト」で取り出せます(ちなみに英語では「What you here」らしいです。わかりやすいw)。ただし、PC側のゲーム音、チャット音などを個別に入れてX5側で独立トラックとして音量調整したり別々にエフェクトをかけたりはできない点はさすがに配信用ミキサーには及ばない部分ということですね。

マイクに対してかけられるエフェクトはこんな感じ。

配信者にはちょっと物足りないミキサー仕様かもですが、普通にゲームとチャットをミックスして聞きたい、マイクの音にエフェクトをかけて整えて送り出したい、というゲーマーには充分な機能を備えているのかなと思いました。

音質レビュー

Audioengine A2+とラインケーブルでつないでいます。

RCAケーブルはさすがに千円しない中華製赤白ケーブルもどうかと思ってなんとなくこれ。LRの2本がバラけているのがちょっと扱いづらいです。

MOGAMI 2534 燐青銅製 赤白ライン 2本ペア RCAケーブル (1.5m)

MOGAMI 2534 燐青銅製 赤白ライン 2本ペア RCAケーブル (1.5m)

7,800円(11/22 05:59時点)
Amazonの情報を掲載しています

で、音質については満足です。あまり大音量では鳴らさず、Apple Musicで「ピアノチル」などをBGMで静かに鳴らすか、あとはYoutubeの視聴、自身の動画編集時のモニタリング用という感じですが、クリアな感じで聞きやすいですし、ピアノもしっとりしていて好み。Acoustic Engineを詰めればさらによくなるかもですが、いまのところ追い込む必要性も感じないくらいには聴き入っています。追々解説動画とか声モノを聞き出すとDialog+とかスマートボリュームは試したくなるかも。EQのプリセットには「Cyberpunk 2077」など主要タイトル向けのプリセットもあり、3つまで作成して本体の「EQ」ボタンでオフを含め4つの設定をすぐに切り替えできます。ヘッドフォンでないとわからなそうですが、追々当該タイトルで試してみようかなと。

USBマイクの動作条件が渋い

USBホスト機能でマイクをいくつか試しましたが割とNG率が高かったです。UVAならいけるっぽいですが、マイク側にUVA準拠かどうか書いてないことが多くて運頼みみたいなとこありますね。手持ちで試した範囲では、

  • RODE NT1 Gen5: NG
  • ZOOM F3: NG
  • EPOS B20: NG
  • SONY INZONE H9: NG(音は聞けるけどマイクはダメぽい)
  • RODE Wireless Pro: NG
  • HOLLYLAND Lark Max: OK
  • Shure MV7: OK
  • RODE VIDEOMIC GO II: OK

てな感じ。簡単に試しただけで長時間耐久テストしたわけではないですが参考まで。USB挿しただけではダメでX5の電源の入れ直しが必要だったケースもありました。

まぁどれも32bit float出力だったり複合デバイスだったりなので仕方ないかも知れません。現在のメインマイクであるNT1が使えなかったのは痛い。せっかくならX5経由でマイクも管理してみたいので、なんかいい単機能なUSBマイク探してみようかな…

またELECOMのLBT-UAN05C2/NというUSB Bluetoothアダプタも「USB DEVICE NOT SUPPORTED」と出ました。USBホスト機能でBluetooth機器を接続した場合は、Creative製のドングルでないとダメかも知れません。

■ついでに勢いでヘッドフォンも替えてしまう…

これまでPCの作業用ヘッドフォンはこれを使ってました。

動画編集作業を長時間しても耳が蒸れたり頭が痛くなったりしないこと優先で、その意味ではかなり満足していたんですが、せっかくバランス接続対応のDACを買ったのでどんなもんか試してみたいなと。冒頭の超猫拳さんの動画でも激推しでしたしね。

ということでまとめ買いはちょっと痛い出費だと思いつつも特攻。まさに氏の動画の組み合わせとなるSONY MDR-MV1です。純粋に当該動画の煽られただけでなく、つい先日同居人がヘッドフォンを買い換えたいということで秋葉原のeイヤホンのゲーミング館にいった時、たまたま試聴機があっていい感じだったのも後押しになりました。当初みていた時、ヨドバシとビックが5万数百円でした。悩んでるうちに両店とも5.3万になり慌ててビック店頭にいったら幸い元の値段でゲットできました。そしてなんと次の日ヨドバシ.comは更に5.9万台になり品切れに。駆け込みで1万近い値上げ前に買えて結果オーライ。

