SONY INZONE BudsがWindows11で音が出ない時の暫定策

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ジムでデスク付きバイクで漕ぎながらゲームをするのに良いイヤホンが欲しくなってSONYのINZONE Budsを購入しました。

細かい経緯や感想は後半にダラダラ書くとして、とりあえずWindows11で音が出ない現象でハマったのでメモを残しておきます。きっと経緯や感想よりも役に立つはずw

現象としては、Windows 11(23H2)にて、

  • INZONE Buds – Game(ヘッドホン)
  • INZONE Buds – Chat(ヘッドセット、イヤホン)
  • INZONE Buds – Mic(マイク)

という3つのデバイスは認識され、マイクで音声は録れるものの、両スピーカーから音が出ない、というトラブル。特定のアプリがというレベルではなく、Windowsのシステム音量スライダーを動かすたびに「ポーン」って鳴るアレすら聞こえません。もちろん出力デバイスを「既定」からGame、Chatを個別に選択してもダメ。音もならないし、その状態でブラウザでYoutube動画を再生するとグルグルになります(音声デバイスとして応答してない?)

結論を先に書くと、現時点で設定ソフトINZONE Hubをインストールすると自動的に導入されるドライバーを消したら鳴るようになりました

スタートを右クリック→デバイスマネージャーを開き、「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」セクションを開いて、「INZONE Buds – Chat」と「INZONE Buds Game」それぞれのプロパティを開いて(ダブルクリック)、「ドライバー」タブにいって「ドライバーを元に戻す(R)」をクリックします。元に戻す理由を問う質問に適当に回答して実行します。Windowsを再起動するよう言われるかも知れません。

写真は元に戻したあとのもので、ドライバーのプロバイダーがMicrosoftになっています。設定ソフトであるINZONE Hubを入れて再起動した状態では、ここがSONYになっていると思います。どうもこのドライバーが問題っぽいです。バージョンはそれぞれ1.0.24.61、日付が2023/07/06です。

なお別PCでは「ドライバーを元に戻す」がグレーアウトして押せない状態でした。この場合は「ドライバーの更新」の方を選び手動で切り替えることでもいけました。「→コンピューターを参照してドライバーを検索(R)」を選び、「→コンピューター上の利用可能なドライバーの一覧から選択します(L)」と進み、「USBオーディオデバイス」を選択して「次へ」でもいけました。

検証の為他のPCで試したところ、最初は音が出ていたのにINZONE Hubを入れた途端に再現したのでもしやとドライバーだけロールバックしてみたらビンゴでした。ちなみにドライバーがMicrosoft製の状態でもINZONE Hubからの各種設定は使えているっぽいです。もし同じ現象が出ていたら試してみてはいかがでしょう?

今後のアップデートで直ると良いんですが。また進展あったら追記します。

ちなみに現象が出たPCはRyzen 9 + X570チップセットと、Ryzen Z1 ExtremeでどちらもAMD製CPUでした。偶然かも知れませんが。

■購入経緯

では、誰も得しない経緯のメモとレビュー。

最近、ChocoZAP(ジム)でデスク付エアロバイクを漕いでいます。デスクの上でタブレットやPCを置いて作業や読書、ゲームができるんですが、そこで先日買ったLEGION GOを使ってゲームをしたいなと。そしてその際にDiscordで通話もできると良いなと考えました(24時間営業で夜中に行くので大抵貸切状態)。持っていくのが大変なのでヘッドフォンは除外。ジム通いバッグのポケットにコンパクトに入れていけるものがいい。

最初今もっとも活用しているBeat Fit Proで参戦したんですがほとんど聞こえないと言われ、その他の手持ちイヤホン(ヘッドセット)を現地に持ち込んで聞こえ方を比べてもらいました。結果としてAirPods Pro第三世代と、ブームマイクがついたOpenCommが聞こえやすいよと。なるほど、TWSでありながら複数マイクを搭載してソフトウェア処理で音声をクリアにしているのでしょう。そしてそこまでの仕込みはなくてもやはりマイクが口元近くにある機種は強い!ただその日はAirPods Proは途中からつながらなくなってしまったり、OpenCommは骨伝導タイプなのでゲーム音質としては残念な感じだったりして、結局コレ!というソリューションには至りませんでした。

そもそもゲーム用としてやはりBluetoothは遅延が懸念されまる。高音質なコーデックに対応したヘッドセットを使ったとしても、大抵はマイクを使おうとした途端にHFPプロファイルに切り替わってしまい、スピーカー側のコーデックもSBCとかビットレートの低いものになってしまいます。

当初、どのみちコントローラーとしてDualSense Edgeはもってくので(LEGION GOの脱着型コントローラーはちょっと無理だったw)、そのイヤホンマイク端子にブームマイクのついた適当なイヤホンマイクを挿して使おうかなとも考えました。

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ここらへん。

ただDualSense EdgeをUSBでWindowsにつないだ場合、イヤホンマイクもUSB経由のUSBオーディオ扱いになるのかよくわからなかったし、品質も未知数だったので躊躇。PC->コントローラー->イヤホンと有線で多段接続するのも煩わしいな、とか。

そうした経緯で選定したのがINZONE Budsです。INZONEはSONYが少し前に立ち上げたゲーミングブランドで、PlayStationに限らずPCも視野にいれた製品群が特徴。先行してヘッドフォンのHシリーズがリリースされています。USB-Aの専用ドングルが付属しており、GameとChatの2つの音声出力仮想デバイスがPCに認識されます。ゲームの音とDiscordなどのチャットの音を別々に流してやることで、ヘッドフォン上のダイヤルでバランス調整をすることができます。またドングルとヘッドフォンの通信は2.4GHzではあるもののBluetoothではない独自プロトコルなのでBluetoothにつきまとう遅延や低音質プロファイルからは逃れられます(PC用ドングルとは別にBluetoothも使えて、例えばチャットはスマホでする、みたいな使い方もできます)。自分はH9を自宅ゲーム用に使って来ました。

デザインとマイクの評判はイマイチというかまぁあくまで通話用というレベルなのが難点ですが、アィティブノイズキャンセルもSONYの音楽用ヘッドフォンの流れを汲んで優秀で気に入ってます。

そしてヘッドフォンタイプのHシリーズから遅れて登場したのがTWS(完全ワイヤレスイヤホン)対応タイプのINZONE Budsです(ちなみに色はブラックとホワイト(ツートン)があり、後者をチョイス)。

付属のドングルがUSBフラッシュメモリぽい形状でUSB-Aだったものから薄く平べったい形状になり端子もUSB-Cに変更されました。組み合わせて使用するLEGION GOにはC端子しかないのでうってつけです。