特徴としてはプロ向けのモニター系統で、空間オーディオの編集用途を意識したモデルらしく、広がりを感じやすい開放型になっています。外来ノイズに弱いとか音漏れしやすいとかはありますが、やはり長時間作業には開放型が楽で良いです。それでいて付属ケーブルこそ従来のアンバランス3極3.5mmですが、別途ケーブルを付け替えることでバランス駆動も可能です。同じ開放型でバランス接続できるものとして、センハイザーのHD660S2などもよく引き合いに出されますが、さすがに予算オーバーなのと、ケーブル両出しは扱いづらそうだったので除外。

MV1用のバランスケーブルというのは純正ではないっぽですが、SONYの別のヘッドフォン用のものが流用できます。

ただしコネクタ部分のネジ止めには非対応。社外品でネジ止め対応のものとしてはeイヤホンのObsidianなどがあります。

価格も近くて悩みましたが、ツイストペアのケーブルの扱いやすさが読み切れなかったのと、X5の手前面にあまりプラグを出っ張らせたくなくてL字コネクタであるSONY製を選びました。高いケーブルなので猫に囓られないか心配ですが、どっちの方が囓られないかは不明。ダメになったら比較も兼ねてObsidianや他の製品も検討するかも知れません。

長さは1.2mと卓上にX5を置いて使うにはギリギリちょうど良いかなという印象。本当はもっと邪魔にならないよう取り回すならObsidianの1.6mやもっと長いものもアリだったかなとは思います。

装着感、取り回しレビュー

AD900Xと比べるとパッドのサイズは耳の外径ギリギリという感じで多少圧迫感は増します。圧迫感も高め。言われないと開放型って感じは薄く、どちらかというとMDR-1000XM3とかに近い気すらします。

重量は、

  • ATH-AD900X: 265g
  • MDR-1000XM3: 255g
  • MDR-MV1: 223g

と圧倒的にMV1が軽いはずなんですが、圧迫感、密着感のせいか独特のウイング機構によるものかAD900Xの方が軽く感じます。AD900Xはただ頭に載ってるという感じ。MV1は側圧もあり頭を半周握ってるという感覚は強いです。これが長時間使用時にどれくらい違いになるかはもう少し実使用してみないとなんとも。

調節機構の部分に目盛りが刻まれてるのは良いです。適度なクリック感もあり、一度決めたセッテイングを数値で覚えておけば、収納時に縮めてしまってもすぐに復帰できます。

燦然と輝く「Professional」のロゴ(ただのシール)も良い

またAD900Xのヘッドバンドはハンガーにかける時にクッションがないので気を遣わずに済んでたんですが、MV1のように頭頂部のクッション部分でハンガーに引っ掛けておくと型崩れしそうでちょっと悩ましいです。普段どうやって置いておこうかな、とか。なんかこういう圧が分散しそうなヤツとか。

3Dプリンターで作れるかな?

音質レビュー

まずはX5より一日早く手元に来たのでまずはアンバランス接続で試した時点。AD900Xより低音もしっかりボリューミーに聞こえるのでより音楽やゲーム、映画などにいい感じ。開放感控えめと書きましたが逆にいうと開放と密閉のいいとこ取りをしたようなバランス感なのかも知れません。というか言われないと開放型だと思わないんじゃないでしょうかね。

開放型なのでサイドトーンを使わなくても自分の声がある程度聞こえるんですが、これもちょっと控えめ、というか音量低めならしっかり聞こえるものの、音量上げると低音が豊かな分、マスクされて聞きづらくなる印象。「自分の声ももうちょっと聞きたいな」ということは若干あります。AS900Xではあまり気になったことないので、やはり外部の音の聞こえ方も開放ながら多少密閉寄りなところがあるのかも知れません。ちなみにX5にマイクをつないでいる場合は「モニタリング」の「マイク」を上げればいいですが、ワイヤレスマイクで試したせいか多少遅延があって聞きづらいです。これはもしかすると有線マイクならマシになるかも知れませんが。X5のサイドトーンはロボット声で音質が良くないという指摘は複数のYoutuberが触れてましたが、自分はそこまで気にならなかったです。