右が従来のUSB-A型ドングル(INZONE H9用)、左がUSB-C化したドングル

USBドングルを使用した場合のできることは基本H9と同じ。アクティブノイズキャンセルもありますし、GameとChatのデュアル音声出力デバイスとなっています。

Bluetoothも一応搭載していますが、BLEというレアな規格のみの対応になってしまったため、現状ではXpreriaの最新モデルなどごく一部の端末しかペアリングできないようです。iPhone 15シリーズでも無理。iPhone 15シリーズで使いたい場合はUSB-Cでドングル経由になり、たぶんGame/Chatの使い分けはできず単一のUSBスピーカーとマイクとしての認識になると思います。「PS5にUSB経由でゲーム音声、スマホにBluetoothで通話」という使い方をするにはやや厳しい後退です(後々BLE対応のスマホが増えてくれば進歩ではあるんですが…)。

自分の使い方(PCでゲーム音もチャット音も)にはBluetoothは不要で、むしろ音質や遅延に難があるBluetoothを一切使わないというのが刺さりました。都度ドングルを挿す手間やUSBポートが塞がれることはデメリットですが、まぁ音質には代えがたい。マイクもAppleと競うSONYなので期待(これは今後の相手側からの評価待ち)。

ちなみにDiscordで試した限りでは少し声が途切れがちでしたが、「エコー除去」をオフにしてやったら改善しました。

それでもファーストインプレとしてはAirPods Proほどは明瞭に声を拾えてない気がします。やっぱあれは別格。Beats Fit Proでも頑張って欲しかったw

■まとめ

ワイヤレスイヤホンはありとあらゆるブランドから出ていますが、ゲーミング用を謳う中でも2.4GHz帯の独自ドングル、専用プロトコルで通信することでBluetoothのクビキから放たれることができる製品は数えるほどしかないんじゃないかと思います。さらに優秀なANCがついてると本当にレア(ASUSが発表はしてますね)。

とりあえずWindows 11で音が出ないという最悪のトラブルはドライバーの削除で暫定的に回避できました。SONYのアップデート対応に期待。

快適なモバイルゲーム環境を構築して、ジム通いのモチベーション維持に役立てていきたいです。

メインPCのオーディオ環境を刷新 SoundBlaster X5 + MDR-MV1でバランスデビュー

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先日調子の悪かったデスクトップPC用のスピーカーAudioengine A2+を買い換えました。

その絡みで、ずっと電源を入れてなかったミキサー兼オーディオI/FのAvermedia Nexus AX310を久しぶりに立ち上げて再設定。

これはXLRマイク入力、ヘッドホン出力があり、LINE出力でA2+にも音が出せるので、手元でマイクやスピーカー、ヘッドフォンを集中管理して音量調節をツマミでサッとできるようにしたいなと思い。

が、しかしなんとこいつ、ヘッドホン出力とLINE出力を別個で調整できなかった。厳密には付属アプリからは独立の音量調整できるんですが、せっかくのツマミは入力系のみで、出力には使えない。ヘッドフォンに音量ツマミはなく、スピーカーも背面にツマミがあって普段から使う想定ではないので、オーディオI/F側で調整したかったんですが。

同様に、手元にあるZOOMの6chレコーダー兼オーディオI/FのF6もヘッドフォン音量ダイヤルはあるものLINE出力はメニューの深いところに入らないと無理。

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まぁLINE出力が可変出力な方が珍しいので仕方ないかもですが、自分の理想とする操作系にできず急激にモヤりだしました。理想は、

  • MacとWindowsのどちらかも使え、サクっと切り替えできる(これ自体はUSBスイッチで実現)
  • ヘッドフォンとスピーカーをサクっと切り替えできる
  • これらの音量も同じツマミで調整できたらいいな
  • 更に普段の打ち合わせではBluetoothでShokz を使って、これも同列で扱えると素敵

みたいな感じ。

■多才なオーディオI/F SoundBlaster X5

公式サイト専売なのでAmazonのリンクを貼れないのですが、こちらの動画が公式にも貼られるほどわかりやすく特徴をまとめておられるので写真代わりにリンク。

Sound Blasterというブランドは自分が学生の頃からPCのサウンドカードで定番中の定番だった老舗。令和の世に買うとは思わなんだw。とはいえオッサンには内蔵用のPCIカードのイメージ。こちらのX5は外付けのUSB DACです。特徴としては、

  • 32bit/384kHz ハイレゾ対応DAC(USBオーディオデバイス)
  • マルチソース間のミキサー
  • 各種EQやエフェクトが使えるDSP
  • バスパワー駆動
  • LINE入出力
  • 4.4mmバランスヘッドフォン出力(普通のアンバランス3.5mmもある)
  • Bluetooth対応(設定アプリの通信用とA2DP/ハンズフリープロファイル)
  • USBホスト機能
  • PCの他にPS4/5/SwitchといったUSBオーディオ出力対応のコンシューマーゲーム機にも対応(公式に謳ってるのはPS4/5のみ)

という感じの、ミキサーなどの入ったゲーミングオーディオデバイスながらハイレゾ、バランス出力などオーディオ機器としてのスペックもなかなか高い、でも39,800円となかなかお手頃な価格の製品です。

特にユニークだなと思うのがBluetoothとUSBホスト周り。USBクライアントとしてPCやゲーム機にぶらさがりつつ、同時にスマホとつないで専用アプリからの操作を受け付けたり、ハンズフリー通話デバイスとして振る舞ったりできます。PS5などのゲーム機にぶらさがった場合、PC/Mac用の設定アプリが使えないわけですが、そのかわりにスマホから制御してあげれば音質設定できてしまうというわけです。またPS5は最近Discordクライアントに対応してしまいましたが、SwitchやPS4でプレイしながらスマホのDiscordの音声もミックスしたり、マイク音をそちらに送ったりができるわけです(まぁ自分はしないと思うけど)。逆にこいつからShokzのようなBluetoothクライアントをマイクやスピーカーにはできないですが、実はそれもUSBホスト機能でたぶんなんとかなります。

ということで、背面にあるUSB Aポートがホスト端子です。ホストとは通常PCなど本体機器のことを指します。こいつはホストに対してクライアントとしてオーディオデバイスとしてぶら下がる一方で、更に別のオーディオデバイスをぶら下げることができます。例えば、手持ちでいえばSONYのINZONE H9みたいなUSBドングルを使うヘッドセットがあります。