そしていよいよX5でバランス接続。期待通り、自分のクソ耳でもしっかり違いは感じられました。噂通りというか理屈通りというか、まず左右の分離感が上がったというか広がりを感じます。さりとて音像がぼやけることはなく左右それぞれでしっかり細かい音まで聞こえるという感じ。電気的にもスピーカーと同じ左右独立の配線になったわけで、分離感もそれに準じるというところなんでしょうか(ディスクリートなアンプ前提で)。

ゲーム(THE DIVISION2)をやった感じも低音が増した分、銃器の音や爆発音などが迫力マシマシに。 単にズンドコボワボワ鳴るということではなく、しっかり解像感を伴った低音で楽しい。MV1の空間表現力やバランスの左右分離のおかげで、敵の位置が把握しやすくなったか?という観点でいくとまだそこまで劇的な効果は感じてないです。きちんとサラウンドに対応したFPSの方が効果出るかも?

■まとめ

複数PC、複数出力先(ヘッドフォンとスピーカー)を統合してハードウェア操作で切り替えや音量調節をできるようにしたいという目論みは実現できました。

音質向上もはっきりと感じられました。トーク系動画だと今までと比べて急に低音が豊かになったのでまだ慣れませんが、ゲームや映画などは確かな恩恵を感じます。最近めっきり音楽を腰据えて聴くことは減りましたが、あらためて色々聞き直してみたいなと思わせる気持ち良さをもっています。トーク系動画用に低音控えめのEQを作って使い分ければいいかも?

一方、長時間装着についてはAD900Xに分がある気もしていて、完全リプレイスのふんぎりはまだちょっと付かないかなというところです。ヘッドフォン端子をアンバランスとバランス両方挿した場合はバランス側が優先されるっぽいので、使い分けるとしたらバランス端子を抜き差しすることになるのかな。もしくはUSBオーディオアダプタを背面USBホスト端子にさせば同時出力もできるので好きな方を装着する、みたいなスタイルでも使えそう。もしくはBluetoothドングルをつけてShokzとかでも使ってみたいなとか、マイクどうしようとか、できることが多いのでこれから追々検討してこうと思います。

車用に新レンズSIGMA 85mm F1.4 DC DNを購入

昨年末、掛川花鳥園に行く機会があり、明るい(ボケる)望遠レンズとしてSIGMAの135mm F1.8を購入しました。

とてもいいレンズでクラウン納車後もよくこれで撮っていました。広角と違って歪みが少ないのでクルマの本来の綺麗なラインが出せるし、F1.8で背景が綺麗にボケて印象的な写真が撮れました。

が、欠点として、デカい、重いに加えてかなり遠ざからないと車体前部がフレームに収まらないという点が次第に気になり、さすがに135mmでクルマは厳しい、という結論に至りました。レンズだけで1kgをゆうに越えるので普通に振り回すどころか持ち歩いてるだけでもツラい。

ということで、同じ中望遠カテゴリながらもポートレートなどでよく使われる85mm帯域で明るいレンズを物色。SONYのGMレンズ(20万超)は論外だしということでSIGMAの85mm F1.4 DC DN Artをチョイス。

SIGMA 85mm F1.4 DGDN Art Eマウント用

SIGMA 85mm F1.4 DGDN Art Eマウント用

108,810円(11/22 05:07時点)
Amazonの情報を掲載しています

先代というかミラーレス専用設計になる前の85mm F1.4 DG HSMに比べて大幅にコンパクトになり、重量も630gと135mmの半分です。映りはさすがのArtラインで135mm F1.8と比べて遜色ないと感じますし、F1.4なので理論上は更にボケることになります。お手頃なSAMYANG MFとも悩みつつもやっぱAF欲しい、SAMYANGのAFモデルならSIGMAとそんなに値段もかわらん、ってことでパス。

基本止まってるクルマ撮るだけならMFでもいいかと思ったんですが、135mmより振り回せるなら家の中でぬっこも撮るかもなとか。MFで割り切れるならSAMYANGも評判悪くないのでありかも知れません。

■作例(クラウンクロスオーバー)

空はかなり白くなったので現像でいじってます。後日、後述のNDフィルターでもっと青い空にして撮ってみたいです。
背景は綺麗にボケてるかなと思います。
デイライト周りの細かい質感もきっちり写っててて良き
夜間。コンビニの照明下。かなり明るく写ってたので現像でいじってます。ボディの複雑なサイドラインが映り込みでエロチック、マッスル感を出しています。

■フィルター周り

主にクルマを撮る想定だったので、C-PLフィルターとNDフィルターも買うことにしたんですが、今回は脱着の簡単さや薄さを重視して、始めてマグネット脱着式を買って見ました。キャップも含め色々セットもありますが、NDは可変式がいいなということで、これらの3つを組み合わせて買って見ました。

ベースリングとC-PLフィルター

ガラスの映り込みをコントロールできます。またレンズ側に切ってあるネジ溝に取り付けるベースのリングもセットになっています。

可変NDフィルター(ND2~32)

日差しが強すぎる日に光量を落として、開放でも光が飽和しないようにします。濃さとして2~32が妥当かわかりませんが、とりあえず何枚も持つよりは可変タイプで済ませようかと。不足を感じたらもっと濃いものを買い足すかも知れません。

キャップ

ベースはただのリングで保護能力はないのでキャップもゲット。脱着が楽なのはもとより、普通のキャップよりも薄いので外した時にポケットなどで嵩張らないのもいいなと思います。

ベースのリングをレンズ先端にねじ込みで固定すると、後はマグネットでカチっとつきます。外すのもひっぱるだけ。超簡単。もちろん重ねてつけることもできます(もちろん重量やケラレが問題にならない範囲ですが)。これは良い。なんなら他のレンズのフィルターも全部コレにしたい。

レンズに付属のフードとの相性は微妙。フードをつけたまま奥まったフィルターの脱着はもちろん無理ですが、フードを逆向きに取り付けた状態でもキャップの脱着はかなり厳しいです。

ちょっとまだこれを使った作例は撮れてないので、そのうち追加します。

■まとめ

同じSIGMAのArtラインの焦点距離違いなので、写りや使い勝手は違和感なく、手頃で使いやすい環境となりました。135mmはもったいないけど、また花鳥園や動物園にでも行かない限り活躍の場は減るかなと思います(でも手放すのももったいないので思案中)。狭いところで撮ったり、特段狙って迫力重視の写真を撮る時でもなければ、この85mmをつけっぱなしにしておいても、取り回し的には充分かなと思います。最短撮影距離が長いのでさすがにテーブルフォトなどは厳しいですが。135mmだとサービスエリアでクルマを撮って、撮れ高チェックのために施設内のレストランに行こうと思ったら一旦小さいレンズに付け替えないと無駄に重くて嵩張る、みたいなことが気になりましたが、この85mmならそのままでも気にならないです。

これでも撮影距離としては結構離れています。周りからみたら「あの人なににカメラ向けてんの??」ってなるレベル。それでもこれ以上近づいて35mmや50mmとなると歪みも気になりだしそうで、クルマの本来のボディを正確に、かつフレームにまるごと収めるくらいの構図でとるなら85mmくらいって最適なのかなと思います。もちろん標準域や広角ならではの表現というのもあると思うので、上手く使い分けて行きたいと思います。

なお、クラウン写真専用のInstagramアカウントを解説したので、ゴタクはいいから写真だけ見たいという方はそちらもどうぞ。

https://www.instagram.com/hornet_crown/

花鳥園で単焦点望遠試し撮り〜SIGMA 135mm F1.8 DG HSM + α7IV

友人ファミリーと掛川花鳥園におでけけすることになり、せっかくなら鳥達をズバっと打ち抜ける(?)望遠持っていきたいよねと思案。手持ちで最望遠はSONYのSELP18105G。18-105mmのF4です。しかもAPS-Cレンズなので換算でいうと157mmくらい。発売から少し年数経ってますがF4通しの動画レンズとしては優秀でFX30の同時購入キャンペーン対象になるくらいSONYも推しのレンズです。

しかし木の上の鳥とかをアップで撮るにはちょっと心許ない。60p動画を撮るならAPS-Cで問題ないんですが、せっかくなら静止画もフルサイズのα7IVで撮りたい。そうするとフルサイズ対応で200mとか300mm級のレンズが欲しいなぁと。そう思って見回すと基本ズームでF4とかちょっと出してF2.8。動画を考えるとパワーズームも欲しいなぁとか色々要求仕様を積んでいくとあまりこれといった候補が残りませんでした。掛川花鳥園に行くことが決まって2週間くらいネットや店頭であれこれ物色し、「いやもう今回は18105でいいや!」と宣言したり、前日までもやもやしていました。