このUSBドングルを背面のUSBポートにさすと、X5がホストとなりH9を外付けスピーカーとして認識するという具合です(マイクは無理そう)。別にワイヤレスドングルでなくても有線のUSBヘッドセットでもいいし、BluetoothアダプタでもOK。ようはPCからみてUAC(音声入出力、最大5V/100mA)なデバイスに見えるものなら認識できるということっぽいです。多分ですがWebカメラとかのマイク部分だけは使えたりするんじゃなかろうかと。実際にINZONE H9で試したところちゃんと音が出ました。音量はメインボリュームに連動っぽくて操作する要素は一切なさそう。スピーカー/ヘッドフォンと同じ音が同時に出ます。標準のヘッドフォン端子とUSB経由でペアで2つのヘッドフォンでゲームする、とか動画みるとかカップル向けですかね(違。

ともあれINZONEのような2.4GHz帯を使った専用無線ドングルを使ったオーディオデバイスはBluetoothよりも遅延が少ないので、ワイヤレスで使いたい場合は良い選択肢かも知れません。実際、Youtubeの音ズレチェック動画でみた限りでは遅延は気にならなそうです。音ゲーはわからないですが動画編集は普通に違和感なくできるんじゃないかと。INZONEのマイクは認識してなさそうでした。またNT1 5th Genも液晶に「USB DEVICE NOT SUPPORTED」みたいなエラーが出てダメっぽい。マイクの対応要件はちょっと厳しいかも。せっかくなのでNT1もこれ経由で使いたかったんですが。

外観レビュー

めちゃめちゃ高級感があるというほどでもないですが、値段相応程度の質感は保ってると思います。ボリュームノブもたぶん樹脂製ですが適度に重くて使いやすい。LINE、USB、光系の端子はすべて背面ですが、ヘッドフォンとマイクは前面。個人的には据置なのでヘッドフォン系も背面にして前面をスッキリさせたかったなという気も。いくつものヘッドフォンを使い分ける人には便利なんでしょうけど。デカイプラグが手前に突き出るのがイヤで後述のバランスケーブルはL字コネクタのSONY製のものにしたくらい。

もしXLRなどのついた上位モデルを出すのであればディスプレイもフルドットにしてほしいなくらい。あと各ボタンの表示ラベルも自発光だと見やすくていいなとか。

機能レビュー

WindowsのCreative Appがデバイスを認識してくれず、最新版から1つ前の1.16.15.0にしたら上手くいきました。この状態でASIOドライバーなどがインストールされるので、もしかしたらここから最新版にアップグレードすればちゃんと動くかもですが、面倒なので一旦そのまま。

Bluetooth経由のスマホアプリとUSB経由のWindowsアプリは同時使用可能で、ちゃんと片方で音量をあげるともう片方のスライダーも連動して動いてくれます。むしろ本体のボリュームツマミは動かない…例えばノブのマークが天辺、つまり真ん中を指すようにした状態で、アプリのスライダーは50%になります。これを100%まであげると当然ノブは50%位置のまま。そこからノブで下げていくと、50%位置を100%(-0dB)として下がっていきます。まぁノブでの音量変化量が急激にかわると危ないので仕方ないんでしょうね。だったらAVアンプとかである0%や100%位置で止まらないで無限に回る系のノブにしてほしい気もしましたが、コスト高くつくんですかね?まぁ音量はノブでしか触らないようにすればいいかなとも思いますが、この音量ってPCの音量スライダーにも連動するんですよね。こっちはちょいちょいいじってしまいそう。あとスマホアプリからは触れない機能もあるっぽいので完全互換とは行かないです。

ヘッドフォンとスピーカーを本体前面のボタンで切り替えられるのも想定通り。ヘッドフォンとスピーカーの音量値は個別に記憶されているらしく、切り替えるとWindowsの音量設定も切り替わります。スピーカーにした途端に爆音、みたいな事故も防げてよさそう。EQやAcoustic Engine(サラウンドや会話強調、自動音量調節などのDSP機能)もヘッドフォンとスピーカー個別にかけられます。

ミキサーの設定はこんな感じ。

配信用ミキサーとして残念なのはUSBオーディオ出力デバイスとしては「Sound Blaster X5」という単一のもののみ。YAMAHAのZGシリーズはAverMedia NexusのようにSystemとChatみたいに別トラックとして出力してミキサーでバランス調整、みたいなことはできないようです。

左下の「モニタリング」の各スライダーは自分(スピーカーorヘッドフォン)のモニタ音量におけるBT/SPDIF/マイク/ラインの各入力のバランスを整えるもの(PCに送られる音量には影響なし)。

で「レコーディング」の側はPCからみて入力デバイスに返す際の音量ですが、こちらは単一トラック(仮想デバイス)ではなく、「SPDIFインターフェイス」「ライン」「マイク」「再生リダイレクト」とソース毎の個別仮想デバイスがあるという仕様。本体前面のミュートボタンやマイク音量ツマミはこっちの「マイク」に影響します(逆に自分用の「モニタリング」には影響しない)。またUSBホスト機能で接続したUSBマイクの音量もこの「マイク」スライダー(フェーダー)で調整されます。試せてないですがBluetoothでHFPでつないだ場合もそうかかな?

「再生リダイレクト」がようはスピーカー/ヘッドフォンに出力される音がそのままPCにリターンする仮想入力デバイスみたいです。「モニタリング」側のミックス設定やエフェクト類も反映されていると思われます。つまりPC側で取り出せるのは、

  • SPDIF入力の原音
  • ライン入力の原音
  • マイク入力(アナログ/USB/Bluetooth?)で、おそらくCrystalVoiceエフェクターを通った音
  • 再生リダイレクト=各ソースの音が「モニタリング」のミックス結果と各種エフェクターを通した音=スピーカー/ヘッドフォンで聴いてるのと同じ音

の4種類かな?エフェクターの影響範囲がちょっとまだわかってないですが。

「デバイス」タブでは光デジタル出力を光デジタル入力そのままのパススルーか、ステレオミックスかを選択できるようです。

ここでの選択がミキサーの「SPDIFインターフェイス」仮想デバイスにも反映されるかでいうと、どうもされてないように見えます。SPDIF機器が手元にないので試し切れてないですが、「ステレオミックス」にしてもなにも音が出てないようです。

まとめると、本機に物理接続した各音声は独立でPCに送れるので、OBSなどで改めてミックスすることは可能。X5でミックスした結果(スピーカー/ヘッドフォンで聞こえてるものと同じ)も「再生リダイレクト」で取り出せます(ちなみに英語では「What you here」らしいです。わかりやすいw)。ただし、PC側のゲーム音、チャット音などを個別に入れてX5側で独立トラックとして音量調整したり別々にエフェクトをかけたりはできない点はさすがに配信用ミキサーには及ばない部分ということですね。

マイクに対してかけられるエフェクトはこんな感じ。

配信者にはちょっと物足りないミキサー仕様かもですが、普通にゲームとチャットをミックスして聞きたい、マイクの音にエフェクトをかけて整えて送り出したい、というゲーマーには充分な機能を備えているのかなと思いました。

音質レビュー

Audioengine A2+とラインケーブルでつないでいます。

RCAケーブルはさすがに千円しない中華製赤白ケーブルもどうかと思ってなんとなくこれ。LRの2本がバラけているのがちょっと扱いづらいです。

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で、音質については満足です。あまり大音量では鳴らさず、Apple Musicで「ピアノチル」などをBGMで静かに鳴らすか、あとはYoutubeの視聴、自身の動画編集時のモニタリング用という感じですが、クリアな感じで聞きやすいですし、ピアノもしっとりしていて好み。Acoustic Engineを詰めればさらによくなるかもですが、いまのところ追い込む必要性も感じないくらいには聴き入っています。追々解説動画とか声モノを聞き出すとDialog+とかスマートボリュームは試したくなるかも。EQのプリセットには「Cyberpunk 2077」など主要タイトル向けのプリセットもあり、3つまで作成して本体の「EQ」ボタンでオフを含め4つの設定をすぐに切り替えできます。ヘッドフォンでないとわからなそうですが、追々当該タイトルで試してみようかなと。

USBマイクの動作条件が渋い

USBホスト機能でマイクをいくつか試しましたが割とNG率が高かったです。UVAならいけるっぽいですが、マイク側にUVA準拠かどうか書いてないことが多くて運頼みみたいなとこありますね。手持ちで試した範囲では、

  • RODE NT1 Gen5: NG
  • ZOOM F3: NG
  • EPOS B20: NG
  • SONY INZONE H9: NG(音は聞けるけどマイクはダメぽい)
  • RODE Wireless Pro: NG
  • HOLLYLAND Lark Max: OK
  • Shure MV7: OK
  • RODE VIDEOMIC GO II: OK

てな感じ。簡単に試しただけで長時間耐久テストしたわけではないですが参考まで。USB挿しただけではダメでX5の電源の入れ直しが必要だったケースもありました。

まぁどれも32bit float出力だったり複合デバイスだったりなので仕方ないかも知れません。現在のメインマイクであるNT1が使えなかったのは痛い。せっかくならX5経由でマイクも管理してみたいので、なんかいい単機能なUSBマイク探してみようかな…

またELECOMのLBT-UAN05C2/NというUSB Bluetoothアダプタも「USB DEVICE NOT SUPPORTED」と出ました。USBホスト機能でBluetooth機器を接続した場合は、Creative製のドングルでないとダメかも知れません。

■ついでに勢いでヘッドフォンも替えてしまう…

これまでPCの作業用ヘッドフォンはこれを使ってました。

動画編集作業を長時間しても耳が蒸れたり頭が痛くなったりしないこと優先で、その意味ではかなり満足していたんですが、せっかくバランス接続対応のDACを買ったのでどんなもんか試してみたいなと。冒頭の超猫拳さんの動画でも激推しでしたしね。

ということでまとめ買いはちょっと痛い出費だと思いつつも特攻。まさに氏の動画の組み合わせとなるSONY MDR-MV1です。純粋に当該動画の煽られただけでなく、つい先日同居人がヘッドフォンを買い換えたいということで秋葉原のeイヤホンのゲーミング館にいった時、たまたま試聴機があっていい感じだったのも後押しになりました。当初みていた時、ヨドバシとビックが5万数百円でした。悩んでるうちに両店とも5.3万になり慌ててビック店頭にいったら幸い元の値段でゲットできました。そしてなんと次の日ヨドバシ.comは更に5.9万台になり品切れに。駆け込みで1万近い値上げ前に買えて結果オーライ。

特徴としてはプロ向けのモニター系統で、空間オーディオの編集用途を意識したモデルらしく、広がりを感じやすい開放型になっています。外来ノイズに弱いとか音漏れしやすいとかはありますが、やはり長時間作業には開放型が楽で良いです。それでいて付属ケーブルこそ従来のアンバランス3極3.5mmですが、別途ケーブルを付け替えることでバランス駆動も可能です。同じ開放型でバランス接続できるものとして、センハイザーのHD660S2などもよく引き合いに出されますが、さすがに予算オーバーなのと、ケーブル両出しは扱いづらそうだったので除外。

MV1用のバランスケーブルというのは純正ではないっぽですが、SONYの別のヘッドフォン用のものが流用できます。

ただしコネクタ部分のネジ止めには非対応。社外品でネジ止め対応のものとしてはeイヤホンのObsidianなどがあります。

価格も近くて悩みましたが、ツイストペアのケーブルの扱いやすさが読み切れなかったのと、X5の手前面にあまりプラグを出っ張らせたくなくてL字コネクタであるSONY製を選びました。高いケーブルなので猫に囓られないか心配ですが、どっちの方が囓られないかは不明。ダメになったら比較も兼ねてObsidianや他の製品も検討するかも知れません。

長さは1.2mと卓上にX5を置いて使うにはギリギリちょうど良いかなという印象。本当はもっと邪魔にならないよう取り回すならObsidianの1.6mやもっと長いものもアリだったかなとは思います。

装着感、取り回しレビュー

AD900Xと比べるとパッドのサイズは耳の外径ギリギリという感じで多少圧迫感は増します。圧迫感も高め。言われないと開放型って感じは薄く、どちらかというとMDR-1000XM3とかに近い気すらします。

重量は、

  • ATH-AD900X: 265g
  • MDR-1000XM3: 255g
  • MDR-MV1: 223g

と圧倒的にMV1が軽いはずなんですが、圧迫感、密着感のせいか独特のウイング機構によるものかAD900Xの方が軽く感じます。AD900Xはただ頭に載ってるという感じ。MV1は側圧もあり頭を半周握ってるという感覚は強いです。これが長時間使用時にどれくらい違いになるかはもう少し実使用してみないとなんとも。

調節機構の部分に目盛りが刻まれてるのは良いです。適度なクリック感もあり、一度決めたセッテイングを数値で覚えておけば、収納時に縮めてしまってもすぐに復帰できます。

燦然と輝く「Professional」のロゴ(ただのシール)も良い

またAD900Xのヘッドバンドはハンガーにかける時にクッションがないので気を遣わずに済んでたんですが、MV1のように頭頂部のクッション部分でハンガーに引っ掛けておくと型崩れしそうでちょっと悩ましいです。普段どうやって置いておこうかな、とか。なんかこういう圧が分散しそうなヤツとか。

3Dプリンターで作れるかな?