最終的に目に付いたのが135mm F1.8という単焦点の中望遠(?)。α6600時代にSIGMA 三兄弟の2つまで買い揃えた「単焦点&明るさは正義」病がぶり返してきました。このクラスで単焦点は不便すぎると思いつつも、F1.8で遠くの鳥で背景ボケ写真を撮れたら気持ち良いだろうなと想像したら、もう実用性とかは二の次でいっかな?という気になってしまいました。

135mm F1.8というスペックのフルサイズレンズはSONY純正のGMレンズとSIGMAが出しています。

GMの方が若干軽くて魅力なんですがさすがに20万超は無理。たまの動物園や花鳥園用としてはコスパ悪すぎます。ということで1kg超(1.2kg)な点は目を瞑ってSIGMAに特攻。旅行前日の閉店間際のビックカメラでゲット。最低限の初期不良チェックだけで当日に臨みました。

α7IV(SmakkRigケージ装着)にSIGMA 135mm F1.8 DG HSMを装着

いやーデケー。デカいというかフロントヘビーで真っ直ぐ構えるだけでも結構力が要ります。腕保つのかな…。フィルター径が82mmとまた過去イチ大きなサイズで当然フィルターも所有しておらずとりあえずプロテクターは後日ネットで安いものを買おうということで可変NDフィルターを購入(結局花鳥園ではあまり使いませんでした)。

上部にはフォーカスの目盛り(使わなそう)、サイドにはAM/MF切り替えスイッチと、フォーカスレンジ制限スイッチ(3段階)があります。フォーカスレンジは被写体にあわせて切り替えておくと合焦までの時間が短くなるので重宝します。

■作例: 掛川花鳥園撮れ高

JPEG撮って出しではなく、RAWをLightroom Classicで現像し、多くはトリミングしています。そういう意味では焦点距離(望遠具合)が足りてないとも言えますが、トリミングしても充分綺麗なので気にしていません。

背景のボケ方も充分綺麗かなと。人物や花も印象的。自分的には機会はないですが人物ポートレート写真とかにも良いんじゃないでしょうか。

以下は別日の撮れ高です。富士山は富士川SAから撮ったものですが、雪が綺麗に見えるもののやはり風景写真としては画角が狭くてイマイチな焦点距離ですね。一方クルマのようなものを撮るには歪みが少なく形が綺麗に見えると言われていますが、確かにハッとする写真になった気がします。

■使用感

被写体とのディスタンスがキマった時は、被写体がカリっと背景は綺麗にボケてとても満足な写真が撮れました。自分と鳥、鳥と背景にそれぞれ距離が開いてると綺麗にボケてくれます。

一方花鳥園の鳥は木の上ばかりでなく、目の前でケージに入っていたり、放し飼いで足元をウロウロしていることも多く、なおかつ休日で人が多いと迂闊にカメラ構えて後退することもままならず、やはり取り回しに不便な場面もあったのは事実です。また冬でも気温を保つため温室のような構造の建物になっているので、予備レンズも含め2kgくらいある装備を保って歩き続けるとかなり暑さを感じました。11月だけど半袖になれる格好でいけば良かった。

ちなみに装備一式はこちらのバッグに入れて肩にかけていきましたがなかなか便利でした。両手が必要な時はさっと収納できます。

さすがにトップハンドルは外していきましたが、SmallRigのケージにサイドグリップストラップをつけておいたので、出し入れや片手で持って移動する時も不安なくできた気がします。特に今回はレンズが重たかったので、手で握っているだけだとうっかり落としてしまうリスクも高まったんじゃないかと。

現地では3回くらいレンズ交換したかなと思います。インコの大群が一斉に飛ぶショットなどは広角が必要で35mmにスイッチ。それ以外は足で距離をとっていい感じに撮れたと思います。ただ現像段階でクロップした写真も多く、理想的にはもうちょっとだけ焦点距離があってもいいのかも知れません。でもまぁフルサイズでだし、後からクロップできればOKかなと。あるいはAPS-Cモードや超解像ズームを適宜切り替えて使うなり。F1.8という明るさは大きな武器なので現像や設定切り替え、足運びでどうにかなるところはそっちでどうにかすればいいかなと思っています。

いずれ水族館のような暗い環境でも活用することがあれば、明るさの恩恵はさらに感じられるかな?

大きくて重たい、しかも単焦点という点はかなりのハンデではありますが、撮れ高的には非常に満足しており、買って良かったと思います。