音質レビュー

まずはX5より一日早く手元に来たのでまずはアンバランス接続で試した時点。AD900Xより低音もしっかりボリューミーに聞こえるのでより音楽やゲーム、映画などにいい感じ。開放感控えめと書きましたが逆にいうと開放と密閉のいいとこ取りをしたようなバランス感なのかも知れません。というか言われないと開放型だと思わないんじゃないでしょうかね。

開放型なのでサイドトーンを使わなくても自分の声がある程度聞こえるんですが、これもちょっと控えめ、というか音量低めならしっかり聞こえるものの、音量上げると低音が豊かな分、マスクされて聞きづらくなる印象。「自分の声ももうちょっと聞きたいな」ということは若干あります。AS900Xではあまり気になったことないので、やはり外部の音の聞こえ方も開放ながら多少密閉寄りなところがあるのかも知れません。ちなみにX5にマイクをつないでいる場合は「モニタリング」の「マイク」を上げればいいですが、ワイヤレスマイクで試したせいか多少遅延があって聞きづらいです。これはもしかすると有線マイクならマシになるかも知れませんが。X5のサイドトーンはロボット声で音質が良くないという指摘は複数のYoutuberが触れてましたが、自分はそこまで気にならなかったです。

そしていよいよX5でバランス接続。期待通り、自分のクソ耳でもしっかり違いは感じられました。噂通りというか理屈通りというか、まず左右の分離感が上がったというか広がりを感じます。さりとて音像がぼやけることはなく左右それぞれでしっかり細かい音まで聞こえるという感じ。電気的にもスピーカーと同じ左右独立の配線になったわけで、分離感もそれに準じるというところなんでしょうか(ディスクリートなアンプ前提で)。

ゲーム(THE DIVISION2)をやった感じも低音が増した分、銃器の音や爆発音などが迫力マシマシに。 単にズンドコボワボワ鳴るということではなく、しっかり解像感を伴った低音で楽しい。MV1の空間表現力やバランスの左右分離のおかげで、敵の位置が把握しやすくなったか?という観点でいくとまだそこまで劇的な効果は感じてないです。きちんとサラウンドに対応したFPSの方が効果出るかも?

■まとめ

複数PC、複数出力先(ヘッドフォンとスピーカー)を統合してハードウェア操作で切り替えや音量調節をできるようにしたいという目論みは実現できました。

音質向上もはっきりと感じられました。トーク系動画だと今までと比べて急に低音が豊かになったのでまだ慣れませんが、ゲームや映画などは確かな恩恵を感じます。最近めっきり音楽を腰据えて聴くことは減りましたが、あらためて色々聞き直してみたいなと思わせる気持ち良さをもっています。トーク系動画用に低音控えめのEQを作って使い分ければいいかも?

一方、長時間装着についてはAD900Xに分がある気もしていて、完全リプレイスのふんぎりはまだちょっと付かないかなというところです。ヘッドフォン端子をアンバランスとバランス両方挿した場合はバランス側が優先されるっぽいので、使い分けるとしたらバランス端子を抜き差しすることになるのかな。もしくはUSBオーディオアダプタを背面USBホスト端子にさせば同時出力もできるので好きな方を装着する、みたいなスタイルでも使えそう。もしくはBluetoothドングルをつけてShokzとかでも使ってみたいなとか、マイクどうしようとか、できることが多いのでこれから追々検討してこうと思います。

車用に新レンズSIGMA 85mm F1.4 DC DNを購入

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昨年末、掛川花鳥園に行く機会があり、明るい(ボケる)望遠レンズとしてSIGMAの135mm F1.8を購入しました。

とてもいいレンズでクラウン納車後もよくこれで撮っていました。広角と違って歪みが少ないのでクルマの本来の綺麗なラインが出せるし、F1.8で背景が綺麗にボケて印象的な写真が撮れました。

が、欠点として、デカい、重いに加えてかなり遠ざからないと車体前部がフレームに収まらないという点が次第に気になり、さすがに135mmでクルマは厳しい、という結論に至りました。レンズだけで1kgをゆうに越えるので普通に振り回すどころか持ち歩いてるだけでもツラい。

ということで、同じ中望遠カテゴリながらもポートレートなどでよく使われる85mm帯域で明るいレンズを物色。SONYのGMレンズ(20万超)は論外だしということでSIGMAの85mm F1.4 DC DN Artをチョイス。

SIGMA 85mm F1.4 DGDN Art Eマウント用

SIGMA 85mm F1.4 DGDN Art Eマウント用

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先代というかミラーレス専用設計になる前の85mm F1.4 DG HSMに比べて大幅にコンパクトになり、重量も630gと135mmの半分です。映りはさすがのArtラインで135mm F1.8と比べて遜色ないと感じますし、F1.4なので理論上は更にボケることになります。お手頃なSAMYANG MFとも悩みつつもやっぱAF欲しい、SAMYANGのAFモデルならSIGMAとそんなに値段もかわらん、ってことでパス。

基本止まってるクルマ撮るだけならMFでもいいかと思ったんですが、135mmより振り回せるなら家の中でぬっこも撮るかもなとか。MFで割り切れるならSAMYANGも評判悪くないのでありかも知れません。

■作例(クラウンクロスオーバー)

空はかなり白くなったので現像でいじってます。後日、後述のNDフィルターでもっと青い空にして撮ってみたいです。
背景は綺麗にボケてるかなと思います。
デイライト周りの細かい質感もきっちり写っててて良き
夜間。コンビニの照明下。かなり明るく写ってたので現像でいじってます。ボディの複雑なサイドラインが映り込みでエロチック、マッスル感を出しています。

■フィルター周り

主にクルマを撮る想定だったので、C-PLフィルターとNDフィルターも買うことにしたんですが、今回は脱着の簡単さや薄さを重視して、始めてマグネット脱着式を買って見ました。キャップも含め色々セットもありますが、NDは可変式がいいなということで、これらの3つを組み合わせて買って見ました。

ベースリングとC-PLフィルター

ガラスの映り込みをコントロールできます。またレンズ側に切ってあるネジ溝に取り付けるベースのリングもセットになっています。

可変NDフィルター(ND2~32)

日差しが強すぎる日に光量を落として、開放でも光が飽和しないようにします。濃さとして2~32が妥当かわかりませんが、とりあえず何枚も持つよりは可変タイプで済ませようかと。不足を感じたらもっと濃いものを買い足すかも知れません。

キャップ

ベースはただのリングで保護能力はないのでキャップもゲット。脱着が楽なのはもとより、普通のキャップよりも薄いので外した時にポケットなどで嵩張らないのもいいなと思います。

ベースのリングをレンズ先端にねじ込みで固定すると、後はマグネットでカチっとつきます。外すのもひっぱるだけ。超簡単。もちろん重ねてつけることもできます(もちろん重量やケラレが問題にならない範囲ですが)。これは良い。なんなら他のレンズのフィルターも全部コレにしたい。

レンズに付属のフードとの相性は微妙。フードをつけたまま奥まったフィルターの脱着はもちろん無理ですが、フードを逆向きに取り付けた状態でもキャップの脱着はかなり厳しいです。

ちょっとまだこれを使った作例は撮れてないので、そのうち追加します。

■まとめ

同じSIGMAのArtラインの焦点距離違いなので、写りや使い勝手は違和感なく、手頃で使いやすい環境となりました。135mmはもったいないけど、また花鳥園や動物園にでも行かない限り活躍の場は減るかなと思います(でも手放すのももったいないので思案中)。狭いところで撮ったり、特段狙って迫力重視の写真を撮る時でもなければ、この85mmをつけっぱなしにしておいても、取り回し的には充分かなと思います。最短撮影距離が長いのでさすがにテーブルフォトなどは厳しいですが。135mmだとサービスエリアでクルマを撮って、撮れ高チェックのために施設内のレストランに行こうと思ったら一旦小さいレンズに付け替えないと無駄に重くて嵩張る、みたいなことが気になりましたが、この85mmならそのままでも気にならないです。

これでも撮影距離としては結構離れています。周りからみたら「あの人なににカメラ向けてんの??」ってなるレベル。それでもこれ以上近づいて35mmや50mmとなると歪みも気になりだしそうで、クルマの本来のボディを正確に、かつフレームにまるごと収めるくらいの構図でとるなら85mmくらいって最適なのかなと思います。もちろん標準域や広角ならではの表現というのもあると思うので、上手く使い分けて行きたいと思います。

なお、クラウン写真専用のInstagramアカウントを解説したので、ゴタクはいいから写真だけ見たいという方はそちらもどうぞ。

https://www.instagram.com/hornet_crown/

花鳥園で単焦点望遠試し撮り〜SIGMA 135mm F1.8 DG HSM + α7IV

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友人ファミリーと掛川花鳥園におでけけすることになり、せっかくなら鳥達をズバっと打ち抜ける(?)望遠持っていきたいよねと思案。手持ちで最望遠はSONYのSELP18105G。18-105mmのF4です。しかもAPS-Cレンズなので換算でいうと157mmくらい。発売から少し年数経ってますがF4通しの動画レンズとしては優秀でFX30の同時購入キャンペーン対象になるくらいSONYも推しのレンズです。

しかし木の上の鳥とかをアップで撮るにはちょっと心許ない。60p動画を撮るならAPS-Cで問題ないんですが、せっかくなら静止画もフルサイズのα7IVで撮りたい。そうするとフルサイズ対応で200mとか300mm級のレンズが欲しいなぁと。そう思って見回すと基本ズームでF4とかちょっと出してF2.8。動画を考えるとパワーズームも欲しいなぁとか色々要求仕様を積んでいくとあまりこれといった候補が残りませんでした。掛川花鳥園に行くことが決まって2週間くらいネットや店頭であれこれ物色し、「いやもう今回は18105でいいや!」と宣言したり、前日までもやもやしていました。

最終的に目に付いたのが135mm F1.8という単焦点の中望遠(?)。α6600時代にSIGMA 三兄弟の2つまで買い揃えた「単焦点&明るさは正義」病がぶり返してきました。このクラスで単焦点は不便すぎると思いつつも、F1.8で遠くの鳥で背景ボケ写真を撮れたら気持ち良いだろうなと想像したら、もう実用性とかは二の次でいっかな?という気になってしまいました。

135mm F1.8というスペックのフルサイズレンズはSONY純正のGMレンズとSIGMAが出しています。

GMの方が若干軽くて魅力なんですがさすがに20万超は無理。たまの動物園や花鳥園用としてはコスパ悪すぎます。ということで1kg超(1.2kg)な点は目を瞑ってSIGMAに特攻。旅行前日の閉店間際のビックカメラでゲット。最低限の初期不良チェックだけで当日に臨みました。

α7IV(SmakkRigケージ装着)にSIGMA 135mm F1.8 DG HSMを装着

いやーデケー。デカいというかフロントヘビーで真っ直ぐ構えるだけでも結構力が要ります。腕保つのかな…。フィルター径が82mmとまた過去イチ大きなサイズで当然フィルターも所有しておらずとりあえずプロテクターは後日ネットで安いものを買おうということで可変NDフィルターを購入(結局花鳥園ではあまり使いませんでした)。

上部にはフォーカスの目盛り(使わなそう)、サイドにはAM/MF切り替えスイッチと、フォーカスレンジ制限スイッチ(3段階)があります。フォーカスレンジは被写体にあわせて切り替えておくと合焦までの時間が短くなるので重宝します。

■作例: 掛川花鳥園撮れ高

JPEG撮って出しではなく、RAWをLightroom Classicで現像し、多くはトリミングしています。そういう意味では焦点距離(望遠具合)が足りてないとも言えますが、トリミングしても充分綺麗なので気にしていません。

背景のボケ方も充分綺麗かなと。人物や花も印象的。自分的には機会はないですが人物ポートレート写真とかにも良いんじゃないでしょうか。

以下は別日の撮れ高です。富士山は富士川SAから撮ったものですが、雪が綺麗に見えるもののやはり風景写真としては画角が狭くてイマイチな焦点距離ですね。一方クルマのようなものを撮るには歪みが少なく形が綺麗に見えると言われていますが、確かにハッとする写真になった気がします。

■使用感

被写体とのディスタンスがキマった時は、被写体がカリっと背景は綺麗にボケてとても満足な写真が撮れました。自分と鳥、鳥と背景にそれぞれ距離が開いてると綺麗にボケてくれます。

一方花鳥園の鳥は木の上ばかりでなく、目の前でケージに入っていたり、放し飼いで足元をウロウロしていることも多く、なおかつ休日で人が多いと迂闊にカメラ構えて後退することもままならず、やはり取り回しに不便な場面もあったのは事実です。また冬でも気温を保つため温室のような構造の建物になっているので、予備レンズも含め2kgくらいある装備を保って歩き続けるとかなり暑さを感じました。11月だけど半袖になれる格好でいけば良かった。

ちなみに装備一式はこちらのバッグに入れて肩にかけていきましたがなかなか便利でした。両手が必要な時はさっと収納できます。

さすがにトップハンドルは外していきましたが、SmallRigのケージにサイドグリップストラップをつけておいたので、出し入れや片手で持って移動する時も不安なくできた気がします。特に今回はレンズが重たかったので、手で握っているだけだとうっかり落としてしまうリスクも高まったんじゃないかと。

現地では3回くらいレンズ交換したかなと思います。インコの大群が一斉に飛ぶショットなどは広角が必要で35mmにスイッチ。それ以外は足で距離をとっていい感じに撮れたと思います。ただ現像段階でクロップした写真も多く、理想的にはもうちょっとだけ焦点距離があってもいいのかも知れません。でもまぁフルサイズでだし、後からクロップできればOKかなと。あるいはAPS-Cモードや超解像ズームを適宜切り替えて使うなり。F1.8という明るさは大きな武器なので現像や設定切り替え、足運びでどうにかなるところはそっちでどうにかすればいいかなと思っています。

いずれ水族館のような暗い環境でも活用することがあれば、明るさの恩恵はさらに感じられるかな?

大きくて重たい、しかも単焦点という点はかなりのハンデではありますが、撮れ高的には非常に満足しており、買って良かったと思います。

APS-C返り咲き?FX30ゲット(仕事用)

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買っちめぇやした。

SONYのプロ向け動画カメラFX30。Youtuber御用達のα7SIIIの動画向けカスタムモデルFX3の筐体そのままにセンサーサイズをフルサイズからAPS-Cに落としたのがこのFX30です。FX3登場時から憧れはあったものの、α7SIIIより高く50万円台(ボディのみ)で使用頻度、用途からすると完全にオーバースペックで手を出しあぐねていました。コンパクトさも重視したいので長いことRX100シリーズ(2,6,7)と使ってきて、どうしても猫を綺麗にとりたくてAPS-Cのα6600に行き、そこからズブズブと沼にハマってα7c→α7IVとフルサイズに手を出してきたという経緯があります(途中ZV-E10なども一瞬所有してました)。いらないと思っていた軍艦ファインダーも調節力弱ってきた目には割と重宝するなという気付きもありつつ、ただまぁやっぱりフルサイズはレンズも含めてデカい。トップハンドルやグリップストラップつけるためにケージもつけてるせいもありますが、、

またα7IVは熱耐性にも不安があり、UT業務(三脚で60~90分録りっぱなし)に使うという大義名分も立ちにくいなという感じ。結局仕事では業務用ビデオカメラであるHXR-NX80をメインに使っていました。

そんな中、噂が気になっていたFX3のエントリーモデルFX30が本当に発表されてきました。一回り小さくなる、などということもなく全く共通の筐体でセンサーだけAPS-Cになってきました。画素数だけでいえば1,200万画素→2,010万画素にアップしています。もちろんセンサーサイズが小さいので感度は落ちますが、小型センサー化なので手ぶれ補正も多少良くなるっぽい。4:2:2 10bitや120fpsなど録画フォーマットもFX3同等、もちろん熱対策の冷却ファンも搭載。最近の現場ではDJI MicやWireless Go2などのワイヤレスマイクで音声収録することがほとんどですが、やはりXLR入力があるのは心強い。つまるところ長時間安定して撮影できるなら仕事用のNX80の置き換えできるんじゃないかと。生産完了になったせいか意外とNX80が高く売れそうだということもあり特攻してみることにしました。

■XLRハンドルユニットのバンドル有無を選べる?

FX3ではセットのみだった脱着型のXLRハンドルユニットですが、FX30では同梱版(ILME-FX30)と別売り版(ILME-FX30B)選べます。XLRがあることで業務用途が広がるといいつつも5万円くらい違うので正直迷いました。コロナ禍になってから(マスクやアクリルパーティションや換気の関係で)話者の口元にワイヤレスマイクをつけた方が明瞭に録れるのでXLRマイクはほぼ使ってなかったんですよね。そこケチってレンズにまわした方がいいかなとか。後で必要になった時に買えればいいんですが現時点では単体売りはなく(購入後に来年発売予定があるらしいと知った)。結局セットの方がリセールバリューも高いかもという期待も込めてセットで購入。

ただこれも買ってから知ったんですが、XLR x2とステレオ3.5mm入力で計4ch独立でFX30に録音できることに気付き、後編集でバランス取りたい派としては結果オーライだったかなと。まだ箱から出してもないですが、、

欲を言えばハンドルとXLRユニットが分離合体できれば良かったなと。個人的にはトップハンドルは割と常用したい派なので。結局トップハンドルを別につけたくて後述のケージも注文してしまいました。アクセサリーシューにつけるタイプはちょっと強度的に恐い…

■レンズにSEL11F18を購入

フルサイズのα7cやα7IVを導入してからレンズもフルサイズを少しずつ揃えてきましたが、手元に残っていたAPS-Cレンズとして、純正18-105F4(換算27-158mm)と

SIGMAの16mm F1.4(換算25mm)がありました。

ZV-E10を仕事でUTに使った時は前者を70mm位で使った気がするので前者は保持。パワーズームなのでFX30のレバーが活きますし。気になったのが16mmF1.4。写真画質に定評がありコスパが非常に高いロングセラーレンズですが、

  • デカい
  • デザインがいまいち
  • 最低撮影距離が25cmと長め

という辺りが不満です。こっちを刷新したいなと。

FX30は動画用になるので、パワーズームで18-105mmと相互補完関係になりそうな10-20mm F4(換算15mm-30mm)がまず候補になりました。

本体と同時購入キャンペーンで1万円引きもあったんですが、結局XLRハンドル付きを買ったこともあり予算的にも厳しいなと、結局その日は本体だけ購入。

しかし翌日早速試し撮りと、35mmF1.8(換算53mm)をつけてトレッサ横浜というトヨタ車の展示場のようなところに新型クラウン(クロスオーバー)を録りにもっていったところ、全然画角が足りない。室内展示場なので距離を取れずにあまりよい取れ高になりませんでした。明るさ優先でレンズを選んでいったので完全に選択ミスなんですが、心理的には「ものすごい広角が欲しい」という気持ちが高まりまくり。

そこで、画角が広く、明るく、お値段も春頃出たAPS-C三兄弟の中ではもっとも安価な11mm F1.8(換算17mm)をチョイス。

SIGMA 16mmが405gから181gへと軽量化を果たせました。小型でデザインもSONY-SONYしていてFX30ともマッチングもGood。画角は広がり、明るさはちょい落ちです。動画用と考えると妥当なのかなと。

近日中にトレッサでリベンジしたいと思います。

■ケージは初めてのSmallRig外の製品をチョイス

完全にUT専用で三脚載せ想定ならトップハンドルやケージの必要性はさほど高くないし、機材ケースに入れて持ち歩くにはない方が良いんですが、やはり持ち歩いて使う時にはトップハンドルやグリップストラップ欲しいなということで、買っておくことに。

FX30はFX3用のケージがそのまま使えるので発売直後でもそこそこ選択肢がありました。真っ先に調べたのはα7cでもα7IVでも使っていたSmallRig。

フルケージとハーフケージが出ていますが、残念ながらグリップ側にグリップストラップをつけることができなそうでした。下側にループがないんじゃないかと。またXLRハンドルと排他になるのも微妙。

で見つけたのがTILTA製のケージTA-T13-FCC。

組み替えでフルにもハーフにもなる上、XLRハンドル部分も付け外ししてハンドルを取り付けることも可能と非常に汎用性が高いっぽい。そしてカラーがブラックとタクティカルグレーがあり、後者がカッコイイ。公式サイトだとTA-T13-FCCがタクティカルグレー、TA-T13-FCC-Bがブラックっぽいんですが、上記リンクではTA-T13-FCCなのにブラックと書いてあるので危険。ということで結局アリエクで注文して到着待ちです。別売りでHDMIケーブルクランプもあったのでそれも注文してます(国内通販では見つからず)。無事届いたら写真のっけようと思います(アリエククオリティでしれっとブラックが届く、もしくは届かない可能性…)。

FX3/30のトップのネジ穴を活用した専用ハンドルがあればそれも最低装備用に欲しいところです。

■ファーストインプレ

まずビルドクオリティというか質感はとても良いです。ミラーレスカメラというと黒一択。α7cでもシルバーとのツートンという感じですが、FX3/30はメタリックなグレー。ガンメタと言っていいのかな?とくかくガジェット感は高いです。軍艦部もなく上面がスッキリしていて「こうでなくっちゃ」感。

横からみると割と厚みというか奥行きがあって、その差の部分に放熱口がしっかりついてるというデザイン。三脚ネジ穴がトップやサイドにもついていて、マイクや外部レコーダーなどをつけてリグを組む拡張性が広がります。どうせならUSB SSD収録できれば良かったのに。

GUIはα7IVやSIIIと同じBIONZ XR世代の左サイドバーにタブが並んでカラフルに色分けされているヤツでレスポンスも上々。一方ハードスイッチは動画用に最適化されていてα7IVとかなり勝手が違います。電源スイッチの場所がズームレバーになったり、モード切り替えも作法も全然違います。7IVとFXを行き来すると結構混乱しそう。カスタムボタンの位置や数も違うので似せようにも限界があります。上手く使い分けていけるか、もうFX30メインでいいやとなるか、はたまた2台とも売ってFX30のインターフェイスでフルサイズなFX3に乗り換えるかなど、今後は不透明。動画にはAPS-Cのコンパクトさや手ぶれ補正の強さのメリットが大きいですが、やっぱりどこか映えるところにいったら写真も撮りたい、となる。じゃぁ2台持ってけるかというと現実的じゃない。FX3 1台でレンズだけ使い分けるのもありっちゃありでしょうねぇ。FX3をSuper35mmで使った時と手ぶれ補正の効きはどっちが良いんでしょうね。

写真機として見た時はやはり連写ができないのがネックになります。猫写真を撮る時なんかは連写しまくって後でこれ!っていう一コマをチョイスということが多く、それができないFX30はやはり写真兼用とするには厳しいかなと。ただ秒何コマといった連写ができないだけで、シャッターボタンを高橋名人のように連打する分には遅延なく撮れてる印象です。1枚撮ったら少し待たされて、みたいな昔のSIGMAのFoveonカメラみたいなことはないです。

また撮影面で今までの大きく違うのはデュアルベースISOというノイズが少ないネイティブなISOが2箇所あるという点。具体的にはISO800と2500。普通はISO感度が高く(数字が大きく)なるほど感度が上がって暗いところを明るく写せますがノイズが増えてしまいます。一方このデュアルベースISOだとノイズが少ない基準ISOがこの2箇所で、他よりも低ノイズ美味しい感度ということになります。α7SIII/FX30も事実上は低感度設定が2箇所あるということはユーザ解析でわかっていましたがメーカーとしては公言していなかったようです。FX30ではついに公式で謳い、それを活用するために、ISO800か2500に固定して使うCine EIと、800か2500のどちらか適した方を自動で切り替えるCine EI Quickというモードも搭載しています(Log撮影時)。一番オイシイところを活用するという意味でヨサゲですがまだちょっと使い勝手が掴めてません。Logモード必須になってしまうので、露出補正の考え方というか感覚がだいぶ違ってきてしまうせいでしょうか。なんだか思うように調整ができない感じ。当面はLogにせず10bitで録っておけば編集耐性という意味ではいいのかなという感覚でいます。XAVC HS 4K(H.265)で録れば圧縮率も高いのかなと。

■まとめ

  • 軍艦がなくスッキリコンパクト
  • 冷却ファンで長時間安定動作
  • HDMI出力端子はフルサイズのD型
  • デュアルメモリカードスロット
  • XLR入力付きハンドルユニット
  • 上位モデル譲りの多彩、高画質な録画フォーマット
  • 上位モデルより強力な(?)手ぶれ補正

と業務にも趣味動画にも使える高コスパ機種だなと感じています。長時間耐久テストをした後、早速仕事でも活用していきたいと思います。

2022.11.1追記 実務で使ってみました

1時間のUT調査を7本ほど回してみました。室内、録画なし、HDMI出力のみ、ディスプレイ開です。全く問題なく使えました。録画すらしてなきゃ当たり前やろ、と言われそうですが、以前ZV-E10はこれで落ちていたので、、(ただ当時ディスプレイは畳んでいました)。ドリキンさんのライブ配信とかでも7SIIIだったかでHDMI出力させてると何故か落ちる、みたいな回があったので、SONY機のHDMI出力って割と熱持つんじゃないかと思っています内蔵ディスプレイと別の映像(情報表示なし)を並行して作ってるからでしょうか?ともあれ私の用途的には問題なく使えそうでひと安心です。NX80から完全移行できそう。